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安倍晋三VS日刊ゲンダイ 第4回

2023年11月10日 | ブログ
安倍政権の国会軽視

 『第二次安倍政権になってからの6年を振り返れば、この政権に、果たしてマトモな国会運営が一度としてあっただろうか。これほど強行採決をした量産した政権があっただろうか。・・・』以下に、日刊ゲンダイ(本書)が指摘する安倍政権の強行採決事例を列記する。ほとんどが一般庶民には分かり難い、なぜそれがいけない法案なのかが、わかり難い案件のようである。いずれにしても、強行採決の乱発は問題である。

 2013年、「社会保障プログラム法」これは民主党政権時、3党合意で決まったはずが、自公政権に交代すると一転、社会保障を削減した。同年「特定秘密保護法」も強行採決。

 15年、「改正派遣法」労働法案の強行採決は、国会史上初の暴挙と言われた。この年、平和憲法破壊の「安保法」。かってないほど大勢の国民が国会前に連日集結して反対したが、安倍政権は容赦なく強行採決。

 16年、農業や医療などの崩壊を招く「TPP関連法」を強行。この頃には、審議が始まる前から大臣や与党議員が強行採決の可能性を公然と口にするほど、強行採決は“当たり前”の風景となってしまった。この年は、「年金カット法」も強行成立。

 17年、「改正介護保険法」、「共謀罪」。安倍政権は共謀罪を成立させるにあたって、委員会採決を省略する「中間報告」という奇策にまで手を付けた。

 以降、別名・過労死促進法と猛批判された「働き方改革法」に始まり、「カジノ実施法」「参院定数6増法」。臨時国会では移民法を含む3法案。

 『2012年、「TPP断固反対!」を掲げて政権に返り咲いたのに、TPP(環太平洋経済連携協定)に前のめりになった安倍は「TPP断固反対と言ったことは1度もございません」と言い切った。要するに、安倍政権というのは、嘘から始まった政権なのである。』
 
 『国会を軽視する安倍政権が、与野党で対立することが確実な重要法案を提出しなければならなくなった時に多用したのが、「束ね法案」という手法だ。いくつもの関連法案を1本に束ねて一括法案として提出するもので、その割合が提出法案全体の3割を超えるまでに激増した。・・・

 とどのつまり、安倍氏は「民主主義」をはき違えていた。「どこかの段階で決めるべき時は決めていく。これが民主主義の原則だ」国会答弁で幾度となくこうした見解を示しながら、強行採決を乱発した。しかし、本来、民主主義は単なる多数決の論理ではない。多数決は、最終的な結論を出す時のやむを得ない最終手段であって、民主主義の本質は議論することだ。だから少数意見にも耳を傾ける。少数意見も尊重される。議論を重ねていく中で、多数の意見が少数意見によって修正されることもある。少数意見が取り入れなくとも、熟議の末の多数決ならば少数派も納得する。ところが、安倍氏はできる限り国会を開かず、・・・異なる意見には耳を塞ぎ、「数の力」さえあれば何でもねじ伏せられる、という驕り高ぶった態度が目に余った。それは政権の長期化と比例するようにエスカレートしていった。』

 なぜこのような政権が誕生したのか。その根本原因は、「末は博士か大臣か」が死語になったこと。本当に秀でた人物が政治家を目指さなくなって久しいのだ。

本稿『 』内は、小塚かおる氏「安倍晋三VS.日刊ゲンダイ」2023年10月刊からの引用です。





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