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MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

見つめ合うと素直に愛が高まる?

2015-04-22 00:03:32 | ペット

飼い主の目をじっと見つめる犬がいる。

それは単に餌をもらえることを期待しているだけかもしれないし、

散歩に連れて行ってもらいたいと思っているだけかもしれない。

しかしじっと見つめ合うことによって

犬と飼い主の絆が強化されている可能性があるのだという。

 

4月16日付 New York Times

 

The Look of Love Is in the Dog’s Eyes  愛の表現は犬の目の中にあり

By JAN HOFFMAN,

飼いならされた犬と人間は愛情のフィードバック・ループを発展させた。

  大きな茶色の目がじっとあなたを見つめる。あなたの心臓は高鳴る。あなたは撫でてやりながら他愛もないやさしい言葉をささやく。すると、その大きな茶色い目はあなたに向けられたまま、尻尾が振られる。

 忠実な犬。夢中になる飼い主。Science 誌の最新のレポートによると、愛が増強されるこの連続したループはこういった犬の凝視から始まる可能性があるという。

 飼い主に対する長い凝視を訓練した犬では高いオキシトシン値がみられることを日本の研究者らが明らかにした。このホルモンは脳で産生され、子育てや愛着に関連するが、これは親と子の間の結びつきを強化するような良い気分にさせるフィードバックに類似する。このような長い凝視を受けると飼い主のオキシトシン値も上昇する。

 犬の凝視は飼い主の中のつながりと反応に信号を送る。飼い主は凝視や話しかけや触ることでその犬に見返りを与えることになるが、それらすべてが両者間の絆を強くすることになるとこの研究者らは述べている。犬は、本来の人間のコンタクトの手段である目と目によるコミュニケーションに順応することで飼い慣らされるようになったと彼らは示唆している。

 そして、研究者らが点鼻スプレーによって過剰なオキシトシンを犬に投与すると、(オスではみられなかったが)メスの犬はさらに長く飼い主を凝視したが、そのことによって今度は飼い主のオキシトシン値を上昇させた。

 「この研究のユニークな内容は、オキシトシンが2つの大きくことなる種の間の社会的な凝視相互作用を強化させる可能性があるということにあります」この最新の研究には関与していない Yale 大学の心理学、神経生物学の准教授 Steve Chang 氏は言う。

 動物でオキシトシンを研究している Chang 博士は、飼いならされることによって犬は人間を自分たちの“重要な社会的パートナー”と見なすようになったが、一方で人間もまた犬を社会的パートナーと見るようになったのだという。

 それぞれの種がお互いのオキシトシン値を高め、関係を促進するやり方を学ぶことで「ある意味、飼いならされた犬は私たちの社会的回路をハイジャックすることが可能となり、私たちもまた彼らの社会的回路をハイジャックすることになっているのです」e メールで彼はそのように言う。

 この研究者らはさらに、狼から飼い主への凝視がどちらか一方、あるいは両者のオキシトシン値を高めるかどうかをみるために人間に育てられた狼を調べた。しかし犬と比較して、狼は飼い主をほとんど凝視することがないため飼い主のオキシトシン値もほとんど変化しなかった。

 犬とは異なり、狼はどちらかといえば“視線を合わせることを脅しとして利用しがちであり”、“人間とのアイ・コンタクトを避ける”傾向にあると、自治医科大学のリサーチ・フェローで本研究の著者である Miho Nagasawa(永澤美保)さんは書いている。

 麻布大学獣医学部教授 Takefumi Kikusui(菊水健史)博士は、犬と狼の間の凝視の差は“人間と生活するという進化的な飼いならしの過程で犬がこの優れた能力を身に着けたこと”を意味するものと考えていると eメールに書いている。

 さらに続けて「犬は、子供と親を結びつけるための自然体系を無意識のうちに巧妙に利用した可能性が存在する」と彼は言う。

 第1の実験では30分間互いに影響しあう前後で30人の飼い主と犬の尿中のオキシトシン値を測定した。犬にはオスとメスがいたが、その中にはメスで手術を受けたもの、オスで去勢手術を受けたもの、去勢されていないものもいた。犬種は複数のゴールデンリトリバー、スタンダード・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザーと1匹のジャックラッセル・テリア、そして2匹の雑種である。さらに5頭の狼とその飼い主でオキシトシン値を測定した。

 オキシトシン値の変化は、飼い主に対してより長い凝視を行った犬で最も顕著だった。長い凝視とは研究者らによって、対面の最初の5分間のうちの100秒間と定義された。犬種間や犬の性別でオキシトシンレベルに有意な差はなかった。

 2番目の実験では、犬に対して生理食塩水あるいはオキシトシンの点鼻スプレーを投与した。今回、それぞれの犬は3人の人間と部屋に入った:飼い主と二人の見知らぬ人間である。すると、オキシトシンを投与されたメスの犬だけが飼い主にさらに長い凝視を示した。そして飼い主たちはオキシトシン値の急上昇を示した。犬の性別で違いがあった理由については研究者らによって述べられていない。しかし、2人の見知らぬ人物の存在が原因となってオスの犬の警戒心がオキシトシンの変化を抑制した可能性があると研究者らは推察している。

 犬の行動の他の専門家らは本研究の意味合いを拡大して述べることに警告を表している。

 Barnard College の Dog Cognition Lab の所長 Alexandra Horowitz 博士は“本研究を魅力的な研究の方向性である”と考えているが、それは、“行動測定とホルモン成分の間の関係を見ているからである”と言う。それは多くの興味ある疑問を提起していると彼女は言う:長い凝視と短い凝視について;メスの犬だけがオキシトシンの投与に反応した理由;他の犬種では異なる結果が得られるのかどうか、などである。しかし、サンプルのサイズが小さいことを指摘し、彼女は次のように付け加える。「それが飼いならしの命題をどのように証明することになるのか私にはわかりません」

 そして、犬の“凝視”の意味づけという問題がある。人間の凝視にはニュアンスが重層する。犬の飼い主は似たような複雑さが犬の凝視にもあると見なすかもしれない。彼らが、親のようにそれを解釈する可能性がある。〔これは(犬種の一つであるハバニーズの飼い主によって支持された観点である。この犬の熱心で感情のこもった凝視は長く意味ありげで、首をかしげ耳を前方に揺らすことで中断された。多くを語るのである〕「もし犬の凝視で、その犬があなたを理解していると考えることができるなら、それによって絆が生まれることになります」と Horowitz 博士は言う。

 本研究に付記された評論の共著者で Duke Canine Cognition Ceneter の共同所長である Evan L. MacLean 氏は、「犬の凝視が何を意味しているのかはわかっていません。皆さんが人間の赤ちゃんをみるときいい気持ちがします。恐らく犬も気持ちがいいからあなたを凝視するのでしょう。きっと犬は、その目で皆さんを抱きしめているのです」と言う。

 しかし、進化人類学者である MacLean 博士によると、本来、犬にとっては人間の行動は、「まさに起ころうとしているすべてのことを顕すもの”であるという。私たちが立ち上がろうとしているのかそれとも座ろうとしているのか?部屋を出て行くのか?食べ物を持ってきてくれるのか?

 そしてだからこそ彼らは私たちをじっと見つめるのである。

 「もし私が火星に降ろされ、皆が理解できない言葉を話していて、彼らの言葉を決して習得できないと思ったなら、私はただあきらめるでしょう。しかし犬はそうしません。彼らは絶えず私たちを観察することを厭わないのです」と MacLean 博士は言う。

 

飼い主をじっと見つめる→飼い主が喜ぶ→餌をもらえる、頬ずりしてもらえる

このパターンに味をしめた犬の作戦に飼い主もだまされてしまう可能性がある。

しかしそこに愛情ホルモンであるオキシトシンの上昇が双方に見られるとなると

単に自分に都合のいいだけの行動ではないようではある。

とはいえ、

日頃飼い主が想像する犬の気持ちなど

人間のひとりよがり的な解釈が多分に入っていそうなので、

実際のところ全く見当はずれとなっているのかもしれない。

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右はOK、左は…

2013-11-08 18:52:28 | ペット

いかにも能天気に見えるワンちゃんも
実際には意味深にその尻尾を
左右に振り分けているのだそうである。
果たしてその意味とは?

11月5日付 Washington Post 電子版

Does your dog wag left or right? It matters. あなたの犬は尻尾を左に振る?それとも右?それには意味がある。

Dog_1_4
研究者らによると、他の犬の尻尾の振り方に対する犬の情動的反応を理解することは犬の心地をさらに良くするのに役立ち、恐らく、獣医の診察室でペットを落ち着かせる新たな戦略の開発につながるかもしれないという。

By Megan Gannon,
 尻尾を振ることは、これまでに考えられていたより多くの意味を犬の間で伝えている可能性がある。
 犬は尻尾を振る方向に依存して、仲間に対して異なる情動的反応を持つことが最近の研究で明らかにされた。尻尾を右に振る仲間の犬を見ることは犬を落ち着かせるが、左への振りはストレスを誘発するようであるとこの研究者らは言う。
 この研究のために、研究者グループは様々な種類の飼い犬43匹を対象に用いた。動物たちは心拍数を監視するベストを装着され、左、あるいは右のいずれかに尻尾を振る他の犬のビデオを見せられた。
 研究者らによると、左側に尻尾を振るのを見たペットは不安げに行動し、それらの心拍数は上昇したが、犬が右側に尻尾を振るのを見た犬は平静を保っていたという。さらに後者では画面上の犬に近づき始めたが、これは右側への尻尾振りを親交のシグナルと犬が見なしていることを示唆していると研究者らは述べている。
 しかし研究者らによると左右への尻尾振りは犬の仲間内だけで通じる符牒のようなものではない可能性があるという。尻尾を振る方向、およびそれに対する相手の犬の反応は、犬の脳の別々の半球に根差す自動反応に起因する可能性があると彼らは考えている。
 人間の脳の左右の半球が異なる感情や行動をコントロールしていると考えられているのと同じ様に、尻尾を振る方向が、半球活動にマッチしているのかもしれないと、イタリアの Center for Mind/Brain Schiences of the University of Trento の研究者 Giorgio Vallortigara 氏は説明する。
 「言い換えると、右側に偏った犬の尻尾振りを見て、あたかもある種の前向きな姿勢の反応を経験しているかのように左半球を活性化させた犬は、くつろいだ反応を生ずるということです」と Vallortigara 氏は述べている。
 「これに対して、左側に偏った犬の尻尾振りを見て、あたかもある種の後ろ向きな反応を経験しているかのように右半球を活性化させた犬は、標的化するような不安に満ちた反応を生じるだけでなく、心拍数の増加も起こるのです」と Vallortigara 氏は付け加える。「それは驚くべきことだと私は思います」
 Vallortigara 氏らは、こういった反応を理解することで犬の心地を改善させることに役立ち、さらには恐らく、獣医の診察室で彼らを落ち着かせる新たな戦略の開発にも有用となるかもしれないと言う。

大きく尻尾を振っている犬を目にすれば
その犬はきっと喜んでいるに違いないと思う。
しかし実際には尻尾の振り方に左右の偏りが存在しているという。
実際のビデオ画像↓
http://bcove.me/12k8x3mb
(ちなみに我が家の犬を観察してみたところ、ほぼ左右差なかった…)

このように犬の持つ感情によって
尻尾の振り方に偏りが存在することについては
イタリアの神経科学者や獣医師などからなる研究チームから
2007年に報告がある。
犬はうれしい時には左側の脳が活性化して右側に尻尾を振り、
不安やストレスを感じるときには右側の脳が活性化して
左側に尻尾を振ると考えられているそうである。
今回の研究チームはこれを一歩進めて、
犬が他のイヌの尻尾の動きの方向を読み取り
それに反応することを発見した。
他の犬が左側に尻尾を振っているのを見ると
心拍数が上がりストレスに感じていたというのである。

右半球が優位、あるいは左半球が優位ということが
実際にそこまで感情と関連を持つとはにわかに信じがたいのだが、
左脳が仲間の認識に重要な役割を持ち、
右脳が外界に対して注意を払う役割を担っているというのは
知られた事実である。

近くに犬がいる人は、
是非そんな目で彼らを観察してみられてはいかがだろう?

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迷子にならない子猫ちゃん

2013-03-01 16:41:35 | ペット

鮭ははるか彼方の大洋から生まれた川に戻ってくる。
アオウミガメは大洋を泳ぎ毎年2,000㎞も離れた
いつもの産卵場所を目指す。
渡り鳥は毎年、何千キロも離れた土地を往来する。
種の保存のためとはいえ、動物たちの方向感覚の正確さには
驚かされる。
住み慣れた町でも迷ってしまうことのある人間には
持ちあわせない何かが彼らにあるのは間違いないなさそうだ。
果たしてその何かとは一体何なのであろうか?

2月19日付 Washington Post 電子版

How does a lost animal find its way home? 迷子の動物はどうやって自宅にたどりつくのか?

Animalswayhome

果たして哺乳動物が磁北を感じることができるのか、また感じるとすればどれほど強く感じることができるのかは科学者たちに分かっていないが、それらは別の方向感覚の手段を持っている。

By Brian Palmer,
 フロリダ州 West Palm Beach のある夫婦の猫が11月に Daytona Beach でいなくなったが、結果、2ヶ月後に自宅から1マイル以内のところにその動物が現れた。その猫が200マイル移動したことは間違いない。この驚くべきできごとには前例がないわけではない。オーストラリアの猫が1年以上かけて1,000マイル以上を旅して自宅に戻ったことが伝えられている。Bobbie the Wonder Dog という犬がインディアナからオレゴンまで歩いて自宅に戻ったことで1920年代にちょっとした有名犬となった。また昨年 Buck という名前のラブラドールは、バージニアの Winchester からサウス・カロライナの Myrtle Beach まで500マイルを移動した。動物たちはそのような遠距離の地からどのようにして自宅までの道を見つけるのであろうか?
 それではまず基本的なことから始めてみよう。動物にとって最も単純な手段は taxon navigation と呼ばれるもだが、これはほとんどナビゲーションといえるようなものではない。Taxon navigation は自分が居たい場所を直接的に感じる能力である。
 「ラットや犬は臭いの跡を追跡します」そう言うのはカナダ、University of Waterloo で空間的意思決定の神経科学を研究している Matthijs van der Meer 氏である。「虫は化学的痕跡を追跡し、それらを引きつける化学物質の濃度が高い方向に移動するのです」
 アニマル・ナビゲーターとして最も有名な鳥類は地球の磁場を感知することができる。そのため、夏の間、雁が北に渡るとき、その手段の一つは地球の磁北を感じそれに向かうことである。他の動物にもこの磁気感覚を持っているという兆候が見られるが、それらの大部分において、その感覚はより弱い形でしか現れない。
 動物がその目標を直接的に感じとれないとき、作業ははるかに複雑となる。そうなると一連の別の能力が必要となる。最も基本となるのは記憶である。動物が向かいたいと思う場所について何かを記憶していなくてはならない。猫、犬、さらに鳥までもが、すべてこのタイプの能力を持っている。記憶を持たずに道を進むことは、住所を知らないまま地図上でレストランを見つけようとするようなものである。
 もう一つの基本的なスキルは自分の位置と他の場所とを関連付ける能力であり、これを私たち人間は方向感覚と呼んでいる。
 「鳩は、その磁気感覚を用いて北を感知できますが、もし東に向かう必要があるときにはそれは役に立ちません。北と東の関係を理解する追加の情報が補足されなければなりません」と van der Meer 氏は言う。
 哺乳動物が磁北を感知できるのか、できるとしたらどれくらい強く感知できるのかについては科学者たちにはわかっていないが、それらには別の方向感知戦略が備わっている。哺乳類は内耳に小さな毛があり、向きを変えるときにそれがある方向から他方向へ押されることで、身体が回転していることを脳に伝えるようになっている。このいわゆる前庭器官は便利なものではあるが、鳥類の体内コンパスと比べると発達が不良である。この毛はゆっくりとした方向転換を感知することはできないし、一方であまりに速い回転は方向感覚を失わせる(ぐるぐる回転させられた後ロバの絵に尻尾をつけるゲーム“Pin the Tail on the Donkey”をご記憶か?)
 現在地を視覚化することももう一つの位置確認の手段となる。人間が用いるその一つの形は目印をつけることである。誰かが方角を尋ねたら、あなたは、「あの教会に向かいなさい」とか「コーヒーショップを見たら左に曲がりなさい」とか言うでしょう。動物もまた目印を頼りにすることがわかっている。van der Meer 氏の実験によると、もし実験用ラットが方向感覚を失うまで回転させられたなら、ラットは、自宅への帰り道を見つけるための指針として人間の作った出口標識や電球などの視覚的手掛かりを用いることになるという。
 メンタルマップを作成する人間の能力を人間以外の哺乳類も保有しているとの神経学的エビデンスが存在する。ラットが迷路を探っているとき、head cell と呼ばれる特殊な地図製作ニューロンが活動を起こす。ラットが動き回るとき、様々な細胞のスイッチが切れたり入ったりして、活動する脳細胞に基づいてラットは迷路の中でその位置を特定することが可能となる。さらに grid cells と呼ばれる別個の細胞群も存在し、それらはラットの一般環境を区別するという。例えば、ラットが迷路Aにいるのかそれとも迷路Bにいるのかといったことである。(Head cells は都市の地図、grid cell は国道の地図と考えていただきたい。有効なナビゲーションには両者が必要である)
 さて神経科学の話はこれくらいにしておこう。例のネコに話を戻そう。どのようにして猫は Daytona から West Palm Beach まで行けたのだろうか?おそらく海が鍵となったと考えられる。West Palm Beach は Daytona から海岸沿いにまっすぐ200マイル南にある。その猫が一旦海を見つけたら、一つの選択をするしかないのである。すなわち左か右か?である。
 「猫は弱い磁気感覚を持っていたか、それとも北へ向かっていた間にどちら側に海があったかを覚えていたことが考えられます」と van der Meer 氏は言う。「あるいは単にまぐれ当たりだったのかもしれません」
 まぐれ当たりだったというのはちょっと手厳しい。とりあえず、この猫が利用した可能性がある能力の数を列挙しておこう。記憶(自宅は海の近く)、目印(海そのもの)、taxon navigation(海を感じること)、そしておそらく過ちの繰り返しを避けるためのメンタルマップ。
 『チャンスは備えあるところにだけ訪れる』―パスツールもそう言っているのだから―

遠く離れた場所から自分たちの巣に戻ることのできる
動物たちが持つ能力を帰巣本能という。
この本能が発揮されるには、
自分の位置認識や方位の正確な判断を可能にせしめる
特殊な能力が備わっているに違いない。
その能力がどのようなものであるかはいまだ解明されていないが、
彼らには自立航法システムのようなものが備わっていると
考えられる。
これについては、
視覚、聴覚などの感覚器官から得られる情報を基にして
脳に地図のようなものを描いているのではないかとする説、
あるいは体内にあるコンパス機能を持つ物質を利用して
方角を感知できるのではないかという説、
さらには方向細胞(記事中の head cell、正確には head
direction cell)という大脳辺縁系に局在する脳細胞が
暗闇でも目標の方向に頭が向いたときだけ活性化し、
目的地の方向を察知するという説、などがある。
いずれにしても、
私たち人間には及びもつかない特殊な能力が
関与している可能性がある。
ひょっとしたら、実際に私たちのまわりにも
“体内コンパス(生体磁石)”を持ち
方角を感じとる能力を持つ人間が存在するかも知れない。
それとも、人は皆、本来その能力を持っていたのに
地図やコンパスを利用するようになって
退化してしまった、とは考えられないだろうか?

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猫の口にはご用心

2013-01-28 23:15:27 | ペット

どうも MrK は猫が苦手なのだが
可愛くてたまらないという人もおられることだろう。
しかし日頃、猫と異様にじゃれておられる方、
気をつけられた方が良い。
ワシントン在住の
医療・科学分野のライター Marie Joice 女史は
かなり“痛い目”に遭われたようである。

1月21日付 Washington Post 電子版

Cat bite puts woman in the hospital with a serious infection 猫に咬まれた女性はひどい感染症で入院となる

Catsbite_2

プロレスごっこをしながら咬みついたり引っ掻いたりする猫は良い遊び方をしているとはいえないようだ。

By Marie Joyce,
 眠そうな目をして滑稽に尻尾を捻じ曲げる Sammy は危険なキャラクターには見えない。しかし Sammy のおかげで私は入院した。
 4日間も。
 何時間も抗生物質が入れられた点滴につながれてベッドに横になっていたため、自分がここに来ることになった愚行を後悔する時間はたっぷりあった。
 Sammy が私に咬みついたのだ。その時はそのことを深刻には考えていなかったが、小さな猫に咬まれても大きな問題となる可能性があるのだ。それは、咬傷の特性、猫や人により媒介される細菌の種類による。実際にそれが致死的となる人もいる。
 「猫による咬傷は軽視されるべきものではありません」と Humane Society of the United States(全米人道協会)のネコ・プログラムマネージャーの Nancy Peterson 氏は言う。
 猫咬傷の50%近くで感染が見られると、MedStar Georgetown University Hospital の感染症部門の部長 Princy N. Kumar 氏は言う。しかし、私と同じように、多くの人たちはこのケガを深刻に考えない。
 Kumar 氏によると、「人はその危険性を甘くみており」、咬傷はただちに見てもらうべきだということを理解していないという。「猫に咬まれると、2人に1人は感染する可能性があるということを知らないのです」
 私の第1の失敗は、喧嘩をしている最中に近づいたことです。
 私たち家族に加わったばかりだった街猫の Sammy は、すでに定着して住んでいた Blue が好きではなかった。ある日の夜遅く予備の寝室からゾッとするような鳴き声を聞いたとき、喧嘩中の片方を排除しようと思った。
 Sammy を拾い上げようと手を伸ばしたとき、脚を私の腕に巻きつけて私の手首に牙を立てた。2ヶ所の傷から暗赤色の静脈血が吹き出し、その箇所が腫れ出した。私は(もちろん悲鳴を上げてその猫を落としたあと)傷を十分洗い、氷を当ててしばらく高くしていた。朝までにはその腫れは引くだろうと考えていた。
 その翌日、私の腕はパンパンに晴れ上がり、指を十分に動かすことができなかった。私の手首は触ると熱かった。さらに氷を当て、拳上に努めた。
 それが私の2つめの失敗だった。問題を最小限に考え、咬傷に自分自身で対処したこと。結構な猫咬傷は常に医学的介入を要するのである。
 「もし実際にひどく咬まれたら、予防的な抗生物質の投与を受けるべきです」と Kumar 氏は言う。彼女によると軽い傷は問題ないが、もし猫が確実に深々と咬みついていたなら治療を受けるべきだという。「刺し傷があって、そこから血液が出てくるような場合です」
 組織に深く貫通しない表面的な圧搾するような咬傷をもたらす傾向のある犬と異なり、猫はその長い牙で穿通創を負わせるため、猫の口やその周囲から組織深くに細菌が注入される。
 さらに Peterson 氏によると「猫はきわめて強力な細菌を持っている」という。猫は口の中に様々な微生物を持っているが、実際の疾病は問題となる感染症を起こしうる細菌 Pasteurella multocida によってひき起こされる。ある研究によると、飼い猫の90%がこの細菌を保有しているという。Louis Pasteur によって初めて同定され、彼の名前がつけられたこの細菌を犬も保有しているが、咬傷からの感染率は猫の50%には及ばない。(ちなみに Pasteurella は猫ひっかき病を起こす微生物ではない。この疾患は通常、子猫のひっかき傷や咬み傷から感染し、ほとんどの人ではリンパ節の腫脹を引き起こすが、重篤な局所感染は起こさない)
 私たち人間もまた、皮膚表面にブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌を持っており、それらは動物の歯に付着し、咬傷によって感染する細菌群の一つに加えられる。
 どうやらかなりの数の人たちが私のような状況になっているようだが、どれくらいの人たちが飼い猫から問題となるような傷を受けるのかについてはしっかりした統計はない。ニューヨークの公衆衛生部門による研究では、動物咬傷で緊急室を訪れた人たちの13%が猫によるものだったという。
 「まれな病態ではありません」と Kumar 氏は言う。彼女は入院を必要とするケースを年間5、6件は見るという。
 私の3つめの失敗は、2つめの失敗と関係しているが、咬傷がよくならないとわかったときに優柔不断だったことだ。
 今回の災難から3日後、私の右腕は詰め物でいっぱいになったソーセージのようだった。痛みがあり、指が全く使えなかった。それでも、Georgetown の緊急室に入っていくのは少し大げさに感じていた。事実その日そこには本当の病人が何人かいた。私は処方を受けて放免されるのをきまり悪げに座って待っていた。
 入院しなければならないと医師が私に告げたとき、自分の判断は間違っていたのだと思った。
 医師はさらに、明日手術になるかもしれないので今夜の食事はないと言った。
 後でわかったことだが、猫咬傷は骨の感染を起こしやすいという。それは傷が深いという理由からだけでなく、ほとんどの咬傷が手に起こり、そこでは骨や関節の位置が浅いからである。
 ありがたいことに私のレントゲン撮影では骨感染の所見は認められず、手術場は回避することができた。その代わり、2つの強力な抗生物質の静注を受けた。ブドウ球菌とレンサ球菌に対するバンコマイシンと、Pasteurella その他の細菌に対するユナシン(スルタミシリン)である。私は看護師の手をあまりわずらわすことのないように努め、特に目的なく玄関ホールにあるスナックの自動販売機まで自分の点滴の機械を転がして行ったりして3泊4日を過ごした。ようやく内服の抗生物質を持って帰宅が許されたときには私の腕はまだ少し腫れていた。今回の入院と治療の費用は15,524ドル(約1,412,700円)だったが保険から支払われた。
 完全に体調が戻り手や手首の腫れの症状が消失するまでにはさらに数日を要した。
 運のいいことに、私はほとんど健康だったのだ。猫咬傷が致死的な病状となるような医学的疾患はなかった。たとえば、基礎疾患に肝臓病のある人は、犬や猫の咬傷でしばしば認められる別のタイプの細菌に感染するリスクがある。これは脾臓が正常に機能していない人にとっても問題となる。Kumar 氏によると、そういった人たちは致死的な敗血症性ショックの危険があるという。
 まだ Sammy を飼っているのかと皆に聞かれます。そう、飼っています。そして彼は依然として Blue とは仲良くやっていません。
 しかし、少なくとも私は一つ賢くなりました。今は、もし喧嘩が始まったら、水の入ったスプレーの瓶をつかんでそれらに近づかないようにするでしょう。

記事中に出てくる
Pasteurella multocida(パスツレラ・ムルトシダ)感染症
(一般にパスツレラ症と呼ばれる)について
若干説明を加えておく。
従来から人畜共通感染症の病原菌として知られている
Pasteurella(パスツレラ)はグラム陰性短桿菌で、
ヒトを除く哺乳類の口腔内に常在する。
猫でほぼ100%、犬で15~75%、そのほか
ウサギ、ブタなど多くの哺乳類が保有している。
咬傷部や掻傷部からの蜂窩織炎のほか、
呼吸器感染症や敗血症をひき起こすことがある。
糖尿病患者やステロイド内服中の患者など
基礎疾患のある患者では発症率が高く、
小児や高齢者も注意が必要である。
犬や猫による咬傷・掻傷では、
早い場合には受傷後数時間程度で、局所に発赤、
腫脹、疼痛が発現し、そのうち20~40%が化膿する。
受傷が深部へ達した場合には、
骨髄炎、細菌性関節炎に至ることもある。
頻回に猫に顔を舐められたり、犬とキスしたりする飼い主では
気道感染のほか、中耳炎や副鼻腔炎などを起こすことがある。
肺への感染では血痰を見ることもある。
前述のように基礎疾患を持つ患者で発症することが多く、
日和見感染の傾向が見られる。
治療は早期の診断と抗生物質の早期投与が重要である。
Pasturella はペニシリンをはじめ多くの抗生剤に感受性があるが、
バンコマイシンやクリンダマイシンには耐性を示すことが多い。
多くは治療に反応するが、診断が遅れたり基礎疾患のある患者では
重症化することもある。
本症に対しては、予防が何より重要である。
ペットの小型化や室内飼育の増加が、ペットとの接触時間の
増加を招き、この菌への曝露機会が増しているという現実がある。
性格の激しい動物との接触を避ける、動物の爪切りをこまめに行う、
動物との接吻を避ける、接触後の手洗い・うがいの励行などが
勧められる。
パスツレラ症はペット飼育者の間でも
意外と知られていないことが多いため、
感染の危険性やその予防についての理解を
促していくことが重要である。
やっぱり猫は好きになれないのである。

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犬の本心を知る

2012-05-12 11:11:49 | ペット

機能的MRI検査の進歩により、
脳の活動状態を捉えれば、その人が
何を考えているかを知ることができる。
犬が飼い主の顔色を伺っているように見えるのは
本当に飼い犬に対して愛情を持っているからなのか?
それとも単に餌がほしいからだけなのか?
もし起きている状態で
犬にMRI検査が行うことができたとしたら
犬の気持ちが理解できるようになる?

5月9日付 Time.com

Scientists Use Brain Scans to Peek at What Dogs Are Thinking 科学者たちは犬が考えていることを垣間見ようと脳画像検査を使う

Doginmri

By Alexandra Sifferlin

 犬の Fido(註:Fido はアメリカにおける犬の名前の定番)はあなたに会って本当に喜んでいるのか?それとも息を弾ませたり尻尾を振ることはおやつを期待しているというしぐさに過ぎないのか?
 アトランタにある Emory University の研究者らはこのことを初めとする種々の疑問に対して MRI 画像を用いて答えを出そうとしている。新しい研究で、彼らは撮影を完遂するのに十分な長さである 10~15秒間、MRI 装置の中で起きていながらじっと横たわっているよう犬を訓練するのに成功したと報告している。
 「我々は実際に脳画像を捉えることができ、我々が手の合図をしたり、犬に話しかけたり、あちらこちらを指さしたりするときに、脳のどの部分が活性化しているのかを見ることができます。犬が何を考えているかを今や理解することができるようになっているのです」研究者の Emory の神経経済学教授 Gregory Berns 氏は本研究を紹介するビデオでこう述べている。
 本研究のアイデアは、オサマ・ビン・ラディンを殺害する米軍の任務に犬が参加していることを Berns 氏が知ったことでひらめいた。「犬に飛行機やヘリコプターから飛び出すよう訓練できることがわかったのです。犬に MRI に入るよう確実に訓練できることから、彼らが考えていることを知ることができるのです」と彼は言う。
 これが実際に可能であることを示す実験で、騒音を和らげる耳あてをつけながら機械の中にじっとしているよう二匹の犬を研究者らが訓練するのに8ヶ月を要した。続いて、科学者らは、ホットドッグを手に入れることができるか(左手を挙げる)、ホットドッグを手に入れられないか(両手を互いに向かい合わせて水平に指す)を示す人間の手の合図に反応する犬の脳活動を調べた。この目的は、相当する脳の領域が報酬を期待して活性化するかどうかを確認することだった。果たしてその領域は活性化した。
 これはまだ端緒についたばかりである。今、研究者らは自由で抑制されていない犬を MRI の筒の中にじっと横にならせることができることわかったので、犬のあらゆる種類の思考を調べてみたいと考えている。Los Angeles Times は次のように報じている。

Berns 氏によると、たとえば彼らはピンが刺さった飼い主の写真を犬に見せることによって飼い主へのいたわりの気持ちを持つかどうかを調べたり、それによって犬の脳に苦痛の反応を引き起こすかどうかを見るのだという。さらに、犬が人の言葉を不特定の音として処理するのかどうか、それとも言語のより深い様式に反応する神経構造物を持っているのかどうかを明らかにすることもできる。また、犬たちが飼い主を視覚により認識するのか、嗅覚により認識するのかを調べることができる。

 「愛犬家たちは自分たちが感じていることを彼らの飼い犬たちはわかっていると確信しています。しかし正直なところ私はそれについてはどっちつかずの状態にあります。たぶんそれは対象が私自身が飼っている犬であるためでしょう」Berns 氏は Wired Science にそう述べている。「cat people として知られる世の中の疑い深い人たちは、犬たちはただ上手な俳優に過ぎないと考えています。まさしくそうだとは私は思いません。しかし、どこまででも事実を解明したいと思っています」
本研究は5月11日に学術誌 PloS One に発表されることになっている。

狭くて大きな音のするMRIの機械に入るのは
人間でも我慢が必要だ。
ましてや落ち着きのない犬にじっとさせるのは
並大抵のことではないだろう。
本研究を紹介するビデオを見ると
被検犬はなんとか十数秒間はMRIの中で
じっとできているようである。
鎮静剤を使えば検査は可能だが、
覚醒時の脳の活動を測定することは不可能となる。
本研究は犬の脳の働きを知るのに
大いに役立ちそうである。
とはいえ、探究が進み、
もし犬が何も考えてないことがわかったら、
飼い主の犬への愛情が冷めてしまうのではないかと
少し心配になるのである。

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