MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

バーイシクル

2008-07-29 16:28:00 | 社会・経済

原油価格の高騰により、自転車の利用者が著増しているようだ。

車社会の大都会でも自転車での通勤や使い走りが

目立ってきているらしい。

雑踏の中、

颯爽と自転車を走らせる人々(ヌードではないが)の姿を

見る時、あの『名曲』が思い出される。

"Bicycle Race"

キムタク出演の WOWOW のCMでおなじみの

Queen の楽曲だ.

この曲を聴いて、これまでは「自転車に乗りたい」、

ふーん、そう?としか考えたことなかったが、

「なんで自転車に乗りたいの?」で、

今回その歌詞が一体どういう内容なのか調べてみた。

“バイシクル・レース”

自転車、自転車、自転車

乗りたい、マイ自転車、自転車、自転車

乗りたい、マイ自転車

乗りたい、マイチャリ

乗りたい、マイ自転車

好きなところに乗って行きたい

君が黒と言えば僕は白

君が吠えろと言えば僕は噛みつけ

君が鮫と言えば、僕は、そう人間

ジョーズはいかすと思わないし、

スターウォーズも好きじゃない

君がロールスと言えば僕はロイス

君が神と言うなら僕に選ばせてくれ

君が主と言えば僕はキリスト

僕はピーターパンもフランケンシュタインも

スーパーマンも信じちゃいない

今僕がやりたいことは

自転車、自転車、自転車

乗りたい、マイ自転車、自転車、自転車、

乗りたい、マイ自転車

乗りたい、マイチャリ

乗りたい、マイ自転車

乗りたい、マイ…

自転車レースが君を待ち受けている

仕事なんて忘れちまえ

ケツのでかい女ども

今日も自転車に乗るだろう

きれいな女の子を探そうぜ

位置について、用意、ドン!

自転車レース、自転車レース、自転車レース

自転車、自転車、自転車

乗りたい、マイ自転車

自転車、自転車、自転車、自転車

自転車レースは最高

ヘイ!

君が coke と言えば僕は caine

君が John と言えば僕は Wayne

やったぜ、まあ落ち着けよ、あんた

僕はアメリカの大統領になりたくない

君が微笑んでと言えば僕はハイチーズ

カルティエ、どうぞどうぞ

所得税、こん畜生

ヴェトナムやウォーターゲートの候補者になるなんてまっぴらだ

だって、僕の今やりたいことは

自転車、自転車、自転車

乗りたい、マイ自転車、自転車、自転車、

乗りたい、マイ自転車

乗りたい、マイチャリ

乗りたい、マイ自転車

好きなところに乗って行きたい

(以上訳詞 by MrK 、註:当てにならず)

フレディ・マーキュリーによる詞は予想通り意味不明…

(ツール・ド・フランスに触発されて書いたそうだが)

ところで、米国においても

死亡事故が発生するなど、

自転車乗りのマナーが乱れていて

自動車や歩行者との間で交通戦争も勃発。

Washington Post 紙 には

自転車乗りの11箇条の心得が載っていた。

(以下その要約)

 1.目的に適した自転車を購入すること。

 2.毎回、乗る前に自転車を点検すること。

  タイヤ、ブレーキ、チェーンなどを点検しなさい。

 3.道路の規則を知ること、そしてそれに従うこと。

  必要な場合には手信号を用いたり後方を確認しなさい。

 4.ぴったり合ったヘルメットを着用すること。

  眉毛とつばとの間は二本指が入るスペースがあること。

  横のストラップのVの部分は耳のすぐ下に来ること。

  そして顎のストラップはきちっと合っていることが必要だが

  きつくなりすぎないこと。

 5.ヘルメットがあなたの安全を守ってくれると過信しないこと。

  転倒した時、ヘルメットは実際に頭部を

  保護するかもしれないが、まずは転倒を避けることが重要。

 6.道路上の危険に注意すること。

  下水溝の格子蓋だけでなく、砂や砂利、割れたガラス、

  そして落ち葉やその他の破片など、

  タイヤの横滑りを起こさせる危険物に目を光らせなさい。

 7.危険性を認識しておくこと。

  自動車/自転車の衝突事故のほぼ70%が

  都会で起こっていることをご存知か?

  さらに、2003年には、

  致死的傷害を受けた自転車運転手の28%に

  高い血中アルコール濃度が見られた。

  酒を飲んで自転車に乗るなんて、もってのほか!

 8.歩道を走らないこと。

  自転車事故の多くが歩道上で起こっている。

  そこでは自転車が電柱、ポスト、郵便受け、その他の障害物に

  衝突しやすく、脇から出てきた車とぶつかることもある。

  歩道は歩行者に譲りなさい。

 9.日中も夜間も、自分の存在がよく目立つよう心がけること。

10.車の運転手と同じように行動すること。

  道路上の自転車走行は子供の遊びではないのだ。

11.指導者をゲットすること。

  経験豊かな自転車指導員は道路での走行に慣れる手助けとなり、

  適正な走行経路の選択について情報を与えてくれたりする。

  すでにこういった指導員を備えた自転車通勤団体が存在している。

ふーむ…

本来気軽な乗り物だったはずの自転車に乗るのも楽じゃない。

フレディ・マーキュリーも、生きてたら、

今でも乗りたい、乗りたい、乗りたい、と思うだろうか?

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ヴァージン・クイーン

2008-07-22 21:42:57 | 映画

10年も前の映画を今更どうこう言うのも変な話だが、

『エリザベス』

先の連休中、BSで放映されていたのを見た。

なかなかいい映画だった。

たまたま、よその家にお邪魔して、

我が家にはまだない42型のプラズマテレビで

鑑賞したせいもあるかもしれない(哀)。

本作の続編、『エリザベス/ゴールデンエイジ』(2007 年作品)が

今年、日本で公開となったし、

主演のケイト・ブランシェットは先日紹介した

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でも

絶妙な?ロシア訛りの英語を話すソ連軍の女性将校を

好演していたのでおなじみだろう。

2

さて、先ほど、いい映画だったとは書いたが、

世界史に全く疎く、

外人の顔識別能力が恐ろしく低く、

横文字人名の記憶力に著しく乏しい MrK にとっては、

全編124分、薄暗い画面の中で錯綜する陰謀や殺戮の

展開に付いていけず、はなはだ理解が困難だった。

少しは歴史を勉強してから見るものだと痛感した。

また字幕を一言一句しっかり読み取る能力と

集中力も要求されるようだ(困憊)。

英語圏の人たちは当然、字幕なしで見るのだろうが、

たいしたものだ。

ただ、時間の制約からか、

ストーリーの展開上重要なシーンが

こま切れに無理やりつなぎあわされたように感じるところもあり、

見ていてあわただしく落ち着かない印象もあった。

しかしながら本作品は、

怪優?ケイト・ブランシェット(決して美人ではない)の演技力と

存在感がそれらの欠点を十分カバーし、良い作品に仕上がっていた。

また脇を固めるジェフリー・ラッシュやリチャード・アッテンボローらの

好演も光る。

Photo

ともあれ、エリザベス1世(1533~1603)という人物が

結婚を拒絶し、国家に命を捧げ、宗教対立を乗り越え、

後にスペインの無敵艦隊を打ち破り

大英帝国の礎を築いた偉大な国王と

なっていった過程は理解できた。

16世紀―陰謀、弾圧、粛清、処刑が横行した

恐ろしい時代だ。

織田信長がエリザベスの一年下の生まれらしいから、

日本においてもやはり過酷な時代ではあった。

この映画、

史実と異なる箇所(メアリー・スチュアートの暗殺など)も

多々あるようだが、なかなか勉強になった。

レンタルビデオ屋でも

本作の DVD はなかなか見つからないそうなので、

BSなどで再度放映がある時には

是非とも視聴されることをお勧めする。

ところで、現在のイギリスのエリザベス女王はエリザベス2世。

400年の歳月を経て再びエリザベスの名の国王が

即位しているということになるらしい。

エリザベス女王って何人もいるのかと思っていた(無知)。

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口利き社会

2008-07-14 20:31:14 | 社会・経済

『口利き』…、なんとも悪しき日本の慣習を表現する言葉かな。

もともとの意味は

「〔もめ事や相談事で〕当事者のあいだに入って

両者をとりなすこと、仲介・紹介・斡旋などをすること」。

新銀行東京の融資をめぐり、例のワンマン都知事周辺からの

口利きも話題となっている。

どうも『口利き』とは、こそこそとした恐喝にも似た根回しの雰囲気、

そこには、いいイメージは全くなく、

当然のごとく金銭の授受がからんでいそうである。

今回の大分県の教員採用をめぐる不正で

なにより驚かされたのが、採用試験の成績を

幹部一人の意向で随意に捻じ曲げることが可能な体制だ。

そういう体制だからこそ『口利き』が横行していたのであろう。

2008年度の採用試験では、

『口利き』で頼まれた受験者に水増しをするために、

合格点を上回っていた約10人は

点数を下げられ不合格にされたということである。

このようなシステムが十年以上も維持されてきたこと自体、

驚異なのだが…。

目前に迫っている来年度の採用試験では

厳正な評価体制の確立や試験結果の情報公開の実施を

決めたそうだが遅きに失している。

本来、公的な採用試験では、その判定に

個人の判断が入り込む余地を完全に排除する必要がある。

模擬授業判定や面接試験においても複数の試験官による

厳格な判定を行い、可能な限りの客観的評価を行うべきである。

今回の事件は県教育委員会の組織的問題と考えられる。

幹部はこのおいしいシステムを自ら変えようとはしなかったのだろうし、

今回の発覚がなければこれからも延々と続いていたに違いない。

本来なら採用されるべきだったにもかかわらず不当に不合格と

された人たち、あるいは不正なく実力で合格してきた人たち、

この人たちは当然被害者なのであるが、

どの教師を信じていいのか疑心暗鬼に陥っているに違いない

生徒たちが最も気の毒である。

過去の採用試験のデータが既に処分されており、

不正合格者を遡って特定することは困難かも知れない。

それならば『口利き』のおかげで採用されたと自覚する教師達は、

進んで職を辞し、受験し直すくらいの覚悟が必要だろう。

そうしなければ、生徒や保護者からの信頼回復は難しいと思う。

今回、贈賄罪で起訴された校長の長女は、

十分合格圏内にあったとのことである。

職務にも熱心な優秀な先生との評価だったそうだ。

このまま教職を続ける意向もあるようだが、

この際、実際に合格圏内にあったか否かは関係ないだろう。

採用に際して親が犯罪を犯していたとなれば、

たとえ本人に責任はなくとも自身の決断によって

現場の混乱は回避されなければならない。

学園ドラマで、生徒たちから『先生やめないで』と嘆願され、

涙のうちに一件落着、というわけにはいかない。

相当に根が深いと思われる今回の教育界の不正、

さすがに

『原因の徹底究明と事件の再発防止が求められます』

NHK『ニュースウォッチ9』のキャスター田口五朗氏の

決めゼリフ(笑)で済まされる問題でないことは間違いない。

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スイカの効用

2008-07-06 21:28:12 | 食・レシピ

いきなり真夏の暑さがやってきた。

どうやら梅雨明けも近そうだ。

そんな暑い夏の毎日に欠かせないのはスイカだろう。

国内メディアでも一部報道され既にご承知だろうが、

スイカの思わぬ効果が報告された。

詳述されている Washington Post 紙の記事を紹介しよう ↓ 。

7月3日付 Washington Post 紙 スイカにバイアグラ様効果

種なしスイカの国内トップ生産地の一つであるテキサス州の

ある科学者によればスイカには、

男性がバイアグラを飲んだ時と同じように

身体の血管を拡張させる成分の産生を引き起こす

シトルリン citrulline と呼ばれる物質が含まれているという。

スイカの果肉と皮に含まれるシトルリンは

大量に摂取すると体内の酵素と反応し、

心臓、循環、免疫系に有益なアミノ酸である

アルギニン arginine に変化する。

「アルギニンは血管を拡張させる一酸化窒素(NO)を増加させる。

これは基本的に勃起障害を改善、あるいは予防する効果もある

バイアグラと同じ作用である。

スイカにはバイアグラのような臓器特異性はないが、

薬物の副作用なく血管を拡張させるすぐれた面がある。」

と Texas A&M's Fruit and Vegetable

Improvement Center 所長で研究員の

Bhimu Patil 氏は言う。

North Carolina State University で

スイカの品種改良を研究しているTodd Wehner 氏は、

バイアグラを内服している人はスイカに同様の結果を

期待すべきではないと言う。

「興味深い効果ではあるが

医学的治療に代わるものではないという印象だ。」

と Wehner 氏は言う。

米農務省が資する研究によれば、一酸化窒素は

狭心症、高血圧および他の心血管疾患に対しても改善効果がある。

シトルリンは、その約60%が皮にあり果肉に含まれる量より多いと

Patil 氏は言う。ただし個々にばらつきはあるが。

今後、科学者たちは果肉中のシトルリン濃度を高める方法を

見つけ出すことができるようになるかもしれないと言う。

シトルリンはすべての色のスイカ中に含まれているが、

黄色のタイプに最も多いとオクラホマ州 Lane の米農務省の

研究者 Penelope Perkins-Veazie 氏は言う。

彼女によれば、Patil 氏の研究は根拠のあるものだが、

問題もある。

体内のアルギニン濃度を高めるほどのシトルリンを摂取しようと

するなら、カップ約6杯分のスイカを食べる必要がある。

「たくさんのスイカを食べると何度もトイレに駆け込むことになる

という問題がある。」と Perkins-Veazie 氏は言う。

スイカには元々利尿作用があり、透析治療が普及するまでは

腎臓病の患者に対するホメオパシー療法の一つであった。

もう一つの問題は大量のスイカが血流に送りこむ糖分の量である。

けいれんも生じかねないほどの強い衝撃となりうる、

と Perkins-Veazie 氏は言う。

Patil 氏はスイカの糖分をどのようにして減らすかについて

さらに研究を続けたいと言う。

シトルリンとアルギニンの関係は

肥満や2型糖尿病の人々に有用であることも明らかになりつつある。

その有益な効果、とりわけバイアグラ酷似の血管拡張作用は、

研究によって解明が進んでいる。

シトルリンはきわめて低い濃度ながら、

きゅうりやカンタロープ・メロンなど他の curcubits や

ミルクのカゼインたんぱくにも含まれる。

Perkins-Veazie 氏によれば、

シトルリンが最も高濃度にふくまれるのは、クルミの苗木だそうだ。

「しかしそれは苦くて、食べたいと思う人はまずいないでしょう。」

(記事終わり)

一体、カップ6杯のスイカってどれ位の量?

欧米人のいう1杯って相当にでかいんだろうなぁ…と。

これまでスイカと言えば赤いのだったし、

最もおいしいと思っていた。

でも、まぁ、そういうことなら(どういうことだよ)、

今年からは

黄色いスイカ一筋にすっかぁ(好きにしろよ)。

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脳の血滴

2008-07-05 00:34:32 | 健康・病気

脳のMRIで

gradient-echo T2* (グラディエント・エコー・ティー・ツー・スター)

強調画像という撮影を行うと、

これまで知らないうちに脳の中に起こっている

微小な出血(microbleed)を検出することができる。

Microbleedsfig3 画像で黒い点状に認められるのが

 microbleed。複数存在している。

 微小血腫中の deoxygenated

 hemoglobin が捉えられている。

実際に高血圧や脳梗塞の人にこの撮影を行うと

これが高頻度に認められるという。

通常これを脳内微小出血と訳すが、

医学的には microbleed (マイクロブリード)を用いることが多い。

MrK は、タイトルで

“血滴” と呼ばせていただいた(認められてませんが)。

微小とはいえ知らぬうちに脳の中に出血が起こっているなんて

ショッキングなことである。

問題は、脳の血管が詰まる脳梗塞患者に、

すでに脳の小血管の破綻が潜在的に生じている可能性が

あるという事実だ。

抗凝固薬のワーファリンや、

日本でも 2005 年から超急性期脳梗塞に用いられるようになった

t-PA は、それぞれ血栓予防、血栓溶解には有効であるが、

常に出血性合併症の危険を持つ諸刃の剣だ。

Microbleed の見られる患者に、

これらの薬剤が安全か否かについては

今のところ明らかにされていない。

中には大出血を起こして、最悪の結果となる場合もあるようだ。

治療に当たっては、慎重な姿勢が求められる。

そんな治療上のジレンマについての記事がある。

7月1日付 New York Times 紙

2005年12月18日、当時のイスラエル首相、Ariel Sharon は

話ができない、人の言っていることが理解できないなど

脳卒中の症状で Jerusalem hospital に運ばれた。

続く36時間、彼の主治医は治療のジレンマに陥った。

シャロン氏には今後重篤な脳卒中を引き起こす

二つの可能性があった。

おまけに、そのうちの一つの状態を治療すれば

他方の状態が悪化するという危険性があった。

心臓から脳へと血栓が飛んで重大な脳梗塞を

引き起こす危機にさらされていた。

これに対しては抗凝固薬が必要だ。

しかし、脳の検査を行うと

複数の microbleed (脳内微小出血)が認められた。

これは脳の血管から漏れ出た微量の血液だ。

懸念されるのは、抗凝固薬の投与により、

microbleed から、生命をおびやかすほど大きな障害を伴う

出血性脳卒中を来たす可能性である。

最近まで、microbleeds はほとんど知られていなかった。

しかし、今や脳の検査法が向上し、

高感度で検出できるようになった。

ある最近の研究では、60才以上の5人に1人の割合で、

発見されるという。

そして、この所見は現代医学の難問を生んでしまった。

MRIで認められるというだけで重要なのか?

そして、重要だというなら、あるいは重要でないというなら、

それぞれどう対処すべきなのか?

脳卒中の場合、その賭けは生か死となる。

あるいは Sharon 氏の場合のように、その中間となってしまうことも。

Sharon 氏の担当医師たちは、

血栓がより大きなリスクとなると判断し、

抗凝固薬のヘパリンを投与した。

2週間後、同氏は重篤な出血性脳卒中を発症してしまった。

今日まで永続的植物状態のままであり、

覚醒しているが反応はなく、意思疎通はとれない。

呼吸はできるが考えることはできない。

抗凝固薬が常に脳卒中を引き起こすということはない。

しかし、同薬を投与された患者が出血性脳卒中を生じた時、

脳卒中は顕著に増悪し、

通常の2倍の致死率となることが知られている。

神経内科医が脳卒中の症状、あるいは脳波異常のある患者に

新しいMRI技術を用いるようになって microbleed が問題となった。

これ自体で、顔面や手のしびれやピリピリ感が

一過性に見られることもある。

画像上、神経内科医は脳内にペン先より小さい滴状の血液を

数個認める。

認知症の患者や重篤な脳卒中の既往がある患者の

通常の検査でこの病変を見ることもある。

神経内科医は神経学的問題が全くないように思われる患者にさえも

この microbleeds を認めることがある。

このような患者は頭部を打撲したり、記銘力の障害があったり、

頭痛があったりなどして、検査を受け、初めて発見される。

Microbleeds が見つかると、判断のむずかしい状況となりうる。

もし出血が脳の表面近くにある場合、アミロイドたんぱくによる

血管の障害と関連があるようだ。

これは Alzheimer 病の患者の脳に蓄積するのと

同じたんぱくである。

アミロイドからの microbleeds は

認知症と関連している可能性がある。

一方、脳深部の microbleeds は高血圧と関連があり、

脳卒中の主要な原因となりうる。

しかし、脳の深部にある microbleeds が、

どの程度問題となるのかは明らかになっていない。

健康人でどの位の頻度でそれらが見られるか、

あるいはそれらが脳卒中や他の重大な障害の前兆となるかが

問題にされたことは、つい最近までなかったからだ。

オランダ、ロッテルダムの Erasmus University で

神経病疫学研究者の Monique M B Breteler 博士が、

ロッテルダム市の住人で microbleeds を調査したことが

一つの転機となった。

10 年以上の間、Breteler 博士と共同研究者たちは

45 才以上のロッテルダムの住民を追跡調査した。

目標は 8,000 人に対して脳検査を行うこととしたが、

これまでのところ、4,000 人近くを検査し、

目下データを解析中である。

従来の知見では、健康な高年者の5~7%に microbleeds が

見られるということだった。

しかしこのロッテルダムの研究では 20 %以上に認められた。

また年齢が高いほど、microbleeds の頻度が高かった。

60 才で 18 %、80 才以上の人ではほぼ 40 %に認められた。

「我々はこの変化が高頻度に見られることがわかった。

しかしその臨床的影響、その予後などについてはわかっていない。」

と Breteler 博士は言う。

Greenberg 医師は、

もし microbleed がアミロイドと関連がありそうな

脳表近くのものなら、

抗凝固薬が脳出血を惹起しやすいということを発見した。

しかし、患者が重大な脳卒中のリスクが高い状態にある場合、

とりあえず抗凝固薬を使う方向へ走ってしまいがちだと彼は言う。

一方、脳深部の microbleeds では、

抗凝固薬の危険性は明らかではない。

Microbleeds によって引き起こされたと考えられる症状で

訪れる患者についても問題がある。

マサチューセッツ州 Beverly に在住の

Edward Reynold 氏、74才は、

顔面の一部がしびれ、続いて手に広がり、

その後、症状が改善というエピソードがあって、

Greenberg 医師のもとに紹介された。

不整脈があったため、抗凝固薬で心臓内血栓による脳卒中の

予防を行いたい状況だった。

しかしMRIでは脳表に microbleeds を認めた。

これらはアミロイドに関連している可能性を示唆している。

従ってワーファリンのような強い抗凝固薬は危険である。

「抗凝固療法を行うか、行わないか、きわめて微妙な状況だ。

実際どちらの側にも重大なリスクがある。

どちらを選んでも悪い結果が起こる可能性がある。」

と Greenberg 医師は言う。

結局 Greenberg 医師はワーファリンによる出血リスクを背負うのは

正しくないとの結論に達した。

彼は Reynold 氏に抗凝固作用の弱い小児用アスピリンの

内服を勧めた。

これまでのところ、しびれの再発や脳卒中の徴候は見られず

Reynold 氏の経過は良いようだ。

「全く順調ですよ」と同氏はおっしゃっている。

(記事終わり)

シャロン元首相、どうしているかと思ったら、

倒れてすでに2年半が過ぎようとしているが、

いまだ植物状態が続いているということらしい。現在80才。

典型的メタボ体型だった…

自分の脳に“血滴”が存在しないことを祈りたい。

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