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MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

人ごみの『立石寺』紀行

2009-11-04 23:09:57 | 旅行記

続いては山形の山寺(宝珠山立石寺)。

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立石寺は、山形市街から車で
リンゴ、さくらんぼやラフランスの果樹園が続く道を
走ること約30分。
静かな山あいの町の険しい山肌にへばりつくように
寺院や堂宇が散在する名古刹である。
1689年、松尾芭蕉がこの寺を訪れ、
『閑かさや岩にしみ入る蝉の声』という名句を詠んだとされる。
ある夏の日の午後、煩悩を捨て去り山に入れば、
蝉の声以外、何の物音も聞こえず寂寞とした空間で
心澄みわたる思いをした体験をこの句に表現している。
時を越えてそんな静けさを期待して訪れたのだが、
ちょうど紅葉も見ごろの時季とあって、
観光客がわんさと押し寄せ
喧騒の中での参拝となりぬるなり(大丈夫か?)。

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1015段の石段を最高点の奥の院・大仏殿までのぼる。
大勢の参拝者たちが皆そろって元気に踏破していたのには感心した。
途中、発汗著しく、息づかいの荒い、
メタボなおじいさんを追い越す。
心筋梗塞大丈夫?と思わず心配になる(無事生還の模様)。
芭蕉の例の句をしたためた短冊が埋められているという
『せみ塚』も人がごった返し、
往事の風情を感じたいという願いは叶わなかった。

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この寺の観光地化の是非はともかく、山形市街から程近い場所に
歴史を偲ぶ絶景が存在することには感動した。

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ところで、この『閑かさや…』の句から思い出されるのは、
1973年のヤマハ・ポピュラーソングコンテストで
グランプリを受賞した
伊勢功一+卍(まんじ)の『さすらいの美学』だ。
(ちなみにこの年のもう一つのグランプリ曲は小坂明子の『あなた』)。
当時、深夜の人気ラジオ番組『コッキ―・ポップ』では
オープニングに同コンテストのグランプリ曲を流していた。
毎夜遅く『閑かさや…』の吟詠をイントロにアレンジした
この楽曲がラジオから流れるたびに
一種異様な雰囲気に襲われていたことを思い出す(焦りもあったか?)。
この曲をご存知ない方、
是非ともこの風変わりな歌を一度お聴きいただきたい。

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晩秋の『イーハトーブ』紀行

2009-11-03 14:53:09 | 旅行記

イーハトーブの世界を覗いてきました。
他の季節に訪れたことはないのですが、
晩秋の岩手はことのほか心を落ち着かせてくれます。
小学校一年生の時、『注文の多い料理店』で
宮沢賢治の作品に初めて出会ってから、
小学校の図書室で彼の世界に引き込まれましたが、
深遠な賢治の思想の理解には遠く及ぶものでは
ありませんでした。
以来一度は彼の生まれ育った故郷を目にしたいと
思っていましたが、このたびようやく
花巻を訪れることができました。
『イーハトーブ』とは賢治によると
岩手をエスペラント語読みしたものだそうですが、
かの地にあふれる豊かな自然と、そこから想像の広がる
不思議な夢の世界を表わしています。

Coolpix_242_2

花巻は盛岡から約40km南、車で約1時間。
10月の終わりで紅葉はすでにピークを過ぎていました。
花巻市街から数キロの小高い山の麓に、
宮沢賢治記念館、宮沢賢治童話村、イーハトーブ館、
ポランの広場などの静かな空間がありました。

Coolpix_235

賢治ワールドへの入り口です

平日ということもあり、訪れる観光客はまばらで
時折吹き抜ける冷たいつむじ風と、
それによって舞い散る色とりどりの紅葉が、
自然を愛した賢治の世界を一層演出してくれていました。

Coolpix_240

彼は裕福な家に生まれながらも
明治から大正にかけての
戦争、災害、不景気に包まれた時代を背景に、
教育者、科学者、農業者として
不幸に苦しむ人たちの生活向上に尽力しました。
童話執筆や詩作だけでなく、宗教、天文、地学、美術、音楽など
幅広い才能を持ち合わせていたようです。
また100年近くも昔の時代でありながら、
地球温暖化に対する考察も行っており、
現代のエコロジーの先駆をなしていた人物との評価もあります。
これまで見知ってきたいくつかの宮沢賢治の著作が
彼の業績のほんの一部であったことを再認識するとともに
37年の生涯に集約された彼の勤勉さとエネルギーに
大きな感銘を受けた今回の花巻行でした。

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富良野調査報告

2008-10-18 00:34:45 | 旅行記

今週、北海道のへそと言われる富良野まで行ってきました。

10月9日から始まった、フジテレビの木曜ドラマ『風のガーデン』の

舞台となっており、ちょっとタイムリーだったですかね。

ただ、ラベンダーの開花は7月から8月ですので、

観光のピークはとっくに過ぎていました。

そのため観光客は少なく、

逆に静かな雰囲気で良かった面もありました。

富良野には旭川から車で1時間程度で行くことができます。

富良野と一口に言っても、富良野盆地は大変広く、

富良野市、美瑛町、上富良野町、中富良野町、南富良野町、

そして占冠村の6市町村からなります。

幅広い幹線道路が延々と 10 km 以上も続く広大さには

驚かされます。

富良野からは山頂に雪を頂く大雪山系の十勝岳連峰を

はるかに望みます。

Photo

美瑛町より大雪山系を望む

美瑛町は眺望の良いなだらかな丘が有名で、

そこには特徴のある木が散在していました。

CMで使われた『ケンとメリーの木』のほかにも、

『クリスマスツリーの木』や『哲学の木』など趣のある木々があります。

01こちらは『哲学の木』

ああPhoto_3

こちらは『クリスマスツリーの木』

いくつか周回コースがありますが、結構距離があります。

貸し自転車などあるようですが、アップダウンがきついので、

やはり自動車で回ります。

富良野市はドラマ『北の国から』のロケ地ということで有名ですが、

このドラマ、一切見ていないので特に感慨はありませんでした。

しかし、雄大な景色を目の当たりにすると、

日頃の悩みなどとてもちっぽけなものに感じられてしまいます。

広いまっすぐな道を車で走っている時、

図らずも大嫌いな、あのツルハゲ歌手の『大空と大地の中で』を

口ずさんでしまっていました(不覚)。

確かここから足寄はずいぶん遠かったはずですが…

ラベンダー園は、上富良野町、中富良野町が有名のようです。

眼前に広がるラベンダーの香りに包まれた紫の絨毯を堪能するには、

7月下旬ころに訪れる必要がありそうです。

ドラマ『風のガーデン』の舞台となっているガーデンは

富良野市のゴルフ場跡地に二年がかりで造成されたそうです。

現在は残念ながら『風のガーデン』の場所は秘密とされており、

一般公開は来年からとのことです。

さて、『風のガーデン』、ドラマの方ですが、

スタート直前の緒形拳氏の逝去により

相当の視聴率が期待されたものの、

第1話 20.1%、第2話 18.0%と思ったほど伸びませんでした。

世界同時株安、景気後退、さらに食の不安などの

暗いニュースが続く中、

やはり全体に暗いドラマは敬遠されるのでしょうか…

物語は、

5年生存率3%というステージⅣb の膵臓がんと診断された

中井貴一扮する麻酔科医白鳥貞美が、

最期の大切な時間を、故郷富良野で過ごすことを決意する展開に

なりそうです。

先日の第2話では、愛犬の蛍が死んだ時、

悲嘆にくれる孫の白鳥岳(神木隆之介)に、

白鳥貞三(緒形拳)が『死』について語るシーンがありました。

しかし、このドラマでは、孫に語る貞三のセリフが、

不思議なことに、『ですます』調なのです。

一体なぜなのでしょう?

すでに死を目前にしていたであろう緒形の迫真の演技のはずが、

これでは気持ちがうまく伝わりませんね。

脚本に問題ありと思います。

それと、貞美の愛人、氷室茜役の平原綾香。

おさかな顔の、ちょうど昔の太田裕美を彷彿とさせる。

お世辞にも美人とは言いがたく、中井貴一とは、

どうみても愛人関係という雰囲気ではありません。

二人はプラトニックな関係に思えてしまうのです。

(ドラマの設定でも実際にそう?てことはないでしょう)

あきらかなミスキャストと思います。

嗚呼、平原は主題歌だけにしておいてほしかった(嘆息)。

しかしまあ、実際に見てきた富良野の風景のすばらしさを思うと

今後の展開に期待したいと思います(一刻も早く貞美がその愛人と

別れていただくことをひたすら願いながら…〔苦笑〕)。

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心はトロピカル

2007-08-11 00:07:27 | 旅行記

頭上から照りつける太陽。

誰もいない白い砂浜に

自分の影が足元にわずかに動く。

聞こえるのは打ち寄せる波の音と

岸辺の林からの数匹の蝉の声。

時折心地よい風が海の香りを運ぶ。

かなたの水平線には

海面から湧き上がったような入道雲。

空気は歪みそうなほど高温だが、

不思議と汗は乾いている。

不意に駆け出したくなって(一体どうして?)

やわらかい砂に足をとられながら

波打ち際を全力疾走する(謎)。

近くに思えたのだが、

砂浜の先は遠く続いている。

足を止め引き返すと、

誰もいなかったはずの浜辺に

真っ黒に日焼けした老人が立っていた…

「楽しんでいますか?」

「おかげさまで」

夕方になり、風向きが変わり、

日中の暑さは嘘のように和らいだ。

白い太陽はオレンジ色に変わり、

椰子の木が長い影を落とした。

昼間の疲れからか、睡魔に襲われ、

ハンモックの上でまどろんだ。

波の音を聞きながら、

どれくらい眠っただろうか。

どこかでケータイのアラームが鳴っている。

ん?、朝7時…

アラームを止めた。

「さあ、お盆も仕事、仕事っ!

今日も一日頑張るぞ~っ!」(解釈不能)

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