MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

これニャンかいかが?

2013-04-29 22:13:04 | コスメ・ファッション

“あなたの気持ちを耳で表現してみましょう” 的な?
このガジェット(面白小物)。
シャイな人には便利なグッズ?
それとも心をさらけ出すようで逆効果?
でも試しにつけてみたい気もする。

4月27日付 LosAngelesTimes 電子版

Necomimi cat ears that move to your meow moods あなたのニャオな気分に合わせて動く Necomimi cat ears(猫耳)

Necomimi
スポンサー付きイベントで見られる猫耳は(脳波を感知することで決定された)気分に応じて動く(NeuroSky)

By Karen Ravn
 警告:Necomimi cat ears(猫耳)は以下に該当する場合にはあなたのお気に入りのものとはならないかもしれません。(1) 群衆に埋没したい人の場合(それは短い毛で覆われていて実物より大きく、頭の上にそれらをつけるからです)、(2) 謎めいて何を考えているのかわからない人でありたい場合(それによって人があなたの心を読むことができるからです)、(3) 楽しい時を過ごしたいとは思わない場合(その耳を作っている San Jose の企業 NeuroSky 社の最高経営責任者 Stanley Yang 氏は『それはとても楽しいこと』と言っているからです)。
 その耳は、基本的に動きを取り仕切るマイクロチップを内蔵したヘッドバンドの上に生えている。それは、あなたの脳波を検出、その脳波の速さや振幅からあなたが今どんな気分かを判定し、それらに対応する猫のやり方でその耳を動かすようプログラムされている。
 NeuroSky 社は研究レベルの生体感知装置の主要メーカーであり、「Necomimi ears 内の技術は我々の他の製品に導入しているものと全く同じ技術です。400を超える施設がその技術を利用しています」と Yang 氏は言う。
 しかし Necomimi チップにも限界がある。もしピザを食べたり、昔の映画を見たり、飼っているパグに新しいイースターの服を買ってやりたい気分になった場合でも、そのチップはその詳細を判断できない。しかし、Yang 氏によると、あなたが何かに興味を持ったり、集中したりしているかどうか(耳をそば立てる)、退屈していたり、ただリラックスしているかどうか(耳が垂れる)、あるいは何かに熱中して楽しいかどうか(前後に小刻みに動かす)は判定できるという。
 「その他にもいくつかの状況をプログラムしています」と Yang 氏は言うが、「それらが何であるかを推測するのは皆さんに任せています」たとえば、もし右耳が激しく動き始めたら、それはまさにあなたがネズミを見つけたことを意味するかもしれない、つまり、そこで読心を行っていただきたいのです」
 一定の耳の陽性所見や陰性所見は顕著である。あなたは退屈な仕事のミーティングでいかにしっかりと集中しているかを上司に知ってもらいたいかもしれない。逆に知られたくないかもしれない。ただし上司が猫の耳をつけた姿に対していかに感銘を受けるかについては別問題である。
 とはいえ、米国では Necomimi ears を必ずしも普段からつけているわけではない。しかし、これは10代の女子や、アニメファンやコスプレパーティ・マニアには人気があると Yang 氏は言う。彼によると「日本では人々は街中でそれらを着用しています。それはファッションの一部になっているのです」
 「服装に合わせて」様々な色や模様の耳カバーを手に入れることができるとYang 氏は言う。耳は70ドル前後、カバーは10~20ドルでコミックブックストアや玩具店で販売されており、間もなく、一部の全国チェーン店でも手に入れることができるようになる。さらにhttp://www.necomimi.com などオンラインでの購入も可能である。
 「耳をつけた途端それが動き始めたらたいていの人たちはドッと大笑いです」と Yang 氏は言う。「そしてそれを見ている人たちにとってはなおさらです」

町中で人々が猫の耳をつけて歩いてるって
一体、日本ってどんな国や?
その名前 Necomimi からわかるように
このガジェットは日本発である(neurowear が開発)。
アキバ系サブカルの面白アイテムとして
日本では昨年から愛用者が増加しているようだが、
米国でもティーネイジ女子の間で流行の兆しかも?
実物がどんなものかは下の動画をご参照いただきたい。

海外からは
一体日本人は何考えてんだ?って
ますます不思議がられてしまいそうだが、
日ごろから本心を口に出さない日本人こそ
この Necomimi でしっかり気持ちを表現した方がいい?

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診断への遠い道のり

2013-04-23 21:53:26 | 健康・病気

4月のメディカル・ミステリーです。

4月16日付 Washington Post 電子版

A complicated case finally gets solved by a persistent physician 粘り強い医師によってついに理解困難な症例が解明される

Complicatedcase
Nancy Kennedy さんは、その症状が多岐に渡っていたため何年間も苦痛と不安に耐えてきた

By Sandra G. Boodman,
 たいへん健康な子供だったため、果てしなく続くように思われた医師への受診の繰り返しに生活が明け暮れてしまうような病気がちな大人にどうしてなってしまったのかを Nancy Kennedy さんは受け入れることができなかった。
 2005年の初め、転勤で北バージニアからセントルイスに移ってまもなく、当時47才の Kennedy さんは相次いで悩ましい医学的症状を起こした。彼女の白血球数が不可解にも増加した。彼女の副鼻腔は慢性的に炎症を起こしたが、彼女の気道は異常に乾燥しているようだった。彼女はしばしば疲れを感じ、関節は痛んだ。
 「まるでエイリアンが自分の身体に侵入してきたかのようでした」と、National Geospatial-Intelligence Agency(国家地球空間情報局)の元スタッフ・リーダーだった Kennedy さんは言う。「いつも医師の診察室にいるような感じでした」
 血液疾患、癌、多発性硬化症、関節リウマチなど考えられる疾病に対する検査は陰性だった。それからの7年間、Kennedy さんと彼女のかかりつけ医はその原因について全く目途がつかなかった。そのかかりつけ医は Kennedy さんを“その辺りにいるすべての専門医に”紹介したような気がすると述べている。
 しかし、2012年1月の診察時、Kennedy さんの歩行障害と加速する症状の悪化に衝撃を受けたその主治医 Melissa Johnson 氏はそれまで考慮に入れていなかった疾病を調べることにした。
 「何が私にその検査をオーダーさせる気にさせたのかは分かりません」セントルイス市郊外で開業する Johnson 氏は思い起こす。「しかし、その時点で、私は彼女を7年前からわかっていたし、ただ何かがおかしいと実際に感じたのです」
 バージニア州の人里離れた山あいの採炭地域にある Wise 郡で育った Kennedy さんは、ありふれた誰もが罹るような病気になっていた親戚から彼女の強健な免疫系を指摘されていたと言う。
 「私は学校や老人ホームでボランティアをしていましたが、病気になることはほとんどありませんでした。風邪すらひかなかったのです」と Kennedy さんは思い起こす。一人の大人として彼女は精力的で薪割りを楽しんだりしていた。
 ミズーリ州に転居して数日後、彼女は Johnson 氏と出会うことになる。彼女は家庭医であり Kennedyさんが皮膚感染症の治療を受けたことで主治医になったのである。Johnson 氏は Kennedy さんの白血球増多を指摘した。彼女の感染が治まったあとも少しばかり数値が高い状態が続いた。白血球数の増加にはストレスから癌に至るまで多くの原因がある。
 Johnson 氏は Kennedy さんの白血球数を6ヶ月間観察することにした。Johnson 氏によると「実際にはその白血球数は警戒すべきほど高いわけではなかったため」という。しかし、2006年、Kennedy さんの新たな症状―喉の乾燥感、時々起こる動悸、そして腸の異常―に気付くと、彼女はより詳しい検査のために Kennedy さんを血液内科医に紹介した。
 その血液専門医は詳細な血液検査を行い、しばしば白血病に先行する稀な疾患である骨髄異形成症候群や、血液細胞に影響を及ぼす別の癌であるリンパ腫が除外され、特に異常は認められなかった。「ええ、白血球数は上昇していますが、それについては心配することはありません」この専門医がそう言ったことを Johnson 氏は思い起こす。
 Kennedy さんは安堵したものの症状は増していた。彼女は成人発症の気管支喘息の診断を受けたが、さらに数分間続く彼女が“発作”と呼ぶところの奇妙な症状が出現するようになった。その発作中、一時的に、集中したり仕事をすることができなくなっていた。
 Kennedy さんの脳のMRI検査では、その発作の原因ではないかと考えられる不吉な所見が示唆された:脳と脊髄を侵す神経疾患である多発性硬化症(multiple sclerosis, MS)を疑わせる脳白質病変である。しかしそのような病変は高血圧や片頭痛の存在も示唆する。Kennedy さんには高血圧はあったが、片頭痛はなかった。
 2007年、Kennedy さんは3人の神経内科医を受診したが、彼らはいずれもMSを除外した。一人は彼女が片頭痛であると言った。別の一人は、Kennedy さんからさらに複雑で込み入った病歴を詳述した紙を渡されたとき、精神分析医を受診する必要があると彼女に告げた。
 「あなたは診断を期待しているだけです」非難するように彼がそう言ったのを彼女は思い起こす。
 「そうです。それがあなたに切望していることなのです」と Kennedy さんは答えた。
 3人目の神経内科医は、最終的に彼女がてんかんがあると診断し、実際にてんかん発作だった問題の発作を抑えるために薬を処方した。てんかんの薬がうまく調整されれば、自分の患者はすっきりするようになると期待していたと Johnson 氏は言う。
 しかし、てんかん発作が抑えられるようになったあと、Kennedy さんは再発性の副鼻腔炎を起こした。
 Johnson 氏はそれを当初、ミズーリ州の気候のせいだと考えた。「耳痛、頭痛、副鼻腔の痛みと圧迫感などの彼女の症状、そう、それらは多くの人たちに見られるからです」と Johnson 氏は言う。「しかし彼女の感染症は治療が困難で、抗生物質に反応しなかったのです」
 耳鼻咽喉科専門医は点鼻スプレーを処方したが効果はなかった。そして鼻汁は出ていなかったと Kennedy さんは言う。「すべてが大変乾燥しているような感じでした」と彼女は言う。
 Kennedy さんの症状が本物ではないのだと疑うようなことはなかったものの、何がそれらを起こしているのか、またそれらの症状につながりがあるのかどうかは分からなかったと Johnson 氏は言う。「彼女は、30の症状を訴えて私のもとを訪れ30の薬を欲しがるような患者ではありませんでした」と彼女は言う。しかし、Kennedy さんの急増する症状リストは診断像を混乱させ続けていたのである。

Growing desperation 深まる失望感

 Kenney さんによると、2011年の終わりにはどうにでもなれといった気分が高まっていたという。時折、自分が死ぬのではないかと不安になっていた。というのも、“ひどく悪いように思われたし”なぜそんなに具合が悪いのかを特定してくれる医師がいなかったからである。一見彼女の健康状態はいいように見えたが、彼女は何日も仕事を休んでいたし、彼女の仕事仲間や上司からはあからさまに「医者には行かないのか?」と言われ続けていた。
 2012年1月、自分の健康を取り戻すという新年の決意の一環として、彼女は年に一度の検診のため Johnson 氏を受診した。
 その時、Kennedy さんには関節痛によるひどい歩行困難が見られていた。数年前、彼女は変形性関節症を発症していたのである。これは、一般に中年に罹患する緩徐進行性のありふれた関節疾患であるが、彼女の運動障害はここ数ヶ月間で劇的に悪化していたのである。「ひどく痛かったため、それまで30分でできていた朝の準備に90分もかかるようになっていました」
 彼女は、自分の身体が「頭のてっぺんからつま先まで」痛むと Johnson 氏に語っていた。彼女によると口と目は常に乾燥し、疲れ切っていたという。
 一時間の診察の間、Kennedy さんは自分の痛みを説明し、彼女と Johnson 氏は関節炎の彼女の家族歴を再検討した:叔母が関節リウマチ(RA)で父親が重度の変形性関節症だった。Kennedy さんが、身体が自身の組織を誤って攻撃する自己免疫疾患なのではないかと考えた Johnson 氏は RA の別の検査を行った。確かにこれまでのスクリーニング検査では RA は陰性だった。しかし今回は、しばしばRAに伴って起こる自己免疫疾患 Sjogren’s syndrome(シェーグレン症候群)の検査を追加した。Kennedy さんにはこの検査が行われていなかったのである。
 それらの検査の結果は Johnson 氏と Kennedy さん両人に思いもよらない答えをもたらした。彼女の関節痛、乾燥、慢性副鼻腔炎、そして倦怠感は一次性シェーグレン症候群の症状だったのである。この場合 RA の検査は陰性となる。
 稀な慢性疾患であるシェーグレン症候群は一般に40才以降の女性に発症する。白血球が目や口腔の分泌物を産生する腺を攻撃し、目の感染や口内の乾燥を引き起こし、嚥下が困難になることもある。Bethesda に拠点を置く教育支持団体 Sjogren’s Syndrome Foundation(シェーグレン症候群協会)によると慢性副鼻腔炎や関節痛もよく見られる症状であるという。
 米国では 40万~300万人の成人がシェーグレン症候群に罹患していると推定されているが、その中には2011年に診断を受けたテニスプレイヤーの Venus Williams もいる。シェーグレン症候群は感染によって引き起こされることがあるが、遺伝的要因も関与していると考えられている。シェーグレン症候群の症状が MS をはじめとする他の疾患に類似していることから診断が遅れることがよくある。同財団によると、症状の発現から正確な診断までの平均期間は 4.5年以上であると説明している。
 同疾患に対する根本的治療法はなく、乾燥や他の症状に対して様々な薬剤が治療に用いられる。患者は本疾患による障害を予防するために目や口腔の健康状態を注意深く監視しておく必要がある。また同疾患では肝臓、腎臓、あるいは肺が侵されることもある。なおシェーグレン症候群の患者ではリンパ腫の発症率が一般人口におけるそれより高い。
 Johnson 氏には、何でシェーグレン症候群の検査を行う気になったのかはっきり分からない。「彼女の家族歴を考えて、RA 以上のものがあると考えていました」と彼女は言う。「そして彼女の場合、ほぼすべての症状が何か他のものによる可能性があったのです」厄介なことに、てんかんや高血圧などの Kennedy さんの医学的問題のいくつかはシェーグレン症候群とは関係なかったのである。
 Johnson 氏は Kennedy さんをリウマチ専門医に紹介し、現在彼女は定期的に診察を受けている。彼は免疫系の過剰反応の調整に有効でしばしばシェーグレン症候群の治療にも用いられる抗マラリア薬 Plaquenil(プラキニル)を処方した。「彼女はずいぶんと楽になっています」と Johnson 氏は言う。
 現在54才になる Kennedy さんは、連邦の職を早期に引退した。健康状態は改善したが、過去の年月は「調子のいい時と悪い時」の繰り返しの毎日だった。彼女は現在、地域自治会の会長と務めており、馬の飼育場や、Sjogren’s Syndrome Foundation で奉仕活動をしながら、診断や治療に苦しむ他の患者の世話を手伝っている。調子の良い日には14 エーカーの広大な土地で John Deere トラクターに乗り、丸太を運び、時には薪を割ったりして楽しんでいる。しかし調子の悪い日には、自宅にいて休むのである。
 Kennedy さんは、診断がついたことに安堵しており、「自分のために熱心に動いてくれた」Johnson 氏に特に感謝していると言う。「実際、主治医に愛想を尽かされた患者の話を多く耳にします」
 慢性疾患を抱えて生きていくには一定の調整が求められる。「じっくりと考える必要があるとは全く思ってこなかったことを、今ではじっくり考えなければならなくなりました」と彼女は言う。たとえば、バージニアにいる家族に会うために旅行できるほど体調がいいかどうか、といったようなことである。「でも私は実感するのです、『よし、ようやくやり直しができそうだ』と。人に尽力いただいたことに感謝すること、そして調子の良い時を最大限に活用することが大切なのです」

シェーグレン症候群の詳細については
難病情報センターのHP を参考いただきたい。
シェーグレン症候群は慢性唾液腺炎と
乾燥性角結膜炎を主徴とし、種々の自己抗体の出現や
高ガンマグロブリン血症をきたす自己免疫疾患の一つだが、
その原因の詳細は不明である。
遺伝的要因、感染などの環境要因、免疫異常、
あるいは女性ホルモンの影響などが考えられている。
唾液腺・涙腺だけでなく全身の外分泌腺、
さらには腺外臓器も系統的に障害される。
1933年に初めて報告したスウェーデンの眼科医
ヘンリック・シェーグレンにちなんで名前がつけられた。
ちなみにこの Sjogren は、
英語では“ショグリーン”と発音するらしい。
本邦における本疾患の患者数は2003年の調査では約7万人で、
現在は10万人を超えていると推定される。
男女比は1:14と女性に多く、発症年齢は40~60才代である。
元アイドルの菊池桃子もこの疾患であることが知られている。
シェーグレン症候群は他の膠原病の合併がない一次性と、
膠原病(関節リウマチ、強皮症、皮膚筋炎、
全身性エリテマトーデス〔SLE〕、混合性結合組織病)を
合併する二次性に大別される。
さらに前者は、外分泌腺に病変が限局する腺型と、
病変が全身諸臓器に及ぶ腺外型に分類される。
侵される外分泌腺には免疫担当細胞の著明な浸潤が認められる。
高ガンマグロブリン血症のほか、抗核抗体、リウマトイド因子が
陽性となることもあるが、
非ヒストン核たんぱくに対する抗体 抗SS-A/Ro抗体や
抗SS-B/La 抗体の出現が本疾患に感度が高い。

症状としては、眼の異物感、口腔・鼻腔の乾燥感、齲歯の増加、
口内炎、味覚変化など乾燥に基づく症状が主体だが、
腺外症状として
関節症状(関節痛)、呼吸器症状(間質性肺炎)、
皮膚症状(環状紅斑)のほか、
甲状腺(慢性甲状腺炎)、肝臓(原発性胆汁性肝硬変症・
自己免疫性肝炎)、腎臓(遠位尿細管性アシドーシス)の
症状をみることがある。
また発熱や息切れ、疲労感などの全身症状も出現する。
その他、指趾が蒼白となりしびれるレイノー現象や
筋炎・末梢神経炎・血管炎などがみられることがある。
なお悪性リンパ腫を発症するリスクが高く(16~44倍)、
注意を要する。
診断には涙腺や唾液腺の分泌能を測定するほか、
上述の自己抗体を調べるが、
何より乾燥症状を見逃すことなく本疾患を疑うことが重要である。

治療は対症的治療が主体となる。
目や口腔の乾燥症状に対しては
人工涙液の点眼や人工唾液の噴霧が行われる。
唾液分泌を促す塩酸セビメリン(エポザック・サリグレン)は
有効性が高いが、消化器症状や多汗などの副作用がある。
またセビメリンと同様に唾液分泌に有効な薬剤として
塩酸ピロカルピン(サラジェン)も有用である。
対症的治療を一歩踏み出して免疫を抑える作用が期待されるのが
免疫抑制薬のミゾリビン(ブレディニン)であり
その有効性が報告されている。
また海外では記事中にあった抗マラリア薬・
ハイドロキシクロロキン(プラキニル)が用いられている。
本剤にも免疫抑制作用が期待されている。
関節痛や関節炎には非ステロイド系消炎鎮痛薬を用いる。
ステロイド剤は難治性のケースや
肺、腎、中枢神経などの主要臓器症状に対して使用される。
一般に予後は良好であるが、
腺外症状の活動性、合併する膠原病の病勢
悪性リンパ腫の合併などによって予後が左右される。

以上のように本症候群の経過は激烈ではないとしても、
じわじわと苦痛がもたらされ
患者はそのQOLが損なわれる厄介な難病だ。
一刻も早い原因の究明と根本的治療の開発に期待したい。

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目を開けたまま、くしゃみをしてみよう

2013-04-17 23:05:15 | 科学

  くしゃみをするときに自然に目をつぶってしまうのは
なぜ?
これまでそんなことを特に疑問に思ったことなどなかったが、
考えてみれば不思議である。
既に花粉症の季節は訪れているが、
くしゃみという現象は一種の防御反応だという。
その瞬間に目をつぶる意義とは一体何なのだろうか?

4月12日付 NBCnews.com

The eye-popping truth about why we close our eyes when we sneeze なぜくしゃみをするときに目を閉じるのかについて目玉が飛び出るような真実

Sneezeandeyepopping
By Meghan Holohan
 蕾の出かかった花のほのかな香りが漂うと胸の圧力が高まり始める。鼻がむずむずし、眼がパチンと閉じて、a-a-a-a-c-hooo(ハ、ハ、ハックション)、くしゃみが時速75~100マイルで噴射。この先、長い悲惨なアレルギーの季節が訪れると、それが何度も繰り返されることになる。
 私たちは皆どのようにしてくしゃみが起こるのかは知っている。わからないのは、くしゃみをするときにどうして自動的に両目をつむるのかということである。子供たちは目が飛びだすのをそれによって防ぐためだと言うかもしれないが、少なくともほとんどは都市伝説である。とはいえそれが実際に起こったという報告が少なくとも一つある。
 “Don’t Swallow Your Gum! Myths, Half ?Truths, and Outright Lies About Your Body and Health(ガムを飲みこんじゃダメ!―身体と健康に関する神話、半面の真実、真っ赤なウソ)”の共著者である Rachel Vreeman 博士によると、くしゃみのあと(眼球脱臼と呼ばれる)眼球が飛び出した女性についての記事を 1882 年の New York Timesに見つけているという。
 1882年4月30日に掲載されたその記事によると、ある女性が“2日前にとんでもない目に遭った。路面電車に乗っているとき、突然のくしゃみの発作に襲われ、片方の目が飛び出し、それ以来ひどい激痛に見舞われた”のだという。
 Vreeman 氏によれば、くしゃみによる眼球脱臼についての現代医学におけるエビデンスはないそうだが、激しく嘔吐する人には起こっていることを彼女は認めている。しかし、通常、これは、目の筋肉に異常がある人にのみ起こるものである。
 興味深いことに、目の筋肉は、眼球が飛び出るという都市伝説を否定するためのちょっとした攻撃材料を提供してくれる。
 「瞼を閉じておけば眼球が飛び出すのを防げるなんて話ではないのです」と University of Chicago Medicine の外科教授で、耳鼻咽喉科の科長である Robert Naclerio 氏は言う。「筋肉が十分強いから大丈夫というようなものではありません」
 もちろん、眼瞼の筋肉には眼球を保持する強度がないという理由だけで激しいくしゃみで眼球が飛び出してしまうかもしれないということにはならない。
 ウイスコンシン州 Eau Claire にある Mayo Clinic Health System の検眼士 Bert Moritz 氏は、6つの外眼筋が眼球を眼窩内にしっかりと固定しているため、眼球が逸脱することはほとんどありえないと説明する(それを聞いて安心!)。
 また、くしゃみの直前に顔全体の圧が上昇するかのように感じられるかもしれないが、眼窩内の圧が増大することはない。
 「空気の通り道である鼻腔は骨や膜によって目とは隔絶されているのです」と Neclerio 氏は言う。
 それでは、なぜ私たちはくしゃみをするときに眼を強く閉じるのだろうか?
 「これは無意識の反射です」と Moritz 氏は説明する。「私たちの脳がくしゃみの筋肉に信号を送るとき、その信号の一部は眼を閉じるものとなっているのです。それは深部腱反射に似ています」
 深部腱反射は医師が小さなハンマーで膝を叩くと膝がピクッと動くときに見られるものである。分かりやすく言えばそれは制御できない身体の反応である。指で目をこじ開けない限り、目を開けたままくしゃみをすることは不可能に思われる。
 それは、Mythbusters(伝説バスターズという番組)の一人の男性その他大勢が実際にやってみせてくれている。
 「もしくしゃみをしているときにそれをやってみれば、目をあけておくことは確かに可能です。しかし、それには反射に抗する行為をする必要があります」 Indiana University School of Medicine の小児科准教授で共著者の Vreeman 氏は言う。「それはきわめて強い反応です。身体は、自身の気道内を一掃するために集められるだけの力を加えようとするのです」
 Moritz 氏によると、くしゃみをするときに自分が放出したものから目を防護するために目を閉じるのだと理論立てる人もいるという。くしゃみによって私たちはアレルゲンから自身を守るわけだが、目を閉じるという反射をさらに進んだ防御行動として身につけた可能性がある。
 「私たちが粘液などを放出するとき目を閉じるのは、そんな物質を目の中に入れたくないからではないかと考える生物学者もいるのです」と彼は言う。

日本人にくしゃみの擬音の定番は
ハックション!だが、
英語圏では“ achoo !”らしい。
『アチューッ!』??
国によってずいぶん違うようだ。
しかし、共通しているのは
目を開けたままくしゃみはできないということだ。
くしゃみをするときに顔の筋肉が対称的に動き、
それに連動して目を閉じる筋肉も強く収縮するためである。
くしゃみというのは相当瞬発性の強い動作であり、
顔面の表情筋全体が収縮する。
この時、目を閉じる筋である眼輪筋にも不随意に
共同運動を行うが、この運動は意識的に止めることは
できないのである。
これは気道内の異物排除の効率を最大限にするために
顔中の筋肉を総動員することを身に着けた結果なのだという。
記事中にあった動画では
指で目をこじ開けながら抵抗していたようであるが、
そんな強い反射でも訓練次第では
目を開けたままくしゃみができるようになるとか…
ま、そんな技を身に着けたところで
眼球が飛び出すことはないにしても
何の役にも立ちそうにないと思うのである。

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どこまでが心の問題か?

2013-04-03 16:40:41 | 健康・病気

月が変わってしまいましたが
2013年3月のメディカル・ミステリーです。

3月26日付 Washington Post 電子版

Eating made her sick, but it took doctors years to figure out why 食べることで彼女の調子は悪くなっていたが、医師によって原因が解明されるまで何年もかかった

Teenagersstomachpains
バージニア州の十代の女性の腹痛は、そのすべてが一部の医師が指摘していたような心の問題ではなかった。

By Sandra G. Boodman,
 Margaret Kaplow さんは、娘のお腹の症状が始まって一年後、自分自身にも痛みを感じるようになった。
 家族と夕食の卓につくと Kaplow さんのお腹は自然としめつけられるように痛むようになった。娘の Madeline(Maddie)が数口食べては、持っていたフォークを置いてテーブルから離れ“気分が悪い”と今夜も言い出すのではないかと見守っているうちにそうなってしまうのだった。

Teenagersstomachpains02
今 Maddie Kaplow の痛みは和らいでおり、好きなものは何でも食べることができる。

 約6年間、13才の誕生日の直前に始まった Maddie Kaplow の繰り返す激しい腹痛は様々な病気のせいであるとされてきた。コロンビア特別区、メリーランド州、バージニア州の専門医らはそれぞれ、彼女がグルテン不耐症であるとか、卵巣嚢腫の破裂であるとか、虫垂の病気であるとか、過敏性腸症候群( irritable bowel syndrome, IBS )であるとか診断を下した。彼女の症状は心理的なもので、注目されたがりの神経過敏な十代の少女だと確信しているものもいた。
 「それはひどい悪夢のような出来事でした」と Kaplow さんはあのころの数年間を思い起こす。娘が大げさに言っているとか仮病を使っているとは考えられなかったと彼女は言う。Kaplow さんによると、新たな診断がつけられるたびに医師が Maddie の痛みの原因を発見してくれたと有頂天になったというが、痛みが再発するとそれは押しつぶされるような失望へと変わっていくのだった。
 医師たちが最終的に原因をつきとめ、Maddie の思春期の大半を苦しめた病気を治療できたのは、自宅のある北バージニアから400マイル離れた大学病院に入ったときだった。
 「すべてが失意の数年間でした」と Maddie は言う。彼女は現在22才の大学4年生である。「ほとんど折り合っていけると時々感じられるところまでたどり着くことができました」

Shooting pains うずくような痛み

 これらの症状が始まった時を Maddie は覚えている:2003年2月、Fairfax County middle school のフランス語の授業中だった。時折嘔気を伴う鋭い痛みが、右上腹部の肋骨に近いところに集中して見られ、背中の両方の肩甲骨の間に広がった。痛みが治まらなかったため母親は彼女を小児科医に連れて行った。
 「その医師(彼女)は何も発見できませんでした」Post 紙の教育サービス・マネージャーを務める Kaplow さんはそう思い起こす。数日後にはその痛みは消失したが、約6週間後に再発した。その小児科医は、痛みを誘発している可能性のあるものが何であるかを発見するために Maddie に食事日記をつけるよう指示した。それでも何も発見できなかったため、彼女はコロンビア地区の小児婦人科医に紹介した。その婦人科医も何も発見できず、Maddie は小児胃腸科医に回され、その年の5月に診察を受けた。
 その胃腸科医は、彼女の問題は便秘であると診断し、守るべき食事療法を指導するとともに、彼女にグルテンに対する過敏症がある場合に備えて小麦を避けるよう忠告した。便秘は治ったものの、下痢や悪寒をしばしば伴う痛みは軽快しなかった。グルテンを避けることも効果はないように思われた。
 その胃腸科医は、彼女の上部および下部消化管を観察する検査である、胃カメラや大腸カメラを勧めた。大腸カメラでは何も見つからなかったが、胃カメラでは、痛みと一致していると思われた場所の十二指腸潰瘍が認められた。Maddie は過度の胃酸の産生を阻害する薬剤、ネキシウムなどの内服を開始したが、食事によって誘発されるようにみえた痛みに対する影響はほとんどなかった。
 Maddie は麻薬性鎮痛薬での治療が必要となるほど痛みがひどくなって北バージニアの緊急室に行くこともあったが、そのようなできごとは6年間に18回くらいあったという。Kaplow さんによると、Maddie の体重が落ちていなかったのでかかりつけの小児科医はさほど心配していないようだったという。「その医師はこう言い続けていました。『うーん、彼女に衰弱はないようですね』」
 ある受診時、ERの医師は問題の原因を発見できたと考えた:CTスキャンで卵巣嚢腫の破裂の可能性が認められたのである。それに対する治療の必要はなく、治癒すれば痛みも消失すると期待された。
 2004年5月、Maddie の胃腸科医の勧めで受診した外科医は虫垂を切除することを決めた。その医師は母親に対して、虫垂の切除をしておけば、少なくとも今後の症状の原因から虫垂炎を除外できるようになると説明した。「他に何をすべきか思い当たりません」そう彼に告げられたと Kaplow さんは言う。
 最初のうち、それは正しい判断だったように思われた:その外科医は彼女の虫垂が正常に見えたと思ったが、病理医は疾病の初期の徴候が認められると指摘した。「『やった、ついに解決した』と私たちは考えていました」そう Kaplow さんは思い起こす。
 しかし彼らの安堵は長続きしなかった。3ヶ月後、Maddie は再び強い痛みでERに戻ることになる。広範囲の精密検査や虫垂切除が最近行われていたことから、Maddie の病気は精神的なものではないかとERの医師は考えた。
 Kaplow さんは、娘の症状が「すべて想像によるもの」との示唆に腹を立て、「この痛みが彼女に不安を起こしているのであって、その逆ではないと思いました」
 2005年、Maddie は新たな胃腸科医を受診し始めていた。彼には思いやりや気遣いがありそうで、彼女が IBS ではないかと考えた。これは発作的な腹痛、嘔気、あるいは下痢を特徴とするありふれたものだが定義の不明確な疾病である。彼は内服薬を切り替え、2度目となる胃カメラと大腸カメラを施行した。両者とも正常で、例の潰瘍も治癒していた。
 「おそらくIBSが問題なのだろうと期待していました」そう母親は思い起こす。

A fresh perspective 新たな視点

 しかし、その後の2、3年で Maddie の病状は悪化、症状はより頻回となり、しばしば痛みは耐えられないほどになった。家族は2ヶ所の緊急室を繰り返し受診した。「その都度、新たな視点から見ればその原因を突き止められると期待し続けていました」と Kaplow さんは思い出す。
 この十代の少女が大げさに言っていると考える立場を繰り返し明確にしていた小児科医への受診を Maddie は断固として拒絶していた。「その医師はひどく懐疑的で、幼稚園の先生のように単調な声でこう言うのです。『Maddie、今日は何?』」そう母親は言う。
 その頃、その痛みとはうまく付き合っていけるような状態になっていた。「奇妙なことでした。というのもお腹はすくのですが吐き気はしていたのです」と Maddie は思い起こす。「そして自分のお腹を押押さえ込むと気分が良くなるのです」病気のために頻回に欠席していたが、なんとか彼女は高校の厳しいカリキュラムをパスした。
 2008年4月、University of Rhode Island の一年生のとき、休みで自宅に帰っている間に症状が出た Maddie は McLean にある緊急医療センターに助けを求めることにした。そこの医師は、彼女の症状が胆嚢に関係している可能性を示唆し、精密検査を勧めた。
 Kaplow さんによると、彼女がこの勧めについて例の小児科医に話した時、その医師は全く動じなかったという。Kaplow さんはそれまでにも、その小児科医や他の医師たちに対して、家族内に多発する可能性のある胆嚢疾患のために自分と3人の姉妹たち全員が40才までに胆嚢を摘出していることを伝えていたのである。しかしその医師は胆嚢のスキャンを行うことを拒絶し、代わりに3度目の大腸カメラと胃カメラを勧めたが、両者とも正常だった。
 2009年1月、Maddie は、自宅から Rhode Island に飛行機で戻ることになっていた2日前にこれまでで最も激しい発作を経験した。その週の初めに、答えが得られることを期待して彼女は Baltimore の有名な胃腸科医を受診していた。その医師は、抗不安薬を処方したが、胆嚢のスキャンは夏まで待てると判断していた。彼はグルテンの消化ができないことに起因する腹痛と下痢を起こす疾患であるセリアック病の検査を行った。以前の小麦を含まない食事では効果が見られていなかったにもかかわらす゛である。
 でもそのときは「『ほら、やっぱりセリアックだったんだわ』と思いました」そう Kaplow さんは思い起こす。
 痛みが強くて Maddie はベッドを離れることができないほどの症状になっていた深刻な状況にうろたえた Kaplow さんは Martin Luther King holiday(1月第3月曜日)の週末には必死になってあちこちに電話をかけた。北バージニアの胃腸科医から鎮痛薬を処方してもらい、「どうにか彼女は飛行機に乗ることができました」と母親は思い出す。
 2日後、依然として強い痛みがあり、食べることができなかった Maddie は大学の学生健康センターに行った。そこの医師によってようやく HIDA(hepatobiliary iminodiacetic acid)スキャンが予約された。これは、消化液系の胆汁の流れを追跡するために放射性を帯びた物質を用いる画像検査で胆嚢疾患の検査に用いられるものである。

A definitive result 確定的結果

 その結果により、原因が何であり、何をすべきかということについてほとんど疑いの余地はなくなった。この検査で、Maddie が重症の biliary dyskinesia(胆道ジスキネジー)、別名 acalculous cholecystopathy(無石性胆嚢症)であることがわかったのである。これは右上腹部に痛みがあることと胆石が認められないことを特徴とする疾患で稀なものである。
 この検査で彼女の胆嚢の駆出率が測定された。これはこの器官が胆汁をどれほどの効率で絞り出せるかを評価するものである。彼女の結果は3%で異常な低値を示した。American Pediatric Surgical Association(米国小児外科学会議)によると、駆出率が約40%未満の人は胆嚢摘出手術の適応となるという。同会議は胆道ジスキネジーは年長の子供や成人に最も多く発症すると指摘している。
 手術は痛みが消失することを保証するものではないが、症例の70~80%では有効な様である。
 「この疾患の本質については多くのことがわかっていません」今回の診断を行った Rhode Island、Wakefield の一般外科医 Umberto Capuano 氏は言う。彼によると、以前は、本疾患は稀なもので、特に小児ではめずらしいと考えられていたが、医師らはむしろ多くの症例に遭遇するという。
 Capuano 氏は「これまで、何年間も苦しんだ多くの若い女性を治療してきたが、彼女はまさにその一人だったのです」と言う。「彼女たちはすべて手術後に軽快しています」
 Maddie を治療した多くの医師たちのほぼ全員がなぜ彼女の胆嚢に問題があるかもしれないと考えなかったのか理解できないと、この外科医は言う。
 「医療には地域格差が存在します」と彼は言うが、彼女の明確な胆嚢疾患の家族歴は“確かに警告を発するものである”と指摘する。
 Kaplow さんが検査の結果と娘の胆嚢を摘出する方針について聞いたとき、ドッと泣き出した。「『信じられない。このことについに終わりがやってくるなんて。』そう私は思ったのです」
 2月下旬に腹腔鏡手術が予定されたが、Maddie がさらにひどい胆嚢の発作で入院してきたので、Capuano 氏は数週間前倒しで手術を行った。
 その後、Tulane University に移った Maddie は、この手術によって痛みに終止符を打つことができた。「私はもう授業を休んでないし、欲しいものは何でも食べられます」と彼女は言う。
 今回の経験で、Maddie がヒステリー症のティーンエイジャーと何度も見なされたことから医師に対して警戒心と怒りを覚えたと母親は言う。
 「とてもばかげた話ですが、私は、もし医師に何かを言われたら、神父に言われたと同じようにそれは絶対的真実なのだと聞かされて育ちました。彼らは私たちよりよく知っているのですから。だけど、今は、もし何か疑わしいと思ったら、私は間違いなくもっと積極的になるでしょう」
 起こったできごとを Maddie の以前の小児科医に伝えたとき、その反応は Kaplow さんが期待したものではなかったと言う。「彼女は『治療されて大変うれしく思います』と言ったのです。『何年もの間すみませんでした』ではなかったのです」そう Kaplow さんは言う。

肝臓で作られた胆汁は胆管を通って十二指腸に分泌される。
その途中にある、胆汁が溜まる袋を胆嚢といい、
これらを総称して胆道と呼ぶ。

Photo
胆道系解剖図(http://www.ususus.sakura.ne.jp/053bileduct.htmlより)

胆道ジスキネジーとは
胆嚢を含む胆道系に
胆石・癌など明らかな器質的病変が存在しないにもかかわらず
腹痛、発熱、黄疸などの胆道疾患様症状を呈する病態である。
その発症機序として、胆道系に存在する括約筋群の攣縮や、
胆汁排泄システム(主に胆嚢)の機能不全に基づく
胆汁うっ滞などによる胆道内圧の亢進が考えられている。
本疾患の根本的病態となっている括約筋の緊張亢進や、
胆嚢の機能低下の原因は不明だが
自律神経やホルモンの異常が関連が推察されている。

胆道ジスキネジーは次の3つの型に分けられる。
①緊張亢進型:胆嚢出口付近の緊張が亢進しているために
胆汁の排泄が遅れる。
②運動亢進型:胆嚢収縮ホルモン刺激によって
胆嚢が直ちに収縮し、胆汁が急速に排出される。
③緊張低下型:胆嚢は弛緩気味で胆嚢収縮ホルモン刺激でも
胆嚢の収縮が不十分で胆汁の排泄が遅れる。
いずれのタイプも
食後に右上腹部やみぞおちの痛みが起こることが多いが、
嘔気、腹部の膨満感、下痢などが見られることもある。
血液検査では胆道系酵素のγGTP やアルカリフォスファターゼ
などの数値が上昇する。
慢性的腹痛がありながら長い間診断に至らないケースも多い。
診断には超音波検査や逆行性膵胆管造影検査を行って
胆道系に器質的病変がないことを確認する。
さらに胆道内圧の測定も行われる。
また、肝臓から胆嚢・胆管への胆汁の流れを観察する
胆道シンチグラフィー(胆汁に取り込まれる放射性同位元素を
用いて胆汁の流れを追跡する)も診断に有用である。
治療にはまず、食事療法、精神療法、薬物療法が行われる。
緊張亢進型と運動亢進型では、脂肪の摂取を控え、胆嚢の
収縮の抑制を図る。
緊張低下型では逆に脂肪を多く摂取し、胆嚢収縮を促す。
薬物療法は、緊張亢進型と運動亢進型には胆嚢の収縮を抑える
抗コリン薬や精神安定剤が用いられる。
緊張低下型では利胆薬、平滑筋収縮薬が用いられる。
薬物療法による効果が不十分な場合、
十二指腸開口部にある乳頭括約筋の緊張亢進例では
内視鏡下に括約筋を切開し胆汁の流れを改善させる。
胆嚢に問題がある場合には、
本症例のように腹腔鏡下胆嚢摘除術が行われる。
本疾患は自律神経不安定型の神経質な人に起こりやすく、
ストレスの影響など心因の関与も否定できないが、
心の問題だけで片づけてしまうには、本人・家族にとって
その症状はあまりにも辛すぎるようである。

コメント (1)
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