MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

今度は鉛かい

2008-01-29 13:18:06 | ニュース

鉛が、脳炎、痴呆などの神経系の障害、貧血や腎障害を

引き起こすことは以前よりよく知られていた。

しかし、過去何年にもわたって体内に蓄積されてきた鉛が

歳をとってから起こる認知能の低下に関与している、との

最近の知見が物議をかもしている。

http://s01.megalodon.jp/2008-0128-2102-57/www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/01/27/AR2008012700824.html?hpid=sec-health

(1月27日付ワシントン・ポスト紙から一部、ウェブ魚拓)

ジョーンズ・ホプキンス大学のブライアン・シュワルツ博士らは

過去の鉛による体内汚染が、高齢者の脳機能の加齢を

約5年間進行させる可能性があると報告している。

「正常の加齢現象と考えられていたものの一部が、

実際は、鉛のように遍在する環境汚染物質により

生じている可能性がある」と同氏は言う。

また、「鉛はほんの一例であり、水銀や殺虫剤など

その他の汚染物質も同様の影響をもたらすかも知れない」とも。

殺虫剤の場合、最近の研究によると、

その曝露から十年以上経ってからパーキンソン病になる

危険性が高くなることが報告されている。

ニューヨーク、マウント・サイナイ医科大学の

フィリップ・ランドリガン博士によれば、

「若年期にある特定の物質が脳細胞を障害した場合、

当面は予備機能により代償可能であったものが、

年齢を重ねて多くの細胞を失うようになると、

そこでようやく物忘れや手足の震えなどの症状が現れてくる、

という解釈は可能である」という。

若年動物を用いた実験でもPCBやダイオキシンによる

遅発性有害事象が実証されている。

ヒトの場合、ある物質の遅発性有害事象の研究は、

長期間の追跡を要することから、なかなか困難だ。

しかし、鉛の場合、その人の体内蓄積量が

下肢の脛骨で測定できるため、累積被曝量が

推測できるという。

一方、血中の鉛濃度は最近の曝露度を反映する。

米国民の血中鉛濃度は近年低下傾向にあるが、

それは、1976年から1991年にかけて行われた

ガソリン中の鉛削減によるところが大きい。

しかし、前出のシュワルツ氏とミシガン大学のハワード・フー博士は

鉛高濃度時代の長期の影響はまだ続いていると提言する。

2006年、シュワルツ氏らは1000人の50才から70才の

バルチモア市の住民で調査した。

対象者は1960年代から1970年代の、

ガソリンから鉛が消えるまでの排気ガスや

その他の汚染源からの汚染大気を吸引することで、

かなりの量の鉛を取り込んだはずの年齢層である。

脛骨中の鉛量を測定し、生涯被曝量を推計するとともに

一連の知能テストを行った。

結果、鉛の生涯被曝量が多い人ほど、言語性および視覚性

記銘力や言語能力など多岐にわたる知的機能の低下が

認められた。

同年齢の場合、被曝量の多寡で2才から6才分に相当する

認知能の開きがあったという。

一方、フー氏らは、2004年、

平均年齢67才の466人の男性を対象に

知能テストを平均4年の間隔で2回行った。

この結果、高量被曝の群では低量被曝の群に比べ、

知的能力の低下度が大きく、

鉛の影響は約5年の加齢促進効果があることが示された。

鉛が加齢に伴う認知能低下の唯一の原因とは言えないが、

この金属の関与が、高血圧、糖尿病、脳卒中、精神的ストレス、

あるいは教育レベルといった、これまでに指摘されている

要因の一つに今後、追加される可能性がある。

これまでの研究は、

認知能低下に鉛の関与があることを示唆するものではあるが

関連を証明するものではないと研究者は指摘する。

いまだ、多くの謎が残されているのも事実だ。

たとえば、

実際に鉛はいつの時点で脳に実害を及ぼすのか?

脛骨中の鉛濃度で、鉛の慢性曝露によるハイリスク者を

同定できるのか?

骨中の鉛は、血中に染み出て連続的に脳を障害するなど

生涯にわたり悪影響を及ぼし続けるのか?などなど…

また、鉛が脳機能を障害するメカニズムについても不明である。

鉛が酸化ストレスを上昇させ、神経細胞のアポトーシスを誘導、

神経伝達物質の異常をきたすのではないかと推察されてはいるが…。

それではすでに多くの鉛を蓄積した人々を救うため何ができるのか、

という問題にも答えはない。

キレート化と呼ばれる方法は、体内から鉛を除くことはできるが、

このようなケースでは役に立たないだろうと専門家は言う。

ただ、若年者においては今後の鉛曝露の予防が重要であるとフー氏。

職場における鉛曝露に対して、

より厳格な連邦基準を定めるよう求めている。

塗装、ラジエター、バッテリーなど、依然として、

住環境に鉛は多く存在している。

発展途上国での曝露量はさらに高いだろうとの指摘もある。

また、鉛が胎盤を通過し得ることから、1970年代に成長期にあった

女性では胎児への移行が懸念されるという。

徐々に環境鉛の影響は低減されてくると予測されてはいるが、

まだまだ手放しで楽観できない、とフー氏は言う。

…以上が、記事の内容だ。

ニッポンの高度成長時代、排気ガス、工場の排煙などからの

汚染大気を大量に吸いながら働いてきた、

団塊の世代を中心とする現在の中高年。

いよいよ彼らも老年期に突入しようとしている。

現在でも、周りでは昔に比べると認知症患者が急増しているように

思えるのだが、今後さらに激しく増加するのだろうか?

記事中になかったが、水道管にも鉛が使われていて

水道水からの鉛摂取も心配なところではある。

前エントリーの水銀と同様、

日本でもきちんとした調査、報告をしていただきたいものだ。

ここにきて、ただただ思うのは、

憧れだった(?)あのスモッグに包まれた東京で

一時たりとも生活してなくてよかった…(あ、そっ)

田舎万歳っ!(勝手に自己満足)

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ツナ・ショック

2008-01-27 17:18:33 | ニュース

マグロに水銀が蓄積しているという事実は

かなり以前より知られていたが、

1月23日付の米ニューヨーク・タイムズが

ニューヨーク市内のすし店などのマグロから

基準を超える水銀が検出されたと報道した。

http://www.nytimes.com/2008/01/23/dining/23sushi.html?scp=2&sq=tuna+sushi&st=nyt

マグロは米国で言うところの "tuna" で、

何も "sushi" に限ったわけではないのだが、

今回は生の tuna が狙い撃ちされ、

"tuna sushi" の写真がでかでかと掲載されている。

Tunasushi_2 調査方法はかなり安易で、

ニューヨーク・タイムズ紙の記者が

マンハッタンを中心としたニューヨーク市の

"sushi stores" や "sushi restaurant" 20店舗で

"tuna sushi" (ほとんどがクロマグロ bluefin らしい)を

買って回り、大学の先生に解析してもらったということだ。

結果、ほとんどの店で、

毎週6貫を習慣的に食べると環境保護庁(EPA)の容認する

基準値を超える可能性がある、という含有量だったらしい。

20店舗のうち5店舗の "sushi" は米国食品医薬品局(FDA)が

市場から件の魚を排除する法的措置を講ずることができたほど

高い数値だったという。

(20店舗中 最高値 1.40ppm、最低値 0.10ppm)

今回の解析にあたった、ロバート・ウッド・ジョンソン医科大学の

環境産業医学科教授のマイケル・ゴチフェルド博士は

「3週間に一回、もしくはそれ以上、決して食べるべきではない」

と警告している。

「クロマグロの水銀レベルはニューヨーク近辺に限ったことではない」

環境保護と人の健康維持を進める米国NPO、

Environmental Defense(環境保護)の

海洋科学者のティム・フィツゲラルドは言う。

FDAは2004年にEPAとともに、

含まれる水銀が神経系の発達障害を来たす恐れがあるとして

妊婦と小児に対し、缶詰のツナの消費を制限するよう警告した。

この警告には生のマグロは含まれていなかった。

今回の "tuna sushi" に含まれる水銀量は、缶詰のツナで

認められたより、はるかに多かった。

これまでの研究で、水銀は成人に対しても、心血管系疾患や

種々の神経症状出現の危険性を増大させるなど、

健康上問題があることが言われている。

FDAの化学毒評価チーム長のマイケル・ボルガー博士は

今回の測定結果に対してコメントしていないが、

警告の見直しを図るため、研究が進行中であると述べた。

今回のサンプルでは6貫で水銀量が49μgを超えそうだという。

これはEPAの定める成人平均体重(154ポンド=約70kg)の

週平均消費量でみると、許容範囲にあるとみなされるようである。

しかし、これより体重の少ない人では、さらに少ない消費量に

留めるべきであると勧告している。

今回の調査では、"food store" の tuna では、

"sushi restaurant" からのそれより、

はるかに水銀量が少なかった。

これは、より高級な tuna が、

より多くの水銀を含んでいると考えられるためで、

高級な tuna は大きな魚種からのものが多く、

それらが食物連鎖のより上位にいるためと

推察されている。

また、クロマグロよりキハダマグロやビンナガマグロの方が

水銀含有量がはるかに少なかった。

魚介類を多く食べる人で、血中水銀濃度が高いという報告がある。

また、2007年のニューヨーク市健康精神衛生局の調査では、

ニューヨーク市民の血中水銀濃度は、全米の国民平均値より

3倍高かったと報告されている。

さらにアジア系住民、特に中国系、高所得者で多かったという。

アジア系住民は魚介類を多く食べる傾向にあり、

またお金持ちはメカジキやクロマグロのような高級魚を

好むためと推察されている。

市は、妊娠中や授乳中の女性と小児は、生のマグロ、スズキ、

メカジキ、サメ、ハタ、および他の水銀含有量の多いとされる魚を

食べないよう警告している。

多くの専門家達は魚介類に含まれる水銀に関する政府の警告は

十分でないと考えている。

ハーバード公衆衛生大学院環境衛生学准教授であり、

南デンマーク大学環境医学科主任のフィリップ・グランジャン博士は

「FDAの勧告は不十分である。水銀摂取を合理的に回避するには

食物連鎖のより下位にある魚、

すなわち小さい魚を摂取すべきである」と述べている。

Environmental Defense は次のように警鐘を鳴らしている。

「誰一人として、その年齢にかかわらず、

クロマグロを口にすべきでない」と。

ゴチフェルド博士も言う。

「"tuna sushi" はたまのごちそうとしていただきたい。

日常の食物としては確かに問題が多い。

寿司には他のネタもたくさんあるわけですから…」

以上が記事の要約であるが、

ブログ『きっこの日記』では、この記事を明解に訳してある。

『お寿司屋さんからマグロが消える日』と題して

(例によって?)政府の無為無策(隠蔽?)を強く糾弾している。

http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20080125 

(きっこの日記)

確かに、今回のように、日本食の代表とも言える寿司の危険性が

海外のメディアから報じられたとあれば、

直ちに積極的にこちらから動くべきであり、

綿密な調査を行って、その結果を国民に伝えるべきだろう。

その意味で、喚起を促す貴重な報道であると言える。

ただ、冒頭でも書いたように、今回のデータ収集は

あまりにも姑息的だ。

空間的にも時間的にもワンポイントのサンプリングであり、

しかも "tuna sushi" だけの解析にとどまっている。

本当に世界的に tuna が危険なのか、

マグロを使った他の食材はどうなのか?

世界へ向けて報道する新聞社であれば、

記者が(昼休みあたりに?)ニューヨークのたかだか数軒の店で

買い漁った寿司を用いての測定結果から、

あたかも地球上のすべてのマグロが

危険(もちろんそこまで論じていないが)かのような

錯覚を起こさせる伝え方は

いかがなものか?(ホントに危険なのかも知れないが)

週に一度は回転寿司に行くMrKとしては

誠に腹立たしい想いである。

ま、慢性金欠のMrKにあっては

水銀量の多いであろう高いサラ(200円以上アウト!)には

サラサラ縁がないから不安はないのであるが…(死ねよ)

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鹿男 玉木宏

2008-01-26 08:47:44 | テレビ番組

「いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」

平安時代、伊勢大輔が京の宮中で詠んだ

百人一首に収められている歌である。

この時代にして、奈良は『いにしえの都』であったのだ…

さて、フジテレビドラマ、

『鹿男あをによし』…

こういうのをまさにキテレツドラマというのであろう。

万城目学原作の同名小説のドラマ化である。

これまた、ここんとこ MrK お気にの

『ありえねぇ』系ファンタジードラマであるが…

ただ、ちょっと毛色の変わったドラマに仕上がっており

不思議と惹きつけられるものがある。

「あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとし 今盛りなり」

(詠み人、小野老)

いにしえの都、平城京の繁栄を人の心に想いおこさせる万葉集の歌。

ドラマの題にある『あをに(青丹)よし』は

『奈良』にかかる枕言葉だそうである。

…物語は、

人付き合いが下手で、何をするにも不運がつきまとっていた主人公

(小説では『おれ』、ドラマでは玉木宏演じる『小川孝信』)が

大学の研究室でも粗相をし、奈良の女子高に

臨時教師として赴任するところから始まる。

そこでも、女子生徒との関係はぎくしゃくするのだったが、

神無月10月に、小川の前に鹿が現れ、

地震が頻発している日本を救うための儀式に必要な

『サンカク』の『運び番』になるよう命令される。

姉妹校対抗で行われる剣道の優勝杯が

その『サンカク』と呼ばれていることを知った小川は

剣道部の顧問となって、それを取り戻そうと優勝を

めざすのだが…

Photo_2 主役の玉木宏がすっかり『鹿顔』でgood!

『魚顔』の堀田イト役の多部未華子もはまり役だ。

綾瀬はるか演じる歴史教師藤原によって

春日大社、東大寺、朱雀門、平城京跡など

数々の名所が紹介され、奈良の独特の雰囲気も伝わってくる。

登場する教師達には、小川の『神経衰弱』のほか

『マドンナ』

『リチャード』(演ずるは「大事な大事なアタックチャ~ンス」のあの方)

などのあだ名がつけられ、あたかも奈良版『坊ちゃん』だ。

現代と悠久の昔が隣り合わせにある風景に、

不思議と私達の心は癒される。

最近の産科救急問題で悪いイメージがつきまとっている奈良だが、

このドラマでちょっとプラス的にブームになりそうな予感。

なんとなくわけのわからんストーリーながら

今後の展開から目が離せない、

そんな楽しみなドラマである。

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聴覚の神秘

2008-01-21 12:22:28 | 健康・病気

歌姫こと『浜崎あゆみ』の聴力喪失告白は

衝撃的だった。

昨年の紅白歌合戦で『Together When … 』を

ひどく音程を外して歌ったことが

今回の告白の動機となったとの見方がある。

それを言うなら槇原敬之なんか、

激しく下手くそでめっちゃ聞きづらかったし、

出来の悪かった歌手はその他大勢いたわけで、

浜崎一人の不出来が特別目立ったわけではなかったが…

突発性内耳障害(突発性難聴)は、原因不明に突然、

多くは一側の感音性難聴、耳鳴り、めまいで発症する。

早期に適切な治療を開始すれば完治し得るが、

それでも約3分の1の患者は聴力障害が残ると言われる。

再発により聴力を喪失することもある。

病初期の症状として音程がうまくとれないなどの症状も

見られるという。

健側の聴力は温存されており

日常生活に大きな支障はないと思われるが、

患者の精神的ストレスは大きい。

残された側にも発症するのではないかといった不安もつきまとう。

そんな心境に配慮し、

あたたかく見守ってあげるべきと思われる一方で、

こんな報道もあった。 ↓ (ウェブ魚拓、日刊スポーツ)

http://s04.megalodon.jp/2008-0119-0749-54/www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20080117-308124.html

聴力障害がなくても質問を聞き返すことはあるだろう。

意地の悪い記者なら、ニュースにしようとして、

わざわざ障害のある左側からボソボソと質問したかもしれない。

この期に及んで、ことさら障害を確認し強調する必要もないと思う。

本人が告白しているのだから、ちゃんと右側からはっきりと

質問してあげなさいよっ!

気丈に見えて大きな不安を抱えているに違いない浜崎あゆみを

少し気の毒に思った…

ところで、片側の聴力を喪失すると

聴覚にはどのような影響が出るのだろうか?

恐らく、最も不自由となるのは、

音源の位置、方向の認知に関してであろう。

また、ヘッドホンによるアンビエント効果は失われる

ことになりそうだ(悲しい)。

外界からの音刺激が、やや単調な感じになるのは

仕方がないかもしれない。

では、音楽活動に支障はあるだろうか?

今回、あらためて驚いたのだが、

音とは極めて複雑な構成を成す外界刺激であり、

それを感じ識別する感覚である聴覚とは、

恐ろしく繊細で高度な感受システムであるといえる。

音は特定の音圧となり外耳から入り鼓膜を振動させる。

この振動は耳小骨を介して

内耳にある蝸牛の基底膜に伝わる。

蝸牛では特定の周波数をそれぞれ担当する

聴覚細胞(有毛細胞)が基底膜の振動を感受し

興奮することで、電気信号を聴神経に伝え脳幹に伝導する。

聴覚の場合、片側の耳からの神経線維が脳幹のレベルで

左右両側の上行経路に連絡する。

Photo 左右の上行経路は大脳に向かい

視床という中継点を介して両側大脳の

側頭葉にある聴覚中枢に達し、

そこで様々な情報が統合処理され

最終的に音を認識する。

大脳レベルでは、左右の側頭葉間や

前頭葉、頭頂葉への連結があり、

それにより音に伴う複雑な情報の認識もできると考えられる。

この際、音楽に関連する音感に関しては右脳優位に

なっているのかもしれない。

大脳に達するまでのフィルター効果で音の選別が

行われている可能性がある。

このような脳内での聴覚システムの構成を考えると、

片側の聴力喪失が音楽活動に及ぼす影響は

さほど大きくないようにも考えられる。

音程のズレなども大脳の可塑性によって

十分に代償され得ると期待される。

しかし、微妙な影響が残る可能性を完全には否定できない。

高い水準を求める歌手としては、

大きなハンディキャップを背負うことになるかもしれない。

浜崎あゆみ…あまり好きな歌手ではないが、

カレシとも訣別したということだし(関係ねぇっ)、

この障害を克服し、精神的逆境を乗り越え、

今後も華々しい活躍を続けられることを祈る。

中居クンだって、武田鉄矢だって、

一応歌手なんだから…(慰めになってないっ!)

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根拠なき治療を提供してくれる国

2008-01-18 11:44:01 | 健康・病気

1月5日付 ワシントンポスト紙で次のような記事を見つけた。

http://s01.megalodon.jp/2008-0106-2255-52/www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/01/05/AR2008010501131.html?hpid=sec-health
(ウェブ魚拓、一部のみ)

2004年頃、中国で黄紅雲医師のもと、脊髄損傷の患者に

臍帯血幹細胞や胎児嗅神経鞘グリアを脊髄に注入する治療が

さかんに行われていることが話題になってから、

すでに4年が経過しようとしている。

一体、その治療成績はどうなっているのだろうか。

未だ明らかにされていないようだ。

この記事によれば、30,000ドルから40,000ドルの費用で

治療を受けることができるとあって、現在も米国をはじめ海外から

続々と中国に渡航してくるそうである。もちろん日本人も多い。

彼らは、自宅を抵当に入れてまで借金をし、

あるいは支援者によりかき集められた寄付により、

奇跡を期待して中国に渡る。

しかし、当地での治療は、日本を含め西洋医学の常識では

考えられない手順で行われているのが現状だ。

十分な動物実験や臨床試験による有効性や安全性の証明が

なされていない段階でのヒトへの治療であり、

また、現在も厳密な臨床試験が行われている様子もうかがえない。

さらに、倫理上の問題が指摘されている胎児細胞を用いている点にも

議論が多い。

この段階での臨床応用となると、極端に言えば、治療を受ける側は

モルモットの代わりにされているのも同じだとの警告もある。

学術的に有効性を証明する報告はなく、安全性も確立されているとは

言えない。

それにもかかわらず、実際に治療を受けた患者の多くが

治療の成功を語っているという。

その理由として、移植治療そのものの効果によるというより、

中国滞在中に併せて行っている集中的なリハビリテーションや

プラセボ(偽薬)効果の関与が考えられている。

また、支払った多額の資金や支援者達からの援助が

患者の心理に影響を及ぼしているのではないかとも言われる。

支援者達に『治療はうまくいかなかった』とは言えないだろうって?…

米国の医師達は、正規の手続きを踏んでいないこうした実験的治療に

飛びつかないよう患者を思いとどまらせようとしているという。

しかし、そうは言っても、

現状ではもはや有効な治療手段の残されていない、

脊髄損傷、重いパーキンソン病、視神経障害による失明、

原因不明の不治の神経疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)、

などの患者たちは藁をもつかむ思いで、

中国での幹細胞治療を提供するウェブサイトにたどりつくのである。

わが国における脊髄再生医療の現状は、自身の鼻粘膜から採取した

基底細胞(神経幹細胞)を脊髄損傷部に移植する動物実験が

行われ、ようやく臨床試験が始まろうとしているところである。

(これとて40歳以下という年齢制限あり)

重い障害を抱えた患者、確実に死期が迫っているALSの患者には

臨床試験の完結を悠長に待っている余裕はない。

患者およびその家族は、

安全性が未確立であることや、効果が不確実であることは

十分承知の上であろう。

障害の回復にわずかでも光があれば、それを求めるのは当然だ。

彼らに治療を思いとどまらせるよう

強く説得できる言葉を我々は持ち合わせていない。

すでに何千人もの治療が行われたと推測される一方、

この先、何千人もの患者が治療を待っているに違いない。

これまでの治療成績と安全性の一刻も早い公表を望む。

新型インフルエンザのヒト‐ヒト感染の現状も

依然ベールに包まれているが、

かの国にはこうした医療の実態を明らかにしていただかなければ、

オリンピック開催国として確固たる信用を得るまでの道のりは、

はるかに遠いと言えそうだ。

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