MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

『それって、風邪なんじゃね?』

2018-06-29 20:02:24 | 健康・病気

6月のメディカル・ミステリーです。

 

6月23日付 Washington Post 電子版

 

Her doctor said she had the flu. It took years to find the real, and strange, illness.

彼女の主治医は風邪だと言った。聞いたこともなかった真の疾患がわかるまで数年を要した。

 

女性は風邪だと言われたが、数年後、ある医師から、聞いたこともない疾患と診断された。

 

By Sandra G. Boodman,

 ある日の昼下がり、Diane A. Bates (ダイアン・A・ベイツ)さんはトイレの床の上に横たわっていた。彼女は、衰弱し前後不覚となっており、誰かに発見される前に死んでしまうのではないかと思った。

 Bates さんはそれまでの数週間、重症の風邪と言われていた症状と戦っていた。入浴すれば多少楽になると考えたが、ふらつきを感じて、バスタブから出ようとしたときに気を失った。シアトル近隣の自宅に一人で住んでいた彼女は寝室まで何とか這っていき、携帯電話をつかんで911に電話した。

 救急医療隊員が彼女を近隣の病院まで搬送したところ、そこの医師は彼女が激しい脱水状態にあると診断した;血圧は90/60 と懸念されるレベルまで下がっていた。検査により、原因は感冒ではなく、彼女の右肺に広がっていた重症の肺炎であることがわかった。

 その肺炎を起こしていためずらしい原因は驚くべきものだった。そして、それから数年経ってようやくそれまで10年以上も Bates さんを苦しめていた重度の肺疾患の根本的原因が明らかになるのだが、このエピソードもその重要な手がかりの一つとなるものだった。

 「私はその病名を耳にしたことがありませんでした」グーグルのテクニカル・ライターで、シリコンバレーに住む58歳の Bates さんは言う。

 その診断を行ったカリフォルニアのアレルギー専門医 Charles Feng(チャールズ・フォン)氏によると、多くの医師はこの疾患を意識していないという。「重要なことは、これらすべての症状の関連を認識することです」さらに彼は付け加えて言う。「しばしば、患者は異なる様々な医師を受診しようとするので誰も解明できないのです」


 

Diane A. Bates さんは、医師から新たな耳慣れない疾患の診断を受けるまで、風邪と診断されていた。

 

Feeling bad, then better 気分が悪かったり良かったり

 

 2012年2月上旬、Bates さんは数週間、発熱、痛み、倦怠の症状と戦ったあと、かかりつけの内科医を受診、風邪と診断され、休養と水分補給を勧められた。熱は消失したが、鼻閉と、脱力が残っていたと Bates さんは言う。鼻閉は、40歳代で気管支喘息とともに発症したが、それまで何年も持っていた慢性副鼻腔炎ではよく見られる症状だった。やがて Bates さんは新たな症状に苦しむことになる:激しい夜間の寝汗である。

 Bates さんによると、主治医は、寝汗は風邪とは無関係であると彼女に話し、閉経の到来を強調したという。

 「本当に調子の悪い日が数日あったかと思うと、気分の良い日も数日ありました」だるさや倦怠感について、そう彼女は思い起こす。寝汗が特に厄介だった。「熟睡状態から目を覚ますとシーツはすっかりびしょ濡れでした」

 3月に彼女は再び内科の主治医を受診した。「これは風邪です。しばらく長引くことはあります。心配することはありません」彼女の長引く不調について医師がそう話したことを思い出す。

 当時、独立したコントラクターとして在宅で仕事をしていた Bates さんは、昼寝をすることで日々の仕事を乗り切っていたという。

 それまでの数ヶ月は辛いものだった。12月初旬、Bates さんは足首を捻挫していた。その怪我は医師を受診するほど深刻ではないと判断し、腫れと痛みを減じるためにイブプロフェンの内服を開始した。効果はあるように思われた。

 しかし、4月、冒頭の倒れたエピソードによって、彼女は自分がいかに調子の悪い状態に慣れていたかという事実を思い知ることとなった。「救急車に載せられたことは病院を受診する手段として最も避けたかったことだったのに、と思ったことを覚えています」 病院で5日間を過ごした Bates さんはそう思い起こす。

 自身の肺炎が、通常のウイルスや細菌によって引き起こされたものではなく、好酸球性肺炎と分類されるものであったことを知り彼女は驚いた。この肺炎は、白血球の一種である好酸球の増加により引き起こされる肺の感染症の一型である。

 アスピリンや他の NSAIDs(エヌセイズ:イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬の総称、 nonsteroidal anti-inflammatories または nonsteroidal anti-inflammatory drug)が好酸球の増多を引き起こしうるが、その原因はよくわかっていない。

 同病院で Bates さんを診察した呼吸器科医は、彼女には元々 NSAIDs に対するアレルギーがあるから二度とそれを内服すべきでないと警告した。

 「それは辛かったです」と Bates さんは言う。というのも、彼女が内服できる唯一の市販の鎮痛薬としてはアセトアミノフェン acetaminophen しか残されていなかったからである。しかし NSAIDs と異なり、アセトアミノフェンには炎症を抑える作用はなく、副鼻腔感染症の治療には一般に有効と考えられていない。

 彼女の喘息はしばしばコントロールが困難で、深刻な懸念が残されていた。Bates さんは、年に3、4回は呼吸ができなくなって緊急室に行くことになると見込まれている。

 肺炎から2年後、Bates さんはカリフォルニアに転居した。新たな気候が健康に良い効果を及ぼしてくれることに期待した。

 しかし、そうなるどころか、彼女の症状は悪化した。

 

'She had all the symptoms' 彼女にはすべての症状が揃っていた

 

 2015 年12月、Bates さんは Feng 氏に紹介された。彼女がかかっていた耳鼻咽喉科の専門医から、繰り返す副鼻腔炎を軽減させるために、鼻茸(はなたけ)を切除する内視鏡手術を勧められていた。しかし、あらかじめその医師は、Bates さんに樹木花粉や草などに対する潜在的なアレルギーがないことを確認したかった。それらがあれば、手術の有効性が下がる可能性があったためである。

 アレルギー専門医の Feng 氏は精査を行った。驚いたことに、Bates さんには、イエダニ以外にはアレルギーはなかったのである。彼女が NSAIDs に対する自身のアレルギーを Feng 氏に話したところ、彼は興味をそそられた。

 彼にとって彼女の話は聞き覚えのあるものだった。Feng 氏は、最近、サンジエゴの Scripps Clinic で研修期間を終えたところだったが、その間彼は似たような病歴を持った数十人の症例に関わっていた:再発性の副鼻腔炎、喘息、そして、好酸球増多である。Bates さんが40歳台で喘息と副鼻腔疾患を発症し、アルコールを飲んだあとに鼻閉が起こったことを知った彼は、「彼女にはすべての症状が揃っている」と考えた。

 Feng 氏は Bates さんが Samter(サムター)の3徴と呼ばれるほとんど解明されていない病状を示しており、またの名をアスピリン喘息(aspirin-exacerbated respiratory disease, AERD)という疾患であると強く疑った。

 喘息を持つ成人の約9%に見られると考えられている AERD は、NSAIDs に対する致死的ともなりうる過敏性を特徴とする慢性疾患である。患者の一部では嗅覚が失われる。大部分の患者では、通常中年期に発症する副鼻腔炎は通常の治療に対し抵抗性である。

 「免疫系は過剰反応を起こしますが、実際、その原因はわかっていません」と Feng 氏は言う。「一部の患者は鼻茸を切除する副鼻腔手術を受けていますが、根本的な問題が解決されていないため再び増大します」

 最近開発された治療に、医学的監視下に徐々に用量を増加させながらアスピリンを投与するという方法がある。アスピリン脱感作療法と呼ばれるこの外来治療は一般に2日から3日を要するが、副鼻腔感染症の頻度を減じ AERD の症状を緩和し、喘息を改善するなど、患者のQOL を改善できる可能性がある。Scripps やボストンの Brigham and Women’s Hospital で行われている AERD 治療プログラムが知られている(脱感作療法は環境アレルギーの治療にもしばしば用いられている)。

 しかしこの治療では患者が連日アスピリンを内服することが求められる。アスピリンが消化管出血を引き起こしてそれに耐えられない患者もいる。

 Bates さんによると、Feng 氏がこの治療を提案した当初、彼女は面食らい、危険性があることを恐れたという。

 しかし 2016年4月に副鼻腔手術を受けたあと、彼女の気持ちが変わった。「非常に体調が良くなっていました」と彼女は言う。そして、もし根本の原因に対応できていないのであれば、今の改善も一時的なものになるのではないかと彼女は心配した。

 彼女の保険業者が治療を容認したため、2016年12月にBates さんは治療を行うことになった。

 彼女に対して最初は小児用アスピリンが投与されたが、反応は見られなかった。その後一時間ほど時間をあけて2錠の小児用アスピリンが投与された。それによって喘息発作が引き起こされたが Feng 氏が迅速に対処した。その後の2日間で Bates さんが副反応なく325 mg のアスピリン2錠に耐えられるレベルまで Feng 氏は用量を増やし続けた。その後彼女は毎日その用量の内服を続けた。

 

A major improvement 顕著な改善

 

 その脱感作療法は彼女の健康状態にとって大きな転換点となったと Bates さんは言う。彼女によると、この15ヶ月間、喘息で緊急室を訪れることは一度もなく、一回だけ副鼻腔感染があったが、それも以前より迅速に回復したという。

 「私は今、間違いなく以前より良いQOLが得られています。気分は爽快です」と彼女は言う。

 命に関わるほどの肺炎で病院に行くことがなかったら、この症状をもたらし10年間彼女をひどく惨めにさせていた病気を知ることはなかったかもしれないと彼女は皮肉に感じている。

 その経験は「悲惨なものでしたが、それが診断され理解できたことをうれしく思う気持ちもあります」と彼女は言う。

 

 

アスピリン喘息あるいは AERD の詳細については

日内会誌の論文(2013年)をご参照いただきたい。

 

 アスピリンによって誘発される喘息を

かつてはアスピリン喘息と呼んでいたが、

本疾患では喘息だけでなく上気道の症状も伴っていることから

近年はアスピリン誘発性呼吸器疾患

aspirin-exacerbated respiratory disease(AERD)と

呼ばれるようになった。

しかし、本疾患はアスピリンだけでなく、

他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)も原因となりうる。

このため NSAIDs 過敏喘息ともいわれる。

本疾患は、NSAIDs そのものに対するアレルギーではなく、

アラキドン酸から、

気管支拡張作用があるプロスタグランディンE2(PGE2)を

合成する酵素・シクロオキシゲナーゼ‐1(COX‐1)を

NSAIDs が阻害すること、

さらに結果的にトロンボキサンの産生が亢進することなどによって

強い気道症状(鼻閉,鼻汁,喘息発作)が引き起こされる。

このように本疾患の発症には

アラキドン酸系の不均衡が関連していると考えられているが

そのメカニズムの詳細についてはいまだ不明である。

 

本疾患は、思春期以降、多くは 20 歳代から 40 歳代

(平均 30 歳代)に発症する。

成人喘息の約 5~10% を占め、男女比は 1:2 で女性に多く、

小児はまれである。

鼻茸を伴う好酸球性鼻茸副鼻腔炎を合併しやすく、

それにより嗅覚低下が高頻度に認められる。

逆に鼻茸を合併した喘息患者では

その半数以上が本疾患であるといわれている。

気道症状以外では、好酸球性中耳炎、好酸球性腸炎症状、

異型狭心症などが見られることがある。

通常の喘息でも末梢血の好酸球増多が認められるが

本疾患ではそれ以上に好酸球増加が目立つ。

NSAIDs誘発時には、強い鼻閉と鼻汁、喘息発作が発現するほか

顔面紅潮、眼結膜充血、消化管症状(腹痛・嘔気・下痢)、

時に胸痛や搔痒感、蕁麻疹なども認められる。

 

アトピー素因が強くなく、

思春期以降に中等度以上の喘息を発症し、

末梢血の好酸球増多が顕著であれば本疾患を疑う。

本症の過敏性は非アレルギー機序によるため

通常のアレルギー検査では診断困難であり、

問診(NSAIDs使用歴、嗅覚低下、鼻茸手術歴の確認)が

重要となる。

確定診断には NSAIDs の内服試験(負荷試験)が行われるが、

激しい喘息発作が誘発される可能性があるため、

厳重な準備のもとで施行する必要がある。

 

AERD の喘息発作時の対応においては通常の喘息で用いられる

静注用(注射用)ステロイドの急速静注を行うと

逆に発作が悪化してしまう危険性があるため注意を要する。

一方 NSAIDs誘発症状に対してはエピネフリンの有効性が期待できる。

少量(0.1~0.2 mg)でも有効なことが多い。

 

重症の好酸球性鼻茸に対しては内視鏡下副鼻腔手術が考慮される。

合併する他の疾患の治療のために、

どうしてもアスピリンやNSAIDsの長期使用が必要な患者では

アスピリンの連続投与(連日 600 mg以上内服)による

アスピリン脱感作療法(耐性誘導)が行われることがある。

これによりアスピリン以外のNSAIDsにも交差耐性が得られ、

諸症状の改善が期待される。

ただしアスピリンの長期投与による胃障害などの副反応があること、

投与中止により数日で耐性が失われること、

喘息症状改善効果が不十分、などの理由から、

米国以外では十分に普及していないのが現状である。

 

NSAIDs は市販薬としても汎用されており、AERD の患者には

本疾患の存在を知らなかったでは済まされない。

AERD 患者に『風邪なんじゃね?』…

あなかしこ、のたまうべからず。

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2018年7月新ドラマ

2018-06-11 23:49:14 | テレビ番組

まずは 2018年4月クールのドラマを総括。

『あなたには会社を辞める権利があります』

日本テレビ『Miss デビル~人事の悪魔・椿眞子』より


6月10日放送分までの

平均視聴率[関東地区・ビデオリサーチ社調べ]上位から

4月クールドラマについてコメントする

【( )内数字は平均視聴率】。

 

 

 ①テレ朝水9 『特捜9(とくそうナイン)』 (13.98%)

寺尾聰演じる“新班長”のもと再結成された新部署『特別捜査班』面々の活躍を描く。井ノ原快彦以下、特別捜査班のメンバーはこれまでと同様、非常に地味。それでもこれだけの視聴率を獲るとは…テレ朝の刑事ドラマの根強さには恐れ入る。

 

 

②TBS 日9 『ブラック・ペアン』 (13.37%)

性格の悪い天才外科医が最新医療、製薬ビジネス、官僚癒着など医療を取り巻く問題と対峙していく。前半はオモチャのような心臓外科手術器具・スナイプをめぐって医局内、大学間で熾烈な争いが繰り広げられた。毎話、手術でトラブルが発生するたびに、“マグマ大使の笛”ならぬ“渡海センセ~”コールによって、二宮和也演じる渡海征司郎がさっそうと登場し『ジャマっ!』とか言いながら執刀医を撥ねのけ、高速で持針器を動かして手術を成功に導くという恐ろしいまでのワンパターンの応酬。教授たちが高い“インパクトファクター”を狙う対象となる医学雑誌が、なぜか海外のジャーナルでなく国内の雑誌だったりするなど、思わずコケそうになる点も多すぎた。ただ、主人公のセリフが少ない分、二宮の医師役にボロが出ずに済んだ印象。

 

 

③日テレ水10 『正義のセ』 (9.75%)

不器用でまっすぐな下町育ちの女性検事が難事件に立ち向かい成長していく姿が描かれる女性お仕事ドラマ。理由は不明だが、舞台となる検察庁港南支部が入るのが、『HERO』を彷彿をさせるような古めかしいビルで同じようなセット。おかけでスタートは『HERO』の2番煎じと叩かれた。主演の吉高由里子はいつも通りのキャラで演じていたが、安田顕をはじめとする同じ職場の男性諸氏の演技がわざとらしい(視聴者が期待する反応を見せてやろうというのがありあり)。また、吉高は豆腐屋を営む自宅に戻ると、担当事案についてペラペラペラペラ…。えっ、守秘義務はどーなってんの?ってな感じで、結局何が言いたいドラマなのか理解できないまま終了。

 

 

④テレ朝木9 『未解決の女~警視庁未解決文書捜査官~』 (13.02%)

波瑠演じる肉体派刑事と鈴木京香演じる“文書解読のエキスパート”である頭脳派刑事の凹凸コンビが未解決事件を解き明かす。難事件のはずが、事件のトリックや謎解きが実にショボく期待していたのには遠く及ばなかった。が、どういうわけかなかなかの視聴率をゲットした。波瑠の人気は意外と高い?

 

 

⑤フジ月9 『コンフィデンスマンJP』 (8.84%)

人気脚本家・古沢良太のオリジナルドラマ。天才詐欺師が悪徳商売人から金を騙し取る痛快エンタメ・サスペンスコメディ。主要キャストの3人がどのような巧妙な頭脳的戦略で詐欺を展開するのかと期待していたが、実際は、単に人海戦術、かつ大がかりな仕掛けで悪人たちを騙してカネを巻き上げるというリアリティ・ゼロのがっかりなドラマ。折角のテンポの良い古沢良太の脚本も東出昌大のたどたどしい棒セリフで台無し。

 

 

⑥TBS 火10 『花のち晴れ~花男 Next Season~』 (8.50%)

ヒット作『花より男子』の10年後を描くアフター・エピソード。落ち目の英徳学園を舞台に、人に言えない秘密を抱えた新世代のキャラクターたちが巻き起こす恋愛劇。『花より男子』に比べ、メインキャストの見劣りが著しかった。もう少し知名度のあるキャストを使えなかったのか?これでは前作ほどの視聴率には遠く届かないのも当然だろう。

 

 

⑦TBS金10 『あなたには帰る家がある』 (8.23%)

結婚生活13年、仕事復帰を果たした主婦とその夫との間の不満やすれ違いがもとでその夫がW不倫へと進展。不倫をした男と女、それぞれの夫婦のすったもんだがリアルに描かれるはずだったが、若干リアリティ不足か?登場人物のリアクションがオーバーなため、なかなかドラマに入り込めなかったのが残念。

 

 

⑧日テレ土10 『Miss デビル~人事の悪魔・椿眞子』 (8.12%)

個人的は今クールの一押し。『人事の悪魔』の異名を持つ敏腕人事コンサル・椿眞子が、型破りな対応で、現代社会に巣食うあらゆる社内問題に鉄槌を下していくオフィスエンタメドラマ。主人公・椿眞子は菜々緒にとってはまり役。いじられ役の新入社員・斉藤博史を演じた佐藤勝利(Sexy Zone)がもう少しうまく反応する演技を見せてられていたら良かったのだが…。この枠はジャニーズを外せない事情もあるため仕方がない?

 

 

⑨フジ(関西テレビ)火9 『シグナル~長期未解決事件捜査班』 (7.60%)

一人の警察官が、過去と現在が繋がった無線機を頼りに未解決事件を解き明かしていくSFサスペンス。フィルム・テイストの画像で緊迫感を高めようとするのだが、出演者たちの演技がそれに応えていない。折角、未来を知ることができながら、それがほとんど過去で活かされないためイライラが募るばかり。折角時空を越え、過去を変えることのできる無線機を持っていながら、その無線機を手に、ただ口をパクパクさせているだけの主人公に腹が立った。

 

 

⑩日テレ 日10:30 『崖っぷちホテル!』 (7.40%)

破産寸前、ど底辺ホテルの立て直しを描くホテル再生コメディ。本ドラマの肝である、ホテルの再生を画策する主人公・宇海直哉を演じる岩田剛典の演技が残念。演技派俳優たちの中にあって完全に一人浮いていた。彼の主役はまだ十年早い感じがした。ダンスを取るか演技を取るか、どちらかに絞るべきである。

 

 

⑪テレ朝金 11:15 『家政夫のミタゾノ』 (6.87%)

スーパー家政“夫”、三田園薫が家庭に巣食う“根深い汚れ”を容赦なくキレイにしていくホームドラマ。そこそこ面白かったが、相棒が剛力彩芽だった分、前シリーズに比べつまらなくなってしまった。やはり、初々しさや演技の自然さの点において、剛力より、清水富美加こと“千眼美子”が数段上だった。残念である。

 

⑫フジ木10 『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐』 (6.09%)

原作はアレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』。すべてを冤罪で奪われ15年間の獄中生活を送った実直な主人公が、自らを陥れた男たちに復讐する『巌窟王』をベースにした物語。不整合なポイントが多く、ツッコミどころ満載なドラマなのだがなぜだか見続けてしまった。期待薄だった棒演技のディーン・フジオカだが、彼にしてはよく頑張っていた。ドラマ前半にもう少しテンポの良さが欲しかった。

 

 

テレ朝の刑事ドラマ、相変わらず強い!

それでは 2018年7月からの新ドラマをチェックしてみたい。

 

 

フジ月9 7/9~ 『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』 沢村一樹、上戸彩(特別出演)、横山裕、本田翼、柄本時生、平田満、伊藤淳史、他

『絶対零度』シリーズはシーズン 1 は2010年4月クール(火21時枠)で上戸彩主演『〜未解決事件特命捜査〜』、シーズン 2 は2011年7月クール(火21時枠)で同じく上戸彩主演にて『〜特殊犯罪潜入捜査〜』が放映されている。このクール、今シリーズは月9に移動となり、沢村一樹の主演で“未来の犯罪を予測して捜査する”チームの姿が描かれる。沢村一樹演じる主人公の井沢範人は、ひょうひょうとしてつかみどころのない印象だが、実は元公安のエリート刑事。ある事件を起こしたことで、総務部資料課に室長として異動になる。その資料課には警察内で厄介払いされたトラブルメーカーたちが集められていた。ところが、この資料課は、ある重大プロジェクトの任務を託されていたのである。そのプロジェクトとは、国民のあらゆる個人情報、全国の監視カメラ映像、メールや電話の通信データなどビッグデータを解析し、過去15年分の様々な犯罪データと照らし合わせ、AIが統計学的にこれから起こる重大犯罪、特に殺人を犯す可能性の高い危険人物を割り出す“未然犯罪捜査システム=ミハンシステム)だった。しかし、データから示されるのは危険人物の名前だけで、殺人がいつどこでどのように起こるのかは不明なため、潜入捜査を行いながら突き止めていく必要があった。ただこのような捜査は違法捜査となるため、表向きは資料課として、秘密裏に活動を行っていくことになっていた。なお、これまでのシーズンで主人公だった桜木泉(上戸彩)は、ある事件の捜査中に突如失踪、消息を絶っていたという設定で、物語の謎の鍵を握る存在として登場。月9に刑事ドラマとは寂しい限りであるが、今クールのテレ朝『刑事7人』と内容的にかなりダブってしまいそうだ。

 

 

フジ(関西テレビ)火9 7/17~ 『健康で文化的な最低限度の生活』 吉岡里帆、井浦新、遠藤憲一、田中圭、他

原作は、柏木ハルコの漫画『健康で文化的な最低限度の生活』。新人ケースワーカーの目を通して生活保護の実態に切り込む社会派ドラマ。生活保護を取り巻く問題が多面的に描かれる。吉岡里帆演じる主人公・義経えみるは、安定を求めて公務員となるが『生活保護受給者』を支援するケースワーカーに配属される。彼女は生活保護現場の壮絶な現実に直面し戸惑うが、担当する110 世帯の様々な人生に向き合い、寄り添い、それぞれの自立の道筋を見つけ出そうとする。不器用だが真っ直ぐな22歳のえみるが奮闘し、成長していく。共演者は、えみるを支える指導係で、心優しいけれど強い信念を持つ先輩ケースワーカー・半田明伸役に井浦新、受給者資格を常に冷静に厳しく判断するえみるの上司・京極大輝係長役に田中圭、第1話で、えみるがケースワーカーとして初めて深く関わることになる生活保護受給者・阿久沢正男役に遠藤憲一など。同性に不人気な吉岡里帆も、恋愛色の薄そうなこのドラマなら視聴率が期待できる?

 

 

TBS 火10 7/10~ 『義母と娘のブルース』 綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健、横溝菜帆、浅利陽介、浅野和之、麻生祐未、川村陽介、橋本真実、真凛、奥山佳恵、他

子育てハートフルコメディ。子持ち男性と結婚したキャリアウーマンの日々をユーモラスに描く。原作は桜沢鈴の4コマ漫画『義母と娘のブルース』。主人公は業界トップシェアの金属会社の部長を務めるバリバリのキャリアウーマン・岩木亜希子(綾瀬はるか)。非常に真面目な人物で、四六時中、仕事の事ばかり考えており、普通の話し言葉にもビジネス用語を多用する仕事の虫。独身を貫いていたが、亜希子のライバル会社ある老舗金属会社に勤める子持ちの男性・宮本良一(竹野内豊)からプロポーズされ、結婚、いきなり8歳の娘の義母となる。良一はバリバリ仕事をこなすタイプではないが、誰からも愛され、日々小さな奇跡を見つけることが好きな朗らかな性格だった。突如生活に変化が訪れた亜希子が母親になろうと畑違いの家事や育児に奔走する日々を描く10年間のヒューマン・ストーリー。良一家族に長きにわたり大きな影響と被害を与えることになる麦田章役に佐藤健がキャスティングされている。そのほかの配役は、良一の娘・みゆきに横溝菜帆、亜希子の部下・田口朝正に浅利陽介、良一の上司・笠原廣乃進に浅野和之、世話好きで噂好きな不動産やのおばちゃん・下山和子に麻生祐未など。気軽に見られるホームドラマといった感じだろうか?

 

 

テレ朝水9 7/11~ 『刑事7人(4)』 東山紀之、北大路欣也、倉科カナ、塚本高史、吉田鋼太郎、田辺誠一、白洲迅、他

2015年7月から始まった、東山紀之演じる天樹悠を中心とした個性的な刑事たち7人が難事件に挑む姿を描く『刑事7人』の、昨年7月クールに続く第4シリーズ。今シリーズでは、東山紀之演じる刑事・天樹悠が“人間犯罪ビッグデータ”となって復活、新メンバーに田辺誠一、白洲迅が加わり『刑事資料係』に眠る未解決の超凶悪犯罪に特化したスペシャルチームとして新生・刑事7人が挑む。前シリーズでは、事故だと思われていた天樹の妻子の事故死が実は仕組まれたものであり、また信頼していた仲間の一人が天樹ら『第11方面本部準備室』が追っていた凶悪事件の黒幕だったという衝撃の事実が次々と明らかになった。『第11方面本部準備室』はその責任を問われて解体され、水田環(倉科カナ)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)らは、それぞれ別の閑職へ。天樹もまた、警視庁舎の片隅に位置する『刑事資料係』に飛ばされた。そして1年後、『刑事資料係』で、現場に出ることもなく気ままに捜査資料を読み漁る日々を送る天樹の上司として片桐が配属される。そして環と青山は、その片桐からの指示で『警視庁捜査一課12係』の刑事に戻っていた。そこで、片桐は『資料係』と12係の合体を宣言する。再び集結したメンバーが数々の未解決凶悪事件に立ち向かっていくことになる。ビッグデータが保管される『資料係』にあって“人間犯罪ビッグデータ”と化した天樹がその能力をいかんなく発揮する。12係のベテラン主任・海老沢芳樹(田辺誠一)と天樹の部下で新人の野々村拓海(白洲迅)が新たにメンバーに加わる。このところの刑事ドラマは“未解決事件”というキーワードが流行りのようである。

 

 

日テレ水10 7/11~ 『高嶺の花』 石原さとみ、峯田和伸(銀杏BOYS)、芳根京子、千葉雄大、三浦貴大、笛木優子、袴田吉彦、吉田ウーロン太、升毅、高橋ひかる、城後光義、舘秀々輝、田畑志真、西原亜希、正司照枝、正司花江、十朱幸代、戸田菜穂、小日向文世、他

野島伸司・脚本のオリジナルドラマ。名家子女と平凡男が織りなす美女と野獣の超・格差恋愛劇。主人公の月島ももを石原さとみが演じる。ももは華道の名門『月島流』本家に生まれ、美貌、キャリア、財力、家柄、さらには圧倒的な才能まですべてを持ち合わせた29歳の女性。心から愛する男性と結ばれ、永遠の愛をも手に入れるはずだったが、婚約者の二股交際が発覚。式当日に結婚が破談となる最悪の事態に。すべてを失い自信喪失、自我崩壊の大ピンチに陥った彼女の前に偶然現れたのが、美貌もキャリアも財力も家柄も何もない平凡な自転車店主・風間直人39歳(峯田和伸)だった。まさかの恋に落ちてしまう二人だったが、高嶺の花と地上の凡夫という絶望的な格差に幾多の試練が訪れる。超格差純愛が描かれる、逆シンデレラストーリー。格差という意味では、これ以上ないほどの格差がある二人だが、この二人が恋愛となると、あまり気持ちのいいドラマにはなりそうにない。このところ視聴率不振の野島伸司だが、石原さとみのパワーで復活なるか?

 

 

テレ朝木9 7/19~ 『ハゲタカ』 綾野剛、沢尻エリカ、渡部篤郎、小林薫、杉本哲太、光石研、池内博之、他

外資vs日本企業の買収合戦を描く経済ドラマ。原作は真山仁の小説『ハゲタカ』『ハゲタカⅡ』。2007年にNHKでドラマ化されているが、同ドラマは原作とは大きく異なる内容だった。今回はそのNHK版とも全く別物で、原作の企業買収の物語に加え、オリジナルエピソードも交えて再ドラマ化。主人公・鷲津政彦を綾野剛が演じる。バブル崩壊後の1997年、“失われた10年”の渦中にあった日本に突如として現れた外資系投資ファンド代表の鷲津政彦は、激しいバッシングを受けながらも、不良債権を抱えた“大銀行”や経営不振の“名門企業”へ次々と買収劇を仕掛け、鮮やかに勝利し、『買収のスペシャリスト』として活躍してきた。今作では『平成』と共に生きた鷲津政彦の軌跡、特にその20年の時がダイナミックに描かれる。“利益相反”と“忖度”で腐りきってしまった企業の上層部を叩き、いかに会社を甦らせるのか。さらに 2018年、“現在”の鷲津政彦の活躍が、原作者が新たに描き下ろした原案をもとに展開される。今回、鷲津の最強の敵として立ちはだかるのが沢尻エリカ演じるホテルウーマン・松平貴子。日光の名門ホテル『日光みやびホテル』のオーナー一家に生まれながらも、大学卒業後は東京にある大手外資ホテルでフロントマネージャーをしていた。そこで鷲津と出会った貴子は、物語全編を通じて、買収者・鷲津の最強の敵へと成長していく。今の時代、企業買収ドラマで果たして高視聴率が獲れるか疑問。

 

 

フジ木10 7/12~ 『グッド・ドクター』 山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明、他

韓国ドラマ『グッド・ドクター』のリメイク。自閉症を持ちながら天才的暗記力を持つ小児外科医を主人公にした医療ドラマ。山崎賢人演じる主人公・新堂湊は先天的に自閉症スペクトラム障碍(対人関係や言語の発達に偏りがありコミュニケーション能力に障害がある)がありながら驚異的な暗記力を持つサヴァン症候群だった。幼い頃から兄の勧めにより小児外科医を目指してきた湊が、研修医として小児外科の世界に飛び込み、自身の障碍のために周りからの偏見や反発にさらされながらも子供たちの心に寄り添い、命を救うために闘い、子供たちとともに成長する姿が描かれる。幼いころ町の診療所の医師・司賀明(柄本明)と出会い、診療所に通い詰めることになった湊は7歳の時にはすでに人体の器官をすべて暗記してしまっていた。膨大な医学書すらすべて暗記してしまう湊は、医学部を主席で卒業し、医師国家試験に合格。そして、大きな病院の院長となった司賀の病院で、小児外科のレジデントとして働くことになる。『すべての子供を大人にしたい』という強い思いと純粋な心から病院の慣例やしきたりにぶつかりトラブルばかり起こす湊だったが、次第に院内の誰もが湊の姿から、医師として大切なことを教えてもらうことになっていく。同じ小児外科の医師である瀬戸夏美役に上野樹里、高山誠司役に藤木直人がキャスティングされている。韓流で山崎賢人主演となると、かなりハードルが高くなりそう。

 

 

TBS金10 7/13~ 『チア☆ダン』 土屋太鳳、オダギリジョー、石井杏奈(E-girls)、小倉優香、伊原六花、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良、足立佳奈、堀田真由、福地桃子、石崎なつみ、坂ノ上茜、溝口恵、守屋ことり、佐生雪、他

高校生チアダンス青春劇。昨年公開の映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(広瀬すず主演)の9年後が舞台となる新作オリジナルストーリー。映画は2009年3月に普通の女子高生チアリーダー部が、本場アメリカのチアダンス選手権大会で優勝を果たした福井県立福井商業高等学校の実話が元になっている。幼い頃に強豪チアリーダー部『JETS』が初の全米優勝を果たした演技を見て憧れを持った主人公の藤谷わかば(土屋太鳳)が、将来は同部に入って全米優勝したいという夢を抱くが、JETSのある福井中央高校の受験に失敗。いつしかチアダンスの夢もあきらめ、勉強も運動も中途半端な隣町の福井西高校に入学、弱小チアリーダー部で運動部を応援するだけの高校生活を過ごしていた。そんなある日、東京から来た転校生・汐里(石井杏奈)に「私とチアダンスをやろう!」という思いがけない言葉をかけられる。その言葉がわかばのくすぶっていた思いに火を点け、チアダンス部を立ち上げる。かけがえのない仲間や教師と共に泣き笑い、成長、『打倒JETS!全米制覇!』というありえない夢を追いかけ全てをかけて挑戦する青春ストーリー!チアダンス部の後輩・麻生芙美役に、あの大阪府立登美丘高校ダンス部の元キャプテン・伊原六花が選ばれた。やる気ゼロの教師だったが徐々に教えることへの情熱を取り戻していくチアダンス部の顧問・漆戸太郎役にオダギリジョーがキャスティングされているほか、チアダンス部員たちには、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良ら若手女優たちが決定している。なお、映画版の主人公を演じた広瀬すずが、福井中央高校の JETS の副顧問・コーチとして戻ってきたという設定の友永ひかり役で特別出演するとのことである。『仰げば尊し』のチアダンバージョン?新鮮味はない。

 

 

テレ朝金 11:15(金曜ナイトドラマ) 7/27~ 『dele(ディーリー)』 山田孝之、菅田将暉、野田洋次郎、コムアイ、般若、他

『dele(ディーリー)』はテレビ朝日系で2018年7月スタートのドラマ。故人のパソコンなどに残されたデジタル遺品を抹消する男たちの物語で、一話完結型ドラマ。本多孝好による原案と脚本。タイトルの“dele”は校正用語で「削除」を意味する。難病で下半身麻痺となった車いすのフリープログラマー・坂上圭司(山田孝之)は、亡き父親が設立した『坂上法律事務所』と提携し、故人の不都合なデジタル記録を内密に消す会社『dele. LIFE』を立ち上げる。圭司はプライドが高く頑固でテリトリー意識が強いが、旺盛な知識欲を持っていた。柴祐太郎(菅田将暉)はひょんなことから圭介の仕事を手伝うことになる“なんでも屋”。オフィスから外に出ない圭司に代わって死亡確認など外回りを担当する。性格は素直で無邪気、人懐っこく誰からも好かれるが、自分のことを聞かれるのが苦手で、実は想像を絶する過去を秘めていた。遭遇するデータは、不正を告発しようとしていた記録、遺書、愛する人との思い出、テロ計画の証拠等々。デジタル遺品を抹消しようとする中で、隠された真相や様々な問題に二人は巻き込まれていきながら、依頼人の人生や隠された真相などをひも解いていく。レイト・ドラマにはもったいない?ほどの豪華キャストである。

 

 

日テレ土10 7/14~ 『サバイバル・ウェディング』 波瑠、伊勢谷友介、吉沢亮、高橋メアリージュン、ブルゾンちえみ、風間俊介、生瀬勝久、財前直見、荒川良々、野間口徹、須藤理彩、他

恋愛市場価値を説いた婚活コメディ。29歳女子がマーケティングを活用した戦略的婚活に挑む。原作は大橋弘祐の小説『SURVIVAL・WEDDING』。波瑠演じる出版社で働く黒木さやかは、寿退社を果たす!はずだったが、その日のうちに恋人から婚約破棄される。そんな人生のどん底にある彼女を、編集長の宇佐美博人(伊勢谷友介)が復職させる。ただし、その条件は「半年以内に結婚しないとクビ」という理不尽極まりないものだった。宇佐美は大手ブランドのマーケティングを黒木に活用、彼女に“付加価値”をつけることで“市場価値”を高め、早く結婚相手が決まるようにと戦略を練るのだった。果たして、さやかに結婚相手は見つかるのか?さやかが憧れる年下の男・柏木祐一役に吉沢亮、編集者に高橋メアリージュン、ブルゾンちえみがキャスティングされている。人気者を多々掻き集めて作ったコメディという感じ。視聴者層は限られそう。

 

 

NHK日8 放映中 大河ドラマ『西郷どん』 鈴木亮平、瑛太、黒木華、北川景子、錦戸亮、二階堂ふみ、他

一人でドラマを掻きまわしていた感のある渡辺謙がオールアップし、ようやくドラマが落ち着いてきたように思う。林真理子の作り話が過ぎる感はあるが、明治維新に向けて徐々に緊張感が高まりつつある。やはりこのドラマはチーム・鈴木亮平で頑張ってもらいたい。

 

 

TBS 日9 7/15~ 『この世界の片隅に』 松本穂香、松坂桃李、尾野真千子、伊藤沙莉、仙道敦子、二階堂ふみ、村上虹郎、宮本信子、土村芳、久保田紗友、ドロンズ石本、木野花、塩見三省、他

原作はこうの史代の漫画『この世界の片隅に』(双葉社刊)。大ヒットを記録したアニメ映画に続く実写ドラマ化で、戦時下の苦難に負けず前を向いて生きる夫婦の姿が描かれる。脚本は岡田惠和。太平洋戦争の最中、広島県の江波(えば)から呉くれに嫁いだすず(松本穂香)が、嫁ぎ先の北條家で暮らすかけがえのない日常を丹念に描いていく。日本が泥沼の戦争に突き進んでいく中、戦場でない場所では、市井の人々の“普通”の暮らしがそのまま続いていた。物資が不足し、家族や友人たちが戦場に送られていく。そんな不安と戦いながらも、すずは前向きに、そして健気に日々を生きていく。すずの夫・北條周作を演じるのは松坂桃李。物静かで一見神経質に見えるが秘めた情熱と優しい心と持ち合わせた男性である。周作の姉で、ある事情から嫁ぎ先から出戻ってきた黒村径子に尾野真千子、周作と径子の父・円太郎に田口トモロヲ、同じく母・サンに伊藤蘭、すずの妹・すみに久保田紗友がキャスティングされている。また本ドラマのオリジナルキャラクターで、北條家の隣に住む刈谷幸子を伊藤沙莉、北條家の近くに住み、夫が出征中の主婦・堂本志野を土村芳がそれぞれ演じる。なお、すずの母親・浦野キセノを、23年ぶりのドラマ復帰となる仙道敦子が演じることになっている。すず役はアニメ映画で声を担当した のん かとの期待もあったが、結局は 3,000人のオーデションから選ばれた松本穂香 (『ひよっこ』の澄子役)が抜擢された。はたして、大阪出身、平成生まれの彼女が広島弁をマスターし、昭和のすずを演じきれるか?楽しみにしたい。

 

 

日テレ 日10:30 7/15~ 『ゼロ~一獲千金ゲーム』 加藤シゲアキ(NEWS)、間宮祥太朗、小関裕太、加藤諒、岡山天音、杉野遥亮、ケンドーコバヤシ、梅沢富美男、小池栄子、他

福本伸行のギャンブル漫画『賭博覇王伝 零』(講談社週刊マガジン)を映像化。一攫千金サバイバルゲームに挑む天才勝負師の物語。日本一の資産家にして政界財界裏社会に絶大なる影響力を持つ『金神』在全無量(ざいぜんむりょう)が建設中のアミューズメントパーク『ドリームキングダム』に極秘裏に集められた若者たちが賞金1000億円を賭け、知力・体力・時の運を試される特別なゲームに挑む物語である。そのゲームとは、常に土俵際での心理戦、時に仲間をも蹴落とすことが必須とされる壮絶なサバイバルゲーム。若者たちが『ゲームに勝てば人生一発逆転できる』という千載一遇のチャンスに溢れたテーマパークに集められる。そんなサバイバルゲームに参加することになるのが加藤シゲアキ演じる主人公・宇海零だった。彼は町の進学塾で中学生相手に教鞭を執る非正規教員。しかしその正体は現代社会の中で苦しんでいる弱者たちを救う『義賊』という裏社会のヒーローだった。うだつのあがらない風貌に身を隠しながらも、自分が勝つことより、他人が負けないことを選ぶひとりの天才勝負師である。この『命がけのゲーム』に身を投じる若者たちが助け合い、笑い合い、真の友情を紡ぎ上げていく様が描かれる。『NEWS結成15周年』を記念してNEWSメンバーである小山慶一郎、増田貴久、手越祐也が友情出演する予定だったが、未成年女子飲酒事件で、恐らくポシャる?とんだ NEWS 15周年記念ドラマとなりそうだ。

 

 

 

今回も大コケ回避のためか、斬新なドラマはなく、

また逆にオーソドックスなドラマもない。

野島伸司のオリジナル・ドラマも今一つな感。

暑い夏の夜でも心地よく楽しめ、

次回が待ち遠しくてたまらないドラマ、

そんなドラマを期待するのだが…

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