シリア

2013-09-17 16:53:22 | 塾あれこれ
国際政治というものは、腹立つ。

結局、パワーポリティクスの支配する
どろどろとした世界ですから。

我々には、混沌たることばかりですしね。

ニュースやその解説は、基本的すぎるので触れてませんが
国際関係には、基本的に二つの考え方がありそうです。

一つは、一国の政治は国内で処理すべきであり
内政干渉になることは良くない、というもの。(Aとします)

もうひとつは、人道のためならば窮地にある人々を
外国から助けるのは当然である、というもの。(B)

Aの立場は、考えようによっては「冷たい」
(そこに苦しんでいる人が大勢いるのに無視するのか)と
批判されます。

Bの立場は独善になりやすい。
悪用されて、ナチスのポーランド侵攻などすら
合理化できるリクツになりえます。

Aであっても、あちこちで生ずる悪政府を何とか出来ないか、
やはり国際的な警察力、軍事力が必要ではないか、
そうすればBも成り立つ。

という現実的な要求が出てきます。

そこで「国連」が登場。
みんなが認める悪なら懲らしめよう、Aの欠点を救い
Bの弱点もカバーできます。

第一次大戦後の国際連盟では弱点がありました。
一カ国でも反対すれば動けないのです。

そこで国際連合では安全保障理事会に五大国の拒否権を
認めました。
逆に言うならば五大国の意思で国連軍を派遣できるので
国際連盟より機能的です。(のツモリでした)

ところが、ご存じの通り五大国の利害から、各国の
意思は一致しません。

警察力が往々にして発揮できないのです。
肝心な場合ほど。

現実は、大国が勝手に侵攻するということが
相次ぎます。

理屈の上ではナチスと変わらない・・・(物議?)

そこの国民が困っているのだから、金は掛かるが
軍隊を出してやるのだ、と言うのですが
では、どんな場合に出て、どんな場合は派遣しないか。

いろいろ言いますが結局その場の都合により
であって、統一した姿勢は見られません。

経済的、政治的なメリットがあれば出てゆくだけです。
損得勘定。もしくはメンツ。

ますますファシズムと変わりません。
上記ABとは次元が違う旧態然としたやりかた(C)

アメリカが世界の警察といっても、ヤクザ映画に出てくる
妙な親分と変わらないイメージがありますね。
Bを気取りながら、実はCじゃないか。


尖閣にどこかが攻めてきた時、国連が軍を出せるか?
五大国が拒否権を発動し合うハズです。

国連抜きでアメリカが助けてくれるのを待つか。
あまり頼りにならないけれど「同盟関係」ですからね。

けれども、もしアメリカにもっと別の大きな利害が
あれば、出ないことだってありえます。

出る出ないはその時の状況次第なのですから。
「やはりABじゃなくてCだろ」の声が強まります。

Cの手前勝手が、大嫌いなのですが、現実に
政治を与かる政治家は「正義」ばかりでは
動けないでしょうね。

オバマが正義を口にしながらビビったのも、それ。


今のところ、アメリカ政府を助けながら
シリアはロシアの子分だと認めさせたラブロフの勝ち
ケリーはまたもや・・
(オバマが悪いだけではないでしょう)

今回のシリアに関する米ロ合意は一つのステップです。

現実はますます混迷を深めるでしょう。

シリアの市民が困るだけです。(Aの世界)


ロシアも中国もそしてアメリカまでもが実は恐れる
あるいは細心の注意を向けるのがイスラム、
特に原理主義です。

これが解決しない限り世界は落ち着きません。
今のエジプトがそうであるように。

日本には力はありません。
それにしては安倍外交はまずまず。シリアに関しては。

プーチンも安倍も外交ばかり点が高くて。

消費税を上げて一年後くらいには経済もヒドイでしょう。
格差ばかり広がってね。