MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

健康体だと思っていたのに…

2021-06-22 19:16:48 | 健康・病気

6月のメディカル・ミステリーです

 

6月19日付 Washington Post 電子版

 

For a bicyclist, a long overdue checkup uncovered the unexpected

ある自転車乗りの男性は、延び延びになっていた健康診断で意外な事実が明らかになった

 

By Sandra G. Boodman,

 

 49歳のとき、Thomas Drayton(トーマス・ドレイトン)さんは、自分の健康状態は良好であると思っていた。

 軽い風邪以上の病気はしたことがなく、適正な食事を摂り、冒険心から数回肋骨を折ることはあったが、マウンテンバイクでのサイクリングのおかげで壮健だった。自転車の事故で大概、応急治療施設で医師や看護師の診察を受けたときにはいつも、彼の非常に素晴らしい血圧を誉められたものだった。

 上級看護師である Draytonさんの新しいガールフレンドが昨年、IT管理者をしている彼にかかりつけ医がいないこと、過去7年間健康診断を受けていないことに懸念を示したため、彼は自ら進んで“彼女を安心させようと”考え、内科医への受診予約をした。

 「彼女は特別に何かを心配しているわけではありませんでした。しかし、女性に比べて男性ははるかに受診しない傾向にあることを知っていました」と Drayton さんは言う。

 現在、ミネアポリス郊外に住んでいる Drayton さんは、そのとき医師からは自分が健康であると言明されるだろうと思っていた。そして、それまでに長く続いてはいたが心配なさそうに思えたため軽視してきた様々な症状を説明してくれるもの考えていた。

 そして、彼が予約を取った時、パンデミックについて考えたことを覚えている。そして「コロナにかかる以外に何か悪いところなんてあり得るだろうか?」とふざけて考えていた。

 しかしやがて彼は知ることになる。

 2020年9月に行われた健康診断は、Drayton さんの人生を永久に変えることになった辛い3ヶ月の始まりとなった。

 

 「他の誰かにそうなってほしくないのです」と言う彼は、自身の経験が、他の人たち、特に男性の刺激になればと願っている。

 

Pushing through 強行し続ける

 

 カリフォルニア州出身でカナダ、ブリティッシュコロンビア州 バンクーバーで育った Drayton さんはずっと壮健だった。

 40歳を迎えてまもなく、彼は自転車を始めた。「私はすっかりそれにはまりました」と彼は言う。Drayton さんはほぼ毎週3,4回自転車に乗り、本人によると“まだ16歳であるかのように行動した”結果、起伏の多い地形で幾度か転倒し肋骨骨折を受傷したが切り抜けてきたという。

 応急処置室で検査を受けると、「スタッフはいつもこう言うのです。『わぁ、あなたの血圧は 110/70、すばらしい』」と彼は言う。

 しかし、40歳代の前半になると時々 Drayton さんは奇妙な、そして一見無関係ないくつかの症状に気づくようになった。

 運動していないときでも顔が紅潮した。「私はそれを rosacea(酒皶、しゅさ)としてやり過ごしました」通常色白の中年の人にみられ、赤ら顔を起こすありふれた皮膚疾患を取り上げ彼はそう話す。

 時々、段差のある階層構造になっている自宅で階段を上っているとき、動悸がし、ひどく息切れを感じることがあった;また、軽度の斜面を自転車で登ると、最初“極度に疲れる感じ”に襲われ、続いて心拍数が急増した。Draytonさんはミネソタに20年以上生活していたが、突然寒さに敏感になるようなことがあり、華氏50度(摂氏10度)以下の時に自転車に乗ると 1日か2日後に咳を繰り返すようになった。

 「私は頑固な性格なのか、あるいはバカなのか、あるいはその両方」と Drayton さんは言い、そのため、彼はそれまでの生活を強行し続けていると、感じていた不快な症状も収まっていた。

 一緒に自転車に乗っていた年下の友人たちは、彼の息切れは“それだけ歳をとったため”だと彼に話した。彼らは正しいかもしれないと Drayton さんは思っていた。

 しかし彼の周期的な嚥下障害は年齢では説明できなかった。

 2、3週ごとに、彼が一口、水を飲んだり、食べ物を食べると、「それが喉に詰まる感じになりました。それは痛みを伴い、石のような感じでした。また、いつそれが起こるのかわかりませんでした」と Drayton さんは言う。特別な誘因はなかったし、その感覚は拳で胸を叩くと消失していた。

 「『ああ、それはたまたま起こったに過ぎない症状なのだ』と思いました」そう彼は思い起こす。

 

"Not a good sign" 「いい徴候ではない」

 

 2020年9月の彼の健康診断は、内科医が彼の頸部の触診を始めるまでは何事もないように思われた。しかし、彼女が手を止め、彼女が感じていたものを視覚的に評価する段階まで手順を戻すと、Adam’s apple(喉仏)のすぐ下にある蝶の形をした内分泌腺に腫瘤があると Drayton さんに告げた。

 「私にはそれが見えます」と彼女は言った。

 その腫瘤の性状を決定すべく、超音波検査や生検を目的に、彼女は内分泌専門医に Drayton さんを紹介した。

 「私のガールフレンドは非常に心配していました」それからの緊張に満ちた2、3週間を思い出しながら彼は言う。

 Drayton さんが検査台に横になっていると、超音波検査技師が画像に映し出された大きな腫瘤を熱心に測定しているのを見ることができた。内分泌専門医が「非常に硬い」と言いながら生検の針の穿刺に手間取っていた瞬間、彼の不安は恐怖へと変わった。そして、その医師は不気味な口調でこう付け加えて言った。「これはいい徴候ではない」。

 Drayton さんはそれが何を意味するかわかっていた:そのクルミ大の腫瘤が癌である可能性が最も高いということだった。

 数日後、病理報告書に結果が詳述されていた:Draytonさんはmedullary thyroid cancer(MTC, 甲状腺髄様癌)だった。これは、比較的よくみられる甲状腺の悪性腫瘍の中の稀なタイプである。(毎年米国で診断される 23,500例の甲状腺癌のうち約1,000例が髄様癌である)。癌の転移の有無、そして転移があるとした場合の転移先を明らかにするためさらなる検査が必要となった。それらの所見は治療や予後を決定するものとなる。

 MTCはC細胞(傍濾胞細胞)が存在している甲状腺内部の髄質から発生する。これらの細胞は calcitonin(カルシトニン)を放出する。これは血液中のカルシウムと骨を作るリンの濃度を調整するホルモンである。

 制御されないC細胞の増殖は血中のカルシトニンの濃度の上昇を来たし、通常は腫瘤として感知される癌の存在が示唆される。早期の段階では、腫瘤は小さい可能性があり、ほとんど症状を生じないためこの悪性腫瘍の発見を難しくしている。これが、髄様癌が他のタイプの癌より遅いステージで診断される傾向にある一つの理由となっている。癌が増大し始めると、咳嗽、息切れ、頸部の腫脹、下痢がしばしば出現する。後期になると顔面紅潮がみられることがある。治療には甲状腺の摘出があるが、本疾患の早期であれば治癒が得られる可能性がある。

 Draytonさんは自身の息切れ、顔面の紅潮、咳、そして嚥下困難は無関係なものであると思っていたが、すべては彼の癌の症状だったのである。

 MTCには2つのタイプがある:ランダムに発症する sporadic form(散発型)と、家族で受け継がれ症例の25%を占める hereditary form(遺伝型)である。

 「私はそれを受け入れました」そう Drayton さんは思い起こす。彼の癌は散発性のものだった。「そしてそれを克服するためにできることを何でもしようと決意しました」

 数週間後、彼は甲状腺と周囲の8つのリンパ節を切除する手術を受けた。摘出したリンパ節のいくつかには癌が認められた。それは、この悪性腫瘍が彼の骨、脳、あるいは肺に転移している可能性を示唆するものだった。

 PET検査では、骨転移が疑われたが決定的なものではないとみなされた。Daytonさんによると、癌が転移していない可能性を信じていたという。

 彼の癌が稀であることから、Draytonさんを担当する腫瘍専門医は、自宅から約90分のところにあるMayo Clinic(メイヨ・クリニック)の専門医への紹介を提案した。

 さらに特異的な PET 検査を受けたばかりの 12月7日、Drayton さんがメイヨで診察を待っている時に、その検査結果が彼の電話にもたらされた。

 「私は自制心を失いました」そう彼は思い起こし、そのとき待合室でむせび泣いたという。彼が「脊椎の一つとみられる場所に初めて認められた大きく輝く腫瘍」と表現する所見がその検査で示されたのである。良い知らせを望んでいたが、癌が彼の骨に進展していることは明らかだった。

 

Struggling with acceptance 受容との闘い

 

 Draytonさんによると、腫瘍専門医の Ashish Chintakuntlawar(アシシュ・シンタクントロワ)氏との面談でめまいを覚えたという。

 Drayton さんの質問への返答として、自身の癌がステージ4C、すなわち最も進行した状態であることが知らされた;それは根治不能であり、遺伝子変異のため治療が困難なタイプだった。

 「どうしようもありませんでした。それでもまだ、事態がそれほど深刻でないことを神に祈っていました」そう Drayton さんは思い出す。

 過去の結婚で2人の10代の子供がいる Drayton さんがあとどれくらい生きられるかを尋ねたところ、その腫瘍専門医は「3年かもしれないし30年かもしれない」と答えた。Drayton さんはその答えに狼狽した。

 彼は、引退に十分な年齢に達する前に65歳で大腸癌で死去した父親より長生きしたいとずっと思っていた。「私は今15歳も若いのです」と Drayton さんは言う。

 多くの進行した MTC 患者を治療してきた Chintakuntlawar 氏によるとそのような予後の判断は自身の経験に基づくところがあるという:癌が骨に転移していた患者の1人は診断から30年後、今も生存していると彼は言う。

 「一部の患者では、こういった癌はむしろ慢性疾患に近い可能性があります」と彼は付け加える。

 「この癌の経過は、変異に一部依存して、非常に indolent(進行が遅い)ものから非常に aggressive(悪性)のものまで多様です」と彼は言う。「そのため多くの MTC 患者では、問題は、『何を用いて治療すべきか?』ではなく『治療が必要なのか?』なのです」。Drayton さんのケースでは、進行した MTC の治療として認可されている薬剤の中には非常に毒性の強いものがあり、起こりうるリスクが見込まれる有益性を上回ると彼は付け加えて言う。

 「患者に伝えるのは非常に難しいのです」と Chintakuntlawar 氏は言う。「あなたは治癒させることができない病気を持っていて、月単位ではなく年単位でこの病気であなたは死ぬことになるでしょうと患者に話します」

 より早い発見であれば Drayton さんの病気の経過にどういった影響を及ぼしていたかについてはわからない。一般に、「消失しない何らかの症状があれば旗を揚げるべきです」と Chintakuntlawar 氏は言う。

 この腫瘍専門医の勧めにより、Draytonさんは脊椎の転移をターゲットとして放射線治療を受けた。しかしこの治療では改善はみられなかった。彼は、さらに癌の進行を遅らせる目的で化学療法薬の注射を受け、骨の保護を目的に骨粗鬆症の薬をもらっている。

 甲状腺手術以降、顔面紅潮以外の彼の症状はほぼ消失していると Drayton さんは言う。

 「最も辛いことは数分間たりともそれを忘れられないということです」と Drayton さんは言う。彼は来月、ヒューストンにある MD Anderson Cancer Center(MD アンダーソン癌センター)の専門医を受診する予定になっている。「それを受け入れ、前に進み続け、それに完全に支配されないよう努めています」彼によると、ガールフレンドが重要な支えの元となってくれており、最近彼の所に引っ越してきたという。

 しかし、「(医学について)の知識があることで、彼女には実に辛いことだったでしょう」と彼は話す。

 Drayton さんは再び自転車に復帰しているが、以前よりはるかに気をつけていると彼は言う。

 彼は Thyroid Cancer Survivors’ Association(甲状腺癌生存者協会)の収益のため9月にミネソタを縦断する単独 465マイル自転車走破のための計画と資金調達に力を注いでいる。もっと早期に健康診断を受け、自身の症状に対して治療を求めていたならば、彼の癌は、きっと治療しやすいもっと早い段階で発見されていたであろうと今でも信じている。

 「誰もがステージ4で診断されることがないようにしたいと思っています」と彼は言う。

 5日間続く予定の自転車走破は「きつく困難なものとなるでしょう」と Drayton さんは言う。しかし「私は挑戦を楽しいと感じているのです」と彼は付け加えた。

 

甲状腺髄様癌についての詳細は下記のサイトを

ご参照いただきたい。

野口病院のサイト

甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018

 

甲状腺は頸部の前面、気管の前に位置する、

蝶が羽を広げたような形の臓器で

甲状腺ホルモンを産生する濾胞細胞とカルシトニンを分泌する

C細胞(傍濾胞細胞)からなり、前者が99%を締める。

カルシトニンは血液中のカルシウム濃度を下げる作用がある。

甲状腺から発生する癌のタイプでは

その約85%が乳頭癌、約10%が濾胞癌で、

いずれも濾胞細胞から発生する。

一方、髄様癌は C細胞から発生するもので

甲状腺癌の約1%を占めるに過ぎない。

 

髄様癌からはカルシトニンやCEAが分泌されるため、

これらは腫瘍マーカーとして用いられている。

髄様癌の主症状は頸部の腫瘤であるが、

腫瘍が小さい時期はほとんど無症状のため

早期発見が困難である。

病状が進行すると、喉の違和感、嗄声(声がれ)、嚥下困難、

呼吸困難感などが出現する。

 

検査では、頸部の超音波検査、血中カルシトニン・

CEA値の測定が行われる。

甲状腺内に腫瘍が確認された場合には穿刺吸引細胞診を行う。

さらに頸部CT・MRIなどが行われる。

髄様癌では、遺伝的に RET遺伝子の変異が原因となることが

知られており全例に RET遺伝学的検査を行うことが

推奨されている。

髄様癌の患者では、その約30%が遺伝性、

約70%が非遺伝性(散発性)とされている。

遺伝性の場合は、

多発性内分泌腫瘍症2型(Multiple Endocrine Neoplasia type 2,

MEN 2型)と呼ばれる。

MEN 2型では副腎褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症を合併する。

また遺伝性に甲状腺髄様癌のみができる家系があり

家族性髄様癌(Familial Medullary Thyroid Carcinoma)と称される。

MEN 2型あるいはFMTCは、常染色体優性遺伝という

遺伝形式をとる。

 

髄様癌の患者がMEN 2型あるいはFMTCと確定した場合、

甲状腺を残すと再び癌は発生する可能性があるため、

甲状腺全摘を行う。

甲状腺全摘後は生涯にわたり甲状腺ホルモン剤を内服する

必要がある。

なお副腎褐色細胞腫が見つかった場合には、

副腎腫瘍の手術を先に行う。

遺伝性でない(散発性)髄様癌の手術では、

甲状腺全摘は必須ではないため残せる部分があれば

甲状腺を残すことが可能である。

気管周囲のリンパ節は遺伝性・散発性いずれの場合も

必ず摘出(廓清)する。

 

乳頭癌ではリンパ節への転移は予後にあまり影響しないが、

髄様癌ではリンパ節転移が予後因子として重要である。

病勢進行が明らかな進行・再発甲状腺髄様癌に対しては

バンデタニブなどの分子標的薬の使用が推奨されている。

 

腫瘍が甲状腺内に限局している例では比較的予後良好だが、

数多くのリンパ節転移が起こっているケースや。

また肺や肝臓に血行性に遠隔転移したり、

縦隔のリンパ節などに転移している場合には、

予後不良となる。

 

Drayton さんがこの病気に打ち勝つことを

心より祈りたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年7月新ドラマ

2021-06-21 18:11:51 | テレビ番組

一時に比べコロナ・パンデミックの勢いは減じてきたが、

いまだ下げ止まりの状況にあり

なかなか一気に収束とはいかない雰囲気である。

今後ワクチン接種が進めば明るい兆しが見えてくるかも。

その前にオリパラ開催を無事に乗り切れるかが心配だが…

日本テレビ『コントが始まる』より

 

4月ドラマを振り返ると、視聴率ベスト5は、

『ドラゴン桜』(TBS)、『イチケイのカラス』(フジ)、

『桜の塔』(テレ朝)、『リコカツ』(TBS)、

『恋は Deep に』(日テレ)と、

“一局” 集中はなかったようである。

概して日テレが不調だったが

個人的には『コントが始まる』が一番の推し。

 

さていよいよ7月である。

前半はオリンピックがあるので、

各ドラマもその影響を受けそうだ。

果たして高視聴率のドラマで出てくるだろうか?

例によって7月からの新ドラマ、チェックしてみよう。

 

 

フジ月9 6/21 ~ 『ナイト・ドクター』 波瑠、田中圭、岸優太(King & Prince)、北村匠海、岡崎紗絵、沢村一樹、一ノ瀬颯、野呂佳代、櫻井海音、梶原善、真矢ミキ、小野武彦、他

6月中からの異例の先走りスタートとなる。夜間救急専門の『ナイト・ドクター』結成のために集められた5人の若き医師たちが、夜は命に、昼はそれぞれの人生に向き合いながら唯一無二の絆を紡いでいく青春群像医療ドラマ。大北はるかによるオリジナル脚本。2024年度から施行される『時間外労働上限原則960時間』という医師の働き方改革への対応策として“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師たちにスポットが当てられる。柏桜会あさひ海浜病院では、“24時間365日、どんな患者も断らない”医療を目指し、新たな働き方として夜間救急専門のチーム『ナイト・ドクター』を設立する。“夜の病院を守る”という重要な使命を果たすため、5人の若き医師たちが集められる。それら訳ありの5人の医師たちが時にぶつかり、時に励まし合いながら、絆を深め合い、医師として人として成長していく物語。主人公は5人の医師のうちの1人・朝倉美月で波瑠が演じる。自分の信念を実現できる場所だとの思いから、あさひ海浜病院でナイト・ドクターとして働くことになる。しかし、思い描いていた理想とはかけ離れた過酷な現実が美月を待ち受けていた。田中圭演じる成瀬暁人(なるせあきと)は、美月にとってかつて同じ救急にいた先輩医師、今回美月と再び同じ職場で働くことに。上から目線で口が悪く、クールでドライな現実主義者。自分にも他人にも厳しいストイックな性格で、医療現場で唯一必要なことは確固たる技術だと信じており、ある出来事がきっかけで患者と距離を置くようになっていた。岸優太演じる深澤新(ふかざわあらた)は、研修医上がりの元・内科医。両親を早くに亡くし、病気がちの妹の面倒をひとりで見ている。妹を元気にするために医者になったが、美月や成瀬のような医師としての強い信念は持てずにいる。北村匠海演じる研修医上がりの医師・桜庭瞬(さくらばしゅん)は明るく、人懐っこい性格で、くせ者ぞろいのナイト・ドクターの中でいつも元気に振る舞うが、自身や家族に問題を抱えていた。岡崎紗絵演じる、美月の同僚医師・高岡幸保(たかおかゆきほ)は、高飛車だが頭の回転が早く、医師としての責任感も兼ね備えているため一目置かれている存在だが、じつは心に葛藤を抱えていた。そして、彼ら5人を指導する本郷亨役に沢村一樹がキャスティングされている。個人的にはコロナ禍が続く今、オンエアするタイミングではないと思うのだが…。

 

 

フジ(関西テレビ)火9 7/6 ~ 『彼女はキレイだった』 中島健人(Sexy Zone)、小芝風花、赤楚衛二、佐久間由衣、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、宇垣美里、寒川綾奈、村瀬紗英、山田桃子、LiLiCo、木村祐一、菅原大吉、本多力、片瀬那奈、他

原作はチョ・ソンヒによる大ヒット韓国ドラマ。冴えない太っちょ少年から“最恐毒舌”イケメンエリートとなった青年と、優等生の美少女から無職残念女子になった真逆の成長を遂げた2人の“初恋すれ違い”ラブストーリー。中島健人演じる長谷部宗介は、世界30ヶ国で発売されるファッション誌『ザ・モスト』日本版の副編集長兼クリエイティブディレクター。無愛想でクールな合理主義者。仕事はできるが、編集部員にも厳しいため反発を招くこともしばしば。あるミッションを果たすために、ニューヨークの本社から異動してきた。子供の頃は、太っていていじめられっ子だったが、今ではその面影もなくイケメンのエリートに成長した。一方、小芝風花演じる佐藤愛は無職で親友の桐山梨沙(佐久間由衣)の家に居候させてもらっている残念女子。勤める会社がことごとく倒産してしまい職を探していたが、28歳の誕生日に勤めていたバイトをクビになった。性格は明るく元気で素直、他人を簡単に信じてしまうお人よし。幼少期は優等生の美少女だったが、成長とともにルックスにも変化が出てきてしまい、自分に自信をなくしてしまっていた。帰国した宗介は幼い時に初めて友達になってくれた愛のことを大切な存在と考えていて、愛に『会いたい』とメールを送っていた。待ち合わせ場所に赴いた愛は、昔の面影など全くない洗練されたクールな男性に成長していた宗介を目にし、自分が愛であると宗介に伝えることができず急遽代役として梨沙を宗介の元へ向かわせる。相手がニセモノの愛だとは知らず宗介は再会を喜ぶ。しかし、愛は明日からイギリスに留学するとウソをつく。その後、愛はある出版社の総務部で雇われるが、ひょんなことから3ヶ月限りの助っ人としてファッション誌『ザ・モスト』編集部で仕事をすることになる。樋口拓也(赤楚衛二)の指導のもと、自分とは無縁の華やかな世界に戸惑いを隠せない愛だったが、売り上げが低調な雑誌を立て直すためにクリエイティブディレクター兼副編集長として宗介が編集部にやってくることになり2人は同じ編集部で働くことになる。小芝風花が“残念女子”をいかに演じられるかがカギ。ドラマはいかにも韓流らしい展開となりそうだ。

 

 

TBS 火10 7/13 ~ 『プロミス・シンデレラ』 二階堂ふみ、眞栄田郷敦、岩田剛典、松村沙友理、堺小春、高橋克実、友近、森矢カンナ、金子ノブアキ、三田佳子(特別出演)、他

人生崖っぷちのバツイチアラサー女子が性格の悪い金持ち男子高校生に拾われリアル人生ゲームをするラブ・コメディ。原作は小学館の漫画アプリ『マンガワン』に連載中の同名人気漫画。二階堂ふみ演じる主人公の桂木早梅(かつらぎはやめ)は、夫から一方的に離婚を告げられ、無一文、無職、宿無しになる。そんな早梅は、金持ちでイケメンだが性格のすこぶる悪い高校生の片岡壱成(かたおかいっせい)(眞栄田郷敦)に目をつけられ、カネと人生を賭けた“リアル人生ゲーム”を仕掛けられる。壱成は家が金持ちであることをいいことに友達と豪遊し、ホームレスに万札をばらまくなど問題児。そんな彼だが、彼女がカネに一切興味を示さないばかりか、人を見下す態度の自分に平手打ちをくらわせたことで興味を持つ。そして、あることをきっかけに面白半分で早梅に“リアル人生ゲーム”を持ちかけ、自分が暮らす豪邸に居候させるうちに、彼女が気になって仕方のない存在になっていく。一方、岩田剛典演じる片岡成吾(かたおかせいご)は壱成の兄で早梅の初恋の相手。高級老舗旅館・片岡旅館の長男で五代目若旦那。容姿端麗、成績優秀で常に周りから注目を浴びてきたが、自由がなく、心を許せる相手もいないことに密かに悩んでいた。そんな時、弟が連れてきた早梅に10年ぶりに再会し初恋の相手である彼女への思いが抑えられなくなっていく。長年にわたる兄弟の確執、人生崖っぷちシンデレラ・早梅をめぐる三角関係が描かれる。いかにも漫画のようなお話。

 

 

テレ朝水9 7/7 ~ 『刑事7人 シーズン7』 東山紀之、田辺誠一、倉科カナ、白洲迅、塚本高史、吉田鋼太郎、北大路欣也、平山浩行、他

2015年から始まった『刑事7人』シリーズも7年目。テレ朝の刑事ドラマの中では視聴率が今一つだったが、前作第6シーズンでは平均視聴率12.0%(ビデオリサーチ調べ)と徐々に人気が安定してきている。東山紀之演じる天樹悠を中心に、個性あふれる刑事たちが、時代とともに複雑化する超凶悪犯罪や難解な未解決事件に挑む。天樹をはじめ、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)、そして法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)の7人が活躍する。シーズン6までの舞台は、天樹らが所属する『専従捜査班』および『刑事資料係』だったが、シーズン7ではこれらは解散。天樹たちは別々の部署に配属になり、海老沢は地域課所属の交番勤務、環は組織犯罪対策部、拓海は念願だった刑事の花形・捜査一課七係、青山は少年課、片桐は交通機動隊の白バイ隊員とバラバラになり、さらに、専従捜査班の依頼で司法解剖を行っていた堂本も現場を外れて後進の指導に当たっていた。そんな中、天樹は行方しれずとなっていた。今シーズンは拓海が配属された捜査一課七係の管轄で、2つの連続殺人事件が発生するところから始まる。被害者は自身それぞれが犯した犯罪の現場と思われる写真と共に、『お前の罪を知っている』という紙を所持していた。拓海は、二人目の殺害現場をうろついていた怪しい男を追跡したが、なんとその人物は天樹だった。その後、この二人の被害者を含む7人に殺し合いゲームのインビテーションが送られていたことが判明。連続殺人事件は、奇妙な殺人ゲームの始まりに過ぎなかった。この奇妙な殺人事件を解明すべくバラバラになっていたスペシャリスト7人が再び動き出す。今作では7人それぞれに焦点を当てた回が登場し、より深くその素顔が描かれていくという構成になるようである。ドラマスタート時からはメンバーも所属も大きく変化し、それぞれの立場もひっちゃかめっちゃかになってしまっているが、これまでの成り行きなど気にせずそのシーズンだけを楽しめばいいのかも。

 

 

日テレ水10 7/7 ~ 『ハコヅメ~たたかう!交番女子』 戸田恵梨香、永野芽郁、三浦翔平、山田裕貴、西野七瀬、平山祐介、千原せいじ、ムロツヨシ、他

交番に異動してきたワケあり元エース刑事と、天然な地域課の警察官の2人の交番女子の物語。原作は泰三子の漫画『ハコヅメ~交番女子の逆襲』。安定収入を求めて警察官になった川合麻依(永野芽郁)(20)だったが、地域の人たちのために働いているはずが全く感謝もされず、ただただハードな交番勤務に身も心もボロボロ。そんなギリギリの精神状態で辞表を握りしめていた彼女の前に現れたのが藤聖子(戸田恵梨香)(30)。彼女は刑事課の元エース刑事だったが、ある日、地域課に異動し、町山交番勤務になった。きわめて優秀で仕事もできたが、どうやらパワハラで交番に異動させられたらしい。この出会いが2人の人生を大きく動かすことに。突然ペアを組むことになった2人が、助け合い、支え合い、事件に、雑務に、そして恋に奮闘する。そして、やがて藤が交番に来た本当の理由が明らかになる。この二人の他には、藤と警察学校の同期で、現在捜査一係の刑事・源誠二に三浦翔平。天性の人たらしで、地域住民からは広く慕われている。同期の藤を『聖子ちゃん』と呼び、一見フレンドリーに接するが、警察官としての反りは合わず嫌味の応酬や口喧嘩もしょっちゅう。だが、誰よりも藤のことをフォローし支える存在。 その源とペアを組む捜査一係の刑事・山田武志に山田裕貴。藤、源の一期後輩。二人には警察学校時代からしごかれ、今なお都合良く使われている。捜査一係の紅一点、女性刑事・牧高美和に西野七瀬。女子校育ちのため、「ザ・男社会」の刑事課になかなか慣れずにいる。捜査一係の係長、北条保に平山祐介。強面で物言いも強く一見するとかなり怖いが、実は部下想いで優しい。警察署の副所長、吉野正義に千原せいじ。柔道の猛者で機動隊出身。 副署長という立場ながら様々な訓練の講師もしている。藤と川合の直属の上司にあたる町山交番の交番所長・伊賀崎秀一にムロツヨシ。いつものらりくらりしているが、藤が悩んでいる時や、川合が失敗したときなどさりげなくフォローする。交番を舞台に繰り広げられるお仕事&ラブコメディ?

 

 

テレ朝木9 7/8 ~ 『緊急取調室第4シーズン(キントリ4』 天海祐希、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、塚地武雅、でんでん、小日向文世、他

叩き上げの取調官が可視化設備の整った特別取調室で、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げる警察ドラマ。天海祐希演じる叩き上げの取調官・真壁有希子が、取り調べの専門チーム『緊急事案対応取調班(通称・キントリ)』のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げる『緊急取調室』の第4シーズン。井上由美子氏による完全オリジナル脚本。これまでも『キントリ』の存続は散々危ぶまれてきたように記憶しているが、有希子(天海)、管理官・梶山勝利(田中哲司)、菱本進(でんでん)、小石川春夫(小日向文世)は、今もキントリに在籍。第3シーズンから“キントリ・メンバー”の一員として参戦した玉垣松夫(塚地武雄)は古巣の『サイバー犯罪対策室』に復帰となるが、今シーズンもキントリと連携していく。また警視庁捜査一課殺人捜査第一係の監物大二郎(鈴木浩介)、渡辺鉄次(速水もこみち)の『もつなべ』コンビもタッグを組む。しかし、近年、取り調べ動画や監視カメラの映像など、逮捕に踏み切る際に最重要視される“明確な証拠”も入手しやすくなったことから警視庁からキントリの役目は終わった、と判断され『9月末で解散』を告げられる。“部署の消滅まで残り100日”という厳しいタイムリミットを課せられる中でのキントリの活躍が描かれていく。

 

 

フジ木10 7/15 ~ 『推しの王子様』 比嘉愛美、渡邊圭祐、ディーン・フジオカ、白石聖、船越栄一郎、徳永えり、瀬戸利樹、佐野ひなこ、谷恭輔、他

乙女ゲームを手がけるベンチャー企業の女社長が、無作法で無教養で無気力なイケメンを理想の男に育てていくというオリジナル・ドラマ。比嘉愛未演じる主人公の日高泉美(ひだかいずみ/比嘉愛未)は乙女ゲーム(女性向け恋愛ゲームの総称)を手がけるベンチャー企業『ペガサス・インク』代表取締役社長、36歳。以前は保険会社に勤め退屈な日々を送っていたが、あるとき乙女ゲームの存在を知りゲーム会社に転職。4年前に起業し、最初にリリースした乙女ゲーム『ラブ・マイ・ペガサス』が異例の大ヒットを記録。『ラブ・マイ・ペガサス』は、外見から内面まですべてが泉美にとって理想の“推し”(=好きなゲームキャラクター)であるケント様と恋に落ちるゲームで、泉美は一躍、新進気鋭の経営者としてもてはやされることに。性格は真面目で、誰に対しても壁を作らず等身大で接する泉美は部下からの信頼も厚い。しかしプライベートではここ何年も恋愛をしておらず、もっぱら『ラブ・マイ・ペガサス』のケント様に夢中だった。一見、順風満帆な泉美だが、『ラブ・マイ・ペガサス』に続く次回作の制作に苦心していた。ある晩、日頃の疲れから、つい酒を飲み過ぎてしまった泉美が帰り道を歩いていると、突然男(渡邊圭祐)が文字通り空から降ってくる。五十嵐航(いがらしわたる)という名のその男は自分の理想通りに作った『ラブ・マイ・ペガサス』のケント様にソックリだった。実はその男は借金取りから逃げるため、歩道橋から飛び降りたのだった。泉美にとって、まさに王子様が舞い降りてきたかのように思えたが、理想通りなのは容姿だけだった。無作法、無教養、無気力で、これまで一度も人を好きになったことがない、残念すぎる王子様だった。大失望する泉美だったが、ひょんなことから『あなたを理想の男性に育てる』と自らが航の人生を変えることを決意。泉美は航を『ペガサス・インク』で雇い、仕事はもちろん言葉遣いからマナーに知識、さらには生きがいや恋の仕方まで、ありとあらゆることを教えていく。そうこうするうちに、逆に泉美の方が航に守られ、本当に大切なことを教えられることになってゆく。前代未聞の恋の行方と、懸命に仕事にも向き合い、本物の幸せを見つけていく彼女たちの姿が描かれる。比嘉愛未には悪いが、ややインパクトに欠けるキャストのため視聴率が心配だ。

 

 

TBS金10 7/9 ~ 『#家族募集します』 重岡大毅(ジャニーズWEST)、木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきの、佐藤遙灯、三浦綺羅、他

悩みや秘密を抱えるシングルファーザー、マザーたちがひとつ屋根の下で子育てしながら共に過ごして家族になっていく。マギーによるオリジナル脚本ドラマ。小さな絵本出版社に勤める主人公の赤城俊平(重岡大毅)は、ある事情で3ヶ月前にシングルファーザーになったばかり。5歳のひとり息子の子育てに苦戦する中、偶然再会した幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀)がお節介な思いつきでSNSに投稿した『#家族募集します』という突飛な募集に巻き込まれてしまう。蒼介は自身が働くお好み焼き屋『にじや』を立て直すため、『にじや』の2階の空き物件で共同生活をさせて家賃収入を得ようと考えていたのだ。そんな募集に誰も乗るわけがないと呆れる俊平だったが『#家族募集します』のSNS投稿をきっかけに、ちょっと堅物な小学校教師のシングルマザー・桃田礼(木村文乃)と、夢を追い続ける子持ちシンガーソングライター・横瀬めいく(岸井ゆきの)と出会い、大人4人、子ども3人のひとつ屋根の下での生活が始まる。性格も価値観もバラバラな7人が時にぶつかり合いながらも“家族”としての絆を深めていく。一風変わった同居生活を通して、新しい“家族のカタチ”が描かれる。『一つ屋根の下・他人版』?みたいなホームドラマ。

 

 

テレ朝 金23:15 7/23 ~ 『漂着者』 斎藤工、白石麻衣、他

とある地方の海岸に全裸のイケメン男性が漂着、記憶はないがあらゆる事件を見通しているかのような神がかった能力で人々を狂信の渦に巻き込んでいく。企画・原作は秋元康。物語は、とある地方の海岸に全裸のイケメン男性が漂着したところから始まる。かなりの距離を泳いで来て溺れたらしいこの男を発見した女子高生たちが、軽い気持ちでSNSに動画を投稿したことで、<#イケメン全裸漂着者>というワードがトレンド入りするほどバズる。発見時、男が『勝者には何もやるな』とつぶやいた言葉から『ヘミングウェイ』と呼ばれ注目を浴びるなど、人気も急上昇。そんな中、県内では女児の失そう事件が発生。これまで半年の間に起きた女児5人の連続殺人事件との関連が疑われ、世間を騒然とさせていた。捜査を続ける県警捜査一課の刑事・柴田俊哉と野間健太、そしてスクープを狙う新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)らが事件を追う中、ついに女児が発見される。ところが、その女児の発見場所が、『ヘミングウイ』がノートに描いた風景と酷似していることが判明。この絵も動画でアップされていたため、『ヘミングウェイ』は予知能力をもっているのではないか、とネットをザワつかせることになる。取材を希望する詠美、事件への関連を疑う柴田らはヘミングウェイに接触を図ろうとする。そんなある日、初老の入院患者・後宮徳治郎がヘミングウェイとエレベーターに乗り合わせる。すると、ヘミングウェイの足首に入ったタトゥーに気づいた後宮が何かをつぶやき、突然怯え始める…。正体不明の主人公の男『ヘミングウェイ』を斎藤工が演じる。冒頭の斎藤工の全裸シーンだけ視聴率が良かったりして…。

 

 

日テレ土10 7/10 ~ 『ボイスⅡ 110 緊急司令室』 唐沢寿明、真木よう子、増田貴久(NEWS)、中川大輔、宮本茉由、藤閒爽子、増田昇太、他

凄腕刑事とボイスプロファイラー“声紋分析官”のコンビが厳しい制限時間に縛られながらも事件に対峙する。原作は韓国のケーブルテレビチャンネル OCN で放送された連続テレビドラマシリーズ。本邦では、2019年7月クールでリメイクされて第1シリーズとして放映、平均視聴率は10.9%とそこそこ健闘した。ただ、絶対的聴感能力を持つ緊急司令室 ECU の室長・橘ひかりを演じる真木よう子の“滑舌”の悪さが印象に残るドラマだった。今回はその続編となる。真木演じる橘ひかりは港東署ECU・室長で、ボイスプロファイラー。幼少期に事故で目をケガをするが、微かな音も聞くことができる絶対聴感能力を身につける。警察大学を卒業し、緊急指令室で働いていたが、ひかりが受けた電話で通報をしてきた樋口彰吾(唐沢寿明)の妻が電話口の向こうで殺される。さらにその後、警官だったひかりの父親も同じ男に撲殺されてしまう。失意と悔しさに苛まれたひかりは、ボイスプロファイルの専門家となる。2年前、緊急指令室の室長に就任したひかりは、室内に独自の捜査チーム・ECUを新設。その班長に樋口を任命し、ともに父を殺した連続殺人犯・本郷雫を逮捕。その後樋口は病を抱える息子・大樹のために現場を離れていた、治療が終わり元気になった大樹とともに横浜に帰ってくるが新たな事件に巻き込まれECUに復帰。一方のひかりは現在もECUで室長を勤めている。樋口に代わってECU緊急出動班・班長になった重藤雄二(増田昇太)と交際していて、プロポーズを受けていた。増田貴久演じる石川透は港東署ECU緊急出動班・捜査員。もともとは強行犯係に在籍し、当時係長だった樋口のことを「兄貴」と呼び、大変慕っている。2年前、樋口とともにECUの捜査員となるが、図らずも父を脅した犯人の命を奪ってしまったことを連続殺人鬼に利用され樋口を裏切る事になってしまっていた。事件後、警察官を辞めようと考えたが、ひかりに慰留され、港東署生活安全課に勤務することになる。樋口の帰還に伴い、石川も再びECUの一員として共に捜査にあたる。ECUの面々が、『声』『音』を手がかりに被害者の場所を迅速に特定し制限時間内に事件を解決する活躍が描かれる。指令を出すひかりの滑舌が良くなっていることを願う。

 

 

NHK日8 放映中 『青天を衝け』 吉沢亮、竹中直人、草彅剛、堤真一、満島真之介、橋本愛、岡田健史、上白石萌音、深川麻衣、博多華丸、他

今一つ、幕末から威信にかけての緊張感が伝わってこないのが残念(一つには草彅の、のほほーんとした演技による?)。篤姫役の上白石萌音や西郷隆盛役の博多華丸らの貫禄のなさにがっかり。的確なキャスティングを望む。

 

 

TBS日9 7/4 ~ 『 TOKYO MER~走る緊急救命室』 鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、石田ゆり子、菜々緒、中里依紗、要潤、小手伸也、佐野勇斗、鶴見辰吾、他

黒岩勉によるオリジナル脚本ドラマ。最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車輌(ERカー)で負傷者にいち早く救命処置を施す医師の物語。物語の舞台は、『TOKYO MER』という救命救急のプロフェッショナルチーム。“MER”とは、モバイル・エマージェンシー・ルームの略称。危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施す。そして、“一人も死者を出さないこと”が、チームに課されたミッションである。主人公『TOKYO MER』のチーフドクター・喜多見幸太(きたみこうた)を鈴木亮平が演じる。喜多見は、大事故や事件に巻き込まれ命の危機に瀕する患者を救うため、危険を顧みず現場に飛び込んでいく勇猛果敢で凄腕の救命救急医。そして、喜多見に反発するがいつしか最高の相棒となる音羽尚(おとわたかし)を賀来賢人が演じる。音羽は、厚生労働省の官僚でありながら医師免許も持つ医系技官で、チームに欠かせない救命救急医の一人である。そして、循環器外科で研修中ながらMERチームを兼務するよう命じられた研修医・弦巻比奈を中条あやみが演じる。さらに『TOKYO MER』の創設者である東京都知事・赤塚梓(あかつかあずさ)役で石田ゆり子が出演。女性初の首相候補と脚光を浴びる赤塚は、政治生命を左右されかねない困難な状況にも決然と立ち向かう人物。『TOKYO MER』のメンバーで、看護師の蔵前夏梅(くらまえなつめ)役に菜々緒。蔵前は、救命救急医療に精通した凄腕の看護師、一人娘を育てるシングルマザー。喜多見の頼れる右腕として、一刻を争う救命現場に必要不可欠な存在。さらに喜多見と同じ病院で働く循環器外科医・高輪千晶(たかなわちあき)役に仲里依紗。若くして世界的に名高い心臓手術のスペシャリスト。命懸けで災害現場に飛び込んでいく無鉄砲な喜多見のやり方に批判的で犬猿の仲のように見えるが、喜多見の腕と、命を守ることへの強い使命感は認めている。物語が進むにつれ、2人の意外な関係が明らかになっていく。また災害や事故現場で救助活動を指揮するレスキュー隊の中でも最精鋭がそろった即応対処部隊の隊長・千住幹生(せんじゅみきお)役に要潤。医師でありながら危険な現場へと飛び込もうとする喜多見と激しく衝突する。その他、『TOKYO MER』のメンバーである麻酔科医・冬木治朗(ふゆきじろう)に小手伸也、臨床工学士・徳丸元一(とくまるもといち)に佐野勇斗がキャスティングされている。危機に瀕した患者に直面し、究極の決断を迫られる救急医療の現場が描かれる。『日曜劇場』らしからぬ医療ドラマ。

 

 

日テレ(読売テレビ)日22:30 7/4 ~ 『ボクの殺意が恋をした』 中川大志、新木優子、藤木直人、鈴木伸之、田中みな実、他

身体能力は申し分ないが最高に間が悪い殺し屋と暗殺ターゲットの女との恋が描かれる徳永友一によるオリジナル・ラブコメ。中川大志演じる男虎柊(おのとらしゅう)は5歳の時に両親を亡くし、父親の親友である男虎丈一郎(おのとらじょういちろう)(藤木直人)に育てられた。丈一郎は、表向きは清掃会社を経営していたが、その正体は警察が裁くことのできない悪人を暗殺する『五黄(ごおう)のトラ』と呼ばれる伝説の殺し屋だった。柊は、丈一郎が殺し屋だとは知らずのびのびと成長していた。丈一郎は柊を育てるうちに、彼には真っ当な生き方をしてほしいと思うようになり、謎に包まれた人気漫画家の鳴宮美月(新木優子)の暗殺を最後に殺し屋稼業から引退することにした。しかし、丈一郎は最後の仕事で返り討ちに遭い死んでしまう。柊は、丈一郎の死をきっかけに、彼が伝説の殺し屋だったことを知る。柊は丈一郎を殺害した犯人が鳴宮美月であることを突き止めると、復讐のため自らも殺し屋になることを決意する。柊は殺し屋としての素質を備えていたものの、最高に間が悪く、標的の美月を何度も救ってしまったあげく、彼女に恋をしてしまう。一方柊に何度も助けられるうちに美月も彼に惹かれていく。他には、『デス・プリンス』と呼ばれる天才席殺し屋・八乙女流星(やおとめりゅうじ)に鈴木伸之、美月の優秀なチーフアシスタントでイケメン好きの水瀬千景(みなせちかげ)に田中みな実、美月の担当編集者・風岡樹生(かざおかたつみ)に中尾明慶、警視庁の準キャリアの刑事ながら法で裁けない人間を闇に葬り去る殺し屋組織 『 Secret Operation Service(SOS)』を取り仕切っている綿谷詩織(わたやしおり)に水野美紀らがキャスティングされている。殺し屋が主人公という、へんてこなドラマである。

 

 

東京オリンピックのためか、

各ドラマとも早いスタートとなっている。

オリジナルドラマは、大河ドラマを除く12作品中8作品。

また久々に医療ドラマ2作品だが、

コロナ禍が続いている状況では医療物には

食指が動きにくいのではと推察する。

見ごたえのあるドラマを期待したい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする