まずは2014年10月クールのドラマを総括しましょう。
毎度勝手な感想で恐縮ですが
12月8日までの視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位の
ドラマから順に勝手な寸評を書いてみます。
(括弧内は平均視聴率、大河ドラマを除く)
『ドクターX~外科医・大門未知子(3)』(22.14%)
高視聴率は期待されていたが全回20%越えとは予想以上。医学考証も比較的しっかりされていたので見ごたえはあった。この調子だとまだまだシリーズが続きそうである。
『相棒 (13)』(16.97%)
今シーズンも好調を維持。ワタクシなどは完全に飽きてしまっているのだが、根強い人気である。
『きょうは会社休みます。』(16.19%)
巷では綾瀬はるかの『こじらせ女子』っぷりが高評価のようだが個人的には玉木宏の演技と随所に出てくる名言が良かった(あの鼻から抜けるような声は無理だが、つい物まねをしてしまうのである)。たとえば、『傷つくことを恐れるよりも変われない自分を恐れるべきだね』『女は男で変わるっていうけど、ほんとだ』とか。福士蒼汰の笑ってない目が気持ち悪かった。
『信長協奏曲』(12.78%)
戦国時代でもお構いなしの小栗旬の現代風の台詞が面白かった。欲を言えばもう少し史実に忠実なつじつま合わせをしてほしかった。
『ディア・シスター』(11.33%)
ドラマのテイストは『ラストシンデレラ』そのもの。石原さとみのはっちゃけぶりは良かったがもう少し抑え気味の方が良かったかも。W主演の松下奈緒が引き立て役にしか見えなかった。
『素敵な選TAXI 』(10.51%)
一話ごとにゲストが入れ替わる構成となっていたが回ごとに良作・駄作があり安定感がなかった。竹野内豊の棒読み台詞がやはり気になった。3話あたりから面白くなってきており、放映順をもう少し考えていればもっと視聴率は上がっていたのではないだろうか。
『地獄先生ぬ~べ~』(10.05%)
原作は知らないが、原作とのあまりの乖離にネットで批判が集中。確かに出演者のファンなら視続けることはできるかもしれないが、2回以降に期待が全く持てず初回でリタイア。原作の面白さを生かすならもっと原作に忠実な実写化をめざすべき。『怪物くん』や『悪夢ちゃん』などのお子ちゃま向け CG 活用路線もいい加減飽きてきた。
『すべてがFになる』(9.54%)
このドラマも真賀田四季博士が登場する5話からが盛り上がった。それまでの4話はあまりにも退屈だった。やはり連ドラは初回の掴みが重要である。
『Nのために』(9.07%)
前半は15年前の火事、10年前の殺人事件、現代の3つの時相が入り乱れて訳がわからないままドラマが展開されたので視聴者には苦痛だったのでは?榮倉奈々も窪田正孝も違和感なく高校生を好演していただけに残念。原作を生かすためのドラマ構成なのかも知れないが視聴者は置いていかれてしまう。もう少し工夫が欲しかった。
『黒服物語』(7.88%)
主演の Sexy Zone の中島健人、ルックスも申し分なく格好いいのだが、ドラマの中では喜怒哀楽すべてのシーンで同じ表情なのが残念。ドラマは本職の黒服やキャバ嬢から見たら怒りを買うに違いないほどチャチな内容。結局2話で断念した。AKB の柏木由紀は予想外に頑張っていたが、入山杏奈は全くムリ。出直してきてほしい。
『ごめんね青春!』(7.66%)
1話で断念。学園ドラマらしい“さわやかさ”は微塵も感じられなかった。案の定、視聴率全く獲れず。だから~日曜夜は森田健作の『おれは男だ!』を再放送した方がずっと視聴率獲れるって言ったのに~。
『ファーストクラス 2』(6.86%)
この続編は沢尻エリカの存在感がチョー薄っ!主役が沢尻っての忘れてしまいそう。強烈な個性を持った様々な悪女が出てくるのはいいのだが、いずれも見かけ倒し。これでは視聴率は獲れない。
『MOZU Season2 ~幻の翼~』(6.24%)
大げさなセットやおどろおどろしい雰囲気を漂わせていながら内容がない。こんなドラマ、早々に地上波で流されたら WOWOWで金払って視た人たちは金返せって気持ちではなかっただろうか?もはや西島秀俊の台詞聞いただけで失笑してしまった。それと真木よう子、あの声としゃべりではハードボイルドは難しい(キャストを間違えた)。それに彼女が演じた明星美希の不死身ぶりにも仰天。さらに映画化が決定ってのが信じられない。
『ママとパパが生きる理由』(6.20%)
ママもパパも進行癌に侵されてしまうという最高に暗いドラマ。元々のブログやノンフィクション書籍はそれなりに読み応えがあったのだろうが、年末の忙しい時期に、かつ『MOZU』の穴埋めで全5話に凝集されてドラマ化とは気の毒である。
『女はそれを許さない』(6.04%)
深キョンのとぼけた弁護士の演技だが、ちょっと前にNHKでやっていた『サイレント・プア』というドラマでのコミュニティ・ソーシャルワーカーの里見涼、もっと言えば、『専業主婦探偵~私はシャドウ』の浅葱芹菜と何ら変わることがなかった。TBS も本当に視聴率獲れると思ってドラマ作っているのか疑いたくなるような駄作。
2014年10月クールは予想どおり
『ドクターX~外科医・大門未知子(3)』がダントツ。
そして水10戦争は圧倒的大差で
『きょうは会社やすみます。』の綾瀬はるかに軍配。
とにかく目を覆うばかりなのが TBS。
月8を含めた6本のドラマがすべて視聴率一桁という体たらく。
前回も嘆いたが、この TBS の惨状はいつまで続くことや。
それではいよいよ2015年、
1月からの新番組の内容をチェックしてみましょう。
フジ月9 1/19~ 『デート~恋とはどんなものかしら~』 杏、長谷川博己、国仲涼子、中島裕翔(Hey!Sey!JUMP)、松尾諭、和久井映見、風吹ジュン、松重豊
2014年1月クールの『失恋ショコラティエ』以来1年ぶりに恋愛ドラマが復活。日テレの『きょうは会社休みます。』が当たったことから、フジのこの枠はやはりこの路線が向いている?ドラマは『腎性に恋愛は不要』と考えるようになった“恋愛力ゼロで恋愛不適合者”の女と男が、それぞれの抱える事情から結婚を目指すことになり、一切の恋愛感情を持たないまま味気ないデートを始めるようになるというロマンチック・ラブコメディ。『きょうは会社…』に追随するかのように横浜が舞台となっている。杏演じる主人公の女性は、東京大学大学院数理科学研究科で数理モデルのマクロ経済への応用を研究した後、内閣府経済総合研究所に入所し、現在は横浜研究所に出向中、マクロ経済の動向予想のエキスパートである藪下依子(やぶした・よりこ)29才。依子は、国家・社会に奉仕できる職業に情熱を持って当たっているが、効率的かつ規則正しい生活を好み、乗る電車、座る席、歩く道、着るものと食べるメニューは曜日ごとに決めているマイペースで融通が利かない超合理主義者。そんな性格から、人と接するのが苦手で周囲と上手くいかないことも多々あった。しかし自身の貯金は数千万を突破し、彼女の人生は思惑通りに進んでいた。次なる目標は30才までに結婚することだったが彼女の結婚観は『14項目の条件』を満たす理想の相手との契約に過ぎないと考えていた。一方、長谷川博已が演じるのは“恋愛力ゼロ”な男・谷口巧(たにぐち・たくみ)。巧は、自分を『高等遊民』(明治時代から昭和初期にかけ実在した、大学などは卒業し、高い教養を持ち合わせているものの、経済的に恵まれているため、労働に従事せず読書などに没頭し、日々を過ごしていた人々)と称し、働かず、親に寄生し、文学・芸術・音楽・娯楽の世界に溺れ、日々を過ごしている35歳。まさしく『ニート』だったが巧みはそれを認めず、暗くもなければ卑屈でもなく、性格は明るく穏やか、理知的でスマート、さらに服装も清潔感にあふれていた。巧の両親は既に離婚していて、現在は母親と実家で二人暮らし。『高等遊民』などと気取ってはいたが、経済力ゼロの自分には結婚はおろか女性と真剣に付き合う資格などないと考えていた。ところが、病気がちで高齢となりつつ母親が亡くなってしまったら現状の生活を維持できないという現実に直面した彼は母親に代わって養ってもらえる女性との結婚を思い立つ。そんな結婚という明確な目標を持った2人が恋愛感情ゼロの状態からデートを重ねていくストーリーがコミカルに描かれるそうである。
フジ火9 1/13~ 『ゴーストライター』 中谷美紀、水川あさみ、三浦翔平、菜々緒、キムラ緑子、江波杏子、石橋凌、田中哲司
むむっ、このタイトル、誰の頭にも浮かぶのはやはり今年前半の話題をさらったあの長髪、サングラスのオジさん?さてこのドラマ、主人公は天才小説家と謳われる三波リサで中谷美紀が演じる。実は超売れっ子のこの女流作家、世間で絶大な賞賛を受ける陰で誰にも言えない苦悩を抱えていた。作家としての才能が枯渇し行き詰まりを感じていたのである。一方、小説家を夢見る20代の女性・遠藤由樹(水川あさみ)は田舎で待つ婚約者には1年限りという約束で上京し、作家としてのデビューを目指していた。しかし、いくつもの新人賞に応募を続けたものの結果を出すこともなく早1年が過ぎてしまっていた。ある日、応募せず手元に残していた原稿を持って大手出版社・駿峰社を訪れる。そこでリサのアシスタントの仕事を紹介された由樹は彼女のゴーストライターとしての道を歩むこととなる。田中哲司演じる駿峰社の敏腕編集長・神崎雄司は自分の出世のためリサの賞味期限と由樹の才能の値踏みを周到に行い彼女らを巧みに利用して業績を伸ばそうと画策する。一方、由樹の唯一の理解者である三浦翔平演じる新人編集マン・小田颯人は彼女の才能を認め、ゴーストライターをやめさせ作家としてデビューさせようと奮闘する。共演者としてこのほか、駿峰社の常務取締役・鳥飼正義役に石橋凌、女性編集者・塚田真奈美役に菜々緒、リサの有能な秘書・田浦美鈴役にキムラ緑子、リサの母親・元子役に江波杏子らが起用されている。才能の限界におびえる売れっ子作家と才能がありながらもゴーストライターとして生きる女性の二人の対決と友情、人としての成長が描かれる佐村河内守とは何ら関係のないヒューマンサスペンス・ドラマ。
フジ(関西テレビ)火10 1/6~ 『銭の戦争』 草剛(SMAP)、大島優子、木村文乃、高田翔(ジャニーズJr.)、新川優愛、志賀廣太郎、木野花、津川雅彦、ジュディーオング、大杉漣、渡辺篤郎
原作はパク・イングォンによるコミック『銭の戦争』。金に翻弄された男の人生を描いた作品で2007年に韓国でドラマ化され高視聴率を記録した。今回、草剛が、エリートからどん底まで転落しそこから這い上がる男を演じる。主人公・白石富生は東大卒、外資系証券会社に勤め、美人の婚約者がいて順風満帆の日々を送っていた。ところがある日、父親が多額の借金を残して自殺。連帯保証人となっていた富生は貯金を全て借金の返済に充てるも、さらに貸金業者に追われる身となり職も婚約者も全て失ってしまう。ホームレスまで転落した富生は、あろうことか自分をどん底まで追い込んだ金貸し業の道を選び、高金利で金貸しをしている『赤松金融』の経営者・赤松大介(渡部篤郎)の元で働くことになる。赤松は父親の死の真相を握っている人物だった。金のためならどんな苦労も厭わないと決意した富生は手段を選ばずどんなことでもするようになる。そんな富生に、金の魔力に取り憑かれていることを気付かせ、特別な感情を抱き合う関係となるのが高校時代の恩師の娘・紺野未央(大島優子)。また元婚約者・青池梢(木村文乃)もこの2人に絡んできて複雑な恋愛関係が展開されていくことになる。父親の死の真相を知った富生は復讐を果たそうと企てるもいつしか金に呑み込まれていってしまう。そんな男の人生が、金の魔力、家族愛、複雑な恋愛模様などを交えながらユーモラスに、時にはシリアスに描かれる。どん底まで落ちて這い上がっていくというストーリーは『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』と同じじゃん!。
TBS火10 1/13~ 『まっしろ』 堀北真希、柳楽優弥、志田未来、高梨臨、菜々緒、MEGUMI、竹内都子、西尾まり、信川清順、渡辺舞、周本絵梨香、伊藤麻実子、水上剣星、津田英佑、眞島秀和、石黒賢、水野美紀、木村多江
病院を舞台にナース版“白い大奥”が描かれる。ドラマの舞台となるのは、高額な医療費がかかるにもかかわらず、政財界、芸能界、文化人らが受診する最高級セレブ病院『東王(とうおう)病院』。この病院の看護師の世界は複雑な人間関係が渦巻く閉ざされた女の世界。『白い大奥』と呼ばれ、そこでは看護師の職分に従って格付けされナースキャップの真珠で区別されていた。玉の輿を夢見てこの病院にやってきた有村朱里(堀北真希)は当然『無印(むじるし)』。同じ『無印ナース』に理論派の毒舌女子・松岡菜々(志田未来)とサバサバ系肉食女子・和田木綿子(高梨臨)がいた。看護部の頂点に君臨し『白い大奥』を取り仕切るのが看護師長・田野島心(たのしましずか)(木村多江)だった。『白い大奥』には厳しい掟があり、これを破ったものは容赦なく『お暇をとっていただきます』と告げられ病院を去っていかねばならない。そんな中、田野島と同期で彼女と常に対立し『白い大奥』を冷めた目で見ていたのが一匹狼のオペナース・岩渕恵(水野美紀)。一方、看護師たちに対抗する医師には、アメリカ帰りの若きスーパードクター・仲野孝太(柳楽優弥)や看護師との恋の噂の絶えない色男、東王病院の副院長・佐藤正隆(石黒賢)らがいる。主人公の朱里は千葉県船橋市出身の25歳。地元の看護学校を出て付属病院の老人病棟に勤務していた。看護師になるときは、『人の役に立ちたい』『困った人を助けて感謝されたい』という純粋な気持ちもあったが、4年間、安月給でこき使われているうちに、早く結婚して辞めたいと思うようになる。そこでお嬢様風に変身してセレブ患者の集まる東王病院に潜り込んだのだった。ところが、そこはへなちょこドクター、不倫ナース、わがまま患者など曲者ぞろいの病院だった。さらに師長からは連日厳しく指導され前途多難。そんな環境で働く朱里ら若い3人の看護師の奮闘ぶりが描かれる。一見コメディドラマかと思いきや、実は、命を救う現場で真剣に仕事に打ち込む愛と涙のヒューマンドラマなんだとか。よくわからん。
テレ朝水9 継続 『相棒 (13)』 水谷豊、成宮寛貴、鈴木杏樹、六角精児 他
特にコメントなし。
日テレ水10 1/14~ 『○○(まるまる)妻』 柴咲コウ、黒木瞳、城田優、蓮佛美沙子、奥貫薫、渡辺真起子、岩本多代、平泉成、東山紀之(少年隊)
『家政婦のミタ』続編か、との噂もあったこのクール。内情の詳細は不明だが、蓋を開けてみれば、同じ脚本家・遊川和彦による『〇〇妻』に決定。松嶋菜々子のダダこねか?それはさておき、このドラマ、キャッチコピーは“新しい夫婦のカタチ”を描く究極のラブストーリー。柴咲コウが主人公・久保田ひかりを演じる。ひかりは夫のために家事を完璧にこなし自分の人生をすべて夫のためだけに捧げ、何事にも3歩下がって夫に付き従う女性だった。東山紀之演じる夫の久保田正純は熱い志を持ったニュースキャスター。歯に衣着せぬ物言いで人気があり、その言動には世論にも大きな影響を持っていた。彼がニュース番組のメインキャスターに抜擢されたのも妻・ひかりの『内助の功』あってのことだった。しかし彼女が夫にそこまで尽くすのには真の理由があった。『〇〇妻』というタイトルの鍵は、ひかりの過去をめぐる秘密なのか?2人以外のキャストは、ひかりの過去を知る女性・井納千春に黒木瞳、ニュース番組のプロデューサー・板垣雅己に城田優、ニュース番組の新人アナウンサー・風谷愛に蓮佛美沙子、正純の2人の姉に奥貫薫、渡辺真起子、正純の母に岩本多代、正純の父に平泉成となっている。不評だった朝ドラ『純と愛』ですこぶる評判を落としてしまった遊川和彦だが本作で名誉挽回なるか?
フジ水 10 1/14~ 『残念な夫。』 玉木宏、倉科カナ、黒木啓司(EXILE)、林遣都、高橋メアリージュン、浅田美代子、大塚寧々、岸谷五朗 他
幸せな結婚をしながら出産をきっかけに夫に対する妻の家庭内評価が下がり危機に陥った夫婦の姿が描かれる社会派ライトコメディ。子供が生まれたのに父親らしい進歩が見えないことで妻からの愛情が冷え込み、家庭内カースト最下層に落ちた主人公が、“理想の夫”“最高のパパ”をめざして奮闘するオリジナルドラマである。“産後危機”問題は出産後のデリケートな時期に配慮のない発言をするなど、妻のストレスを限界まで増殖させてしまう“残念な夫”の存在が大きな要因。その“残念な夫”である主人公・榛野陽一(35)を演じるのが玉木宏、住宅会社に勤める会社員である。子供が生まれてから妻・知里(倉科カナ)(28)の態度が冷たくなったように感じる陽一だったが、自分は『家事・育児に協力する良い夫』と思い込んでいるためその原因も解決方法も分からない。陽一の上司ですでに“残念すぎる夫”となってしまっている細井茂(50)を岸谷五朗が、その妻で、夫への愛が冷え込んでいる細井美和子(46)を大塚寧々が演じる。“残念な夫”たちは職場や飲み会で『被害者パパの会』を作って愚痴をこぼし、妻たちは『ママ友の会』で育児の過酷さを共有して夫の残念さを嘆き合うという。主人公夫婦はお互いの思いをぶつけ合い、子供のへの接し方を話し合い、対立を乗り越え絆を深めることができるのか。あまり共感できそうにないドラマである。
TBS木9 1/8~ 『美しき罠~残花繚乱~』 田中麗奈、若村麻由美、青柳翔、三浦理恵子、高橋かおり、吉田里琴、平泉成、池畑慎之介、村上弘明
原作は岡部えつの小説『残花繚乱』。自分が蒔いた種とは言え、美しき愛憎の罠にはまっていき、さまざまな思惑と闘いながら真の幸せを勝ち取ろうとする大人の女の物語。主人公は田中麗奈演じる34才のOL・西田りか。ファザコンだったりかは村上弘明演じる大手企業の常務で上司の柏木荘太と3年間不倫関係にある。彼には会社経営者の娘である美しい妻・美津子(若村麻由美)がいた。浮気の事実を掴んだ美津子は、りかの見合い相手として、荘太の親友の弟で幼いころから柏木家に出入りしていた33才の青年実業家・落合圭一(青柳翔)とくっつけようと画策する。しかし実は圭一は美津子に密かな想いを寄せており、美津子も圭一を心の頼りにしていた。結果的に荘太に裏切られ捨てられたりかは心に激しい復讐の炎を燃え上がらせる。圭一に対する美津子の思いを知ったりかは圭一の心を奪い取ろうと決意し結婚を前提に付き合い始める。これら4人の男女に、りかと同じ書道教室に通う桐谷麻紀(三浦理恵子)と滝本泉(高橋かおり)らも複雑に絡んでくる。麻紀はインテリアコーディネーターとして活躍、美容整形による美貌で常に恋愛相手を欠かさない42才独身。泉は外資系証券会社に勤務、夫婦で都心のマンションに暮らし、さらにはコンプライアンスオフィサー会社を起業しようとしている36才。りか、麻紀、泉の3人は互いにちょうどよい距離感を保った関係だったが、りかが結婚式の準備を2人に手伝ってもらったことからその関係に綻びが生じてくる。麻紀は、りかの婚約者だと知りながら圭一に接近する。そして、ただ一人心を開いて付き合えると思っていた泉も…。さらに彼女らが通う書道教室の師範で独身主義の江崎龍子(池端慎之介)や、両親が偽りの円満夫婦であることを見通し母親に激しい嫌悪感を抱いている16才の高校生・柏木美羽(吉田里琴)らの思いも交錯する。周囲から攻撃され翻弄されるりかはどう対処し応戦するのか?男女の愛、嫉妬、苦悩が細やかに描かれる大人の女性群像劇である。というわけで、またまた不倫ドラマのようだが、果たして不倫にはまった主人公に視聴者からの共感が得られるだろうか。キャストにはかなり力が入っており、低迷の続く TBS のこの枠が息を吹き返せるか見もの。
テレ朝木9 1/8~ 『DOCTORS3~最強の名医~』 沢村一樹、高嶋政伸、比嘉愛未、黒川智花、宮地雅子、正名僕蔵、滝沢沙織、敦士、斉藤陽一郎、尾崎右宗、阿南敦子、小日向文世、篠井英介、小野武彦、伊藤蘭、野際陽子
2011年10月クールのパート1で14.8%、2013年7月クールのパート2で18.3%の高平均視聴率を獲った医療ドラマの第3弾。堂上総合病院の医師たちと対立を繰り返しながらも『医師である前に真っ当な人間でありたい』という信念を貫く主人公の医師・相良浩介(沢村一樹)が病院の再生に尽力する。堂上総合病院の消化器外科と西都大学病院の心臓血管外科による合同オペ成功から1年半。相良は堂上総合病院に勤務するかたわら、西都大学の医学部長・松田義雄(小日向文世)に呼ばれ、講師として若手医師の育成に励んでいた。相良と松田は良好な関係を築きつつあったが、西都大学病院にはそんな相良の存在を快く思わない医師たちもいた。一方、森山卓(高嶋政伸)はタレントドクターとして一躍有名人となっていた。一日も早く甥の森山に立派な後継者になってほしいと願う堂上総合病院院長・堂上たまき(野際陽子)の願いもむなしく、森山はタレント医師活動で多忙を極め、本業はないがしろにされていた。そんな様子を見た相良は、森山を西都大学の臨時講師にさせるべく、ある策略を練り森山を西都大学に送り込む…。というわけで、今シリーズも“相良 vs 森山”の対立構図が中心となっているようである。2年と空けずシリーズを繰り返しているようであるが、新鮮味に欠ける内容になるのではないかと予測される。
フジ木10 1/15~ 『問題のあるレストラン』 真木よう子、東出昌大、二階堂ふみ、高畑充希、菅田将暉、松岡茉優、臼田あさ美、YOU、安田顕、田山涼成、吹越満、杉本哲太
坂元裕二脚本のオリジナルドラマ。『最高の離婚』制作陣による、スカッと笑えてホロッと泣ける女性応援コメディー。真木よう子演じる主人公・田中たま子は普通のOLだったが、理不尽な男社会の会社を辞め、東京表参道から少し入った裏通りに女性たちのレストランを立ち上げる。ポンコツ女のレッテルを貼られた女性たちが人生のどん底から這い上がるため力を合わせてレストランを立ち上げ、苦難と戦い、働く喜びを感じながら人生を変えるレシピを探していく。まるで気の合わない女性たちが始めたレストランは問題のあるレストランとなってしまうが、これまで彼女たちを苦しめてきた男たちという共通の敵を持つことで彼女たちは一致団結する。彼女たちは彼らに宣戦布告し、自分たちなりの勝利の道を模索していく。そんな女性達のリーダーとなるたま子の恋人であり敵対する相手にもなるシェフの門司誠人(もんじまこと)を東出昌大が演じる。また、たま子と一緒にレストランをやっていく女性たちには、たま子のOL時代の同僚で東大出身でプライドの高い新田結実(にったゆみ)に二階堂ふみ、男たちを利用しているようで実は利用されている恋愛依存症の川奈藍里(かわなあいり)に高畑充希、たま子がOLをやっていた会社の社長の娘で領事上手な雨木千佳(あめきちか)に松岡茉優、天然ボケの家出主婦・森村鏡子(もりむらきょうこ)に臼田あさ美、謎の過去を持つ辛口な女・烏森奈々美(からすもりななみ)にYOUといったキャスティング。さらに心優しいゲイのパティシエ・几ハイジ(おしまずきはいじ)に安田顕。一方、たま子たちと敵対するライバル店の調理場担当見習いで、誰にでも優しいが人間関係に対して執着がなくいつもチャラチャラしている若者・星野大智を菅田将暉、たま子の元上司で、セクハラ、差別、いじめなどの言動を繰り返す男たちを吹越満、田山涼成が演じる。さらに、たま子が勤めていた飲食業会社の社長で、彼女らの最大の敵となる雨木太郎(あめきたろう)役が杉本哲太となっている。坂元裕二による軽妙なセリフが期待されるが、この内容で男性が視ようとするだろうか?
TBS金10 1/16~ 『ウロボロス~この愛こそ正義。』 生田斗真、小栗旬、上野樹里、吉田鋼太郎、吉田羊、清野菜名、滝藤賢一、光石研
原作は神崎裕也の人気コミック『ウロボロス 警察ヲ裁ハ我ニアリ』。普段は冴えない刑事だが、圧倒的身体能力を持ち、一旦スイッチが入ると常人離れした格闘能力で悪を粉砕する主人公・龍崎イクオ(生田斗真)と、イクオの裏の顔の相棒で明晰な頭脳とクールな立ち居振る舞いで裏社会をのし上がっていくヤクザ・段野竜哉(小栗旬)がコンビを組む。刑事としてのイクオの相棒となる日比野美月(上野樹里)は東大卒のキャリアでさらに父親が警察庁の上層部という超エリートだが、今はイクオと同じ所轄の新宿第二警察署に勤務する。イクオは、幼い頃に大切に思っていた恩人・柏葉結子を殺され、その事件を目撃したが、金時計を身につけた警察関係者に事件そのものをもみ消されたことから、その“金時計の男”を幼馴染の竜哉とともに密かに探し出そうとする。イクオと竜哉の関係は知られてはならないものだったが、美月はイクオの“もうひとつの顔”に気づく。その他のキャストとして、イクオと美月の上司である新宿第二警察署刑事課課長・三島薫を吉田鋼太郎、イクオや美月の能力をいち早く認める警視庁捜査一課の美人管理官・橘都美子を吉田羊、ヤクザである竜哉を執拗に追う新宿第一警察署の刑事・蝶野真一を滝藤賢一、美月の父で警視庁警務部監察課・日比野圀彦を光石研、警視庁随一の情報通である警視庁人事課警部補・田村小夏を清野菜名(『素敵な選 TAXI 』で関カンナ役)が演じる。『ウロボロス』とは古代の象徴の一つで己の尾を噛んで環となった蛇や龍を図案化したものだが、イクオは結子の遺品である2頭の龍のウロボロスをかたどったペンダントを持っていた。このペンダントにはある重大な秘密が隠されており、これを手に入れた美月は命を狙われることになる。3人の男女が警察組織に守られた“金時計の男”の正体に迫るポリス・エンターテインメント。原作は面白そうだが、生田・小栗・上野の演技でどれほどの緊張感を楽しませてくれるかが見どころ。
テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 1/16~ 『セカンド・ラブ』 亀梨和也(KAT-TUN)、深田恭子 他
“大人の危険な恋”に溺れる男女を亀梨和也と深田恭子が演じる、大人がはまるラブストーリー、いわゆる“夜メロ”、なんだそうである。脚本は大石静。コンテンポラリーダンサーとしての夢を追いかける平慶(たいら・けい)(亀梨和也)が年上女性との一途な恋に突き進む。年上のその30代独身女性、高校教師の西原結唯(にしはら・ゆい)(深田恭子)。結唯は同僚教師との不倫関係を続けながらも、ずっと寂しかった心と身体に飛び込んできた若い男の情熱に呑み込まれていく。主人公の慶は若くしてコンテンポラリーダンスの才能に恵まれ、10代でドイツのカンパニーに留学、将来が嘱望されていたが志半ばで挫折し帰国。東京でバイト生活を送っていた。帰国してからは食べるのに精一杯で苛立ちの日々を送っていたが、ある日名門女子校の渡り廊下を通る結唯に恋をする。結唯はその女子校の化学の教師だった。そこそこ美人だが教え子たちの若さに日々接していることで歳を重ねた自分の顔を苦々しく感じており、生徒からは『西ブー』とあだ名されていた。母親から結婚をせかされていたが同僚教師と不倫を続けており先の見えない閉塞感に空虚な生活を送っていた。そんなとき慶と出会ったことで結唯の価値観は大きく揺らぎ始める。ジャニーズの亀梨に深キョンとの濡れ場がどこまで許されるのか。期待したい。
日テレ土9 1/17~ 『学校のカイダン』 広瀬すず、神木隆之介、石橋杏奈、杉咲花、須賀健太、間宮祥太朗、白洲迅、清水くるみ、吉倉あおい、飯豊まりえ、金子ノブアキ、野波麻帆、金山一彦、泉谷しげる、生瀬勝久、浅野温子
ヒロインとなる広瀬すずは連続ドラマ初主演。主人公の女子高生・春菜ツバメを演じる。タイトルの『カイダン』は『怪談』ではなく『階段』。『コトバ』=『スピーチ』の力で目立たない一女子高生が生徒会長となり学校の革命という階段を上っていく話。底辺にいた女子高生・ツバメが伝説の天才“スピーチライター”・雫井彗と出会うことから物語が始まる。名スピーチを生み出し『コトバの力』で人々の心を動かすのが“スピーチライター”の仕事である。誰もやりたがらない生徒会長を押し付けられたツバメは彗にいざなわれるように『名スピーチ』を武器に“腐った学校”を変えていく。悪い奴らを『コトバの力』で矯正させるという展開には多少のカタルシスが得られそうではあるが、どちらかと言えば若年層対象のドラマのようであり中高年層が視続けるのはつらそうだ。
NHK日8 1/4~ 大河ドラマ 『花燃ゆ』 井上真央、大沢たかお、伊勢谷友介、高良健吾、東出昌大、原田泰造、優香、石丸幹二、瀬戸康史、劇団ひとり、要潤、大野拓朗、長塚京三、檀ふみ、奥田瑛二、北大路欣也
2015年の大河ドラマは幕末の思想家・吉田松陰の妹・文(ふみ)が主人公でこれを井上真央が演じる。天保14年(1834年)、文は吉田松陰の実家である杉家の四女として生まれた。杉家の次男の寅次郎(のちの松陰)は、叔父・吉田家の養子となっていたが、叔父が死去したため、杉家に戻っていた。文は、兵学師範として藩内でも一目おかれる兄を誇らしく思っていた。文が8歳のとき、江戸に遊学していた松陰が脱藩の罪を犯してしまう。のちに次姉・寿の夫となる小田村伊之助(楫取素彦・かとりもとひこ)は、松陰の身を案じ江戸に戻るように説得。結局、松陰は士籍を剥奪され、杉家「育(はぐくみ)」となる。藩主毛利敬親のはからいで松陰は再び江戸に向かうが、ペリーの来航に際し密航を企て、失敗。自首した松陰は、萩の野山獄に投獄されてしまう。獄中の松陰は囚人たちを立ち直らせていく。野山獄から出された松陰は、杉家で幽囚の身となり、孟子の講義などを始める。松陰が語る最新の世界情勢や社会状況を織り込んだ講義は評判を呼び、次々と入門希望者が集まる。そして自信たっぷりの若者で城下でも評判の美男子、久坂玄瑞が入門。ここで文と久坂が運命の出会いをする。高杉晋作、伊藤博文、品川弥二郎、山県有朋ら、その後の日本を動かすことになる若者たちから文は妹のように可愛がられ、久坂玄瑞と結婚する。しかし、二人の夫婦生活は長くは続かなかった。時代は幕末の動乱に向かって動き始めていた。松陰が安政の大獄で処刑され、長州藩内では幕府への恭順を主張する一派と、幕府を批判する一派の抗争が始まる。久坂は、文のことを気遣いながらも、戦いの渦中に飛びこんでいく。そして禁門の変で久坂は自決、夫を失った文は毛利家に仕え嗣子元昭の守役に抜擢される。幕末の動乱の中、文は久坂家を残そうと奮闘。その後、文は美和子と名を変え、亡き姉の夫であった群馬県令・楫取素彦の妻となる。群馬の産業・教育の近代化に寄与した楫取(官営富岡製糸場の存続に尽力)は男爵となり美和子は華族の妻として生きていく。このドラマは、杉家の四女の文(ふみ)を中心に、幕末から維新にかけての動乱の中、困難を乗り越えていった杉家の強い絆と、松陰の志を持って力強く生き抜いた若者たちの青春群像が描かれる。吉田松陰を伊勢谷友介、久坂玄瑞を東出昌大、高杉晋作を高良健吾が演じる。
TBS 日9 1/18~ 『流星ワゴン』 西島秀俊、香川照之、井川遥、市川実和子、高橋洋、入江甚儀、町田啓太、高木星来、横山幸汰、倍賞美津子、吉岡秀隆
原作は直木賞作家・重松清の小説『流星ワゴン』。西島秀俊演じる主人公の会社員・永田一雄(ながたかずお)は真面目でしっかりした性格で妻と息子を大切にし日々を正直に生きていたが、妻子の心の闇を見過ごしてしまったことで家庭が破綻してしまう。この半年間のうちにリストラを宣告された上、ふとしたきっかけから心のバランスをくずし若い男と会うようになった妻の美代子(井川遥)からは離婚を切り出された。また息子の広樹(横山幸汰)は家庭内暴力が止まらなかった。さらに末期癌の父親・忠雄(香川照之)との間には確執があった。破天荒で決起盛んで強く生きてきた父親に対して憎しみを覚え最後まで向き合えないままでいた。打ちひしがれた思いで駅前のベンチに座っていた一雄の前に、突如ワインカラーのワゴンが現れる。その車を運転するのは、5年前に亡くなったはずの橋本義明(吉岡秀隆)だった。同乗している息子・橋本健太(高木星来)も、同じく亡くなっているはずだった。この2人と一緒に時を越えることのできる不思議なワゴンに乗り、過去の大切な場所を巡るうちに、一雄は妻や息子とうまくいかなくなったきっかけを知る。そして旅の続く中、一年前の上野駅前に戻った一雄の目に、鮮明に記憶に残る光景が再び映った。若い男と歩く妻の美代子の姿だった。狼狽する一雄の前に、今度は自分と同じ歳の忠雄が現れ、促されるままに行動を共にすることになる。忌み嫌っていたはずの父親が、現実の親子でも、友人でもなく、『朋輩』として隣にいる。それをきっかけに、これまで気付くことのできなかったことの多くが見え始めてくる。果たして一雄は、妻との再出発、息子との絆の回復が出来るのか?決して分かちあえないと思っていた父親とともに後悔の人生をやり直すためのドライブが繰り広げられる。車で人生の分岐点まで戻るという設定は『素敵な選TAXI』とまるきり同じなのだが、よりによってあの『MOZU』コンビが親子とは…。違うコンビだったらさぞかしいいドラマになっただろう、って言い過ぎ?
久々に恋愛ドラマに回帰した月9に期待がかかりますが
ヒロインが杏では恋愛の盛り上がりに欠けそう(顔が恋愛に不向き?)。
医療ドラマもやや食傷気味なため
堀北真希『まっしろ』、沢村一樹『DOCTORS3』も今ひとつの感。
草剛『銭の戦争』も新鮮味は感じられませんね。
夫婦ドラマとなる玉木宏『残念な夫』、柴咲コウ『〇〇妻』も
やはり高視聴率はむずかしそうです。
“復讐”ドラマとなりそうな、田中麗奈『美しき罠~残花繚乱』、
生田斗真『ウロボロス』にもさほど興味がそそられません。
真木よう子『問題のあるレストラン』は視聴者が女性に偏りそう。
原作の面白さから言えば『流星ワゴン』かもしれませんが、
“あの2人”ではちょっと心配です。
総じて全体に低調となりそうな感じです。