味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

允を成し功を成すは、惟れ汝の賢なり。

2017-08-18 18:49:03 | ブログ
第3154号 29.08.19(土)

帝曰く、来れ禹。降水予を儆(いまし)む。充を成し功を成すは、惟れ汝の賢なり。克く邦に勤め、克く家に倹にして、自ら満假(まんか)せざるは、惟れ汝の賢なり。汝惟れ矜らず、天下汝と能を争ふ莫し。汝惟れ伐らず、天下汝と功を争ふ莫し。予乃(なんじ)の徳を懋とし、乃の丕績を嘉す。『書経』(大禹謨)371

 〔通釈〕帝舜はいった。「さあ禹よ。天は洪水を出して予を戒められた。そのとき、真心をつくして治水の事業を成しとげることができたのは、汝が賢明であったればこそである。よく国家のためには勤労にはげみ、一家においては倹約につとめ、しかも自分を尊大にすることがなかったのは、汝が賢明であったればこそである。汝が自分から才能を誇ることをしないので、天下の人々も汝と才能を争おうとすることがないし、汝が自分から功績を誇ることをしないので、天下の人々も汝と功績を争おうとすることがない。予は汝の徳を盛んだと認め、汝の大功を美としてたたえる。

 【コメント】賢明な帝王として歴史に名高い、堯・舜・禹の人格が表明している歴史的所産であると思います。為政者の皆様も大いに参考として貰いたいものです。

 そして我々一般庶民にも、その美しい精神の処世法を教えて欲しいものです。『書経』『詩経』等々を拝読しながら、西郷隆盛が菅実秀先生にこれらを読みなさいと言われたことを思い出しています。

 学問の都・荘内南洲会の先生方の人格美はそういう過程を経て形成されてきているのだと学問の凄さを実感しています。学歴能力ない私ですが、荘内南洲会の先生方のお導きを賜り今日があるとして、子供たちに荘内精神を学んでくださいとお話しています。

 このことは私の詩吟道師匠であった竹下一雄先生が、毎週の詩吟指導終了後、盃を重ねるたびにお話したものです。竹下先生は、『南洲翁遺訓』改竄事件には大いに憤慨していることと思います。

 『南洲翁遺訓』改竄事件が、鹿児島市が公的に謝罪し終焉したことを欣快としたいものです。これはつい先般、ご他界された伊牟田茂夫先生の発案ありてこその成果でございました。

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『不動心』(第22回)

 雑念の入らない不退転の目的を持つこと

 世間のわずらわしさに心がかき乱されているとでもいうのか。それなら休息して楽しいことでも考え、いらいらを鎮めるがいい。
 また、毎日うんざりするほど多くの仕事をこなしながらも、そういうあらゆる努力、いやむしろあらゆる思考が向けられるべき目的を何一つとして持っていないのだとすれば、それも愚かなことである。

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「死に代えた『南洲翁遺訓』」(第99回)

 西郷亡き後の庄内は孤立無援でありました。黒田ももう相手にはできない。菅たち首脳は、庄内が政府との関係を修復する機会は今だと考えて、開墾放棄という大芝居を打ったと思われます。
 政府がこの願書を受入れる余地は全くなかったのです。なぜなら、政府は当時、士族授産、殖産興業を政策の柱とし、開墾を奨励していましたから、どうしても開墾放棄を許可するわけにはいかなかったのです。

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