2010年 ことしの一冊たち 上半期

例年通り、ことし読んだ本、書いた記事についてまとめたい。

1月

「盗まれた美女」(ジョナサン・ラティマー 新樹社新社 1950)
この本は、訳文が古めかしくて面白かった。ストーリーももちろん面白く、このあと同じ作者の「処刑6日前」(東京創元社 1981)を手に入れたのだけれど、例によってまだ読んでいない。

月刊「たくさんのふしぎ」2010年2月号についてのメモ
これは、月刊「たくさんのふしぎ」2010年2月号『おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり』に、喫煙シーンが頻繁にえがかれていると指摘がなされたことについてのメモ。
この作品は、修整がほどこされ、「カラクリ江戸あんない」(太田大輔 福音館書店 2010)として、最近出版された。おじいちゃんはもうタバコをやめたようだ。

「年刊推理小説・ベスト20 1962年版」(荒地出版社 1961)
いま記事を読み直してみたら、「安全殺人」(ケネス・ムーア)のオチがまるで思い出せない。うーん、気になる。

「馬鹿★テキサス」(ベン・レーダー 早川書房 2004)
思うに、面白い作品よりも、面白くなりそうでならない作品のほうが、なにかいいたくなるものかもしれない。最近読んだ本では「暗黒太陽の浮気娘」(シャリーン・マクラム 早川書房 1989)がそうだった。タイトルは素晴らしいんだけどなあ。

「人文会ニュース 2009年5月号」(通巻105 人文会 2009)
20の出版社から成る「人文会」というあつまりがあって、この冊子は「人文会創立40周年記念東京合同研修会」についてまとめられた特集号。出版流通に興味のあるひとは読むと面白いのではないかと思う。


2月

「人文会ニュース 2009年5月号」〈承前〉
現在、こういう話し合いをしたら、電子書籍の話ばっかりになるかも。

母と子の20分間読書
椋鳩十さんが鹿児島県立図書館の館長をつとめたとは知らなかった。

「ヘンリー・ソローの日々」(ウォルター・ハーディング 日本経済評論社 2005)
ことしはなぜだかソロー・ブームがやってきた。そのきっかけはこの本。最近「アメリカ・ルネッサンスの作家たち」(酒本雅之 岩波新書 1977)を読んでいたら、巻末の参考文献にこの本が載っていた。参考文献に挙げられている本をあらかじめ読んでいると、なんだか得意な気分になる。そうだ、「大理石の牧神 上下」(ホーソン 国書刊行会 1984)も手元にあるんだった。読まないと。

「アップルビィの事件簿」(マイケル・イネス 勉誠社 1996)
訳は森一。追記に記したけど、あとで深町眞理子訳をみてみたら、森さんの指摘どおりに訳されていて驚いた。


3月

「ルコック探偵」(E・ガボリオ 旺文社 1979)
面白かったなあ。

雑誌「外交フォーラム」とか
政権交代の影響がこんなところにと思いメモ。9月に外務省は「外交」という雑誌を発行した。編集は「外交」編集委員会。企画・製作・発売は時事通信社。これで仕分けをした意味はあるのだろうか。

ディキンスンとかソローとか
これは、エミリ・ディキンスンとソローについての記事。エミリはソローと似たようなことをしたのではないかという、「対訳 デイキンソン詩集」の指摘に感銘を受けて書いた。なんだか自由研究でもしているような気分になった。

「だから人は本を読む」(福原義春 東洋経済新聞社 2009)
出版社、編集者、書店、図書館などについての問題点を指摘しているところが面白くてメモ。多くのひとが妥当と思う意見はこのあたりだろうか。

「ドイツ幻想小説傑作選」(今泉文子/編訳 筑摩書房 2010)
ドイツ・ロマン派はなんとなく気になる。このあと、「七つの伝説」(ケラー 岩波文庫)を読んだら、これがとても面白くて、ケラーが好きになった。メモをとろうと思っていたんだけどなあ。

「一枚の絵から」〈日本編・海外編〉
これも面白かった。著者の、描写力、論理力の粘り強さには感銘を受けた。それでいて、楽しそうに書かれているのだからスゴイ。


4月

最近読んだ本
「事実と創作」(桑原武夫 講談社 1978)を読んで、「通俗三国志」を手に入れ、夢中で読みはじめた。が、孔明がでてきてからつまらなくなってしまい、現在ストップ中。孔明のすることはなんでも成功するからなあ。

ケンリック3冊
トニー・ケンリックの本を3冊とりあげた。
 ・「俺たちには今日がある」(トニー・ケンリック 角川文庫 1985)
 ・「三人のイカれる男」(トニー・ケンリック 角川文庫 1987)
 ・「バーニーよ銃をとれ」(トニー・ケンリック 角川文庫 1982)
このあと、「殺人はリビエラで」(角川文庫 1976)を読んだ。2人組のコメディアンが殺人に巻きこまれるというストーリー。ケンリック作品のなかではちょっと落ちる。えーと、ケンリック作品で、あと読んでないのはなんだろう。

ロバート・ブロック3冊
 ・「トワイライトゾーン」(安達昭雄/訳 角川文庫 1983)
 ・「楽しい悪夢」(仁賀克雄/編 早川文庫 1975)
 ・「血は冷たく流れる」(小笠原豊樹/訳 早川書房 1976)
せっかくこうしてメモまでとったのに、オチをおぼえていないのが情けない。「ブロックはオチの作家だ」なんて書いているくせに。

「賞をとった子どもの本」(ルース・アレン/著 こだまともこ/監訳 熊谷淳子/訳 本間裕子/訳 玉川大学出版部 2009)
何度もいうけれど、素晴らしい本だ。


5月

「天来の美酒/消えちゃった」(コッパード 光文社 2009)
コッパードは楽しい。もっと紹介されないかなあ。

翻訳味くらべ「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(まとめ)
訳文をくらべる「翻訳味くらべ」の記事。

「ブックオフという妖怪が徘徊している」
雑誌「新潮45」(2010年1月号)に載った記事についてのメモ。ブックオフでみかけた転売目的で本を買いこむひとのことを「セドラー」というのだと、あとで知った。一度、店内にセドラーのひとたちしかいないことがあって、これには驚いた。

翻訳味くらべ「シャーロットのおくりもの」
翻訳味くらべ「シャーロットのおくりもの」(承前)
「シャーロットのおくりもの」の訳文にかんする記事。それにしても、しだ子といのきちにはびっくりしたなあ。


6月

「マイホーム」(カリ・ホタカイネン 新評論 2004)
これはフィンランドの小説。面白かった。できればもっと、いろんな国の小説が読みたいという気持ちがある。誇大妄想だけれど。

「びんの悪魔」(R・L・スティーブンソン 福音館書店 2010)
スティーブンソンの短篇が1冊の児童書になった。それについての記事。

「虹をつかむ男」(サーバー 早川書房 1962)
「空中ブランコに乗る中年男」(講談社文庫 1987)についてもメモをとった。

ヴォネガット、ヘルボーイ、オーパ!直接原稿版
 ・「デッドアイ・ディック」(カート・ヴォネガット 早川書房 1984)
 ・「小森陽一、ニホン語に出会う」(小森陽一 大修館書店 2000)
 ・「ヘルボーイ:百鬼夜行」(マイク・ミニョーラ ジャイブ 2010)
 ・「ヘルボーイ:闇が呼ぶ」(ジャイブ 2008)
 ・「オーパ! 直筆原稿版」(開高健 集英社 2010)
けっきょく「夏の闇」の直筆原稿版は買わなかった。「新しい天体」の直筆原稿版がでたら欲しいけれど、まずないだろうなあ。



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