まずは2012年1月クールのドラマを総括。
今クールは実に低調だった。
まだ各ドラマは続いているが
これまでのところで視聴率の良かった順に
勝手な寸評を加えてみたい(括弧内は3月2日までの
平均視聴率、大河ドラマを除く)。
『ストロベリーナイト』(15.78%)
どんぐりの背比べ状態で視聴率が低迷した今クールで、わずかの差でトップをとっているのがこのドラマ。当初、相当違和感があったが、竹内結子の厳しい刑事役も徐々に板についてきた。シリーズ化も期待される。
『相棒(10)』(15.50%)
視聴率が今一つ伸びなかった。及川光博の降板もそのテコ入れのため?いずれにしろ(水谷豊の演技にも)そろそろ飽きが来るころだろう。
『ラッキーセブン』(15.31%)
中盤までは比較的良かったが、突如意味不明に瑛太が姿を消すと、以降はすっかりつまらないドラマとなった。松潤の存在感は薄く、彼一人ではあまりに荷が重い。“三田さん”直後の松嶋菜々子にも冴えがなく、折角の期待感が急速にしぼんでしまう結果となってしまった。
『ハングリー!』(12.66%)
さすがの向井理クンも企画・ストーリーのつまらなさで視聴率が獲れなかった痛恨の一作。次回は彼の良さをもっと発揮できるドラマでリベンジしてほしい。
『理想の息子』(12.20%)
日テレ土9時枠には、もはや現実路線ドラマは期待できない?土曜の夜は若者専?ゆったりとドラマを楽しみたい時間帯ではあるのだが…
『最後から二番目の恋』(12.12%)
放映開始前の予想通り若年層からの支持が得られなかったのか視聴率が上がらなかった。ただ中高年にとっても決して面白いドラマではなかった。登場する40代のオバさんたちの歳のとり方があまりにもいやらしすぎる。実際の中高年はもっと純粋だろう。視聴者として全く応援する気の起こらない登場人物ばかりな安易なドラマだった。
『運命の人』(11.63%)
山崎先生の大作にしては視聴率が低迷。全体に内容が暗かったことも一因か?沖縄の問題を扱うにタイムリーと考えたのかも知れないが、逆に安易な取り上げ方が却って敬遠されたのかも。昭和40年代の雰囲気も今一つ伝わってこなかった。
『最高の人生の終わり方~エンディングプランナー』(11.00%)
山ピー主演のドラマがこの位置とは…彼の人気にも陰りが出た?もう少し視聴率が獲れるかと思ったが残念な状況である。主人公が葬儀屋という設定に無理があったのかも?
『ダーティー・ママ』(10.69%)
開始当初こそ永作博美の奇抜な刑事役に興味がそそられたが、あまりに非現実な展開に見続けるのが苦しくなった。案の定、視聴率はジリ貧に低下。永作にはもっと自然体で演技できる役をお願いしたい。
『早海さんと呼ばれる日』(10.41%)
松下奈緒も旬が過ぎてしまった?日曜夜ドラマの難しさを感じる。やはりこの枠には『マルモの掟』のような笑いと感動を兼ね備えたドラマが求められるように思う。
『恋愛ニート~忘れた恋のはじめ方』(8.98%)
予想以上に視聴率が悪かった。そろそろ仲間由紀恵の使い方も考えた方が良い。そもそも恋愛ドラマには不向きなキャラクターなのでは?
『聖なる怪物たち』(7.53%)
一時はドラマ打ち切りの危険水域まで視聴率が低迷。同じ医療ドラマの前作『DOCTORS~最後の名医』には明るい要素もあったが、さすがに今回のドラマは暗すぎた。イケメン岡田将生の人気も残念ながら今一つか。
それでは2012年4月ドラマに期待して
ざっとチェックしてみよう。
フジ月9 4/16~ 『鍵のかかった部屋』 大野智(嵐)、戸田恵梨香、佐藤浩市
原作は人気ホラーミステリー作家・貴志祐介原作の小説「鍵のかかった部屋」。難解な密室事件のトリックを解いてゆくミステリードラマ。主人公は大野智演じる大手警備会社社員の榎本径。彼は本社ビル内の備品倉庫室でひたすらセキュリティ・システムの研究に打ち込んでいる防犯オタク。鍵や錠前などの防犯アイテムの知識だけでなく、物理・化学・建築など幅広い分野の基礎的理論に造詣が深い。そんな榎本がひょんなことから密室事件の解明を依頼されることになる。豊富な知識量と鋭い洞察力で難解な密室事件を毎週解決、という展開。前作の松潤のドラマからの流れを見ると、これからの月9は非恋愛ドラマ路線でいく方針か。嵐のメンバーを起用し、その見返りに?恐らく主題歌も嵐の曲で、となりそうで、月9と嵐の持ちつ持たれつの関係が垣間見える。
フジ火9 4/17~『リーガル・ハイ』 堺雅人、新垣結衣、生瀬勝久、小池栄子、里見浩太朗
偏屈で毒舌だが、訴訟で一度も負けたことのない敏腕弁護士と、真面目で正義感が強いが融通の利かない堅物新人弁護士が織りなす法廷ドラマ。キャッチフレーズは、弁護士ドラマ史上、最も笑える極上のリーガル・コメディとか(笑)。性格は最悪だが駆け引きと策略に長け、勝つためには手段を選ばない主人公・古美門研介を堺雅人、一方、教科書通りの正義を振りかざす新人女性弁護士・黛真知子を新垣結衣がそれぞれ演じる。この二人がぶつかり合いながらも法廷で共闘してゆくという展開。脇を固める役どころとして、古美門に異常なまでの敵対心を燃やす大手法律事務所所長のヤメ検弁護士・三木長一郎に生瀬勝久、三木の秘書で彼の手先として古美門に色々と嫌がらせをする女・沢地君江に小池栄子、古美門の身の回りの世話をそつなくこなす古美門事務所の事務員・服部に里見浩太朗を配している。裁判に勝つためなら手段を選ばず、裁判に関わるすべての人たちを翻弄し破天荒に仕事をこなそうとして周囲からの反発を受ける古美門だが、次第にその『闘う姿』『あきらめない気持ち』に周りの人たちの心が動かされてゆくらしい。面白いのか、つまらないか予測のつかないドラマである。
フジ(関西テレビ)火10 4/10~ 『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』 草彅剛(SMAP)、水川あさみ、ミムラ、田辺誠一、松平健
原作は川渕圭一の小説『研修医純情物語~先生と呼ばないで』『振り返るなドクター~研修医純情物語』。大手食品メーカーに勤めていたサラリーマンが、ある出来事をきっかけに脱サラを決意、医学部に入学しなおし37才の研修医となる。大学病院での研修を始めるが、大学病院の不条理な裏側を目の当たりにする。社会人として経験を積んだ37才だからこそ気付くことのできる『患者が求める医療』、そして『医療も接客業』という思い。真の医療を求めて謙虚に懸命に奮闘する主人公を草彅剛が演じる。スッポンポン事件を未だに忘れ去ることのできない MrK にはそんな草彅が真摯で情熱あふれる熱血医師を演じることに対して違和感を禁じ得ない。
テレ朝水9 4/?~ 『Answer~警視庁検証捜査官』 観月ありさ、小泉孝太郎、加藤あい、林遣都、片瀬那奈、紺野まひる、佐藤江梨子、鈴木浩介、高畑淳子、柴田恭兵
またまたテレ朝による新たな刑事ドラマ。観月ありさ演じる主人公・新海晶は、キャリア管理官だったが、ある事が原因で出世コースからはずされ、捜査一課の『検証捜査係』に配属される。本来は冤罪などを防止するため容疑者逮捕から検察が起訴するまでの短期間に事件の再検証を行う重要な係だったが、いつしか、捜査報告書に『検証済』のハンコを押すだけがその役割となってしまっていた。そんな窓際的お荷物部署に追いやられているメンバーは仕事への熱意を失った問題児集団。そこのリーダーとして配属された晶は持ち前の正義感と行動力で、本気で『検証捜査』を始めようとする。解決済みだったはずの事件の真相を『検証捜査係』の手で暴いていこうとすることから捜査現場の刑事たちから受ける反発にひるむことなく古くからの警察組織の在り方に立ち向かっていく。そんな晶の姿勢が検証捜査係のメンバーたちの眠っていた意識を呼び覚ますことになる。ダメなチームを強いリーダーシップで立ち直らせようとする展開はこれまでも警察もの以外でよく見た設定だが、容疑者逮捕済みの事件の再捜査専門という設定や、初めてとなる観月ありさの刑事役はちょっと新鮮な感じかも?
日テレ水10 4/18~ 『クレオパトラな女たち』 佐藤隆太、稲森いずみ、北乃きい、綾野剛、三浦翔平、宮地雅子、余貴美子
脚本は大石静によるポップなコメディ。最先端の技術を誇る美容形成外科クリニックを舞台に、美容形成外科に関わる人々の欲望や葛藤を描きながら、美の真の意味、老いへの怖れ、QOLなどの問題を追究するヒューマン・コメディ。佐藤隆太演じる美容形成外科医・峯太郎が『美』を通じて女性の本音に迫ろうとする。
TBS木9 4/19~ 『パパはアイドル』 錦戸亮(関ジャニ∞)、優香、川島海荷、今井悠貴、谷花音、えなりかずき、佐藤二朗、高畑淳子、八嶋智人、財前直見
錦戸亮が関ジャニ∞の錦戸亮本人を演じるという。ただしストーリーは仰天もの。錦戸が、優香演じる3人の子持ちのシングルマザーと恋に落ち、結婚。しかし所属事務所は『3ヶ月以内に離婚か引退のどちらかを選ぶこと、世間にバレれば即引退』と通告。いきなり3人の父親となった錦戸は子供たち相手に奮闘し次第に家族の絆を深めていく。子供とはいえ母親が高校生で結婚・出産しているため、長女は高校生(川島海荷)。新米パパに反感を持ちことごとく反抗する。錦戸たちの結婚を支援する義母役に高畑淳子。関ジャニ∞の他のメンバーたちも全員が本人役で出演とのことである。グループのチーフマネージャーを財前直見、グループマネージャーを八嶋智人、現場マネージャー兼運転手をえなりかずきが演じる。ドラマの中でTBSの実際の番組も登場し、ちゃっかり番宣も行うなどTBSのしたたかぶりも発揮される。確かにこれまでのドラマの常識を破るホームコメディとは言えそうだが、本当に面白いかどうかは不明。一概に奇想天外な非現実的ストーリーと片づけられない気もちょっとする。
テレ朝木9 4/26~ 『Wの悲劇』 武井咲、福田沙紀、剛力彩芽、桐谷健太、松下由樹、若村麻由美、中村俊介、高橋一生、武田航平、金田明夫、寺田農、野際陽子
原作は1982年に刊行された夏樹静子による推理小説。同タイトルで1984年に角川春樹事務所から薬師丸ひろ子の主演で映画化されているが、この映画では、原作が劇中劇として登場するようアレンジされた。今回のドラマも原作の要素を取り入れてはいるが、内容は大幅に変えられているようだ。主人公は二人の女性だが、武井咲が一人二役を演じる。女性の一人は大財閥の令嬢で何不自由ない生活を送っていたが自らの手で人生をつかみたいと願う和辻摩子、もう一人は都会で孤独な貧乏生活を送りながら貪欲に金と権力を求める倉沢さつきである。風貌が瓜二つだった二人が運命的に出会い、お互いの人生を入れ替えることにする。大財閥の令嬢となったさつきは一族の複雑な人間関係を知るようになり、やがて殺人事件に巻き込まれていく。一方、苛酷な境遇に身を置くことになった摩子は強さを身につけ次第に成長する。それぞれの身の回りで起こる事件が複雑に絡みあって物語が展開されていく。意外と同性からの支持が上がらない武井咲がゴールデンタイムのドラマでは初主演となるそうだが、このむずかしい二役をいかにこなせるかが鍵である。
フジ木10 4/12~ 『カエルの王女さま』 天海祐希、石田ゆり子、玉山鉄二
かつて『歌の町』として有名なとある市のシンボルだった音楽堂が、財政難のために取り壊されようとしていた。そんな音楽堂とともに風前の灯となっていたママさんコーラスを立て直そうと地元の女性たちが立ち上がり奮闘するミュージカル仕立てのコメディ・ドラマ。物語の舞台は財政難を理由に隣市との合併話が進められている由芽市。この町の象徴であった音楽堂も取り壊してゴミ処理場にする計画が持ち上がっていた。音楽堂と同じように、この町にあるママさんコーラスグループ『シャンソンズ』もまた解散の危機にあった。そんな中、市の合併を進める市長の娘で主婦の井坂忠子(石田ゆり子)を中心に女性たちが『シャンソンズ』の立て直しを図る。そこでその目玉として白羽の矢を立てられたのが由芽市出身の伝説のミュージカルスター・倉坂澪(天海祐希)だった。ブロードウェイ帰りで強烈な指導を行う澪に対して、雅楽の伝統を引き継ぐ家に育った保守的な忠子は何かと反発する。しかし徐々にメンバーは団結を強め、グループの復活を目指しながら、歌うことを通して自分自身を見つめ直していく。元宝塚の天海ねえさんにとっては本領発揮の役柄か。
TBS金10 4/20~ 『もう一度君に、プロポーズ』 竹之内豊、倉科カナ、山本裕典、和久井映見、真野響子
ストーリーを読んで思ったのは、これって完全なパクリでしょう!2月15日のエントリーで紹介したハリウッド映画『The Vow』とそっくりそのままな内容なのである。
竹ノ内豊演じる主人公・宮本波留は自動車の修理工場に勤める整備士。性格も良く整備士としても優秀な彼は人望もある。図書館で働いていた可南子とは近くの公園で出会い、1年後に結婚。子供には恵まれていないが幸せな結婚生活を送っていた。しかし、結婚4年目のある日、可南子はくも膜下出血で突然倒れてしまう。手術は成功したが、意識が回復すると、波留と出会ったことも二人で過ごした日々も可南子の記憶からすっぽりと抜け落ちていた。二人の思い出だけでなく自分の存在すら可南子の中から消えてしまったことに波留は大きなショックを受ける。しかし、可南子への気持ちを改めて強くした波留は初めて出会ったころの気持ちを思い出し、彼女に再びアタックすることを決意する。そんな状況にある二人に、彼のことを快く思っていない可南子の弟・裕樹、波留への恋心を次第に強くする同僚の女性・桂が複雑に関わってくる。ゼロからの再スタートを誓う波留の想いは果たして可南子に届き、彼女の愛を取り戻すことができるのか?…
要するに、映画『The Vow』とは、記憶喪失の原因となった外傷性脳損傷とくも膜下出血が違うだけで、あとはほとんど同じお話。こんなのあり?しかもくも膜下出血で、一定期間の逆行性健忘だけが後遺するなんてことが果たしてありうるのか?『もう一度妻と恋をするために神様がくれたチャンスだから…あきらめないハートこそ、困難を乗り越える勇気と元気になる!これは、そんな応援のメッセージも込められた、ピュアでハートフルな、全く新しいラブストーリー』(HPより)???…。オリジナル脚本とすれば、相当いいかげんなドラマ制作である。
テレ朝金11:15(金曜ナイトドラマ) 4/13~ 『都市伝説の女』 長澤まさみ、溝端淳平、平山浩行、竹中直人
長澤まさみが初となる刑事役に挑戦。最新のファッションに身を包み、天然の色気を持つ“美しすぎる刑事”だが、その正体は究極の都市伝説オタク。美貌と色気を持つ主人公の警視庁捜査一課の刑事・音無月子が、毎回、都市伝説に絡んだ未解決事件を解決していく1話完結型のコメディ・ミステリー。事件のたびに、都市伝説の観点からマニアックな発想で捜査を進めていく。溝端淳平演じるイケメン鑑識課員・勝浦洋人は月子に一目惚れし、彼女の捜査に付き合うが、潔癖症ゆえに粗相が多い。そのほか、かつては敏腕刑事だったが徐々に捜査の勘が鈍り始めている月子の上司・警視庁捜査一課刑事の丹内市生を竹中直人が、その丹内を尊敬し追随してきたが後輩の月子のぶっ飛び捜査に戸惑いながらも協力する刑事・柴山俊也を平山浩行が演じる。都市伝説ミステリーで捜査がどんな風に進められるのか不明だが、レイトナイト帯とはいえ長澤まさみの起用で多少の視聴率が獲れるかも。
日テレ土9 4/14~ 『三毛猫ホームズの推理』 相葉雅紀(嵐)、瀧本美織、大倉忠義(関ジャニ∞)、勝村政信、もたいまさこ、鹿賀丈史、マツコ・デラックス
原作は34年前に執筆が始まった赤川次郎の小説『三毛猫ホームズの推理』。相葉雅紀演じる主人公・片山義太郎は、女性恐怖症、高所恐怖症、幽霊恐怖症などいろいろな弱点がある全くダメな刑事。『一家に一刑事』という家訓とかつての名刑事だった父親の遺言により、ふがいない仕事ぶりながらも刑事の仕事を辞められずにいた。ある日、捜査を命じられ向かった女子大で一匹の不思議な三毛猫と出会うのだが、その学内で完全密室殺人が発生する。そしてその事件にはさらに多くの謎が…。現場に居合わせながらとまどう片山の前に、例の三毛猫が姿を現し、片山に何かを伝えようとする。ダメ刑事と不思議な猫・ホームズが難事件を解決する。ここでも嵐のメンバーを使った謎解きドラマ。
NHK日8 継続 大河ドラマ 『平清盛』 松山ケンイチ、岡田将生、森田剛(V6)、中井貴一、小日向文世、玉木宏、松田翔太、藤木直人、三上博史、ARATA、大東俊介、加藤浩次、豊原功補、國村隼、山本耕史、阿部サダヲ、中村梅雀、上川隆也、藤木隆宏、伊東四朗、中村敦夫、深田恭子、成海璃子、武井咲、田中麗奈、加藤あい、松田聖子、杏、吹石一恵、和久井映見、檀れい、りょう、松雪泰子
俳優の顔、セット、衣裳、画面などあらゆものが『汚い』のがいいかどうかは別として、清盛を演じる松山ケンイチに華がないのは確かである。どこにでもいるお兄ちゃんという感じがする。演技は頑張っているようだが…。本ドラマ、前半は衝撃的な事件が少なく、その影響もあってか大河ドラマとしては視聴率が低迷している。また平安時代の趣が今一つ伝わってこないのも残念だ。公卿以外の人たちの顔のメイクに工夫がないため雰囲気が出ない。また時子を演じる深キョンが現代風のセリフ回しなのも気になる(『専業主婦探偵』の芹菜そのものである)。これから保元・平治の乱など大きなできごとが始まってくれば、多少は面白くなるのかもしれない。
TBS日9 4/15~ 『ATARU(アタル)』 中居正広(SMAP)、北村一輝、栗山千明
アタルとは特殊な能力を持った謎の男・主人公の名前である。この男、サヴァン症候群。映画『レインマン』でダスティン・ホフマンがこの病気の男を演じている。サヴァン症候群では、自閉症や知的障碍を持っていながら、特定の分野に限局して驚くべき才能を発揮する。長けた能力は、記憶力・演奏力・絵画・計算など多岐にわたる。本ドラマは、犯罪事件に関して、警察も見落としていた証拠を“発見”し“観察・洞察”し“推理”することにアタルの特殊能力が発揮され、難事件解決の糸口となる『単語』が発せられるという。ただし、アタルはコミュニケーション能力に難があり、これらの『単語』は一見意味不明に聞こえる。ドラマでは、警視庁刑事・沢俊一(北村一輝)と、彼の元部下・蛯名舞子(栗山千明)が、アタルによって発せられた単語の持つ意味を解明してゆく。一方、ドラマの縦軸として、アタルの悲しい生い立ちや秘められた事実が回を重ねるごとに明らかになってゆくという。特殊能力を持ちながら、根本には疾病があるため、理解不能な行動を起こしたりパニックに陥ったりしてしまうという難しい役どころを中井クンがどのように演じてくれるだろうか?
フジ日9 4/15~ 『家族のうた』 オダギリジョー、ユースケ・サンタマリア、貫地谷しほり、大塚寧々ムロツヨシ、藤竜也、トータス松本
過去にロック・グループとして爆発的な人気を得、栄光を手に入れていたものの、メンバーとの不和によりバンド解散以降は世間から忘れ去られ、朝5時からの30分間のラジオ番組とたまに行うファンイベントだけが残された仕事となっていたロック・ミュージシャン・早川正義(オダギリジョー)。彼の前に中学1年生の3人の娘が現れる。前々から早川との契約を何とか打ち切りたいと考えていた所属音楽事務所に決して知られてはならないと考えた彼は、この3人の娘と極秘の共同生活をスタートさせる。酒と女に溺れていた早川は、3人の娘に振り回されながらも、徐々に父親としての自覚を持ち、人間として成長し、大切な何かを見つけ出してゆく。早川のマネージャーでよき理解者である田村康祐役にユースケ・サンタマリア、早川にひそかに想いを寄せるカメラマン・青木洋子役に貫地谷しほり、早川の絶頂期を知る元カメラマン・水島朝子役に大塚寧々がキャスティングされている。昔の女との間にできた3人の娘がいきなり現れるという設定はどこかで見たことがある。昭和62年に放映された、田村正和主演の『パパはニュースキャスター』である。このドラマでも3人の娘は同い年で 11才だった。『パパは…』はTBSだったから今回はフジの完全なパクリである。発想力に乏しいドラマ制作者たちが心配だ。ま、どうでもいいけど…
今回紹介した、大河ドラマを除く新ドラマ13作品中
ジャニタレ主役がなんと5作品!
演技力のある若手俳優が映画に回るためか、
視聴率最優先主義の影響か、
テレビドラマに起用される人材が極端に
限定されてしまっている感が強い
(ドラマ変われど同じ顔ぶれ、である)。
ジャニタレが全くの大根だとは思わないが、
格別演技が上手とは言えず、そのぶん感動もない。
テレビ各局には
もう少しキャスティングを練っていただき
重厚なドラマ作りをお願いしたいものである。