再び…『医龍2』のワンシーン…
食道がんの下行大動脈浸潤に対する手術、
分離肺換気が困難と判り(執刀直前に気づくのもどうかと思うが…)
皆が青ざめていたとき、手術室のドアが開く…
甲高い声が響き渡る、
『じか~ん、ないよ~。お立ちだ~いっ!』
…すると、すかさず、外回りのスタッフが
荒瀬門次大先生に『お立ち台』ではなく、『足台』を用意した…
第7話のちょっと『笑えた』シーンである(また思い出して思わず失笑)。
麻酔科医、荒瀬門次、すこぶるカッコいい、のである。
それはともかく、実際に、
麻酔科の先生方って、手術には欠かせない存在なのだ…
手術の成否にも多大な影響を及ぼす。
すなわち縁の下の力持ち、なのである。
もっと賞賛されてしかるべきだ、と思う。
しかし、一方で、悲しい現実もある ↓
http://s02.megalodon.jp/2007-1121-1139-19/www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0000746066.shtml
おそらく、筋弛緩剤『臭化ベクロニウム』を自己注射し
死に至ったのであろう。
…現実、麻酔科の先生方は大変だろう。
外科系各科の都合に翻弄される宿命にある。
たとえば…
ある外科系の科に明日まで待てる急変患者がいたとしても、
その科の都合(気分?)で、
その日のうちにどうしても手術を、
ということもあるだろう。
自科の都合でお休みする、なんてことは
許されない。
もちろん、麻酔科も当番制を敷いてるだろうが、
その日の当番が、時間外にずれこんだ予定手術に
関わっていたとしたら、次の待機の麻酔科医がやむなく
出動しなくてはならなくなる。
外科系各科はわがままだ。
麻酔科医を怒鳴り上げる傲岸不遜な輩もいる。
朝から晩まで、手術室の檻の中で休む間もない。
医療機関の集約化は結構だが、
それに必要な麻酔科医のマンパワーの充実は追いつかず、
麻酔科医一人あたりの負担が甚大となっているという ↓
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071002
麻酔科医一人あたりの麻酔件数は全国的に危険域を
超えている(年間400件以上)と考えられる。
あちこちで麻酔科医の悲鳴も上がっている。↓
http://s01.megalodon.jp/2007-1124-2353-20/www2.asahi.com/senkyo2007/special/OSK200707120022.html
先の神戸の麻酔科医自殺…
過重労働だけが原因とは言えないのだろうが、
『薬の管理に問題はなかった』で、済まされる問題ではない。
『医師の精神衛生管理に問題があった』のは
間違いないと、言えるだろう。