kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ポイントは自動車業界

2011-11-21 09:09:37 | 日記
自動車業界は裾野の広い業界です。鉄鋼や非鉄金属、化学、ガラス、ゴム
これに半導体など分野は多岐に渡っています。ですから自動車業界の不振
は多くの企業決算に暗い影を落としています。日本の製造業を牽引している
のは電機業界と自動車業界です。両業界は裾野広い産業ですから関連産業
に与える影響はかなり大きなものです。

また電機業界の主力製品の液晶テレビ、昨年まで右肩上がりの成長を続け
ていました。その中核部材である液晶パネル、日本の多くの素材企業が手掛
けしかも世界的に大きなシェアを持っています。ここ数年は利益率もよく各社
の収益を支えていました。それが急激なパネル価格下落と需要伸び悩みで今
期の各社の収益低迷を招いています。家電業界の主力商品である液晶テレビ
の失速が世界的に強みを持っていた化学やガラス業界などの液晶部材企業の
業績を直撃した格好です。

もうひとつはタイ洪水被害で多くに日系自動車メーカーが操業を停止する
事態になったことです。昨年日系自動車メーカーはタイで165万台の
生産をしていました。洪水でサプライチェーンの寸断が起こり多くの部品
を必要とする自動車メーカーの操業が停止しました。自動車各社の業績が
低迷している原因は円高が一番でしょうが、今回の洪水によるタイでの生
産停止の影響は下期に大増産を計画していた自動車業界にとっては想定外
の事態だったのです。

その意味では日系組み立てメーカーではホンダを除いた4社が何とか操業
を再開するという最近のニュースは明るい兆しです。今後は再開後どのく
らい早い時期にフル操業に移行できるか、また年明けにどのくらい生産を
挽回できるかが焦点でしょうか。当初のV字回復のシナリオは見込めなく
なりましたが復旧の成り行き次第で部品企業も含めて過度な不安後退の可
能性は出てきます。

一方家電各社の収益低迷は円高やタイの洪水被害もありますが、それ以上
に構造的なものであることがはっきりしました。再び成長路線に乗せるに
は今しばらく時間がかかるでしょう。それまではまだ国際競争力のる自動
車業界に頑張って貰わなければなりません。利益成長がなければ株式市場
の回復は期待できません。自動車業界の立ち直りが急がれます。
コメント
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