16日の東京市場は1万6054円(31円高)と二日連続で上昇しました。前日の大幅
高の反動で寄り付きに直後は下げ幅が一時200円を超える場面もありましたが
その後為替相場が円安に振れたこともあり午後には上げ幅が300円を超える場
面もありましたが引けにかけて急速に上げ幅を縮めました。15日の1000円高で
ひとまず泥沼の下落局面からは抜け出せましたが外部環境を考えると安心は
出来ないというのが市場の答えのようです。
指数に影響の大きなソフトバンクの大幅上昇という特殊要因が無ければ果たし
て日経平均は前日比変わらずだったかもしれません。ソフトバンクは15日今後
1年間で5000億円を上限に自社株買いをすると発表しました。金額の大きさと
絶妙のタイミング(株価が年初来安値圏にあったこと)で市場の反発の流れに
上手く乗れたことが大幅高の背景です。
利益は株主還元よりも成長投資に充てるというこれまでの経営方針を転換して
まで巨額な自社株買いに踏み切らせたのは先週末の株価が2013年の高値から
55%ほど下落したことが大きかったようです。堅調な株価で推移するライバル2社
も自社株買いを発表しこのままだと益々その差が広がるとの危機感もあったでし
ょう。
経営者の中ではひと際時価総額を気にする孫社長は年初からの自社の株価
下落が加速したことを内心苦々しく思っていたことでしょう。昨年8月に1200億
円の自社株買いを発表した時もその理由について自社株買いがもっともリター
ンが高いと発言していました。また後継者と目されるアローラ氏が600億円分の
ソフトバンク株取得を表明した時から4割近く下落していたこともありとにかく株
安に歯止めをかけたかったというのが本音でしょうか。
もっとも市場がソフトバンクに本当に期待しているのは成長です。これまでも今
後も成長投資優先で成長をして欲しいというのが本心でしょう。株主は成長期
待が強かったから雀の涙ほどの配当でも寛大でした。しかし孫社長の手腕をも
ってしてもスプリン再建は苦戦しているのが現状です。ソフトバンクの本格的な
株価上昇は結局はスプリント再建が鍵を握っているようです。
日本株の失速の原因は様々指摘されていますが本筋は企業業績の急激な悪
化です。全産業で今期は二桁増益期待も強かったのですが最終的には2%程
度の小幅な増益で落ち着きそうです。もっとも市場の関心は既に来期業績に移
っています。円安効果が剥げ落ち海外景気停滞から輸出の伸びも期待できず
インバウンド消費も以前ほどのかさ上げ効果は期待しにくくなりそうです。今期
は値上げやヒット商品の出た食品各社も来期の業績鈍化は避けられないかも
しれません。
エネルギー・素材企業は来期には回復するという見方もありますが世界経済の
回復の鈍さから利益は低水準に止まるとの見方もあります。自社株買いは目先
の需給面や先行きの資本効率改善が期待され相場が壊れ買い手不在の現在
の市場では有効な対策です。しかし株価の本格回復には企業業績が握ってい
ます。下値不安後退と本格回復とは分けて考えるべきです。
高の反動で寄り付きに直後は下げ幅が一時200円を超える場面もありましたが
その後為替相場が円安に振れたこともあり午後には上げ幅が300円を超える場
面もありましたが引けにかけて急速に上げ幅を縮めました。15日の1000円高で
ひとまず泥沼の下落局面からは抜け出せましたが外部環境を考えると安心は
出来ないというのが市場の答えのようです。
指数に影響の大きなソフトバンクの大幅上昇という特殊要因が無ければ果たし
て日経平均は前日比変わらずだったかもしれません。ソフトバンクは15日今後
1年間で5000億円を上限に自社株買いをすると発表しました。金額の大きさと
絶妙のタイミング(株価が年初来安値圏にあったこと)で市場の反発の流れに
上手く乗れたことが大幅高の背景です。
利益は株主還元よりも成長投資に充てるというこれまでの経営方針を転換して
まで巨額な自社株買いに踏み切らせたのは先週末の株価が2013年の高値から
55%ほど下落したことが大きかったようです。堅調な株価で推移するライバル2社
も自社株買いを発表しこのままだと益々その差が広がるとの危機感もあったでし
ょう。
経営者の中ではひと際時価総額を気にする孫社長は年初からの自社の株価
下落が加速したことを内心苦々しく思っていたことでしょう。昨年8月に1200億
円の自社株買いを発表した時もその理由について自社株買いがもっともリター
ンが高いと発言していました。また後継者と目されるアローラ氏が600億円分の
ソフトバンク株取得を表明した時から4割近く下落していたこともありとにかく株
安に歯止めをかけたかったというのが本音でしょうか。
もっとも市場がソフトバンクに本当に期待しているのは成長です。これまでも今
後も成長投資優先で成長をして欲しいというのが本心でしょう。株主は成長期
待が強かったから雀の涙ほどの配当でも寛大でした。しかし孫社長の手腕をも
ってしてもスプリン再建は苦戦しているのが現状です。ソフトバンクの本格的な
株価上昇は結局はスプリント再建が鍵を握っているようです。
日本株の失速の原因は様々指摘されていますが本筋は企業業績の急激な悪
化です。全産業で今期は二桁増益期待も強かったのですが最終的には2%程
度の小幅な増益で落ち着きそうです。もっとも市場の関心は既に来期業績に移
っています。円安効果が剥げ落ち海外景気停滞から輸出の伸びも期待できず
インバウンド消費も以前ほどのかさ上げ効果は期待しにくくなりそうです。今期
は値上げやヒット商品の出た食品各社も来期の業績鈍化は避けられないかも
しれません。
エネルギー・素材企業は来期には回復するという見方もありますが世界経済の
回復の鈍さから利益は低水準に止まるとの見方もあります。自社株買いは目先
の需給面や先行きの資本効率改善が期待され相場が壊れ買い手不在の現在
の市場では有効な対策です。しかし株価の本格回復には企業業績が握ってい
ます。下値不安後退と本格回復とは分けて考えるべきです。