MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

アーリントン墓地の怪(2)

2011-08-25 10:21:01 | ニュース

さすが大新聞である。
前エントリーの少女の正体は
あっという間に突き止められた。
その後の経過をお伝えする。

8月20日付 Washington Post 電子版

Young skater’s photo ID moves Arlington Cemetery’s reburial of urn a step closer 

Arlingtonscemetery01

若いスケーターの写真の身元判明でアーリントン墓地における骨壷の再埋葬に前進を見るGwyn Stecher(グウィン・ステッチャー)さんの遺骸はアーリントン国立墓地の夫の墓に埋葬された骨壷のなかにあるはずだった。

By Christian Davenport
 金曜日(8月19日)の午前7時30分、Rachel Stecher さんの父親は Ashburn の自宅で新聞を見て妻に向かって叫んだ。「すごい!Rachel の写真が一面に載っている!」
 それはたぶん空軍士官学校についての記事だろうと Kate Stecher さんは思った。Rachel さんはそこに入学して2年目だった。そして彼にその写真を見せられると、彼女は唖然とした。

Arlingtonsskater

この写真は約10年前にペンシルベニア州 Aston で撮られたものだった。問題の骨壷は集団墓地にあった。

Arlingtonscemetery02

ずさんな管理、間違って置かれた遺骸、契約上の問題などがアーリントン墓地に対する調査で明らかになった。

 家族によると、Rachel Stecher さんが問題の謎めいた写真の中の若い少女であり、数ヶ月間陸軍特殊捜査官らが解決しようとしてきた問題の答えだった。
 若いフィギュア・スケーターとして写っている彼女の写真は、アーリントン国立墓地で掘り出され、後に集団墓地で発見された骨壷の中から発見された。本件を担当した特殊捜査官らはその骨壷に入れられた遺骸が誰のものであるのかを割り出そうとしてきた。
 彼らの唯一の手がかりはそのスケーターの写真であり、金曜日の Washington Post の一面に、情報を持つ人からの連絡を待つ陸軍の電話番号とともに掲載された。
 金曜日のインタビューで、骨壷の中には Rachel さんの祖母の遺灰が入っていると Kate Stecher さんは語った。現在19才になる Rachel さんは祖母と親密だったので、家族がその写真を骨壷の中に入れたのだと彼女は言う。
 金曜日、陸軍犯罪捜査部の広報官 Christopher Grey 氏は、捜査官たちは写真の少女の身元を突き止めたものと確信しており、確実にその遺骸の身元を明らかにするために墓地の職員と協力中であると述べた。プライバシーを配慮して、その遺骸の主と考えられる人物の名前やその写真の人物の名前を公表しなかった。
 しかしこの家族によると、骨壷の中の遺灰は 2001 年8月に死亡し、アーリントンに埋葬された Gwyn Stecher さんのものであるという。元陸軍主席准尉で彼女の夫である Adolph Stecher 氏は2003年に死亡している。
 アーリントンでは、夫婦は同じ墓に埋葬される。通常、骨壷は3フィートの深さに、棺は7フィートの深さに安置される。一般に、もしすでに骨壷がその場所にあれば、作業員は注意深くそれを取り除いて棺用にさらに深く穴を掘る。骨壷は棺の上の3フィートの深さに再び安置される。アーリントンにおいて新しい幹部に代わって以降、骨壷はコンクリート製の仕切りに納められており、それによってうっかり掘り出されるようなことは回避されることになっている。
 しかし2005年、この写真入りの骨壷がそこで作業していた請負業者によってアーリントンの余剰の土砂の山から発見された。そしてその年の10月、調査員たちがアーリントンの埋葬関連の問題を調べていたとき、一人だけ埋葬されていると思われていた墓地に、写真の入った骨壷を含めた8体の火葬遺骸が置かれていることを発見したのである。
 陸軍特殊捜査官たちはこの遺骸のうち3体の身元を確実に突き止めることができた。しかし、彼らは他の4遺骸を同定することができず、それらは『身元不明者』として再埋葬された。そしてこの金曜日まで、彼らはその謎のフィギュア・スケーターが誰であるのかを明らかにしようとしていたのである。それが残る一遺骸の身元確認につながることを期待したのである。
 アーリントンの犯罪捜査は続く。捜査官たちは、契約の不正行為の可能性に加えて、発掘された骨壷のいくつかの事例を含め、広まっている埋葬関連の問題に関連する犯罪活動が存在するかどうかについて調査を行っている。さらに連邦議会は同墓地に対して32万の墓をすべて完全に把握するよう求める法案を通過させている。
 Kate Stecher さんによると、家族は墓地の作業員に対して何ら恨みは抱いておらず、今回の件は『単なる人為的なミス』であったと考えているという。
 Rachel Stecher さんは、30年以上陸軍で勤務し、第二次世界大戦と朝鮮戦争に参戦した祖父から軍に入るよう勧められた。そして、高校時代の夏に彼女が Colorado Springs 近郊の空軍士官学校を訪れたとき、その場所に魅了されたのである。
 母親は彼女が次のように言ったことを思い出す。『引き返したくはない。ただそこで頑張りたいの』
 Kate Stecher さんによると、Loudoun 郡の Briar Woods High School の卒業生である彼女の娘は、Virginia Beach で訓練している Navy SEAL(米海軍特殊部隊)を見たとき本気で軍隊に興味を持ったという。
 Rachel が幼い子供のときはちょっとしたフィギュアスケートの天才で、コーチである Andrey Kryukov 氏と毎日練習をしながらあらゆる競技会で優勝していた。。
 彼女は大変熱心で、Kryukov 氏が Woodbridge から Ashburn に移ったとき、彼女への指導を続けてもらえるよう彼女の家族まで転居したと、彼は言う。
 「彼女は大変飲み込みが早く、きわめて負けず嫌いでした」と、彼は言う。「目標があれば、それに達するために常に努力しました。彼女は学校で優等生(A-student)だったし、B では満足しなかったのです」
 娘は極度に引っ込み思案のため、今回の世間の注目に当惑しており人前で話すのを嫌がっていると Kate Stecher さんは言う。
 しかし Kate Stecher さんはその写真が撮影された日のことを覚えている。それはフィラデルフィア近郊であった South Atlantic Regional Competiton(南大西洋岸地区競技会)のときのことだと彼女は言う。娘は10才だった。彼女のプログラムは2分間の長さで、ジョージ・ガーシュウィン作曲の『Rhapsody in Blue』に合わせたものだった。
 「彼女はその大会で優勝しました。それで私はその写真を骨壷に入れたのです」と、Kate Stecher さんは言う。
 今回、Gwyn Stecher さんの遺骸が正規の場所に再埋葬されたことに家族は感謝している。
 「本来いるべき場所に彼女が戻ることができて私たちはうれしく思っています。ただ今回のようなことが起こったのは残念に思います」、そう Kate Stecher さんは述べている。

要するに、墓地のずさんな作業により、
Gwyn Stecher さんの骨壷が誤って掘り出されてしまい、
それがそのまま別の集団墓地に放置されていた、
というのが真相らしい。
ミステリーでも何でもない、あっけない幕切れだった。
ま、何はともあれ、迷子だった骨壷が
夫の遺骸のそばに無事戻れたという結末には、
めでたしめでたし…

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