↑ またもや、周産期医療で
不幸なできごとが…
容態の急変した奈良県の38歳の妊婦が
診療要請した9病院で断られ
ようやく受け入れ可能となった病院に向かう途中、
救急車が事故を起こし、
最終的に流産した。
奈良県では昨年8月にも
脳出血を起こした妊婦の
受け入れ病院がなかなか見つからず
死亡に至るという悲劇があった。
奈良県では、奈良県立医大病院、
奈良県立病院ほか計5病院で
県周産期医療ネットワークを
立ち上げているそうだが、
実際はこのうち3病院に集中しているという。
件の8月28日から8月29日にかけての
奈良県立医大産婦人科の当直状況 ↓
http://www.naramed-u.ac.jp/~gyne/2007.08.28.html
を見ても、その繁忙ぶりがうかがえる。
一部に医師の義務感欠如を指摘する報道もあるが
対応が困難な状況で切迫する急患を受け入れるのは
無謀というものだ。
また、受け入れ先をどこが探すべきかについては、
救急指令が1時間30分以上もかかって
ようやく搬送先を探しあてたような難作業を
診療業務に追われる医療機関に課す
べきではない。
医師不足や訴訟のリスクから
分娩を取りやめる病院が続出し、
周産期医療の集約化が進む昨今、
何が問題かと言えば、
核となって引き続き診療を続けてゆく
医療機関の人員、設備が
旧態依然たることであろう。
本邦において、とりわけ奈良県で、周産期医療の整備が
目だって立ち遅れているというわけではないだろう。
今後お産の安心を確保するためには、
受け入れを絶対に断ることのない、
設備、人員に十分余裕を持った施設を整えることが
最優先されるべきと思う。
お産の安全を他府県に頼るなんて
もってのほかと思うのだが…