kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日本企業復活への道

2011-11-20 09:22:45 | 日記
東京市場が年初来安値圏で低迷しています。10月初旬の安値からNY
市場は下げたとは言えまだ1000ドル上に位置にいます。震源地の欧州
市場でも10月安値から7%~15%近く上昇しています。影響が比較的少
ないはずの日本だけが18日に年初来安値を更新しました。やはり背景に
あるのは企業業績でしょう。

欧州市場の企業のPERが10倍前後、NY市場は12倍前後東京市場
は年初来安値更新でも14倍台半ばです。これでは世界の投資マネーが
東京市場から出ていくのは仕方ありません。おまけにオリンパス問題か
ら企業統治のあり方に不安があってはなおさらです。またタイ洪水での
被害の全容はまだ完全に判明した訳ではありません。トヨタやホンダが
通期見通しをタイ洪水被害もあり見送ったことも影響しています。

また市場関係者がよく口にするPBR1倍割れは売られ過ぎという見方も
個々の企業では市況産業だけでなく比較的景気の変動の少ない企業に
も1倍割れが恒常化している状況を考えるとどこまで説得力があるのか
いささか疑問です。市場では過去の利益の蓄積ではなく現在キャッシュを
稼ぐ力があるのかないのかそれが判断基準になっています。

円高が企業業績の足を引っ張っているなら日本から価格競争力のない製
品の輸出は止めるしかありません。来年も米国経済の低成長が続き失業
率が高止まりしている状況が変わらないのであれば米国の金融緩和も続
くでしょうし日本の経常収支が赤字に転じる可能性も当面なさそうです。

この状況に変化がなければ80円台という円安トレンドは望めません。
ならば日本の主要企業が生き残っていく道は円高の影響を受けない海外
生産の拡大しか方法はありません。図らずも今回のタイの洪水ではたくさん
の日本企業が現地生産を拡大していることが明らかになりました。

海外生産は自然災害だけでなく様々なリスクもあるでしょうが、この道は
後戻りできません。今後もタイだけではなくASEAN諸国が重要な生産基
地としての位置づけは変わらないでしょう。そうしなければこの円高下で
日本企業は生き残っていけません。日本企業の生きる道はASEAN諸国と
の結びつきを強めることです。

今日の経済紙によると南欧諸国の財政危機が東欧諸国まで波及してきま
した。南欧諸国の金融機関からの融資が多い東欧諸国ではユーロ圏の銀
行の自己資本比率の9%への引き上げで融資の回収が懸念されています。
ユーロ圏の銀行は来年6月までに自己資本比率を引き上げるためには増
資か資産の圧縮をするかの対策が必要です。資本市場からの調達が難し
く公的資金に頼りたくない銀行は資産圧縮を積極化するかもしれず不安は
つきません。今週も外部情勢に振り回される展開は続きそうです。

コメント
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