短編を読む その26

「おい、しゃべらない気か!」(デイモン・ラニアン)
「ディナーで殺人を 上」(東京創元社 1998)

殺人事件好きの劇評家が、ある殺人現場にいたオウムを手に入れ、なにかしゃべらないかと見張ることにする。どこにでも連れていくので周りは閉口し、つきあっていた女性は、元の彼氏のところに逆もどり。劇評家からオウムの見張りを頼まれた〈おれ〉は、うっかりオウムを逃がしてしまい、小鳥屋で別のオウムを仕入れてくる。

「ドゥブローフスキー」(プーシキン)
「スペードの女王」(新潮社 1981)

これは中編。隣家に土地を奪われたドゥブローフスキーは、盗賊団の首領となり、近辺を荒らしまわるが、隣家の娘に恋をしてしまう。

「やきもち娘」(フィリップ)
「朝のコント」(岩波書店 1979)

母がきれいな恰好をして、ひとりででかけていくのに耐えられない16歳の娘。母が帰ってくると、母のことをすみずみまで点検する。

「来訪者」(フィリップ)
同上

老夫婦の家に2人組の強盗が押し入る。強盗におどされるまま、寝室のタンスにしまってあるお金を差しだし、ほかにも隠していた金をとられてしまう。

「人殺し」(フィリップ)
同上

寄宿舎学校の小間使いアンリ・ルロワの頭に、神父を殺害し金を奪うという、よからぬ考えが宿る。その考えをアンリはどうしても振り払えない。

「チエンヌ」(フィリップ)
同上

来年で100歳になるチエンヌじいさん。自分の部屋にいるのがいやで、苦労して階下に降り、住まいの門前にみこしを据える。世話をするのは60歳になろうとする娘。ご近所もよく気をつかってくれ、なんとか100歳を迎えられたらいいと思っている。

「純情なひとたち」(フィリップ)
同上

夫と隣家の妻が駆け落ちした。残された妻と、隣家の夫はなぜこんなことになったのだろうとなぐさめあう。それにしてもフィリップが扱う登場人物は、若い娘から100歳の年寄りまでと幅が広い。、ある状況に置かれた多彩な人物たちは、フィリップの筆により、それぞれその心情をあらわにする。O・ヘンリのような、ストーリーの意外な展開というものはないけれど、最後まで緊張感をよくたもって見事のひとことだ。

「キャビア」(T・コラゲッサン・ボイル)
「血の雨」(東京創元社 2000)

ハドソン川の漁師である〈おれ〉。子どもができないため代理母を雇うが、じきこの代理母と関係をもってしまう。

「とことんまで」(T・コラゲッサン・ボイル)
同上

世界が終ると信じ、家族ともども辺境に引っ越してきた男。この地で世界の終わりをやり過ごすつもりだったが、隣りに暴力的な男が引っ越してくる。

「外套Ⅱ」(T・コラゲッサン・ボイル)
同上

ゴーゴリの「外套」のリメイク。ストーリーは踏襲しているが、舞台がフルシチョフ時代のソ連となっている。


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短編を読む その26

「おい、しゃべらない気か!」(デイモン・ラニアン)
「ディナーで殺人を 上」(東京創元社 1998)

殺人事件好きの劇評家が、ある殺人現場にいたオウムを手に入れ、なにかしゃべらないかと見張ることにする。どこにでも連れていくので周りは閉口し、つきあっていた女性は、元の彼氏のところに逆もどり。劇評家からオウムの見張りを頼まれた〈おれ〉は、うっかりオウムを逃がしてしまい、小鳥屋で別のオウムを仕入れてくる。

「ドゥブローフスキー」(プーシキン)
「スペードの女王」(新潮社 1981)

これは中編。隣家に土地を奪われたドゥブローフスキーは、盗賊団の首領となり、近辺を荒らしまわるが、隣家の娘に恋をしてしまう。

「やきもち娘」(フィリップ)
「朝のコント」(岩波書店 1979)

母がきれいな恰好をして、ひとりででかけていくのに耐えられない16歳の娘。母が帰ってくると、母のことをすみずみまで点検する。

「来訪者」(フィリップ)
同上

老夫婦の家に2人組の強盗が押し入る。強盗におどされるまま、寝室のタンスにしまってあるお金を差しだし、ほかにも隠していた金をとられてしまう。

「人殺し」(フィリップ)
同上

寄宿舎学校の小間使いアンリ・ルロワの頭に、神父を殺害し金を奪うという、よからぬ考えが宿る。その考えをアンリはどうしても振り払えない。

「チエンヌ」(フィリップ)
同上

来年で100歳になるチエンヌじいさん。自分の部屋にいるのがいやで、苦労して階下に降り、住まいの門前にみこしを据える。世話をするのは60歳になろうとする娘。ご近所もよく気をつかってくれ、なんとか100歳を迎えられたらいいと思っている。

「純情なひとたち」(フィリップ)
同上

夫と隣家の妻が駆け落ちした。残された妻と、隣家の夫はなぜこんなことになったのだろうとなぐさめあう。それにしてもフィリップが扱う登場人物は、若い娘から100歳の年寄りまでと幅が広い。、ある状況に置かれた多彩な人物たちは、フィリップの筆により、それぞれその心情をあらわにする。O・ヘンリのような、ストーリーの意外な展開というものはないけれど、最後まで緊張感をよくたもって見事のひとことだ。

「キャビア」(T・コラゲッサン・ボイル)
「血の雨」(東京創元社 2000)

ハドソン川の漁師である〈おれ〉。子どもができないため代理母を雇うが、じきこの代理母と関係をもってしまう。

「とことんまで」(T・コラゲッサン・ボイル)
同上

世界が終ると信じ、家族ともども辺境に引っ越してきた男。この地で世界の終わりをやり過ごすつもりだったが、隣りに暴力的な男が引っ越してくる。

「外套Ⅱ」(T・コラゲッサン・ボイル)
同上

ゴーゴリの「外套」のリメイク。ストーリーは踏襲しているけれど、舞台はフルシチョフ時代のソ連だ。


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