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安倍晋三VS日刊ゲンダイ 第5回

2023年11月13日 | ブログ
モリ・カケ・桜

 この3点セットほど安倍政権が歴史に残す汚点を、国民の隅々にまで知らしめた事件もないだろう。憲法を無視した「安保法制」も日米地位協定の話も、国会軽視も庶民には十分伝わっていないか、その悪さ加減がよくわからない。中でも「安保法制」は、中共の軍事強国化と尖閣周辺への領海侵犯などが日常的にある現実。米国がオバマ政権以降急速に内向きとなっていることからして、いざというときに日米安保は十分に機能するのか。という不安さえ国民に与えるようになっており、相応の負担増は致し方ないと見る向きも多いと感じる。

 私が安倍政権に批判的だったのは、その中共や日本の財界に阿って、中共対策を全く行わず、ここまで太らせてしまったこと。ドイツのメルケルも米国のクリントンも同罪ではあるが、安倍氏は幹事長に二階氏を起用し、自身政権の延命さえ図った。北海道の原野を中共資本が買い漁っているとの情報があってもどこ吹く風。コロナ初期に、中国人入国制限に躊躇した。ところが政権から降りた途端に、先の総裁選では高市氏を推し、矢面に女性を立てて裏から操縦しようとする魂胆が見え見え。その後も「台湾有事は日本有事」と吹聴する。

 ただ、この「モリ・カケ・桜」と聞けば、ほとんどの方が頷くであろう。それでも政権は揺らがなかった。権益を共有し享受したであろう仲間の議員が、この程度の総理の方が扱いやすいし、実入りが良いと踏んで支持し続けたのだろう。

 ただ、中で「カケ」問題は分かり難い。そこは本書に解説を願う。『「カケ」は加計学園問題。国家戦略特区制度で17年1月に新設が認められた加計学園グループの岡山理科大学の獣医学部をめぐって、特別な便宜が図られたのではないか、という疑惑だ。加計学園の加計孝太郎理事長は安倍氏が「30年来の友人」「腹心の友」と呼ぶ人物だった。・・・

 獣医学部の新設が悲願だった加計学園は、小泉純一郎政権が始めた構造改革特区に15回も申請したが、ことごとく却下されてきた。ところが腹心の友である安倍首相が政権に就くと、新設が認められ、しかも37億円相当の公有地が無償で提供される。獣医学部が新設されるのは、52年ぶりのことだった。

 文部科学省からは「総理のご意向」と書かれた文書が見つかっている。当時、文科事務次官だった前川喜平氏は、安倍官邸の和泉首相補佐官が「キーパーソン」だとしたうえで、「総理は自分の口から言えないから自分が言う」と獣医学部新設で対応を促されたと重ねて証言した。・・・

 その後、前川氏は「出会い系バーに出入り」というスキャンダル記事を読売新聞に書かれた。安倍政権の「意に沿わぬ者に対しては手段を選ばない」恐ろしさとえげつなさが露わになった形だったが、・・・

 安倍氏自身は「安倍晋三 回顧録」で加計学園問題について、「(加計氏が)親友ならば、獣医学部の話もしているのではないかと誰もが疑います」との問いに、次のように答えている。<加計さんは、迷惑になると思って私に話さなかったのかも知れませんね。実際には何の話も出ていなかったのですが、もし頼まれていたら、もっと早く獣医学部ができていたと言えるかも知れませんよ>』次稿に続く。

本稿『 』内は、小塚かおる氏「安倍晋三VS.日刊ゲンダイ」2023年10月刊からの引用です。





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