通でがんす

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映画『用心棒』 広島市映像文化ライブラリー

2012年10月15日 | まんが・テレビ・映画
「おとつい(2012年10月13日(土))は、黒澤明(くろさわ あきら)監督の『用心棒』(1961年)を観に、広島市映像文化ライブラリーへ行ってきたんよ」

「『用心棒』といえば、ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが共演した、『ボディガード』(1992年)じゃね」

「おぉ。映画の中で、人気歌手・レイチェル(ホイットニー)と彼女のボディガード・フランク(ケビン)が、この映画を観るシーンがあったのう」

「「ボディガード=護衛=用心棒」じゃもん」

「『ボディガード』というタイトル自体、『用心棒』がアメリカ公開された時の英語タイトルじゃったんよ。クリント・イーストウッドの出世作となった『荒野の用心棒』(セルジオ・レオーネ監督 1964年)はこの映画の盗作といわれて、のちに裁判沙汰になったこともあるんじゃ」

「ホイットニー・ヒューストンは、今年の2月に亡くなられたね」

「いやー、わしとホイットニーが同じ歳(1963年生まれ)とは知らんかったのう」

「『ボディガード』でも使われた『I will always love you』も大流行したね」


映画内で警護対象のレイチェル・マロンとして出演しているホイットニーが歌うこの曲が印象的に使用されており、1992年11月のシングル・アルバム発売以降、ビルボード・ミュージック・アワードのTop Hot 100 Single of the Year をはじめ、グラミー賞、アメリカン・ミュージック・アワード、ワールド・ミュージック・アワード、MTVムービー・アワードなどの賞を総なめにし、1993年1月にはアメリカ国内売り上げが400万枚(プラチナ4回相当)、イギリス国内売り上げが130万枚(プラチナ2回相当)に達したり、日本でも180万枚を記録し、サウンドトラックが全世界で4200万枚を売り上げるなど、一大ヒットを記録した。
また、全米シングルチャートで14週連続1位と言う記録も樹立している。

(「オールウェイズ・ラヴ・ユー」ウィキペディア)



「ご冥福をお祈りします」





「わしが『用心棒』という映画を知ったのは、石ノ森章太郎(いしのもり しょうたろう)の『マンガ家入門』(秋田書店 1965年)という本でなんじゃ」

「「映画が面白かった」と書いてあったん?」

「この本は、『マンガ家入門』というタイトルから分かるとおり、漫画家を志す人たちに向けて書かれた本なんじゃの」

「小さいころのお父さんは、これを読んで、漫画を描いていたと…」

「この本の「第2部 テクニック編」で、自分の作品『龍神沼』(1961年)を手本に、このコマにはどういう意図があって、どういう表現を使っているか、というのを解説されとってんじゃ」


この「龍神沼」については、自著「マンガ家入門」の中でストーリーマンガを描くテキスト用として作者自らが詳しく解説を書いており、マンガ家を目指し「マンガ家入門」を愛読した人にとっては忘れられない作品であろう。
それを読むと、計算され無駄のないコマ割りに、映画的な構図や演出を駆使して、微妙で繊細な心理描写を描き出していることがよく分かる。
石ノ森作品中、最も完成度の高い作品のひとつである。

(福田淳一「解説」 石ノ森章太郎『龍神沼』メディアファクトリー 1999年3月)



「そういや、『用心棒』、『龍神沼』とも1961年(昭和36年)の作品じゃね」

「『用心棒』が4月25日に東宝系で公開されて、『龍神沼』は『少女クラブ』の夏休み臨時増刊号に掲載された読み切り作品なんよ。ということは、『龍神沼』は『用心棒』を観た直後くらいに描かれた作品じゃないんかの」





「この映画には、藤田進(ふじた すすむ)が出演されとってんじゃ」

「主役の三船敏郎(みふね としろう)でも、仲代達矢(なかだい たつや)でものうて、藤田進?」

「藤田進といえば、『ウルトラセブン』(円谷プロ、TBS 1967年~68年)では地球防衛軍のヤマオカ長官役、『帰ってきたウルトラマン』(円谷プロ、TBS 1971年~72年)では、地球防衛庁の長官にして岸田隊員(演:西田健(にしだ けん)の叔父にあたる岸田長官役をされとった方じゃ」

「お父さんのことじゃけぇ、そんなことじゃと思うたよ…」

「跡目相続をめぐって、馬目の清兵衛と新田の丑寅の2人の親分が対立しとる宿場町に、桑畑三十郎という浪人者がふらりとやってくるんよ。一計を案じた三十郎は、丑寅の親分のところへ売り込みに行き、五十両で雇われることになるんじゃ」

「藤田進は、どんな役で出演されとってん?」

「同じく丑寅の親分に雇われとる用心棒・本間先生役なんよ」

「1人の親分に、用心棒が2人?」

「ほうなんよ。先に雇われた本間先生が、丑寅の親分と三十郎の前で「自分は1両2分(ぶ)しかもらっていない」とすねるシーンもあるんじゃがの」

「そりゃ、仕方がない。でも、いざとなったら、この本間先生も大活躍をするんじゃろ?」

「ところがどっこい。いざ出入りの時に、この本間先生はさっさと逃げ出すんじゃ」

「えぇ!?」

「それを見ていた三十郎に、ニヤッと笑って手を振りながら」

「ふつうの映画なら、「貴様、どこへ行く?」「いや、拙者は…」と、やりとりがありそうなもんじゃけどね」

「それが、悪びれた様子もなく、言い訳もせずに逃げていくんじゃの。「拙者は、これにてごめん」という感じで」

「うーん、そういう用心棒もおってんじゃね」





↓黒澤明については、こちら↓

AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS





↓石ノ森章太郎については、こちら↓

石ノ森萬画館





↓広島市映像文化ライブラリーについては、こちら↓


広島市映像文化ライブラリー





「今日は、広島市映像文化ライブラリーで上映された映画『用心棒』について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
コメント
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