kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ホンダの憂鬱

2014-10-28 05:30:17 | 日記
ホンダの株価が冴えない展開を続けています。17日には3251円の年初来安値を
記録しました。その後も戻りは鈍く27日も3330.5円(8.5円高)と上昇はしましたが
低空飛行を続けています。他の自動車銘柄や日経平均に比べても今年の高値か
らの下落率は際立っています。

株価不振の背景にはいくつかの誤算がありました。まずホンダの一番の量販車
であるフィットが昨年のフルモデルチェンジ以来都合4回のリコールに追い込ま
れ販売の現場で混乱が広がったことや相次ぐリコール問題を受け品質チェックを
徹底するために新車販売スケジュールが遅れ販売に影響が出ているようです。
また軽自動車市場はかつての2強(スズキ、ダイハツ)からホンダの躍進や日産
三菱連合の巻き返しで競争がこのところ激しくなっています。すでに国内販売の
4割に達した軽自動車比率は頭打ちとの指摘もあります。市場の拡大に陰りが
出ている状況で競争の激化は必至です。

またホンダは今期国内販売100万台という強気の見通しを打ち出しましたが上期
は消費税引き上げの反動減が長引き実績は40万台にも満たない販売台数にな
ったようです。もともと自動車各社の今期販売計画は駆け込み需要の反動を考慮
して前年比微減の販売計画を立てていました。ホンダだけは二桁増という強気の
計画を打ち出しました。おそらくここ数年躍進の続いた軽自動車や新型フィットの
販売底上げ期待が強気の背景だったのでしょうが、軽自動車分野での競争激化
もありホンダの強気の販売計画も早晩下方修正を迫られそうです。

ホンダはメキシコ工場稼働により国内からの輸出を減らしたため今や輸出比率は
3%まで低下したようです。現地生産を増強して日本からの輸出を減らし為替変動
に左右されにくい収益構造に転換する。減った輸出分を国内販売の底上げでカ
バーするという計画でしたが現状では大きく狂いました。工場稼働率が低下する
ことで固定費負担が増えホンダの国内事業は大幅な悪化が懸念されます。

円安メリットも享受できずどうしても他の企業よりも見劣りしてしまうようです。それ
に加えてホンダはタカタ製のエアバック問題で米国市場でもっとも多いリコール台
数だとの報道もありホンダ株に対する逆風は強まるばかりです。自動車銘柄で
ホンダを敢えて買うだけの理由が現在見当たらない状況です。

ホンダが決算発表で上期および通期の販売動向やどのような業績見通しを出し
てくるか注目です。その決算発表は28日に予定されています。株価の絶対水準
は安値圏です大手3社の株価水準から比べても出遅れは明らかです。決算発表
をきっかけにアク抜けで反発することもあるかもしれません。もっとも業績の低迷
が続くようらたとえ反発しても当面持続的な上昇は期待できないかもしれません。
市場の懸念を払しょく出来るだけの内容になるのかどうか見守りたいと思います。
コメント
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