MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

おくりっぱなしびと

2009-02-27 19:12:33 | 映画

 人の死に接する仕事をしている人が何を思い何を考えるか?実は、たいそうなことを考えているわけではない、そこに哲学的思いをはせているわけでもない。つまるところ人それぞれだ。お坊さんはもちろんだが、医療者も言ってみれば『おくりびと』のはしくれといえるだろう。しかしながら、あわただしい診療業務の中にあっては『おくりっぱなしびと』になってしまっているかもしれない。

 一方、今回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した映画『おくりびと』の主人公である納棺夫(映画では納棺師)は、静かで穏やかな空気の中で冷静に人の死と向き合い、生と死について瞑想する(映画を観てないので詳細は不明)。死者の生の部分を見ていない納棺夫、生と死のつながりを見ることはできないように思うのだが、遺族の前で死者の旅立ちをとどこおりなく進めるためのおごそかな所作、一種の儀式、そこには納棺夫ならではのプロの力量が必要とされるのであろう。

225日付 TIME 電子版

Japan’s Double Oscar Victory (日本、オスカーをダブル受賞)

Photo  それは卑賎より身を起こしたインド映画スラムドッグの物語とは異なる。むしろ黄金のオスカーをめざす光った蛆虫たちに近い。今週のアカデミー賞で最優秀外国語映画として初のオスカーを日本にもたらすことになった道のりは、この映画の主演男優、本木雅弘氏が、青木新門氏の小説、『納棺夫日記』:The Journal of a Buddhist Mortician の一節を彼自身の旅行日記に引用するために青木氏に連絡をとったことから始まった。「蛆虫も生命なのだ」、この小説の主人公の声で、この一節が読まれる。「そのことを思ったとき、蛆虫たちが光って見えた」

 ハリウッドでのアカデミー賞授賞式の2日後、滝田洋二郎監督がオスカーをつかんだこの映画を見ようと、東京丸の内にある映画館には少なくとも千人の人たちが行列を作った。“Departures”(おくりびと)は失業したチェリストが、死者を葬るため、その体を清め整える仕事に就職することになるという、コミカルでドラマチックな物語である。この映画は20089月の封切以来、すでに日本で3,400万ドル以上の収益を上げている(同映画は米国では5月に限定封切が予定されている)。この映画の元になった青木氏の小説の売上は、DVDの予約販売数とともに急増している。

 この受賞は多くの人たちにとって意外であったが、滝田監督自身もその例外ではなく、受賞スピーチを用意していなかった。二つのオスカー―12分間の The House of Small Cubes 『つみきのいえ』も短編アニメ賞を獲得を日本が獲得したことも初めてだが、両映画は、日本映画がかつて受賞したことのないジャンルの作品であった。『おくりびと』は、イスラエルのアニメ・ドキュメンタリーの “Waltz with Bashir ” や、フランスからのエントリーでパリの教師の物語である “The Class” を抑え、番狂わせで受賞した。日本映画が外国語映画賞の部門でノミネートされたのは2003年の “The Twilight Samurai” 『たそがれ清兵衛』以来である。The Legend of Musashi(宮本武蔵)が1955年に名誉外国語映画賞を獲得しているが、それは外国語映画賞が創設された1956年の前年のことである。

 『おくりびと』はモントリオール世界映画祭でグランプリを獲得しているが、本作品のターニング・ポイントは今年の初頭にあったのかもしれない。1月のパーム・スプリングス国際映画祭で観客賞を受賞したのである。「私はそれを前触れと感じました。アカデミー賞の選考メンバーの多くはパーム・スプリングスに住んでおり、この映画祭に行くのです。そこで観たものが気に入った。彼らはこの映画の技術と質に反応したのでしょう」」と日本映画評論家のMark Schilling 氏は言う。35才のベテラン映画評論家である Sachiko Watanabe 氏は、日曜日の受賞は、日本の映画が異国趣味だけの感覚で評価されていたこれまでの時代が終わったことを示唆していると述べる。「アカデミー賞がこれを認めたという事実は日本映画界にとって大きな励みになります」と彼女は言う。最近、ベルリン、ベニス、カンヌといった映画祭で、日本映画の評価が上がりつつある。日本映画は昨年、国内で400以上の作品が封切られている。それらは日本で上映される外国映画の数を上回っており、映画界での競争激化が徐々に映画の質を向上させ、『おくりびと』のような頂点に立つ映画を創り出す環境が整いつつある。

 日本では公開当初は盛り上がりを欠いていたが、Schilling 氏は『おくりびと』が受賞するのではないかと期待していたと言う。「この映画は、封切された時、さほど大きな話題としてとりあげられていませんでしたし、製作者も配給者も大きな期待はしていなかったと思います。しかし年配の人たちの間で単に映画にとどまらないものがあるという評判が高まり、日本において大衆現象となったのです」と同氏は述べる。成人映画からスタートした滝田氏53才は、これまでは、おそらく1999年の映画 Secret(秘密)の監督として知られていた。この作品は結局はフランス人監督の Luc Besson 氏によってリメイクされている。滝田氏はオスカー受賞時の挨拶で顔を輝かせ、「これは私にとって新しい departure です。そして、私は、私たちはまた戻ってきます」、と語った。2009年が、日本映画が将来のハリウッドのエンディングを飾る前触れとなる年になるのかもしれない。

 毎日発生する様々な事件や事故による死者の報道に溢れた日常がある一方で、身近に死を考える機会はむしろ少ない。人々は、身近な人が死亡したり、あるいは危篤状態に陥った時になってはじめて、それを受け入れることができないことに気づいたり狼狽したりする。真の意味で死に向きあっていない日本人の死生観ははっきり言ってバラバラである。

 そういう社会だからこそ『おくりびと』の存在意義があるのかもしれない。

 それはそうと、死んだとき『おくりびと』に身体を清められている自分を想像すると、ちょっと恥ずかしい気がする。そんなワタクシってまだ若いのか

 

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No Smoke, More Coffee

2009-02-20 20:31:06 | 健康・病気

まずは、認知症と生活環境・生活習慣との関連についての

研究を2題。

213日付 TIME 電子版

Study: Secondhand Smoke Tied to Dementia研究:受動喫煙と認知症の関連)

Photo  かつては単に迷惑とだけ考えられていた受動喫煙は、実際にははるかに有害であることが明らかにされつつある。肺がんや心臓疾患の原因となったり、喘息を悪化させたり、乳児では肺炎や気管支炎を引き起こしたりする可能性がある。そして今、ある深刻な状況と関連付ける新しい研究がある。それは成人における認知症である。

 213日に British Medical Journal に発表された研究では、高いレベルの副流煙に晒されてきた50才以上の人では認知症や他のタイプの認知障害のリスクが有意に増大していたことが示された。

 これまでの研究は能動喫煙と認知障害を関連付けるものだった。しかし、今回は副流煙への曝露を、中高年者における認知症や他の神経疾患と関連付けた初めての大規模研究である。

 この研究では、University of CambridgeBritain's Peninsula Medical School、および University of Michigan の研究者たちが、約 5,000 人の50才以上の非喫煙者から採取した唾液から、ニコチンの代謝産物である唾液中 cotinine (コニチン)濃度を測定した。コチニンが高値の場合、副流煙への曝露があったことを示唆する。

 またこの研究の参加者は詳細な喫煙歴も申告させられた。さらに研究者たちは脳の機能や認知障害を評価するために神経心理学検査を施行した。

 コチニンが高レベルの患者は、それが極めて低いレベルにあった人に比べ、認知障害の徴候を44%多く呈しやすかった。コチニン濃度と精神機能の低下の間には曝露-反応勾配も認められた。すなわち、被験者の唾液中のコチニンが高いほど、被験者の頭の回転の速さ、記憶力、思考力の明晰さなどを測定した検査の成績が不良であった。

 アルツハイマー病や認知症の専門家は、受動喫煙と認知障害の間に介在する因子として、心臓疾患や脳卒中が関わっている可能性があると考えている。受動喫煙は心臓疾患や脳卒中のリスクを増大させ、その結果認知症のリスクを高めるというのである。

 「一つのメカニズムとして、血管を介する脳への血液の供給路が喫煙によって障害される可能性が考えられます」と、Britain's Alzheimer's Society の公衆衛生のリーダーである Sarah Day は言う。脳血管性認知症と呼ばれるタイプのものは脳の微小な出血によって発症する。もし、喫煙が血管壁の細胞に影響を及ぼしているということなら、なぜ受動喫煙が認知機能に影響するかについての説明にはきわめて都合がよい。

 この研究を受けて、アルツハイマー病の活動家たちは、この研究論文の著者たちと協力して、これまで彼らに抵抗してきた都市、州および国における公共の場での禁煙条例を要求した。

 最近の研究の高まりは受動喫煙を健康問題に関連付けてきているその多くは、先進諸国で実際に禁煙条例が施行されたことで研究が可能となっている。たとえば最近の研究によると、2006年のスコットランドの禁煙条例が施行されてから、心臓疾患発症のリスクは喫煙者、非喫煙者双方において低下した。一方、多くの米国の州ではいまだ禁煙条例がないままであるが、これはほとんどの発展途上国でも同様である。しかしこの研究の共著者である Peninsula Medical School Iain Lang 博士によれば、そのような法制化への反対者は今や勝ち目のない戦いをしているようなものだという。

 「今回の結果は、受動喫煙にはなんら害はないと提唱する人々にとどめを刺すものであると思っています」と彼は言う。

 本研究に併記された論説の中で、University of California, San Francisco の医学部准教授の Mark Eisner は本研究について論評し、コチニンは喫煙への曝露後わずか2、3日しか唾液に残留しない点を指摘した。従って、高齢者での認知障害の進行には何年も要していることを考えると問題があるとした。彼は、関連を確かめるためには、生涯にわたる副流煙の累積的曝露量の影響についてさらなる研究が必要であるとした。

 しかし、Eisner は、人の健康をめざす上で最も重要な飛躍的進歩は環境要因を変えることから得られてきたこと、人のゲノムの解読に照準が当てられてきた最先端の科学の時代においてすら、世界中の何百万人もの人たちはいまだに受動喫煙で死亡し続けていることを指摘して強い調子でしめくくった。喫煙反対の法制化を求めて、彼は病気や早死との戦いの中で、「我々は、高度な科学技術を用いることなく呼吸する空気を浄化する方策を忘れてはならない」と主張した。

123日付 New York Times 電子版

Coffee Linked to Lower Dementia Risk(コーヒーと認知症リスク低下の関連)

 コーヒーを飲むことは単に目覚まし以上の効果があるかも。新たな研究で中年期以降の精神衛生との興味深い関連の可能性が示されている。スウェーデンとデンマークの研究チームは1,409人の中年の男女について20年間コーヒーの消費について追跡した。この期間中、61名が認知症となり、うち48名がアルツハイマー病であった。

 多数の社会経済的要因や、高コレステロールや高血圧などの健康的要因を調整した後、毎日、3杯から5杯のコーヒー摂取を申告した被験者は、一日2杯以下の摂取者に比較して65%認知症になりにくかったことがこの科学者たちによって示された。一日5杯以上摂取する人もまた、認知症のリスクは低かったが、このグループでは統計学的に有意な結論を出すには対象者が少なかったと、研究者らは述べている。

 ストックホルム Karolinska Institute の神経学准教授でこの研究の筆頭著者である Miia Kivipelto 医師は今のところ、コーヒー摂取を予防的な健康対策の手段として提唱しているわけではない。「これは観察研究です。コーヒーを摂取しない人々において、コーヒー摂取を開始することが予防的効果をもたらすという証拠はありません」と、彼女は言う。

 Kivipelto 医師らは、コーヒーがなぜ中年期以降で認知症のリスクを減じるのかについてのいくつかの可能性を示している。第一に、これまでの研究で、コーヒー摂取と、認知症のリスクと関連があるとされる2型糖尿病のリスク低下との関連が示されている。また、動物実験では、カフェインは、アルツハイマー病の特徴の一つである脳内アミロイド斑の形成を抑制することも示されている。さらに、コーヒーは血中で抗酸化作用を持ち、これが認知症の血管性リスク因子を減じる可能性がある。

 過去の研究では、コーヒー摂取がさらにパーキンソン病のリスク低下にも関連している可能性が示されていると、Kivipelto 医師は指摘する。

 雑誌 Journal of Alzheimer’s Disease に今月発表されたこの新しい研究で、追跡のためにランダムに選ばれた2,000人の元のグループの実に70%が21年後でも再調査可能であったという点は異例なものだ。食生活情報がこの研究の開始時に集められており、被験者が不正確に摂取状態を思い出すことによる誤差の可能性を減じている。しかし、著者らは自己申告のデータであればいかなるものにも不正確さを除外できないことを認めている。

最初の記事中に出てくる

“コニチン”が“ニコチン”の代謝産物である、というのは冗談にのように聞こえるが本当の話である。

確かにコニチンは喫煙習慣や、受動喫煙の程度の指標としてよく用いられるのだが、記事中にもあるようにコニチンの半減期は2、3日であるため、長期にわたる受動喫煙の指標として用いるには問題がありそうだ。

それにしても、副流煙で認知症になりやすいというのはにわかには信じがたい話ではある。

ま、なにはともあれ、MrK レベルでできることと言えば、とりあえず、仕事をうまい具合にさぼりつつ、完全分煙のスタバに足繁く通うことが肝要かと…(こらこらっ!)

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酩酊男の迷走

2009-02-18 21:49:48 | 国際・政治

実に腹立たしいことだらけだ

当の本人にも、その周囲の人たちにも、任命した総理にも、

そして、日本のメディアにも。

今回の財務大臣の辞任をめぐってさまざまな報道があるが、

やはりここは冷静に海外メディアの報道をご一読いただこう

2月17日付 New York Times 電子版

Minister Quits at Bad Time for Japan's Economy(日本経済最悪のタイミング大臣辞職)

Photo  先週末来、ローマでのG7会合の記者会見での奇妙な行動をめぐって批判を浴びていた日本の財務大臣の辞任は、ますます悪化する景気低迷のこの時期に同国の指導者に新たな問題をつきつけた。

 火曜日、中川昭一財務大臣が辞任に追い込まれたこのエピソードは、つい昨年9月から政権についている麻生太郎総理にとって大きな痛手となった。彼はすでに経済の舵取りについてや彼自身の見苦しい失態によって非難を浴びている状況にある。

 週末に行われた日本テレビネットワークによる世論調査では麻生氏の支持率は約10%となっており、今週出された数字では日本経済は1974年以降で最も急速に減速していることが示された。

 今年行われることになっている総選挙では、長期政権にあった自由民主党とその連立政党は政権を失う危機にあると政治アナリストは言う。自由民主党の敗北は日本の政治的展望における大規模な変化の始まりとなりうる。総選挙は9月までには行われるのは間違いないが、前倒しされる可能性がある。

 中川氏の失態は選挙の結果にさほどの影響を及ぼさないかもしれないが、「このことによって強調されるのは、麻生政権がいかに危機管理に欠けているかということです」と、東京、Tantallon research の最高責任者である Jesper Koll 氏は言う。

 経済財政担当大臣である与謝野馨氏が当面財務大臣を兼務すると、麻生氏は火曜日に発表した。これによって、与謝野氏は幅広い大臣職に就き、数十年で最悪の日本の景気低迷に歯止めをかける取り組みの先頭に立つこととなる。

 日曜日のローマでの記者会見では、赤ら顔の中川氏はしどろもどろの答弁をし、同時に、居眠りをしていたようにも見えた。もうろう状態で時折あくびをし、発言の間も目をつむっている中川氏の映像がインターネットで配信された。

 中川氏は飲酒していたことを否定し、そのふるまいはかぜ薬と疲労のせいであったと弁明した。

 しかし世界の舞台で日本の恥を晒したとして彼を非難する野党議員からの国会での質問に対して、中川氏はその出来事の前にワインに口をつけたことを認めた。

 当初、中川氏は、経済復興支援を目的とした一連の予算案が国会を通過するまで職に留まりたい意向を示していた。しかし、野党が彼の申し出を引き延ばしの戦略であるとして拒絶し、彼に対する議会の問責決議を提出した後、辞任することを認めた。

 「辞表を提出しました。私が辞めることがこの国にとって良いことだと判断しました」と彼は言った。

 麻生氏は「中川氏は難しい決断をされたと思います。彼の決断を尊重します。財務大臣としてたいへん有能な人物を選んだと今でも思っています。こういう事態となったことは遺憾に思います」と麻生氏は述べた。

 与謝野氏が日本の経済政策をどの程度変えることができるかは不透明なままである。彼は財政的保護主義者として知られており、急増する日本の債務に対処するために増税の必要性をこれまでに訴えている。

 米国に次ぐ規模の日本経済が、2008年の最終四半期には1974年以降最も速いペースで悪化したことが月曜日に発表されたデータで示された。

 現四半期も同様に悪い状況であると考えられており、経済を不況から救い出すには追加の経済刺激策が必要であると、多くの経済学者たちは言う。しかしながら麻生氏の政治的問題はその手続きを減速させるばかりである。

 「日本の経済が急速悪化するのと同時に、この国の政策決定は苦境に入りつつあります」と東京、NLI Research Institute のチーフ・エコノミストの Koichi Haji 氏は言う。「誰もが同じ疑問を持っています。『果たして現政権でこの危機を乗り切れるのか?』と」

 中川氏(55才)は大酒家として知られていたが、これまで日本の報道機関は彼のその悪癖を深刻に取り上げてこなかった。

 今回のG7会合における彼の行動は、当初、国内の報道機関からは無視されていた。しかし、海外メディアの笑いの的になっていたことが判明した途端、日本での憤慨が高まったのである。

 テレビで放映された火曜日の記者会見で、中川氏は自身の醜態について自国に謝罪した。彼は衆議院での議席には居座り続けると見られている。

「G7会合における自分の行動で多大なご迷惑をおかけしたことを謝罪します。引き続き日本経済の改善に向けては全力を尽くします」と、中川氏は述べた。

今回のG7での財務大臣の醜態は

確かに海外メディアに取り上げられはしたが、

当初『日本の恥を世界に発信した』といった、

そんな大袈裟なものではなかったと思われる。

そもそも海外では、日本の一財務大臣のことなど

ほとんど気にもかけていなかったに違いない。

大変な経済危機に陥っている国の財務大臣なのに、

groggy (酩酊してもうろうとした)な状態で

記者会見に臨むとは呑気なものだ、

てな感じだったのではないか?

海外メディアに揶揄されたことに気がついた

日本のメディアは遅ればせながらこの事態に注目し、

「日本の恥を世界に晒した」と大騒ぎし、

件の映像を繰り返し流し、国民の怒りを扇動した。

結果、与野党の政治家が重大視し、

中川氏を辞任に追い込んだ、という流れだろう。

今回の騒動に関わった面々は、日本のメディア、永田町であり、

国民は置き去りにされた形だ(いつものことだが)。

記事中にもあるように、

中川氏の大酒癖は以前より有名な話で、

これまでにも色々と話題には上っていたが、

日本のマスコミがこれについて重要視してこなかったことは

事実であり、まさにこのことこそ問題であると思う。

財務・金融担当大臣という重職に任命された段階で、

その資質については

追求・解決されておくべきことであったと思う。

麻生総理には、今回の問題において

任命責任を重視する姿勢は見られず、

政権にも大きな影響はないと発言した。

「日本の恥をさらした」

「あの男の酒癖の悪さがついに露呈した」

「問題のある人物を財務大臣に選んだ」ことなどは、

たいした問題ではない。

追及されるべきは、

日本経済が重大な危機に瀕しているこの時期に

財務大臣が辞任するという深刻な事態に至ったことに対する

結果責任である。

財務大臣が重職であり、

国会議員は重職ではないというのか。

そのような人物は即刻、議員辞職していただきたいし、

現政権は結果責任をしっかりとるべきである。

と言いながら、

一刻も早い定額給付金お待ちしています~(笑)。

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控え目なプロポーズ

2009-02-13 22:26:42 | 映画

2月14日はバレンタイン・デーである(知ってるよ)。

日本では、単にチョコレートを贈る日。

そもそもこの日は『愛の誓いの日』であったはずなのに、

どうして『義理チョコを渡す日』にまでなったのだろうか…

最近は『逆チョコ』などと、贈る側に男女を問わない風潮で、

これもチョコ・メーカーの策略かもしれないが、

本来の姿には若干近いのかも。

しかし、純粋に愛について深く考えてみる日であるならば、

本命チョコだの義理チョコだのと騒がずに、

映画館でもレンタルDVDでもいいから、じっくりと恋愛映画を

(できればいとしい人と)2、3本鑑賞するというのは

いかがだろう。(チョコを食べたいのはやまやまだが…)

でもそうなると、やっぱり洋画になってしまうのか。

ということで、

Washington Post に紹介されていたバレンタイン・デー特集を

ここにご紹介しよう。

実際に見た映画はほとんどないので、

訳はかなりいい加減だが、雰囲気だけでも味わっていただきたい。

2月10日付 Washington Post 電子版

A Look at 10 Modest Movie Marriage Proposals(控えめなプロポーズ映画、10作品を見る

by Jen Chaney

代表的なハリウッド映画の結婚プロポーズを想像するとき、私たちの多くが弦楽四重奏団、ゆらめく無数のティーライト、撮影シーン一面に広がるバラの花びらを擁した場面を想像するだろう。しかし、驚くことに、実際スクリーン上多くの登場人物たちは、さりげな、現実的、時には無様でさえあるやり方で結婚を申し込んできた。

多くの人たちが結婚の申し込みをするのに完璧折り紙つきのタイミングと考えているバレンタインデーの思いの中で、ユニークな映画のプロポーズの場面のリストを以下に提供する。それら10作品のすべてはDVDで視聴可能であり、それぞれが将来の生涯の伴侶となるかもしれない相手への口説き文句を後押ししてくれるかもしれないが、あるいは、結婚を申し込まないですむ方法の素晴らしい例を提供してくれるかもしれない。

これは決して完全な一覧ではない。実際、多くの印象的な映画上のプロポーズはここに含まれていない。今週金曜日の東部標準時間午後1230にある映画、DVDのオンライン・ディスカッションで皆さんのお気に入りを自由に叫んでいただきたい。

Rocky ” (1979)

多数の続編の最初となるこの作品で、Rocky Balboa (Sylvester Stallone) はある風の強い日にフィラデルフィア動物園で、できる限り控えめな言い方で最愛の Adrian にプロポーズする。 “I was wondering if you wouldn’t mind marrying me very much” (私と結婚することをそんなに嫌じゃないだろうと思うんだけど)ヘイ、ロッキー、やるじゃないか?彼は “Yo” という言葉を使わずになんとか結婚を申し込むことに成功した

Gone With the Wind” (1939)(邦題:風と共に去りぬ)

Gonewiththewind Rhett Butler は決して器用なタイプではなかった。それで、彼は片ひざをついて、酔っぱらった Scarlett O’Hara (Vivien Leigh) に彼の妻になるべきだと強くせがむ念のため言っておくが、彼女の二番目の夫の葬式後間もなくであるこの圧倒的な南北戦争の武勇談で、すべての南北戦争の武勇談終わってしまいそうな勢いだ。Scarlett がこれを拒絶すると、Rhett (Clark Gable) は、彼女が息ができなくなるほどの長いキスで応じる。“I want you to faint.  It’s what you were meant for.  None of the fools you’ve ever known have ever kissed you like this, have they?” 気絶してほしい。いや、して当然だ。君が知っているバカでこんなキスをしたやつがいたか?女性ならそれに対してノーとしか言えないのではないだろうか?

“You Can Count on Me” (2000)

この映画は、姉 (Laura Linney) とどこまでも変わり者の弟 (Mark Ruffalo) の複雑な関係について美しく描かれている。しかし、くっついたり離れたりの求婚者が Sammy (Linney) に、遊びまわるのにうんざりした、彼女と結婚したいと話す時、ひどく不愉快な婚約への努力がある。ショックを受けたSammy はそれについて考させてほしいと言う。みなさんご想像の通り、これは良くない兆候だ

“Sense & Sensibility” (1995):邦題『いつか晴れた日に』

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pot (大麻)とて許すまじ

2009-02-06 22:10:24 | スポーツ

1月29日に日本人十両力士が大麻所持で逮捕されたニュースを

聞いた時、

ああ、これであの新しい武蔵川理事長も更迭か、と正直思った。

ところが、あの理事長はその日の記者会見で、

「厳しくやっていたんですよ。そのことはわかってくださいよ」

などと、のたまわっていた。

これを聞いて、「こりゃ、ダメだわ」と思った(ブタの湖と変わりなし)。

次の日には、再発防止委員会のメンバーであるあの漫画家が

偉そうに憤りをぶちまけていた。

仮にも「再発」防止委員会と立派に銘打った委員会の

メンバーとしては

実際に「再発」が起こったことに対して、反省こそすれ、

当人を高い立場から批判することはできないはずだ。

MrK としては、若麒麟に厳しい処罰を望むものではない。

解雇処分で妥当であったと思う。

しかしもっと指弾されるべきは、やはり協会の責任であったろうと

考えるのである。

今回の大麻問題は恐らくこのまま幕引きになると思われる。

最後には相撲の伝統、格式が強調され、とかげの尻尾切りが

行われて終わるいつものパターンだ。

MrK にとっては相撲の伝統、格式なんてちゃんちゃら

おかしいと思っているのだが。

a

ところで、今回の事件、米国にはどう伝えられているのだろうか?

ちょっと読んでみることに。

2月5日付 Washington Post 電子版

All the buzz: Pot scandal jolts Japan's sumo world
(大騒動:大麻事件、日本の角界に衝撃)

Photo 2009年1月25日、日曜日、東京の初場所で、対戦相手の玉鷲に押し出され土俵を割る若麒麟。日本人力士、若麒麟、本名鈴川真一(25才)は2009年1月29日、金曜日、大麻所持で逮捕された。拡大する薬物事件にかかわった4人目の日本の伝統的スポーツ力士となる。

太鼓腹 (pot bellies) を持った相撲力士…ピンポーン、正解!

それでは pot (大麻)を持った関取、これって、正解????

今、その取り扱いが一層むずかしくなっている。

過去6ヶ月の間に4人の力士が大麻吸引の疑いでこの伝統的なスポーツ界から解雇され、日本において、これまでで最も重大なスポーツ界の薬物事件となっている。

これまで角界から追放された3人の力士はロシア出身だったが、若麒麟という四股名の25才の日本人の力士が大麻所持の容疑で先週逮捕されたことは、これまでに考えられてきた以上に大麻の使用が広く蔓延しているのではないかとの懸念を生じた。

日本では、相撲力士たちは、野球やテニスの選手達とは違うアスリートとしての見方をされる。アメリカ水泳界のスター、Michael Phelps がマリファナのパイプを持って写っていた写真は、ここ米国でも広くメディアに取り上げられたが、相撲の不祥事の仰天ぶりとは比べものにならない。

最近ドーピングテストを取り入れたばかりの角界における不祥事の傷口は、いまだに比較的薬物汚染のなかった日本の環境の崩壊により、一層悪化した。特に、マリファナの使用は、その所有で5年の懲役刑以上という厳しい罰則にもかかわらず急速に増加してきている。

「彼の全くの愚考には愕然とさせられる」、日本の主要な新聞である朝日は憤りに満ちた論説を掲載し、「若者たちは軽い気持ちで大麻を試す。かなり若い年代からこの薬物の危険について教育することが重要である」

しかし、単に薬物問題であるという以上に、この事件が、世界で最も歴史があり、伝統に縛られ、また宗教的な清めの儀式に強く根付いたスポーツ界を巻き込んだという事実によって増幅されている。

相撲力士たちは徒弟制度の伝統的スタイルの生活を送ることになる。彼らはちょんまげを結い、いまだに“師匠”と呼ばれている彼らの親方の言葉は絶対であり、これに逆らうことはできない。

相撲の熱烈なファンは、ハワイ出身のかつての横綱、武蔵丸も午後10時が門限だったと言って楽しんでいる。

しかし、それは変わりつつある。

この不祥事の渦中にある力士のけいこ部屋では、新しい、かなり若い、部屋の親方が仕切っていて、そこでの規律も昔そうであったようなものとは異なっていた。

「ごく最近の例では、通常の関係はすでに見られませんでした」と、放送局NHKの相撲解説者、David Shapiro は言う。「部屋の親方たちは通常は父親代わりなのですが、今や彼らは義理の父親代わりになっているのです。ただし、このようなことが起こっていない部屋も確かにあります」

しかし、相撲の清らかさを汚すことは、日本そのものの心を汚すことであると信ずる日本人は多い。

このプロのスポーツを監督する立場にある日本相撲協会は批判を和らげるために素早く動き、今週、若麒麟、本名鈴川真一を解雇することを投票で決めた。

多くの日本人はこの決定すらあまりに軽いとみている。角界からの除名というさらに厳しい処罰と異なり、解雇では若麒麟が退職金を受け取る余地が残されるのだが、共同通信社によれば、彼は受け取らない選択をしたという。

「今回のケースでは処分は手ぬるいと言わざるをえない。これはまったく恥ずべき事なのですから」と、塩谷立文部科学大臣は言う。

ロシア人力士若ノ鵬が大麻所持の容疑で警察に逮捕された後、相撲協会は9月に臨時の薬物検査を開始した。結果、同じくロシア出身の露鵬とその弟白露山の二人の力士が陽性となり、協会を解雇された。

3人はすべて幕内力士であり、角界のみならず日本中で有名だった。

若麒麟の逮捕に伴い、協会は大麻や覚醒剤に対するドーピング検査をさらに強化する方針を打ち出した。なお、大麻は運動能力向上薬とは考えられていない。

若麒麟は雑誌で読んだり、ヒップホップ・クラブで人が吸っているのを見て、大麻に興味を持つようになったと報じられている。

相撲コラムニストでブロガーの Mark Buckton は、この不祥事はまさに起こるべくして起こったものと考えていると言う。

「これら男性の多くは若く独身なので、行き過ぎてしまうこともあるでしょう。しかし、それが相撲界の規律の破綻であると言ってしまうのは事実ではありません。角界には700人の男たちがいて、その大多数は大麻を吸わないのですから」と彼は言う。

相撲では、競技者は相手を輪の外に押し出したり、足の裏以外の相手の体のどの部分でも土をつけることを競うのである。大部分が20才代であり、550ポンドまで体重を増やした力士たちは、毎年、15日間のトーナメントを6回戦う。

日本の国技としての格式を持つ相撲であるが、近年、いくつかの不祥事に見舞われてきた。絶えることのない八百長疑惑、2年前の若い力士のしごきによる死亡、朝青龍という四股名で戦う激しいモンゴル人横綱のふざけた行動などなど。

朝青龍はモンゴルに帰国するために巡業をさぼった罰で3場所休場させられた。
彼はケガをしていたと主張したが、故郷でサッカーの試合に元気よく出場していたのを目撃されていたのだ。さらに先月、朝青龍がついこの前の場所で優勝を決めたが、優勝時自己賞賛のガッツポーズをしたことで相撲協会から警告を受けた。

相撲では、神聖な場所と考えられている輪(土俵)の中で感情を表現することは良しとされていないのである。

大麻(マリファナ)の身体に及ぼす悪影響はそれほど大きくないという。

しかし気軽なゆえに、大麻が麻薬の登竜門となり、

そこから麻薬の深みにはまってゆく可能性が高いと考えられている。

それゆえ、昨今の、大麻での逮捕者の急増は憂慮されるべきである。

角界であろうと何であろうと、大麻に手を出したものへの処分は

厳しくあるべきだろう。

そんな中 MrK が納得できないのは、

大麻で捕まったことのある芸能人が数多く何事もなかったかのように

現役でテレビに登場し続けていることだ。

中には、むしろ勲章のように思っているタレントもいるのではないか?

そういう風潮を許しておくことが、

大麻の蔓延につながってはいないだろうか?

芸能人に対しても厳しい処断を希望するところである。

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