作家で脚本家の
平岩弓枝(ひらいわ ゆみえ)さんが
6月9日、亡くなられました。
91歳でした。
今日は、
平岩弓枝さん
についての話でがんす。
平岩さんは1932年、東京にある
代々木八幡宮の宮司(ぐうじ)の
一人娘として生まれる。
1955年、日本女子大学を卒業した後、
動物作家で児童文学作家の
戸川幸夫(とがわ ゆきお)さん
に師事した後、小説家の
長谷川 伸(はせがわ しん)さん
主宰の新鷹会(しんようかい)に入会。
長谷川さんからは、
「ストーリーではなく、人間を描け」
といわれる。
1959年、『鏨師(たがねし)』で
第41回直木賞を受賞。
その平岩さんに
テレビドラマの脚本の依頼があり、
長谷川さんに相談すると、
「君は会話を書くのが下手だ」と言われ
その訓練のために脚本の仕事を受けた
という。
脚本家としての平岩さんは、
『渡る世間は鬼ばかり』
の名プロデューサー
石井ふく子(いしい ふくこ)さん
と組んで
『肝っ玉かあさん』
『ありがとう』
などの脚本を手がける。
『肝っ玉かあさん』は、
1968年4月から1972年1月にかけて
3シリーズがTBSで放送された。
京塚昌子(きょうづか まさこ)さんが
しっかり者で涙もろい母親役を熱演。
木曜の夜8時からの放送だったので
おふくろと一緒に観たが、本編よりも
佐良直美(さがら なおみ)さん
が歌う主題歌の方が記憶に残っている。
↓『肝っ玉かあさん』主題歌については、こちら↓
「肝っ玉かあさん」YouTube
『ありがとう』は、
1970年4月から1975年4月にかけて
4シリーズがTBSで放送された。
第1~3シリーズは、
山岡久乃(やまおか ひさの)さんと
水前寺 清子(すいぜんじ きよこ)さん
の母と娘の日常生活と、
石坂浩二(いしざか こうじ)さんとの
恋愛話という話だったと記憶する。
第2シリーズの
看護婦編が好きだったかな。
歌手に専念したい水前寺さんを、
石井プロデューサーが
TBS内の女子トイレで待ち構えて口説き
テレビドラマに出演させたのは
有名な話。
↓『ありがとう』主題歌については、こちら↓
「ありがとうの歌 水前寺清子」YouTube
小説家としての平岩さんは
数多くの本を書いておられるが、
残念ながらわしは
ほとんど読んだことがない。
読了したのは、
『南総里見八犬伝
(なんそうさとみはっけんでん)』
(中央文庫 1995年)、
『私家本 椿説弓張月
(しかぼん ちんせつ ゆみはりづき)』
(新潮文庫 2014年)
の2冊くらいか。
『南総里見八犬伝』は、
NHK人形劇『新八犬伝』の小説版が
2017年に角川文庫から再発されたとき、
お手軽に読める初心者向けの入門書
を探したときに出会った一冊。
原作は、全98巻、106冊という
日本古典文学中最大の長編小説なので、
物語を一冊にまとめるだけで
大変だったと思う。
『私家本 椿説弓張月』は、
『新八犬伝』の中に
流用された部分があったので、
やはり初心者向けの入門書を探したら、
専門書でなく一般向けに書かれた
唯一の本(?)がこの本だった。
ちなみに、
『南総里見八犬伝』、
『椿説弓張月』とも
曲亭馬琴(きょくてい ばきん)が
江戸時代後期に書いた物語である。
↓NHK人形劇『新八犬伝』についての関連記事は、こちら↓
祝!放送開始50年、NHK人形劇『新八犬伝』
以下、余談。
平岩さんの恩師にあたる
長谷川 伸さんは、
今では知る人が少ない
股旅物(またたびもの)の作者として
有名な方。
股旅とは、
渡世人(とせいにん)、
いわゆるヤクザのこと。
そのヤクザを、
人々から慕われるヒーローではなく、
世間に顔向けできない日陰者
として描いた。
代表作としては、
『関の弥太ッぺ(せきのやたっぺ)』
『瞼の母(まぶたのはは)』
『沓掛時次郎(くつかけときじろう)』
などがある。
長谷川さんの功績のひとつが
優秀な弟子を輩出したこと。
山岡荘八(やまおか そうはち)
池波 正太郎(いけなみ しょうたろう)
井手雅人(いで まさと。
黒澤 明監督『赤ひげ』の脚本家)
などがいる。
【参考文献】
春日太一『時代劇入門』角川新書 2020年 216ページ
「市井の人々の心 書き続ける-評伝・平岩弓枝さん」中国新聞 2023年6月19日
今日は、
平岩弓枝さん
について話をさせてもろうたでがんす。
ほいじゃあ、またの。
平岩弓枝(ひらいわ ゆみえ)さんが
6月9日、亡くなられました。
91歳でした。
今日は、
平岩弓枝さん
についての話でがんす。
平岩さんは1932年、東京にある
代々木八幡宮の宮司(ぐうじ)の
一人娘として生まれる。
1955年、日本女子大学を卒業した後、
動物作家で児童文学作家の
戸川幸夫(とがわ ゆきお)さん
に師事した後、小説家の
長谷川 伸(はせがわ しん)さん
主宰の新鷹会(しんようかい)に入会。
長谷川さんからは、
「ストーリーではなく、人間を描け」
といわれる。
1959年、『鏨師(たがねし)』で
第41回直木賞を受賞。
その平岩さんに
テレビドラマの脚本の依頼があり、
長谷川さんに相談すると、
「君は会話を書くのが下手だ」と言われ
その訓練のために脚本の仕事を受けた
という。
脚本家としての平岩さんは、
『渡る世間は鬼ばかり』
の名プロデューサー
石井ふく子(いしい ふくこ)さん
と組んで
『肝っ玉かあさん』
『ありがとう』
などの脚本を手がける。
『肝っ玉かあさん』は、
1968年4月から1972年1月にかけて
3シリーズがTBSで放送された。
京塚昌子(きょうづか まさこ)さんが
しっかり者で涙もろい母親役を熱演。
木曜の夜8時からの放送だったので
おふくろと一緒に観たが、本編よりも
佐良直美(さがら なおみ)さん
が歌う主題歌の方が記憶に残っている。
↓『肝っ玉かあさん』主題歌については、こちら↓
「肝っ玉かあさん」YouTube
『ありがとう』は、
1970年4月から1975年4月にかけて
4シリーズがTBSで放送された。
第1~3シリーズは、
山岡久乃(やまおか ひさの)さんと
水前寺 清子(すいぜんじ きよこ)さん
の母と娘の日常生活と、
石坂浩二(いしざか こうじ)さんとの
恋愛話という話だったと記憶する。
第2シリーズの
看護婦編が好きだったかな。
歌手に専念したい水前寺さんを、
石井プロデューサーが
TBS内の女子トイレで待ち構えて口説き
テレビドラマに出演させたのは
有名な話。
↓『ありがとう』主題歌については、こちら↓
「ありがとうの歌 水前寺清子」YouTube
小説家としての平岩さんは
数多くの本を書いておられるが、
残念ながらわしは
ほとんど読んだことがない。
読了したのは、
『南総里見八犬伝
(なんそうさとみはっけんでん)』
(中央文庫 1995年)、
『私家本 椿説弓張月
(しかぼん ちんせつ ゆみはりづき)』
(新潮文庫 2014年)
の2冊くらいか。
『南総里見八犬伝』は、
NHK人形劇『新八犬伝』の小説版が
2017年に角川文庫から再発されたとき、
お手軽に読める初心者向けの入門書
を探したときに出会った一冊。
原作は、全98巻、106冊という
日本古典文学中最大の長編小説なので、
物語を一冊にまとめるだけで
大変だったと思う。
『私家本 椿説弓張月』は、
『新八犬伝』の中に
流用された部分があったので、
やはり初心者向けの入門書を探したら、
専門書でなく一般向けに書かれた
唯一の本(?)がこの本だった。
ちなみに、
『南総里見八犬伝』、
『椿説弓張月』とも
曲亭馬琴(きょくてい ばきん)が
江戸時代後期に書いた物語である。
↓NHK人形劇『新八犬伝』についての関連記事は、こちら↓
祝!放送開始50年、NHK人形劇『新八犬伝』
以下、余談。
平岩さんの恩師にあたる
長谷川 伸さんは、
今では知る人が少ない
股旅物(またたびもの)の作者として
有名な方。
股旅とは、
渡世人(とせいにん)、
いわゆるヤクザのこと。
そのヤクザを、
人々から慕われるヒーローではなく、
世間に顔向けできない日陰者
として描いた。
代表作としては、
『関の弥太ッぺ(せきのやたっぺ)』
『瞼の母(まぶたのはは)』
『沓掛時次郎(くつかけときじろう)』
などがある。
長谷川さんの功績のひとつが
優秀な弟子を輩出したこと。
山岡荘八(やまおか そうはち)
池波 正太郎(いけなみ しょうたろう)
井手雅人(いで まさと。
黒澤 明監督『赤ひげ』の脚本家)
などがいる。
【参考文献】
春日太一『時代劇入門』角川新書 2020年 216ページ
「市井の人々の心 書き続ける-評伝・平岩弓枝さん」中国新聞 2023年6月19日
今日は、
平岩弓枝さん
について話をさせてもろうたでがんす。
ほいじゃあ、またの。