MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

繰り返す激しい腹痛・嘔吐・下痢の正体

2022-12-22 18:15:48 | 健康・病気

2022年最後のメディカル・ミステリーです。

 

12月17日付 Washington Post 電子版

 

 

Her crippling digestive problems were caused by a ‘zebra’ malady

彼女のひどい消化器系の症状は稀な疾患 (zebra) が原因だった

A primary care doctor’s commitment and the patient’s tenacity helped ferret out the cause of her distressing symptoms

一人のプライマリーケア医の関わりと患者としての執念が彼女の悩ましい症状の原因を探し出す力となった

 

By Sandra G. Boodman, 

 

(Cam Cottrill for The Washington Post)

 

 Julie Gellert(ジュリー・ゲラート)さんは正常に機能しない消化器系によってもたらされる苦痛に対処できるようになるまで 10年を費やしていた。彼女は、高度の腹痛、慢性の下痢、および繰り返す嘔吐を治療するために、手術を受け、注射に耐え、様々な薬を内服した。薬剤の中には米国では使用制限されているものもあった。

 しかし、3年前、Gellert さんは発作的な嘔吐が予測不可能となりアリゾナ州にある彼女のアパートに緊急時の “barf bags”(嘔吐袋)を用意しておかなければならなくなったとき、この症状はどこまで悪くなるのだろうかと思った。

 4人の胃腸専門医にかかり、最初彼女の症状は胃酸逆流に起因していると考えられたが、その後、食べた物の排出が極度に遅い疾患である胃不全麻痺が原因とみなされた。しかし長期にわたって、いかなる治療も Gellert さんからまともな生活を奪ってしまうほどの症状を制御できないようだった。

 2019年の終わり、特殊な検査が行われ、なかなか発見できなかった彼女の長期に及ぶ症状の原因が明らかになった。遅れた診断は辛い治療を要したが、それによって彼女の命が救われた可能性がある。Gellert さんは、その診断名を探し出すことができたのは、代わった新しいプライマリーケア医の関心と彼女自身の執念のおかげだと考えている。

 「もしそれらがなかったら、いまだにこの病気を抱えて生きていたことでしょう」現在58歳になる Gellert さんは言う。現在彼女の健康状態はかなり改善しているという。「悲しいことですが、運が良かったという一面もあったのです」

 

GERD (gastroesophageal reflux disease) surgery GERD(胃食道逆流症)の手術

 

 2010年、薬物治療に反応しない重症の胃酸逆流症に悩まされていた Gellert さんは食道の一部を強化して胃酸の逆流を防止する手術を受けた。その後すぐに彼女はひどい吐き気と頻回の下痢に見舞われ数回入院することになった。

 Phoenix(フェニックス、アリゾナ州州都)の胃腸専門医は、その原因がわからないと話したため、彼女は新たな専門医を受診した。二人目の胃腸専門医は、脳・消化器系間で信号を伝える迷走神経を外科医が誤って損傷したのではないかと考えていると説明した。その結果として起こるのが胃不全麻痺で、胃から小腸への食べ物の動きが遅くなってしまう。

 Gellert さんによると、下痢は通常、胃不全麻痺の徴候ではないことから、彼女が非定型的な症状を呈している可能性があるとその新たな医師が考えていたという。「それは私にはあまり納得のいくものではありませんでしたが、さしあたりその回答を受け入れました」そう彼女は思い起こす。

 彼女は別の病院の胃腸専門医に紹介されたが、その医師 Gellert さんが胃不全麻痺であることに同意見だった。同時期に彼女は食事療法士を受診、食餌変更を勧められたがそれによっていくらか症状が緩和した。

 その胃腸専門医は彼女に domperidone(ドンペリドン)の投与を始めるよう助言した。この薬剤は心停止や突然死と関連する可能性があるとの懸念から 2004年に米国市場から外されていた。(胃不全麻痺やその他の難治性の胃腸疾患を持つ一部の患者に対して限られた条件の下で投与可能となっている)

 Gellert さんは南太平洋の小さな国、Vanuatsu(バヌアツ)の会社からこの薬剤の注文を開始した。その医師の提案で、彼女は胸部皮下ポートと呼ばれる装置を埋め込む手術を受け、それによって吐き気止めの薬を静脈内に自己投与することが可能となった。彼女はまた下痢を治療する処方薬の内服も始めた。

 6ヶ月後、吐き気と嘔吐は顕著に減じたのでポートは除去された。しかし下痢は続いておりその原因は誰も説明できなかった。Gellert さんはそれから2、3年にわたって数回入院、その間医師らは原因を見つけようと努力したものの無駄に終わった。

 C. difficile(クロストリジウム・ディフィシル)という細菌による根絶困難な感染症に対する検査が繰り返し行われたが常に陰性だった。大腸内視鏡検査では異常は発見されず、深刻な胃腸疾患である Crohn’s disease(クローン病)は医師によって除外された。

 「私が受けた検査はすべて下痢の原因を説明できませんでした」と Gellert さんは言う。

 医師らは困惑したが、ありきたりの説明に落ち着いた。下痢は胃不全麻痺とは関連がないのが普通だが「あなたの場合、関連しているに違いありません」と告げられたことを彼女は思い起こす。

 

Pain that was ‘worse than labor’ 「分娩よりひどかった」痛み

 

 2015年、Gellert さんは胃不全麻痺に起因するひどい腹痛に襲われた;痛みはこの疾患ではよく見られる症状である。その時には彼女は自宅により近いところの4人目の胃腸専門医にかかっていた。彼は、domperidone を中止するよう助言し、消化の過程で開いたり閉じたりする胃の弁である幽門への Botox(ボトックス、ボツリヌス毒素)の注射を勧めていた。Botox は食べ物がより迅速に小腸に到達するのを可能にすると考えられている。広く用いられているものの有効性が疑問視されていることが記載されているこの治療法が有効かもしれないと彼は彼女に説明した。

 外来で行えるこの治療を受けるとすぐに彼女の具合は良くなったと Gellert さんは言う。しかし、その翌朝、彼女は“分娩よりひどい”激しい苦痛で目を覚ました。数日後、彼女の腹痛はかなり軽減したが下痢は持続した。Gellert さんは数ヶ月の間隔でさらに2回 Botox 治療を続けたが同じような結果だった。

 4人目の胃腸専門医は「非常に同情してくれて原因を解明するために懸命に努力してくれました」と Gellert さんは言う。画像検査で、彼女のGERD 手術が失敗に終わっていることがわかったため、彼は再手術を受けることを勧めたがその選択肢を Gellert さんはきっぱりと断った。「私はこう言いました。『再びそこに戻る人はいないでしょう』」

 そこから一つのサイクルが始まった。Gellert さんによると腹痛が耐えられなくなると医師の診療室に電話をし、physician assistants(PA、準医師資格者)の一人に診療予約をして助けを請うという繰り返しである。

 「私はこれにより消耗させられるのだと彼らに言い続けました」と彼女は思い起こす。彼女によると彼らの反応は徐々に冷たくなっていったという。彼女が大げさにいっていると彼らが考えているのは明らかなようだった。PAの一人は不機嫌に「私たちはできることのすべてをやっています」と言い、別の一人は痛みは胃不全麻痺で予測されるものだということを彼女に思い出させようとしたという。

 一定期間ごとに彼女にはX線検査やCTスキャンが行われたが、新たな有意義なものは何も発見できなかった。Gellert さんによると、どうにかこうにかやっており、雇用主が彼女の欠勤について理解してくれていたので安心できていたという。

 「実に辛かったです」オンラインの大学準講師として働いているシングルマザーの Gellert さんは言う。「非常に、非常に気分が悪く多くの時間をトイレで過ごしていました」

 2018年、医療保険の変更があり Gellert さんは新たな家庭医を受診することになった。彼女は彼が著しく親身になってくれる人物であると感じていた;彼は原因を見つけ出そうと固く心に決めていたようだった。彼は、彼女の繰り返す症状が、消化管の内側を侵す炎症病変であるdiverticulitis(憩室炎)を示唆しているのではないかと考えたが、それは除外された。Gellert さんによると、その頃には嘔吐が変化していたと言う。誘因は全くないようだった;時にはそれによって彼女は深い睡眠から目覚めることもあった。

 「それはあまりに急激でした。トイレに駆け込むこともできませんでした。そのため準備をしておく必要があったのです」と彼女は言う。それが彼女が barf bags を準備していた理由だった。

 Gellert さんはさらに新たな一見無関係に思われた症状に悩まされた。彼女は数年前に閉経していたが、原因不明の体熱感、顔面紅潮、および極度の倦怠感が出現した。2019年の終わり頃、彼女のプライマリケア医はさらにもう一度 CT スキャンを行った。

 今回の結果はこれまでと違っていた。

 

A zebra diagnosis 稀な疾患 (zebra) の診断

 

 そのCTスキャンで Gellert さんの膵臓に鉛筆の消しゴムより少し大きい 7mm 大の腫瘍が見つかった。感傷的な面談の中で、家庭医は、膵臓癌で最も多い致死率の高いタイプである adenocarcinoma(腺癌)ではなく、むしろ稀な pancreatic neuroendocrine tumor(pNET, 膵神経内分泌腫瘍)だと考えていることを伝えた。

 

アリゾナ州Mesa(メサ)市の Julie Gellert さんは原因が発見されるまで何年もの間ひどい腹痛に襲われていた。どうにかこうにかやっていたが、雇用主が彼女の欠勤について理解してくれていたので安心できていたとGellert さんは言う。(Family Photo)

 

 「私は本当にショックを受けました」と Gellert さんは言う。ドッと泣き出したことを覚えている。「私は癌かもしれないという思いが確かに頭をよぎっていました」と彼女は言うが、これまでほぼ5、6回行われた過去の検査でなぜ何も見つからなかったのか理解できなかった。(彼女はその後、悪性腫瘍の大きさと部位によって、標準的なCTスキャンでは発見が難しいと説明された)

 この pNETは膵臓のホルモン産生細胞に生じる腫瘍で、膵臓癌の約7%を占める;今年、およそ米国民 4,300がそのような腫瘍の診断を受ける見込みである。アップルの共同創業者である Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)や歌手の Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)が pNET で死亡している。両人とも診断から約8年生存していた。

 この腫瘍は一般的にゆっくりと増大し、急速に増大する傾向があり、通常転移した後に発見される腺癌に比べるとはるかに予後は良い。治療には手術が行われ、時に癌のステージに応じて化学療法やホルモン療法が追加される。ほとんどの pNET は非機能性(ホルモンを放出しない)だが、そのような腫瘍は発見されるまでに増大し、肝臓やリンパ節に転移している可能性があり治療のリスクが高くなり困難となる。

 Gallert さんのプライマリーケア医は彼女を腫瘍専門医に送り、dotatate(DOTA-octreotate, オクトレオ)スキャンと呼ばれる特殊な PET/CT(ペットCT)が施行され診断が確定した。

 「このスキャンは神経内分泌腫瘍にきわめて特異的です」と話すのは腫瘍専門医の Satya Das(サティヤ・ダース)氏である。彼はテネシー州ナッシュビルにある Vancerbilt University(ヴァンダービルト大学)付属 Ingram Cancer Center(イングラム癌センター)の神経内分泌腫瘍プログラムに所属しており、進行した消化器系癌の患者に対する治療を専門としている。「もしCTスキャンだけ行ったなら、それを見逃してしまいます」。医師らは Gellert さんの腫瘍は、一つには彼女に顔面紅潮と体熱感がみられたことから機能性ガストリノーマではないかと考えた。このような腫瘍は胃酸の産生に関与するホルモンであるガストリンを過剰に分泌する。

 症状の出現から pNET の診断までの平均期間は約7年だと Das 氏は言う。神経内分泌腫瘍は “zebras”(稀な疾患を指す医学隠語)でもあり、また“great imitators(模倣の名人)”(他の疾患と混同されやすい多彩な症状を呈する疾患:結核、梅毒、ビタミンB欠乏症などが代表)でもある。それは、それら腫瘍が引き起こす下痢等のいくつかの症状には他の多くの原因が存在するためだとこの腫瘍専門医は話す。

 「しばしば患者は、7~8年の間どこも悪いところはないと言われ、その後、癌転移と診断されます」と彼は言う。Gellert さんのケースでは特殊な PET スキャンが3~4年前に行われていれば診断につながっていたかもしれない。Das 氏によると、Gellert さんが2010年に手術を受けた重症の胃酸逆流症もこの癌によって引き起こされていた可能性があると考えているが、現在知ることはできない。

 「小さな腫瘍がしばしば恐ろしく衰弱させる症状を引き起こします」と Das 氏は言う。

 彼女の腫瘍専門医は2つの選択肢を提示したと Gellert さんは言う;癌を切除する手術か、もしくは、彼女の腫瘍が小さく手術は負担が大きいことから厳密な経過観察か、だった。Gellert さんは手術を選択した。

 2020年3月、彼女は distal pancreatectomy(膵体尾部切除術)を受けた。これは膵臓の尾部と体部を切除する手術である。Gellert さんは幸運を感じた:彼女の癌は最も予後良好な grade 1(グレード1)に分類されたからである;それは肝臓やリンパ節に転移していなかったのである。手術は必要なただ一つの治療法だった。ただし pNET は再発の可能性があるため Gellert さんは10年間観察される予定である。

 しかしその手術で彼女はほとんど死にかけていた。術後数日以内に Gellert さんに膵液漏出が生じ、腹部膿瘍、血栓症、および、高い死亡率の重篤な全身感染症である重症敗血症を引き起こした。回復まで6ヶ月かかったが、「何とか乗り越えました」と彼女は言う。

 手術前からその危険性を通告されていた膵機能不全も生じ、治療には生涯に渡って酵素補充薬が必要となったが Gellert さんの腹痛は消失した。下痢と嘔吐は時々みられたが管理可能であり、もはや彼女の生活を支配することはなかった。

 「私は以前に比べはるかに調子はいいです」と彼女は言う。

 Gellert さんによると彼女の小さな腫瘍がそれほどまでに彼女の体調を崩していたという事実は逆に恩恵だったと言う。なぜなら「それによって私は留意することを余儀なくされていたからです」癌が発見されるまで転移していなかったことは信じがたいほど幸運だったと彼女は感じているが、彼女がかかってきた医師たちには、難治性の症状が “zebra” の結果かもしれないことを考慮してほしかったと思っている。

 「私にできたことがもっとたくさんあったかはわかりません。私はかなり厳しく医師らに圧力をかけていたのですが」と彼女は言う。「問題の根本原因にたどり着くことを固く決意している医師を見つけることがまさに重要なのです」

 

 

記事中に出てくる “zebra” という用語については、

過去の拙ブログ記事をご参照いただきたい。

 

 

膵・消化管神経内分泌腫瘍については下記サイトを参照いただきたい。

 

国立がんセンター希少がんセンターのHP

慶應義塾大学医学部一般・消化器外科 肝胆膵・移植班HP

膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン2019年【第2版】

 

 

神経内分泌腫瘍(NET)とは、人体に広く分布する神経内分泌細胞を

起源とする腫瘍で、

発生学的な器官である、前腸(肺・気管支・胃・十二指腸・膵)、

中腸(小腸・虫垂・結腸右半)、および後腸(結腸左側・直腸)から発生する。

本邦では特に膵と直腸に多く小腸(中腸)には少ないとされているが

欧米では、消化管は小腸に多く直腸に少ないことから、

発生部位には人種差があると考えられている。

膵臓に発生する神経内分泌腫瘍(pNET)は記事中にあるように

いわゆる膵臓の腺癌と比較すると増殖速度は遅いが、

良性のものから悪性のものまでその悪性度は様々である。

 

WHO分類では、細胞増殖に関連するKi-67指数や

核分裂像の比率が基準として用いられている。

NETは高分化型の神経内分泌腫瘍(NET, neuroendocrine tumor)と

低分化型の神経内分泌癌(NEC, neuroendocrine cancer)に分類され、

前者はさらに悪性度(増殖性)の低い順から

NET-G1、NET-G2、NET-G3に、後者はNEC-G3に分けられている。

 

また、ホルモン産生症状を有する機能性(症候性)と

ホルモン産生症状のない非機能性(非症候性)にも分類される。

機能性NETでは産生するホルモンにより様々な症状が出現する。

ホルモン別の症状は以下の通り。

①インスリン:低血糖症状(ふらつき・冷や汗・意識消失)

②ガストリン:再発性の胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、下痢

③グルカゴン:糖尿病、壊死性遊走性紅斑、体重減少、貧血

④ VIP(血管作動性腸管ペプチド):水様性下痢、低カリウム血症

⑤セロトニン:皮膚紅潮、下痢、喘息、心疾患

 

非機能性NETの場合には症状が出にくいため発見が遅れることが多く、

画像検査で偶然に診断されたり大きくなってから診断されることがある。

 

pNET の90%以上は孤発性に発生し遺伝性はないが、

多発性内分泌腫瘍症1型(multiple endocrine neoplasia type 1 : MEN1)、

フォンヒッペル・リンダウ病(von Hippel-Lindau disease:VHL)などの

遺伝性疾患に伴って発生する例もある。

 

診断

pNETの診断には腹部超音波検査、超音波内視鏡(EUS)、造影CT、

MRI検査などが用いられる

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)により組織を採取し

確定診断が行われる。

前述の高分化NET(NET-G1、NET-G2、一部のNET-G3)では

神経内分泌細胞に本来備わっているソマトスタチン受容体を

高頻度で発現していることから、

ソマトスタチンの類似物質であるペンテトレオチドに

診断用の放射性同位元素であるインジウム(111In)を標識した

放射性医薬品(商品名:オクトレオスキャン)を注射し、

撮影を行うことで、腫瘍が同定される(オクトレオスキャン)。

pNETが疑われるがCTなど既存の画像診断法では病巣を

確認できない場合に有効である。

また同検査でソマトスタチン受容体の発現の有無を調べることで、

後述するソマトスタチン受容体を用いた治療薬

(ソマトスタチンアナログ製剤やPRRTなど)の治療適応を

考慮する際にも用いられる。

 

治療

pNET治療の第一選択は外科的治療で膵切除(膵頭十二指腸切除、

膵体尾部切除、核出術、膵全摘)が行われ根治を望むことができる。

遠隔転移を有する場合(特に肝転移)でも外科的切除を

考慮する場合がある。

肝臓に転移した腫瘍をすべて切除できない場合には、

カテーテルで抗癌剤を動注し癌細胞を死滅させる

肝動脈化学塞栓術(TAD)や、針を用いて腫瘍を焼く

ラジオ波焼灼術(RFA)などの局所療法が行われる。

一方、オクトレオチド(消化管NETのみ適応)や

ランレオチド(膵・消化管NETに適応)などの

ソマトスタチンアナログ製剤の抗腫瘍効果が証明されており

保険適応となっている。

また分子標的薬としてエベロリムス、スニチニブや、

ニトロソウレア系抗腫瘍薬であるストレプトゾシンが使われている。

悪性度の高い腫瘍に対しては、肺小細胞癌の化学療法に準じて

エトポシド+シスプラチン(EP療法)や

イリノテカン+シスプラチン療法(IP療法)などが選択される。

ソマトスタチン受容体に親和性の高いペプチドに

放射性物質を結合した薬剤を注射し、

患者の体内から放射線照射する放射性核種標識ペプチド療法

(peptide receptor radionuclide therapy;PRRT)も

2021年以降行われるようになっている。

 

予後

これまで希少疾患と呼ばれていた腫瘍だが、近年増加傾向にあり、

また50歳代の比較的若い年代でも発症し転移を認めるケースがある。

膵消化管神経内分泌腫瘍の5年生存率は60~80%と報告されているが、

pNET では発見時には約半数例でリンパ節・肝転移が認められており、

遠隔転移があるケースでは5年生存率は39%と不良である。

診断がむずかしく健診でも見逃されて発見が遅れてしまうため、

決して予後が良いとはいえない腫瘍である。

まずはこの腫瘍が存在する可能性を疑うことが重要と思われる。

 

コメント
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2023年1月新ドラマ

2022-12-11 16:48:31 | テレビ番組

これまでと比べ立ち上がりはゆっくりだが

SARS-Covid-2感染者数がじわじわと増加してきている。

おかげで2022年の忘年会も堂々と行えそうにない。

このパンデミック、一体いつまで続くのだろうか。

 

さて10月クールドラマも予想に違わず低調だった。

10%越えは『相棒』と『ザ・トラベルナース』のいずれもテレ朝勢。

TBSは3本とも全くの期待外れに終わってしまった。

視聴者が安定路線を求めているためなのか、

斬新なドラマは敬遠されるのかもしれない。(つまらぬ風潮だが…)

一方『Silent』、視聴率こそさほど高くなかったが、

『見逃し配信』再生数では新記録を樹立したとか。

やはり手話を使ったドラマにはどこか惹かれるところがあるのかも。

 

「かのフローレンス・ナイチンゲールはこう言っています。

『医者は病気を見つけて病気を治し、ナースは人を見て人を直す』と」

(テレ朝『ザ・トラベルナース』より)

 

『ずっと…』

(フジテレビ『Silent』より)

 

10月クールの各ドラマの視聴率を以下に記載する。

(視聴率%はビデオリサーチ調べ・関東地区)

月9フジ『PICU小児集中治療室』(全11話、平均8.54)

月10フジ『エルピス~希望、あるいは災い~』(全10話、平均6.31)

火9テレ朝『科捜研の女2022』(全9話、平均8.99)

火10 TBS『君の花になる』(全10話、平均5.26)

水9テレ朝『相棒 season 21』(10話まで、平均13.76)

水10日テレ『ファーストペンギン』(全10話、平均7.24)

水10フジ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(全9話、平均3.80)

木9テレ朝『ザ・トラベルナース』(全8話、平均12.10)

木10フジ『Silent』(全11話、平均7.59)

金10 TBS『クロサギ』(全10話、平均7.41)

土10日テレ『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』(全10話、平均6.37)

日9 TBS『アトムの童』(全9話、平均9.59)

日10時半 日テレ『霊媒探偵・城塚翡翠』(全5話、平均5.30)

                『霊媒探偵・城塚翡翠 倒叙集』(全5話 [4話を除く]、平均5.13)

 

 

それでは2023年が明るい年となることを祈って

1月からの新ドラマをチェックしてみたい。

 

 

フジ月9 1/9 ~ 『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書』 北川景子、山田裕貴、佐藤仁美、南沙良、高橋文哉、前田旺志郎、前田拳太郎、河村花、宮野真守、小堺一機、尾上松也、及川光博、他

ロースクール(法科大学院)を舞台にしたリーガル青春群像劇。裁判官から実務家教員としてロースクールに派遣された新米教師が『人を知らなければいい法律家にはなれない』をモットーに『法』だけでなく『人』を学ぶ授業を展開、新風を巻き起こす。テミスとは、ギリシア神話に出てくる法・掟の女神のこと。北川景子演じる主人公・柊木雫(ひいらぎしずく)は裁判官。柊木自身、学生時代に父親が勤め先の町工場を解雇されたことで原告側の家族として裁判に同席。その際に裁判官が原告一人一人の話に熱心に耳を傾ける姿に感銘を受け、裁判官を志すこととなる。大学卒業後はロースクールで法律を学び、東京地裁・刑事部の裁判官として活躍の場が与えられた。しかし、とことん人を知ろうとし、人と関わろうとする信念があだとなり、月に30件・年に300件の裁判を受け持たなければならない中で、効率よく案件をこなせずにいた。そんなある日、裁判所の所長から辞令を渡され、青南大学法科大学院に実務家教員として派遣される。そこでは教師も生徒も目先の“司法試験合格”にとらわれ、教師は司法試験のノウハウを教えることにしか興味がなく、学生たちも単位が取りやすい授業を履修しながら試験の対策になることしか求めていなかった。『人を知らなければいい法律家にはなれない』を信念に職務を全うしてきた柊木がそんな現実に違和感を覚え、法科大学院での授業で重視したのは“人々の行動に隠れたなぜ?”を見つめること。そこで彼女は毎回、ある判例を取り上げそこに登場する人物の行動に着目し、法の教科書には載っていない“気づき”を与えていく。エリートで完璧な裁判官のイメージとは程遠い感受性豊かで気さくな主人公が、彼女を取り巻く人々と価値観をぶつけ合いながらロースクールの現状を打破していく姿が描かれる。

 

 

フジ(関西テレビ)月10 1/16 ~ 『罠の戦争』 草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、高橋克典、小澤征悦、宮澤エマ、坂口涼太郎、玉城裕規、白鳥晴都、飯田基祐、田口浩正、本田博太郎、片平なぎさ、岸部一徳、他

2015年に放送された『銭の戦争』、2017年に放送された『嘘の戦争』に続く“復讐シリーズ”第3弾。後藤法子の脚本によるオリジナルドラマ。命を懸けて尽くしてきた政治家に裏切られた議員秘書が、権力を振りかざす不条理な政治家たちに復讐を果たそうとする。草彅剛演じる主人公は、国会議員の議員秘書・鷲津亨(わしづとおる)。息子を瀕死の重体に追いやった事件の犯人とそれを隠蔽しようとする政治家への復讐に燃える。亨は国会議員の”陰”となって奔走し、支援者たちの陳情をさばき、スキャンダルの種をつぶす。常に冷静沈着、何があっても感情を表に出さず、必要があれば誰にでも頭を下げてきた。しかし、ある日、突きつけられたのは、自身の息子が瀕死の重傷を負う事件、そして“先生”からのその事件の“もみ消し”指示。自分を殺し、我慢を重ねてきた亨の中で何かが大きく変わる。“弱い者には弱い者なりの闘い方がある”長い秘書生活で培った政治の世界での知略と人脈と情報を駆使し、息子を重体にした“何者か”の真相を追いながら、権力を振りかざして事件を隠蔽しようとする国会議員へ壮絶な復讐を仕掛ける。亨の妻・鷲津可南子(わしづかなこ)に井川遥、亨と同じ議員事務所で秘書見習いとして働く蛯沢眞人(えびさわまさと)に杉野遥亮、亨が仕える議員の後援会関係者の紹介で私設秘書として働く蛍原梨恵(ほとはらりえ)に小野花梨、若くして総理大臣となったが幹事長に実権を握られている竜崎始(りゅうざきはじめ)に高橋克典、初の女性総理大臣を狙う議員・鴨井ゆう子(かもいゆうこ)に片平なぎさ、与党民政党幹事長で強大な権力を持つ鶴巻憲一(つるまきけんいち)に岸部一徳らが配役されている。草彅の『~の戦争』シリーズもいい加減飽きて来た感じがあるのだが…。

 

 

テレ朝火9 1/17~ 『星降る夜に』 吉高由里子、北村匠海、ディーン・フジオカ、他

大石静の脚本によるオリジナルドラマ。のどかな海街の病院で働く女医が10歳下の男性と恋に落ち窮屈に感じていた彼女の既成概念が覆されていく様を描く大人の純愛ドラマ。吉高由里子演じる主人公・雪宮鈴(35歳)はのどかな海街の病院『マロニエ産婦人科医院』で働く産婦人科医。本音を暗闇の仲に押し込め孤独で息苦しい毎日を送っていた。そんな彼女はある日息抜きのためソロキャンプに出かける。一人で酒をあおり、燦然と輝く星空を見上げていたところ、何も語らず、自分に向かってカメラのシャッターを連続で切っている遺品整理士の青年・柊一星(北村匠)と出会う。彼からいきなりキスをされた鈴が翌朝目覚めると、一星は手話を残して去って行く。その手話の内容は『お前のゲロは全部片付けた、バカ女』だった。多趣味で自由奔放に音のない世界を生き、心のままに人生を謳歌している一星と出会ったことで、鈴は様々な既成概念に押しつぶされて窮屈に生きてきたこれまでの自分から解放されていく。そんな鈴と一星との狭間で三角関係の一角となる新米医師・佐々木深夜役にディーン・フジオカがキャスティング。45歳ながら仕事のできないポンコツ新人医師だが、鈴がつらいときには何も言わず、ただただ黙って鈴の隣に寄り添ってくれる、どこまでも優しい10歳上の大人の男性として2人の間で存在感を示す。正反対の魅力を放つ2人の男性にはさまれ、鈴の心は揺らいでいく…。フジテレビ系ドラマ『Silent』に続いて女性を落とす武器として『手話』が重要な役割を果たしそうである。テレ朝ドラマとしてはこれまでにない感じのドラマ?

 

 

TBS 火10 1/17 ~ 『夕暮れに、手をつなぐ』 広瀬すず、永瀬廉(King & Prince)、松本若菜、田辺桃子、伊原六花、内田理央、櫻井海音、茅島成美、酒向芳、夏木マリ、他

北川悦吏子の脚本によるオリジナルドラマ。物語は九州の片田舎で育った浅葱空豆(あさぎそらまめ)(広瀬すず)が、幼馴染みの婚約者を追って上京した先で、音楽家を目指す青年・海野音(うみのおと)(永瀬廉)と運命的で衝撃的な出逢いを果たすことから始まる。それっきり、もう一生会うことはないと思っていた2人だったが、なぜか2人は東京の片隅で下宿生活を送ることになる。23歳のまだ何者でもない2人が、ひとつ屋根の下でそれぞれ『夢』を追いかけて、不安を抱えながらも励まし合い、笑い合い、時にはケンカをしながらも支え合ってともに時間を過ごす。それは昼と夜の間の『夕暮れ』の時間にいるような、いつ来るかわからない夏を夢見ている冬の時間にいるような、ずっとそこにはいられないことがわかっている曖昧でかけがえのない時間―。とっくに恋に落ちているのになかなか恋が始まらない夢追う2人の、世界で一番美しいラブストーリーが始まる。2人でどうぞご勝手に、てな感じ?のドラマ。

 

 

テレ朝水9 継続  『相棒 season 21』 水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、他

初代相棒の亀山薫(寺脇康文)が5代目の相棒として復活するも13%を越える安定の高視聴率を維持。本ドラマはファンを裏切らないし、ファンも本ドラマを見限らない。さすがである。

 

 

日テレ水10 1/11 ~ 『リバーサルオーケストラ』 門脇麦、田中圭、永山絢斗、瀧内公美、濱田マリ、板東龍汰、恒松祐里、平田満、前野朋哉、行平あい佳、ロイック・ガルニエ、岡部たかし、津田健次郎、原日出子、生瀬勝久、他

超地味な市役所職員だが、実は“元”天才ヴァイオリニストのワケありヒロインが強引すぎる変人マエストロと共に地元のポンコツオーケストラを立て直す活躍が描かれる。国際コンクールを総なめ、名門オーケストラと共演を果たし、“天才ヴァイオリン少女”の名を欲しいままにした谷岡初音(門脇麦)は10年前、とある理由で表舞台から突如、姿を消した。二度と舞台には立たないと心に決めた初音は西さいたま市役所職員として穏やかに暮らしていた。一方、変人マエストロ・常葉朝陽(田中圭)は、現職の西さいたま市長・常葉修介(生瀬勝久)の息子。東京藝大音楽学部指揮科を卒業し、ドイツを中心に活躍中の新進気鋭のマエストロ。しかし音楽への愛が異常に強いため、奏者へのダメ出しが容赦ない。今回、突然、父親に強引に帰国させられ、故郷のオーケストラ・児玉交響楽団(通称・玉響)の立て直しを命じられるが、楽団のポンコツぶりにイライラは募るばかりだった。ところが初音の正体を知った常葉は、可能所を玉響のコンサートマスターにスカウトする。楽団の立て直しを目論む2人だったが、彼らの前には数々の障害や強敵が現れる。

 

 

フジ水10 1/18 ~ 『スタンドUPスタート』 竜星涼、小泉孝太郎、吉野北人(THE RAMPAGE)、小出伸也、戸次重幸、鈴木浩介、高橋克実、反町隆史、山下美月、水沢林太郎、安達祐実、塚地武雄、他

『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載中の福田秀原作・同名コミックの実写化。過去の栄光にすがる中年や前科者、働いたことがない主婦、就職活動に挫折した大学生など、さまざまな事情を抱えた“訳アリ人材”へ投資し、それぞれの人生の起死回生を目論む人間投資家が主人公のビジネスストーリー。竜星涼演じる主人公の三星大陽(みほしたいよう)は、『“資産は人なり”。資産を手放す投資家はいない!』という理念を持つ、自称“人間投資家”。投資会社『サンシャインファンド』の社長で、会社組織でうまくいかない人や生きづらさを抱えている人々に、「スタートアップ(起業)しよう!」と声を掛け、それぞれの持つ可能性を見出していく。仕事での失敗や挫折をしてしまった人、将来の夢を諦めてしまった人など、さまざまな事情を抱えた人々と出会い、彼らに再び生きる希望を取り戻させていく。

 

 

テレ朝木9 1/5 ~ 『警視庁アウトサイダー』 西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌、柳葉敏郎、石田ひかり、優香、野波麻帆、長濱ねる、斎藤工、片岡愛之助、他

原作は加藤実秋(かとうみあき)の同名小説。元マル暴オヤジ刑事、秘密をひた隠すエース刑事、そしてやる気ナシ新米刑事の凸凹トリオが巨悪に立ち向かう。スネに傷を持つ《グレー》な刑事たちが、秘密を隠しながら互いに利用し合って様々な難事件に取り組み、それぞれの正義を見出していく。桜町中央署刑事課のエース・蓮見光輔(濱田岳)は、不審な男が職務質問を振り切って逃走したという一報を聞き、現場に駆けつける。人質を取ってたてこもった男を冷静に諭し、投降させるまであと一息…というところで、突然、ダブルのスーツにサングラスという任侠ファッションの男が乱入。鮮やかなアクションで、不審者を取り押さえたその男は、刑事課に異動してきた架川英児(西島秀俊)だった。英児は本庁の組織犯罪対策部、いわゆる“マル暴”から飛ばされてきたオヤジ刑事だった。その矢先、大学教授宅で働いていたハウスキーパーの女性が刺殺される事件が発生。英児と光輔はバディを組んで捜査に当たるが、一緒に調べを進めるうち、英児は何もかもが完璧な光輔に違和感を覚える。さらに2人は新米刑事・水木直央(上白石萌歌)の面倒を見ることになるが、実は直央は警視庁副総監の娘だった。警察組織の中で異質な存在=“アウトサイダー”である3人が持ちつ持たれつでさまざまな難事件に挑んでいく。

 

 

フジ木10 1/5 ~ 『忍者に結構は難しい』 菜々緒、鈴木伸之、勝地涼、市村正親、山本舞香、吉谷彩子、藤原大祐、筧美和子、ともさかりえ、古田新太、他

横関大の同題小説を実写化。妻は『超実力主義』の甲賀忍者、夫は『超保守主義』な伊賀忍者。現在でも、敵対しライバル忍者の末裔の2人が、互いの正体を知らないままに結婚するという忍者ラブコメ。菜々緒が演じる主人公・草刈蛍(くさかりほたる)は、普段はごく普通の薬局で働く薬剤師。しかし、実はその日常の姿とは裏腹に、古来より伝統の続く甲賀忍者の末裔だった。穏やかで物静かに振る舞うが、それは正体がばれないようにおとなしく忍んでいる表向きの姿。実は人一倍気が強く、完璧主義で失敗や負けることが嫌いで、時々、本音の毒舌が漏れ出てしまう性格。28歳のときに、一般人と思っていた郵便局の配達員・草刈悟郎(くさかりごろう)(鈴木伸之)と結婚。しかし悟郎の裏の姿は伊賀忍者の末裔。明るくておおらか、やさしくて力持ちで癒やし系の一面もある一方で、能天気で面倒くさがり、ずぼらで鈍感、かつ気弱で優柔不断という性格を持ち合わせていた。しかし、忍者としては機敏な“忍び”としての能力に長けており手裏剣だけは誰もが認める腕前を持っていた。ただ、忍者一族から抜け出してフツウになりたいという気持ちを密かに持っており、フツウの女性(にみえる)蛍と出会ったことでフツウの結婚生活ができたことに感謝していた。一方の蛍も、甲賀一族であることにプライドを持っていたが、悟郎と出会って、心の奥に秘め隠していた『フツウの家』への憧れが強くなる。しかし、ラブラブだったのは最初だけ。すれ違う感情、かみ合わない会話から、夫婦生活は冷めきって破綻寸前に。さらに離婚の危機に直面した夫婦のところへ、それぞれに“特殊任務”が舞い込んでくる。互いの任務でニアミスする二人は、やがて互いの正体を疑い始める。お互いの正体がバレないように秘密を抱えながら送る生活の中で起こる夫婦バトル、隠密行動にさらには暗殺事件まで。二人は家庭を取るか、一族の伝統を貫くのか。究極の選択はやがて、日本を揺るがす事件へと発展していく。

 

 

TBS金10 10/13 ~ 『100万回言えばよかった』 井上真央、佐藤健、松山ケンイチ、シム・ウンギョン、板倉俊之(インパルス)、春風亭昇太、荒川良々、平岩紙他

安達奈緒子・脚本によるオリジナルドラマ。突然亡くなったまま魂として彷徨う恋人とのファンタジック・ラブストーリー。主人公は井上真央演じる相馬悠依。運命だと思っていた恋人・鳥野直木(佐藤健)を不可解な事件で突然失う。その鳥野は幽霊となる。唯一幽霊を認識できる刑事・魚住譲(松山ケンイチ)は鳥野の幽霊と意思疎通を取りながら、彼の死の真相を追う。非常な運命に抗いながら奇跡を起こそうとする3人の姿が描かれる。

 

 

テレ朝 金23:15 1/20 ~ 『リエゾン~こどものこころ診療所』 山崎育三郎、松本穂香、栗山千明、他

原作は『モーニング』(講談社)で現在も連載中の同題漫画(竹村優作・原作、ヨンチャン・原作/漫画)。児童精神科クリニックを舞台に、自らも発達障害を抱える院長と研修医の凸凹コンビが、発達障害をはじめ、様々な生きづらさを抱える子どもとその家族に真っすぐに向き合い、寄り添っていく姿を描く。『リエゾン』とはフランス語で『連携・つなぐ』を意味する言葉で、リエゾン精神医学とは医師・臨床心理士などの精神医療の専門家が、他の診療科と、さらに広義には教育・行政・福祉などと連携しながら、ひとつのチームとして総合的な医療サービスを行うこと。山崎が演じる主人公・佐山卓は、郊外にある児童精神科、さやま・こどもクリニックの院長。総合病院を実家に持ちながら、叔母が営んでいた小さなクリニックを引き継いでいた。そのことで一族からは変わり者扱いされているが、自らも発達障害(ASD)を抱え、誰よりもその苦悩を理解しており、患児とその家族にじっくり向き合う時間を大事にしたいという信念があった。そして松本穂香が演じる遠野志保は、遅刻に忘れ物、ミス連発のドジな研修医。発達障害の子どもに向き合っていくことになる。小児科で研修をしていた時に、ある重大な失敗を犯してしまい、さらに自分が発達障害(ADHD)だと知り、一度は医者になる夢を諦めかけますが、佐山との出会いが志保の背中を押すことに。そして、苦悩を抱えながらも、その明るくひたむきな性格で、佐山とともに心の生きづらさを抱える子どもや家族に真っ向から向き合っていくヒューマンドラマ。この枠としては珍しく真面目なドラマとなりそうである。

 

 

日テレ土10 1/14 ~ 『大病院占拠』 桜井翔、比嘉愛未、ソニン、宮本茉由、白洲迅、ぐんぴぃ(春とヒコーキ)、平山浩行、他

福田哲平脚本によるオリジナルドラマ。櫻井翔演じる主人公は神奈川県警捜査一課強行犯係の警部補・武蔵三郎。刑事として圧倒的な推理力と、時にはルールを破ってでも真実に迫ろうとする行動力のある人間。一見冷静だが、正義感が強く、間違っていると思った時は、目上の人間であろうと噛みついていく熱血漢。1年前に起きたある事件がきっかけで、現在、妻と一人娘とは別居中となっているが、家族のことを愛してやまない。比嘉愛未演じる三郎の妻・武蔵裕子は腕のよい心臓外科医。三郎と同じく正義感が強くリーダーシップのある有能な人物。ある日、裕子が勤務する日本が誇る大病院・界星堂病院が突然、鬼の面をかぶった武装集団『百鬼夜行』によって占拠される。患者の手術を行っていた裕子も人質になってしまう。休職中だった三郎も事件に巻き込まれてしまうが、知力と体力の限界を超えて犯人に立ち向かっていく。“ダイハード”のようなスリリングなアクションドラマであると想像されるのだが、だとすれば翔君のイメージとはかなり違っているように思われる。果たしてうまくハマるのだろうか?少し心配である。

 

 

NHK日8(大河ドラマ) 1/8 ~ 『どうする家康』 松本潤、岡田准一、野村萬斎(二世)、阿部寛、大森南朋、山田裕貴、杉野遥亮、板垣李光人、広瀬アリス、有村架純、古川琴音、松本まりか、里見浩太朗、松嶋菜々子、ムロツヨシ、松山ケンイチ、山田孝之、北川景子、志田未来、角田晃広、溝端淳平、真矢ミキ、イッセー尾形、小手伸也、岡部大、寺島進、中村勘九郎、田辺誠一、立川談春、酒向芳、野間口徹、渡部篤郎、リリー・フランキー、他

脚本は古沢良太。孤独な幼少期を過ごし、桶狭間の合戦などの戦を経験した家康(松本潤)は『本能寺の変』で織田信長を失う。窮地に追い込まれた家康の前に、豊臣秀吉(ムロツヨシ)、石田三成、真田昌幸らが立ちふさがる。家康が戦乱の世で常に『どうする?』と決断を迫られながらもたくましく息抜き、どのようにして戦乱の世を治めていったのかを描く。家康が、従来のしたたかなタヌキ親父ではなく、繊細なプリンスというイメージで描かれる。国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は、今川家の人質としてひっそりと生涯を終えると思っていたが三河武士の熱意に動かされ、弱小国の主あるじとして生きる運命を受け入れ、織田信長(織田信長)、武田信玄(阿部寛)という化け物が割拠する、乱世に飛び込む。待っていたのは死ぬか生きるか大ピンチ、計算違いの連続、そしてガマンの限界。どうする家康?これまでの戦国ドラマと異なる切り口で家康の生涯が描かれる。キャストはそうそうたるメンバーだが、日頃の民放ドラマで見かける俳優陣が勢揃いといった感じでいかにも軽い。これで果たして大河ドラマの風格が保たれるのだろうか、実に不安である。どうなる?家康…

 

 

TBS日9 1/8 ~ 『Get Ready!』 妻夫木聡、藤原竜也、松下奈緒、日向亘、一ノ瀬颯、橋本マナミ、中山麻聖、田野倉雄太、長見玲亜、當真あみ、結城モエ、鹿賀丈史、他

堤幸彦監督による1話完結のオリジナルドラマ。超人的なオペ技術と法外な治療費でどんな手術も請け負う正体不明の闇医者チームを軸に、人間の生きる意味を問いただす。主演の妻夫木聡が演じるのは“エース”と呼ばれる天才執刀医で昼間はパティシエとして働く波佐間永介(はざまえいすけ)。藤原竜也が演じるのは国際弁護士・下山田譲(しもやまだじょう)、通称“ジョーカー”。その他、チームのメンバーとして“クイーン”のオペ看・依田沙姫(よださき)を松下奈緒、“スペード”の白瀬剛人(しらせごうひと)を日向亘が演じる。仮面を被ったダークヒーローたちが、曲者揃いの余命わずかな患者たちをスタイリッシュな手術室で天才的な技術で救っていく医療ヒューマンエンタテインメント。

 

 

日テレ(読売テレビ)日22:30 1/8 ~  『ブラッシュアップライフ』 安藤サクラ、松坂桃李、染谷将太、黒木華、臼田あさ美、鈴木浩介、バカリズム、夏帆、木南晴夏、他

バカリズムの脚本によるオリジナルドラマ。市役所勤務・実家住まい・独身のアラサーが人生2周目をやり直すという物語。安藤サクラ演じる主人公・近藤麻美 33歳は地元の市役所に勤務する、ごく普通の女性。実家で両親と妹と4人で暮らしている。ある日突然人生をゼロからやり直すことになる。気が付くとそのは産婦人科のベッドの上。目の前には若き父と母の姿が。麻美の2度目の人生が始まる。麻美の小・中学校の同級生・門倉夏希に夏帆、同じく同級生の米川美穂に木南晴夏、麻美の元カレ・田邊勝に松坂桃李、麻美の同級生・福田俊介に染谷将太らがキャスティングされている。

 

 

次クールは多彩な内容となる。

リーガル、復讐物、警察、ビジネス、純愛、医療、

音楽家、などの他、SF風のドラマも、と盛りだくさん。

果たして実際に盛り上がるかどうか、

とりあえず視てみなければ始まらない…。

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