通でがんす

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映画『濡れた荒野を走れ』 シネツイン本通り

2012年10月19日 | まんが・テレビ・映画
「先週の日曜日(2012年10月14日(日))、『濡れた荒野を走れ』という映画を観てきたんじゃ」

「この映画は、シネツイン本通りで上映中の「生きつづけるロマンポルノ 日活創立100周年記念」の1本です」

「いや~。久しぶりに日活ロマンポルノを観させてもろうたわい」

「どんな内容の映画なん?」


大胆! 過激!! 再び世に問われる、伝説のアクションポルノ!!!

ある地方都市。
教会の活動で集められたベトナムの難民救済募金が、覆面グループに強奪された。
グループは犯行が終わるや警察官に早変り。
主犯格の刑事・原田(地井武男)らは事件現場に急行し、捜査をするかのようにして証拠隠滅を計るのだった。
原田は署に戻ると、署長から精神病院に入院しているかつての同僚・中村が、脱走したことを知らされる。
中村の狂気が芝居ではないかと疑う原田たち。
彼らは警察による組織的な犯罪が露見することを恐れ、中村の行方を追って彼の自宅へ向かう。
だが、そこには彼の妻(川村真樹)と幼い子供がいるだけで中村の姿はなかった。
一方、中村は電車の中で出会ったまり子(山科ゆり)と逃避行を始めるのだった…。

脚本を、日本映画史上に残る大傑作『太陽を盗んだ男』を監督した長谷川和彦が手がけ、日活ニュー・アクションをリードした澤田幸弘が監督した衝撃の問題作。
迫力のアクションをみせる主人公に地井武男。
山科ゆりが色白の可憐な体をさらし、思春期の少女を好演している。

(「濡れた荒野を走れ」楽天ブックス)



「刑事や警官が強盗をするって、確かに「衝撃の問題作」じゃね」

「個人レベルじゃのうて、警察署ぐるみでの組織的な犯罪なんじゃ。そのせいか、ビデオは発売中止になってしもうたそうじゃ。DVDは発売されとるがの」

「刑事の原田たちは、ベトナムの難民救済の募金を盗んだんじゃね」

「その金額、約200万円」

「すごい」

「この映画は1973年(昭和48年)に上映されたんじゃ。この年の1月には、ベトナム和平協定が結ばれたんよ。とはいうても、ベトナム戦争が終結するのは、2年後の1975年(昭和50年)4月のことじゃがの。そういう時代の話じゃ」

「犯行が終わると、警察官に戻って強盗現場に行き、自分たちの手で証拠を隠滅する。おぉ、完全犯罪じゃん」

「警察署に帰ってみると、精神病院に入院していた原田の元上司・中村が、火事に便乗して逃げだしたことを聞かされるんよ。所長以下、警察署の署員たちが気にしていとるのは、中村が本当に記憶喪失なのかどうか、ということなんよの」

「この、腐りきった警察署から逃げるために記憶喪失のふりをしている、と考えとるんじゃね」

「原田は、中村を追跡し、もし彼が正気なら正当防衛に見せかけて殺せ、という命令を受けるんじゃ。中村の口から真実が語られると、自分たちの身が危ないけぇの」

「うーん、すごい設定じゃ」

「電車で逃げる中村を、原田たちは自動車で追うんじゃ。途中、遮断機が下りている踏切を突っ切るんじゃの」

「ひょっとして遮断機のポールを折るん?」

「あれは「遮断桿(しゃだんかん)」と呼ぶそうじゃが、多分、国鉄に無断で撮影しとってんじゃろうの」

「そうか。あのころはJRじゃのうて国鉄じゃったよね」

「中村は、電車内で女子高生を人質にし、車を奪って逃走。この事件の結末やいかに…? という話なんじゃ」





「それにしても、刑事・原田役で地井武男(ちい たけお)がポルノ映画に出よっちゃったとは知らんかったね」

「わしも知らんかった。考えてみりゃ、地井武男はテレビで見たことはあるが、映画で観るのは初めてじゃったのう」

「うちも、『北の国から』や『ちい散歩』で見たことはあるけど、映画は観た記憶がないねぇ」

「この映画では、サングラスにスリーピース(三つ揃い)スーツと、まるで石原裕次郎(いしはら ゆうじろう)演じる『太陽にほえろ!』のボスばりの格好で出てきとってんじゃ」

「へぇ。そりゃ見てみたいねぇ…」

「この映像の、2分36秒あたりから見てもらおうかの…」


「電撃!!ストラダ5 「地獄部隊をやっつけろ!」1 」YouTube


「おぉっ! なんかハードボイルドっぽいね。それにしても、うちが知っとる地井武男のイメージとは大違いじゃ」

「確かにのう。地井武男は、オリオン・殿村幻次郎(ストラダ2)役で出演されとってんじゃ」

「この『電撃!!ストラダ5』って、子ども向けの特撮番組?」

「『ストラダ5』は、1974年(昭和49年)に日活が製作した、「特撮ヒーロー風アクションドラマ」(ウィキペディアより)なんよ。日活がこのテの番組を手がけたのは後にも先にもこの作品だけなんじゃの」

「監督も日活の監督さん?」

「『ストラダ5』を担当された監督のほとんどが、日活ロマンポルノの監督もされとったんよ。ちなみに、第1話「地獄部隊をやっつけろ!」の監督をされたのが、映画『濡れた荒野を走れ』の監督も担当された澤田幸弘(さわだ ゆきひろ)」

「ということは、日活の女優さんも出演されとってん?」

「ストラダ5の一員、アンドロメダ・星カオリ(ストラダ5)を演じた山科ゆり(やましな ゆり)も、映画『濡れた荒野を走れ』を始めとする日活ロマンポルノに出演されとってんじゃ」


初期の日活ロマンポルノの主力の一人として主役から助演まで幅広く活躍。
純情派として高校生役などを得意とした。
同時期にロマンポルノに出演していた風間杜夫との共演が多く、風間のロマンポルノ出演14作品中8作品で共演している。

(「山科ゆり」ウィキペディア)



「えー! 風間杜夫(かざま もりお)も、日活ロマンポルノに出演されとったん?」

「「風間杜夫」の芸名で映画デビューしたのは、1972年(昭和47年)の日活ロマンポルノじゃったそうな」

「うーん。今日は知らんでもえかった話が出てくるねぇ」

「『ストラダ5』といえば、日活のスター・宍戸錠(ししど じょう)も司令官・ジュピター役で出演されとってんじゃ」

「エースのジョー!」

「『スターウルフ』(円谷プロ 1978年)では、キャプテン・ジョウ役で出演されとってんじゃの」

「『ストラダ5』には、ほかにどんな方が出演されとってん?」

「この番組が終わった4カ月後に始まる『仮面ライダーアマゾン』(毎日放送・NET 1974年)で主演する岡崎徹(おかざき とおる)が、ペガサス・堀田貫介(ストラダ1)役。
『これが青春だ』(東宝・日本テレビ 1966年~67年)などに生徒役で出演する剛達人(ごう たつひと)が、アポロ・竹中一念(ストラダ3)役。
そして、『ワイルド7』(国際放映、日本テレビ 1972年~73年)で主役の飛葉大陸(ひば だいろく)を演じた小野進也(おの しんや)が、ルナ・宝木正(ストラダ4)役で出演されとるんじゃ」

「主題歌を歌うとる、チャーリー・チェイって、誰? 外国の人?」

「チャーリー・チェイより、チャーリー・コーセイという芸名の方が有名じゃろうの」

「おぉ、『ルパン三世 TV第1シリーズ』(1971年~72年)で主題歌を歌われとった方じゃん!」

「アメリカと中国のハーフで、神戸生まれの神戸育ちじゃそうな」


足元にからみつく
赤い波を蹴って マシンが叫ぶ

(「ルパン三世その2」作詞:東京ムービー企画部)






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CHARLIE KOSEI チャーリー コーセイ





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↓「生きつづけるロマンポルノ 日活創立100周年記念」についての関連記事は、こちら↓

生きつづけるロマンポルノ 日活創立100周年記念 シネツイン本通り





「今日は、シネツイン本通りの「生きつづけるロマンポルノ 日活創立100周年記念」で上映されている映画『濡れた荒野を走れ』について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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