『ピロスマニ』

2008-08-11 10:37:19 | 塾あれこれ
グルジアの画家ニコ・ピロスマナシビリを描いた
映画です。

映画は1969年にソ蓮のグルジアフィルムで製作され
1978年岩波ホールで上演されました。
ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督。

当時私はピロスマニという画家を全く知りません。
映画を見て驚きました。
天才画家、グルジアという国、映画の出来
どれもショッキングな出会いでした。

1974年からの岩波ホール、エキプ・ド・シネマも
時間と共に最初の勢いがなくなり、巨匠の映画を
紹介しながらつないでいる感じを受けましたが
そういった時のこの映画は(目が覚める)もの
でしたね。

思えば幸せな時代でした。


先ごろ見たグルジア出身のイオセリアーニ監督の
『群盗七章』
政治的に難しくなっている現代を象徴しています。

『ピロスマニ』がいかに幸せな時代であったか。

静かな映画が苦手な人は別として多くの映画ファン
の愛する作品です。

当時の岩波のパンフレットに羽田澄子監督が文を
寄せられています。
いかにも映画を愛する(当然ではありますが)人の
書かれたものですね。


古来、グルジアの辺りは争いが絶えぬ地域です。

今回の(戦争)も細かいことは分からぬにせよ
なにやら絶望的な空気が伝わってきます。

『ピロスマニ』の美しい風土を思い出しながら
21世紀がパンドラの箱そのものであるような
気になってしまいます。

中を覗いてみたら人間が一杯だった・・