通でがんす

いろんな広島を知って、ひろしま通になりましょう!
(旧ブログタイトル:通じゃのう)

7人でこぐ自転車!? カンファレンスバイク

2017年11月27日 | 広島の話題
「昨日は、ヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)に展示してあったマツダ RX500を紹介したんじゃが、今日はカンファレンスバイクを紹介してみようと思う」

「カンファレンスバイク?」







ドイツ生まれの楽しい自転車!
『カンファレンスバイク』

<車両概要>
全長:2.3m 全幅:1.8m 重量:220kg

カンファレンスバイクは、広島市の姉妹都市ドイツ・ハノーバー市からやってきた自転車で、7人が力を合わせてペダルをこいで進みます。
7人が中央を向き合うことから、カンファレンス(conference:英語で会議の意)の名前が付いています。
横向きや後ろ向きで自転車をこぐのは、これまでにない感覚で、非常に楽しい自転車です。
なおこのたびの展示は、広島電鉄株式会社のご協力をいただきました。

(説明板より)






「車輪が3つで、サドルとペダルが7つずつある。確かに7人乗りじゃね」

「全員が内側を向いて座って、ペダルをこいで進んでいくという、なんとも不思議な乗り物じゃ」

「真ん中にある黄色の輪っかを掴んで、自転車をこいでんじゃろうね」

「ほいで、奥のサドルに座った人が、シルバーのハンドルを使って進む方向を決めるんじゃと思うで」

「奥のサドルに座った人にとっては、自転車がまっすぐに進むんじゃろうけど、その他の人は、横に進んだり、後ろに進んだりと、色々なんじゃろうね」

「そのあたりが、この自転車の面白いところじゃと思うんじゃが」

「それにしても、自転車をこいでいる人が、お互いに顔を合わせるように座るという発想が、すごい」

「自転車に乗ってまでも、顔を突き合わせて「カンファレンス=会議」をするというのが、日本人にはない発想じゃの」

「日本人じゃったら、2人乗りか3人乗りの自転車に乗って、同じ方向を見て、「あぁ、あの景色きれい」って言うのが楽しいんじゃろうね」

「それにしても、すごいというか、斬新というか…」

「とにかく日本にはない発想の乗り物じゃね」

「頭の中で考えるのは日本人でもできるじゃろうが、形にして商品化してしまうところが日本とは違うよのう」

「うーん。ドイツ、恐るべし」







「自転車の中央からサドルの下に伸びとる黄色のシャフトがくるっと回って、タコの足のようにも見えるね」

「タコの足は8本で、この自転車は7人乗り。末広がりの「8(八)」と、ラッキーセブンの「7」。このあたり、日本人と西洋人の数字に対する感覚の違いがあるかもしれんの」

「もし、日本で作ったら8人乗りじゃったかもしれんかったと?」

「かもしれん。…といいながら、よくよく調べてみると、ドイツでは「4」もラッキーナンバーなんじゃそうな」

「「4」かぁ…。四つ葉のクローバーが幸運のお守りというのも、このあたりに関係してくるんかね?」

「かもしれんよのう…」







「中央にギアみたいなもんが付いとるけど?」

「7人じゃったらギアを重くしてもこげるが、1人で乗るときはギアを軽くしとかんとこぎづらいとか、何かの理由で付いとると思うんじゃが、その理由が何かは分からん」





↓カンファレンスバイクの動画については、こちら↓

「7人乗り自転車「カンファレンスバイク」に乗ってみた」YouTube





訪問日:2017年11月19日





「今日は、ヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)に展示してあるカンファレンスバイクについて話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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マツダ RX500

2017年11月26日 | 広島の話題
「先日、久しぶりにヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)に行ったら、マツダ RX500が展示してあった」

「RX500? 聞いたことないね」

「わしゃ話だけは聞いたことがあるんじゃが、見たのは今回が初めてじゃ」






RX500 基本スペック

全長:4330mm
全幅:1720mm
全高:1065mm
乗員定員:2名
車両重量:850kg
種類:10A 2ローターロータリーエンジン
   491cc×2MR
燃料:ガソリン
最高出力:250PS/7000rpm
最高速度:200km/h以上
トランスミッション:4速MT

1970年の第17回東京モーターショーに展示されたコンセプトカー。
鋼管スペースフレームをFRPとABS・PCアロイのボディーが覆う。
ペリフェラルポートに改造した10Aロータリーエンジンをミッドシップに搭載し、4輪とも4ポッド・ベンチレーテッド・ディスクを搭載している。

(説明板より)






↓ヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)については、こちら↓

Numaji Transportation Museum/ヌマジ交通ミュージアム





「順番に話を進めていくと…、今から50年前の1967年(昭和42年)5月30日、世界で初めてロータリーエンジンを搭載した自動車・コスモスポーツが発売された」

「50年前かぁ」



コスモスポーツ
(撮影日:2011年7月24日)


「そのコスモスポーツの後継モデルとして、また、マツダ創立50周年記念車として開発が始まったのがRX500。余談じゃが、「500」はマツダ創立50周年を意味しとるそうじゃ」

「マツダはもともとコルクを作る会社、東洋コルク工業株式会社として創業されたんじゃったね」

「創業が1920年(大正9年)で、のちに、三輪トラック(マツダ号DA型)、そして戦後の1960年(昭和35年)に自動車(R360クーペ)の生産を始めたんじゃの」

「RX500の話に戻すと…、今から47年前の1970年の東京モーターショーに展示された」

「…んじゃが、このRX500、試作車が1台作られただけで、その後、お蔵入りになっとった」

「なんで?」

「全長4330mm×全幅1720mm×全高1065mmのボディが、当時としては大きすぎたためといわれとる」

「そのRX500が、なんでここに展示してあるん?」

「倉庫でほこりをかぶっとったRX500の試作車を、2008年、広島市交通科学館がマツダと交渉してレストア、復元して蘇らせたそうじゃ」







「今は埋め込み式のヘッドライトがついとるが、最初は試作車ということでライトがついとらんかったそうじゃ」







「ドアをよく見ると、天井まで切り欠きが入っとった」

「これって、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』に出てきたデロリアン(DMC-12)の、ガルウィングドアってやつ?」

「ガルウィングは「カモメが翼を広げた」ような開き方をするんじゃが…」

「確かに、「カモメが翼を広げた」ような開き方をするね」

「RX500のんはバタフライドアいうて、ドアを外側斜め前方に持ち上げて内側が下に開く、「チョウの羽」のような形に見えることからこの名前で呼ばれとるそうじゃ」

「ふーん」

「バタフライといえばランボルギーニ・カウンタックでも採用されとるんじゃが、カウンタックのデザインが発表が1971年じゃけぇ、RX500の方が早いんじゃの」





↓車の上がるドアについては、こちら↓

「知ってる? 車のユニークすぎるドア7種類!!特徴を徹底解説!」カーナリズム







「この角度から見ると、デロリアンに似とるかね」

「リアは中央から外側に向かって開くようになっとるようじゃ」







「後姿は、SF映画に出てきてもおかしゅうないような表情をしとる」

「1、2、…6個。ライトがたくさんついとるね」







「熱対策と思われるんじゃが、ボデーやフェンダーミラーにエアインテーク(吸気口)というか、空気の通り道が作ってあったのう」





↓マツダ RX500については、こちら↓

「マツダRX-500開発秘話トークショー」CG CLUB イベントレポート





訪問日:2017年11月19日





「今日は、ヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)に展示してあるマツダ RX500について話をさせてもらいました」

「そういや昨日の中國新聞に、ロータリーエンジンを搭載した1969年式のマツダ ルーチェロータリークーペのレストア(復元)作業を公開したいう記事が出とったのう」

「技術を継承していくという意味で、2015年から年に1台ずつレストアに取り組んどられるそうじゃね」

「この作業は、来年1月に完了する予定じゃそうな。ほいじゃあ、またの」
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広島市民に配給された軍事物資

2017年11月19日 | 広島の話題
「今日、11月18日から22日まで、サロンシネマで映画『仁義なき戦い(シリーズ第1作)』が上映されとる」

「主役の菅原文太(すがわら ぶんた)さんが亡くなった、戦後70年じゃいうて、最近は映画『仁義なき戦い』(1973年~1974年 全5作。以下、『仁義なき』と略す)をよう上映しとってじゃね」

「今回は、修道大学映画研究会の主催での上映会じゃ」





↓サロンシネマについては、こちら↓

広島の映画館サロンシネマ、八丁座





「それはともかく、『仁義なき』は『この世界の片隅に』(以下、『片隅に』と略す)と現在とをつなぐ作品でもあるんじゃの」

「『片隅に』が、『仁義なき』を通じて現在につながっている…?」

「『片隅に』は戦争の負けた翌年の1946年(昭和21)、すずさんは自分を見つけてくれた周作さんに感謝しながら、戦災孤児の少女を連れて呉の実家に帰るところで終わっとる」

「『仁義なき』は、その戦後の混乱期から話が始まるんよね」

「『仁義なき』で菅原さんが演じた主役・広能昌三((ひろのう しょうぞう)こと美能幸三(みのう こうぞう)は1926年(昭和元)生まれ」

「すずさんは、ひとつ年上の1925年(大正14)生まれで、同世代か」

「戦後の混乱期いうことで、どっちも戦後の闇市が出てくるじゃろ」

「そういや、なんで『仁義なき』は呉(くれ)と広島が舞台になったんじゃろ?」

「理由のひとつに、呉と広島には軍隊があって、その物資が残されとったというのがある」

「軍隊の物資?」

「呉には、東洋一と呼ばれた海軍工廠(かいぐんこうしょう)があった」

「戦艦大和を建造したのも、ここ呉海軍工廠じゃったよね」

「北條周作のお父さん、円太郎さんが勤められとったのが、呉より東にあって、主に航空機開発を担った広(ひろ)海軍工廠じゃったんじゃの」

「なるほど」

「あと、広島には陸軍の被服支廠(ひふくししょう)、兵器支廠(へいきししょう)、糧秣支廠(りょうまつししょう)があった」

「被服=着るもの、兵器=武器、糧秣=食べるものと、これだけで一通りのものが揃うよね」

「戦争に負けると、負けた国の軍隊は解体される」

「すると、軍隊が持っていた物資だけが残される…」

「敗戦の混乱に乗じて、その物資目当てに、全国から復員くずれ、チンピラ、愚連隊なんかが集まってくる」

「旧軍隊が持っとった物資をめぐって、仁義なき戦いが繰り広げられたと…」

「その一部が戦後の闇市で売られたりしたんじゃの」

「具体的に、どのくらいの量があったんじゃろ?」

「広島市で、戦後初の公選市長になった浜井信三(はまい しんぞう)さんの著書『原爆市長 復刻版』に書いてあるけぇ、そこから見てみようか」





↓浜井信三『原爆市長 復刻版』(2011年 原爆市長復刻刊行委員会)については、こちら↓

「原爆市長 復刻版」amazon





「1945年8月6日、広島市へ原子爆弾が投下されたとき、浜井さんは広島市役所で配給課長をされとられた」

「戦争中で物のない時代に配給課長とは、大変なお役目じゃったね」

「戦争が終わった直後は夏じゃったけぇ、服や夜寝る布団がのうてもそれほど困らんかったが…」

「秋になって肌寒くなってくると、困るよねぇ」

「自分の家族の分だけならまだしも、広島市民にいきわたるだけの大量の衣料を手に入れるのは、正規のルートからでは不可能じゃった」

「そこで軍隊の物資に目をつけられたというわけ?」

「そのとおり! 陸軍から軍服を1万梱(こうり)、払い下げてもらうことになったんじゃの」

「梱?」

「「梱包」の「梱」の字を書く。荷づくりした荷物のことを、「梱」とか「行李」とか呼ぶんじゃが…」

「行李は聞いたことがあるね」

「ひとりの人間が軍隊に入隊したときに支給される服や帽子、靴や下着が、上から下まで、夏服から冬服まで一式入ったものが1万人分あったんじゃ」

「えー、1万人分もあったん?」

「本当は10万人分あったそうじゃが」

「10万人分って…。うーん、あるところにはあるんじゃね」

「そのうちの1万人分を払い下げてもらうことになった」

「それはどこにあったん?」

「賀茂郡(かもぐん。現:東広島市)西条町(さいじょうちょう)川上村に疎開させとったのを、広島市まで運んでこられたんじゃ」

「川上村って、近くの鉄道、八本松駅からもけっこうな距離があるよね」

「1万人分を運んで広島市民に配給するだけでも、運搬手段の少ない敗戦直後は大仕事じゃったはずじゃ」

「ご苦労様でした」





「広島市民は復員軍人だらけだ」

当時、広島市を訪れた人たちは、そういって目をみはったものである。

(浜井信三『原爆市長 復刻版』(2011年 原爆市長復刻刊行委員会))






「今日は、「広島市民に配給された軍事物資」ということで、敗戦直後の1945年秋、1万人分の軍服が広島市民に配給されたことについて話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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実物大ダンボールSL JR広島駅北口

2017年11月17日 | 広島の話題


広島駅北口1階コンコースにて


「ドドーン!!」

「おぉぉっ!? 茶色のSLってアリ?」

「茶色のSLじゃのうて、ダンボールで作った実物大のSLなんじゃ」

「ダンボールで実物大って、すごい!」

「すげぇよのう」

「なんでまたこんなものを作っちゃったん?」

「JR西日本で、今年9月から12月まで行われとる「幕末維新 やまぐちデスティネーションキャンペーン」の一環」

「SL、山口いうたら、春から秋にかけての週末、SLやまぐち号を新山口駅から津和野駅の間で運行しとってじゃね」

「その山口線で、44年ぶりにSL D51が復活運転するのを記念して、実物大ダンボールSLが製作されたんじゃそうな」

「いつまで展示してんかね?」

「来週の月曜、20日まで。今週末の18日・19日は、駅長の制服を着ダンボールSLと一緒に写真を撮ることができる「子ども駅長制服写真撮影会」もあるんじゃと」





↓実物大ダンボールSLについては、こちら↓

「全国初の鉄道駅での開催! 実寸大ダンボールSL広島駅で展示!」JR西日本








「どれくらいの大きさがあるんかね?」

「全長20メートルで幅が3メートル、高さは4メートルあるそうじゃ」





↓実物大ダンボールSLについては、こちら↓

「広島駅 段ボールデゴイチ展示 実物大で」毎日新聞








「ヘッドマークは、SLやまぐち号のものが取り付けられとる」





↓SLやまぐち号については、こちら↓

SL「やまぐち」号 「貴婦人」に乗りこんで2時間のレトロ旅に出かけよう








「見上げてみると…」

「おぉ、天井に当たりそうなね」

「このあたりは、天井に当たらんように置き場所を工夫されとってんじゃろうの」








「ダンボールとはいえけっこうな重量があるけぇ、場所によっては支えがしてあった」

「重さが1.5トンもあるんじゃけぇね」








「見づらいが、運転席も作りこんであった」

「…小そうてよう見えんけど、何か書いてあるよ。九州…」

「九州ダンボール株式会社」

「そこで作られたんかね?」

「じゃろうの。会社のHPを見てみると、ダンボール製のSLが載っとったで」

「へぇ~。クリスマスツリーや迷路、鳥居まで作っとられるんじゃね」

「今回の実物大ダンボールSLは、ダンボール工芸家の島英雄さんが、中古の段ボール4000個を使って10時間かけて組み立てられたそうじゃ」

「10時間かぁ…、すごいね」

「ほいじゃが、それがたった1週間しか展示されんいうのは、もったいない気がするよのう」





↓九州ダンボール株式会社については、こちら↓

九州ダンボール株式会社





撮影日:2017年11月15日





「今日は、JR広島駅北口に展示されている実物大ダンボールSLについて話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」
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祝! 公開1周年記念 映画『この世界の片隅に』

2017年11月12日 | まんが・テレビ・映画
「今日、2017年11月12日は、映画『この世界の片隅に』の劇場公開が始まって1年になるんじゃの」

「1年って、もうそんなになるかいね?」

「最初は63館での上映じゃったのが、今では累計380館で上映されて、動員数が200万人、興行収入が26億円という大ヒット作品になっとるんじゃ」

「広島じゃ、八丁座でまだ上映しよってよね」

「調べてみたら、東京・大阪・福岡などでも上映しよってじゃそうな」

「すごい!」

「で、今日からの上映は、一般発売のBD(ブルーレイディスク)・DVD用に作画や彩色などを一部手直ししたものを、劇場用に焼き直した素材での上映になるそうじゃ」

「そういや、完全版を作るという話も聞いたけど…」

「当初の絵コンテに沿った完全版の制作が、今年の8月から進行中なんじゃと」





↓映画『この世界の片隅に』については、こちら↓

ロングラン上映中! 劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」公式サイト







「2012年8月、この映画の制作発表がされたんじゃが、わしが初めてポスターを見たのは、2013年3月、呉の大和ミュージアムでじゃ」

「「制作準備進行中」って書いてあるよ」

「こういうのはふつう、「制作進行中」とか書いてあるんじゃが、このポスターには「制作“準備”進行中」とあった」

「実際に作業を進めていますよ、じゃのうて、制作にかかるための準備を進めていますよ、というわけじゃね」

「ほいじゃけぇ、「こりゃ公開までまだまだ時間がかかるんかのう」と思うたんじゃの」

「確かに、2013年3月から映画が公開になった2016年11月までは、3年半くらいかかっとるね。で、片渕監督は、いつごろからこの映画に関わっとられるん?」

「「1300日の記録」によると2010年8月6日が始まりとなっとるんじゃが、実際にはこの年の5月から、映画制作用のロケハンや資料を集めるため、広島や呉に通っておられたそうじゃ」





↓片渕監督の「1300日の記録」については、こちら↓

「1300日の記録[片渕須直]」WEBアニメスタイル







「そんな中、比治山大学で特別講演「アニメーション監督 片渕須直の世界」があったけぇ、見に行ってみた」

「あぁ、原作者のこうの史代さんがこの短大の美術科で客員教授をしよってじゃね」

「会場には、片渕監督の過去の作品の設定やシナリオ、セル画なんかが展示してあったんじゃの」

「片渕監督のトークショーがあって、その時点での完成映像の一部も見せてもろうたんじゃろ」

「トークショーの最後に質問コーナーがあって、「呉湾に浮かぶ艦艇の音は、すずさんにどんな感じで聞こえたのでしょうか?」って質問させてもろうたんじゃ」

「高台から見おろす呉湾に浮かぶ艦艇って、やっぱり絵になるもんね」

「わしとしては、大和が動くときの音を実際の乗組員の方から聞いてきたとか、再現したものをどっかから探してきて、みたいな苦労話を期待しとったんじゃが…」

「じゃが…?」

「片渕監督は、しばし沈黙の後、「当日の天気がこうで、呉湾の広さがこれくらいで、すずさんがおっての高台がこれくらいの高さだから、こんな感じに響いてすずさんの耳に届いたのでは…」と、丁寧に具体的に細かいところまで返事をしてもろうて、こっちの方が恐縮するくらいじゃった」

「ほぉ。片渕監督はそのくらい細かいところまで考え抜いて映画を作られとられとってんじゃね」





↓特別講演「アニメーション監督 片渕須直の世界」については、こちら↓

「特別講演「アニメーション監督 片渕須直の世界」を開催します! (美術科)」比治山大学





↓特別講演「アニメーション監督 片渕須直の世界」のころの片渕監督については、こちら↓

「第49回 広島の夜は2度ふけて」1300日の記録[片渕須直]





「こうして製作“準備”は進んでいったんじゃが、実際に製作するための資金が足りんかった」

「で、例のクラウドファンディングをされたんじゃね」

「スタッフの確保やパイロットフィルムの制作を目的に、2015年3月、クラウドファンディングを初めて、当初目標の2000万円をはるかに超える3912万円を集められたんじゃ」

「ははあ、これを元手に映画を作られたわけじゃないんじゃね」

「スタッフの確保とパイロットフィルムを作るためのお金を集めるためにクラウドファンディングをされとってんじゃ」

「なるほど」

「実際には、上映時間150分で制作費4億円というお金が必要じゃったんじゃが、これは無理じゃろうということになった。そこでプロデューサーとの話し合ったうえでストーリーを整理して、製作費2億5000万円に抑えて制作されとってんじゃの」

「ははぁ。さっき完全版の話をしたけど、最初の上映時間150分のものを今、制作中しよってんじゃね」

「とはいうても、それなりに時間をかけて作りあげていきたいということで、これまた日の目を見るまで時間がかかりそうじゃ」





「で、ちょうど1年前の今日、2016年11月12日、映画『この世界の片隅に』の劇場公開が始まったんじゃの」

「公開1周年記念ということで、八丁座では11月24日に片渕監督の舞台挨拶を予定しとってんじゃね」

「ウィキペディアによると、片渕監督の舞台挨拶は、今年8月12日に渋谷ユーロスペースで行ったものが100回目じゃったそうな」

「単純計算で、3日に1回は舞台挨拶をしとっての計算になるよ」

「わしは、2回、舞台挨拶に参加させてもろうとる」







「1回目は、昨年の11月13日。このときは、原作者のこうのさんと一緒じゃった」

「どんな話をされたん?」

「この作品のアニメ化を企画された片渕監督は、原作者のこうのさんに制作の許可を求める手紙と、映画『マイマイ新子と千年の魔法』のDVDを送られたんじゃ」

「こうのさんの反応は?」

「こうのさんはアルバイト時代、アニメ世界名作劇場の1作『名犬ラッシー』(1996年)を楽しみに観とられて、この作品の監督を務めたのが片渕監督じゃったんじゃの」

「おぉ、そういうつながりがあったんか」

「で、今回のアニメ化を運命と感じて、快諾。この時に受け取った手紙を枕の下に敷いて寝られたそうじゃ」





↓『名犬ラッシー』については、こちら↓

「名犬ラッシー 作品紹介」NIPPON ANIMATION







「2回目は、今年の8月6日。このときは、八丁座の館主・蔵本順子さんが司会をされとった」

「片渕監督は、テレビの特番にも出演されとっちゃったね」

「公開1年目の11月12日もここサロンシネマで上映する予定ですとか、さっきから話が出ている完全版の上映もここ八丁座でやりたいとかいう話もあったのう」

「そういう話まで出たんじゃね」

「あと、劇場公開がなぜ11月になったかっていう話もあった」

「あぁ、戦争ものといえば、たいていは夏、8月に公開されることが多いよね」

「こうのさん原作の映画『夕凪の街 桜の国』(監督:佐々部清)も、2007年7月公開じゃったけぇの」

「…で、なんで11月からになったん?」

「物語の冒頭で子どものころのすずが海苔を届ける途中で人さらいと遭遇するところや、江波の実家で海苔梳きをしているところが冬だったので、それに合わせて冬に映画を公開したいと思うようになって11月の公開になったそうじゃ」





↓八丁座については、こちら↓

広島の映画館サロンシネマ、八丁座





「で、映画公開から1周年になる今日から、「まいごのすずさん」いう新しい企画が始まるんじゃ」

「まいごのすずさん?」

「「すずさんにあえる町」ということで、原作者のこうのさんが以下の5カ所で描かれたイラストを探していくというものじゃそうな」

平和記念公園内のレストハウス

福屋八丁堀本店(以上、広島市内)

千福三宅本店

呉市役所

大和ミュージアム(以上、呉市内)





↓「まいごのすずさん」については、こちら↓

まいごのすずさん







「今日は、「祝! 公開1周年記念 映画『この世界の片隅に』」ということで、映画『この世界の片隅に』に関連することについて話をさせてもらいました」

「広島と呉は、まだまだ、映画『この世界の片隅に』で盛り上がりそうじゃのう」

「映画いうたら、広島でロケをした映画『こいのわ 婚活クルージング』(監督:金子修介 主演:片瀬那奈、風間杜夫)も昨日から広島で先行公開されとるね」

「呉市を舞台にしたバイオレンス映画『孤狼の血』(2018年5月公開予定 監督:白石和彌 主演:役所広司)もあるで。配給は映画『仁義なき戦い』と同じく東映じゃけぇの」

「この秋から西条でロケが始まる映画『恋のしずく(仮題)』(監督:瀬木直貴)もあるよ」

「ほいじゃあ、またの」
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