朝焼や羽化の始まる語彙ひとつ 石母田星人
「語彙」とは、その人が所有する言語活動を構成するもの、とでも言ったらいいのだろうか?たとえ語彙が豊富だとしても、ただそれだけでは、全く無機質なものでしかあり得ない。語彙が生き生きとした生命を得るのは、持ち主の言語感覚によって生み出される時を待つしかないようだ。「羽化の始まる語彙ひとつ」とは、そういう意味ではないだろうか?作者には、以前から気になっている語彙が一つあったのだ。朝焼を見ている作者。一つの語彙がふっと羽化し始めたのだ。「滝」8月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)
「語彙」とは、その人が所有する言語活動を構成するもの、とでも言ったらいいのだろうか?たとえ語彙が豊富だとしても、ただそれだけでは、全く無機質なものでしかあり得ない。語彙が生き生きとした生命を得るのは、持ち主の言語感覚によって生み出される時を待つしかないようだ。「羽化の始まる語彙ひとつ」とは、そういう意味ではないだろうか?作者には、以前から気になっている語彙が一つあったのだ。朝焼を見ている作者。一つの語彙がふっと羽化し始めたのだ。「滝」8月号〈渓流集〉より抄出。(Midori)