トレド通りは、プレビシート広場からまっすぐ北へ伸びる大通りで、
ふだんは一日中クラクションの音が鳴り止まない、ナポリのメインストリートの1つです。
この日はたまたま交通規制があり、のんびりと歩くことができました。
通り沿いにはいわゆる“Palazzo”だったろうと思われる建物が並び、駅周辺と比べるとはるかにきれいです。
ただ、この通りの西側には、ガイドブックなどには「治安が悪い」と書かれている地域があり、
ぼんやりしすぎないほうがよさそうです。
通りの西側の路地。迷い込んでしまいたい誘惑にかられますが、ガマン、ガマン。
Funicolare・モンテサント線の駅へと続く道です。
カリタ広場からジェズ教会へと向かう道の途中には、
ナポリではめずらしいルネサンス様式のPalazzo Gravinaがあります。
トレド通りからカリタ広場を北東方向に斜めに入ると、そこからはいよいよ“スパッカ・ナポリ” の始まりです。
Zi Teresa (ツィ テレーサ)
卵城へ渡る橋のたもと、海岸通りを下りサンタ・ルチア港を目の前にしたリストランテです。
いかにも観光客相手の店のように思えて敬遠していたのですが、
ホテルからのアクセスのよさにひかれて入ってみました。
私たちのテーブルの近くに無造作に置かれていました。
おそらく好きな魚をオーダーして、好みの方法で調理してもらうのでしょう。
バイア風フジッリ。このパスタもフジッリの一種?ソースはなんていうのか…魚介風です。
トンノの味がしたような…ちなみにバイアというのは、ナポリ近郊の海底遺跡で有名な場所です。
食事中には、流しの歌い手がテーブルを回って、ナポリ民謡を歌っていました。
このほかにも、花売りもやってきました。
ドルチェはやっぱりババです。
ここのがナポリでは一番だったかも。
そして最後にエスプレッソを。
結論から言うと、料理の味は平均点ちょっと上です。
立地と雰囲気をプラスすると、
とりあえず行ってみる価値のある
リストランテだと思います。
ナポリにも登場した2階建ての赤い市内観光バス“citysightseeing”。
イタリアの南部を中心に、最近大きな街で運行されています。
コースは複数あり、なんと8カ国語のイヤフォンガイド付き!ナポリではヌオーヴォ城の前から発着しています。
チケットはプレハブのような小さな建物で買います。
どのルートのバスにも、けっこうな人数の観光客が乗り込んでいきます。
ナポリやパレルモのように、スリや引ったくりが多いといわれている街では、
歩いてまわるより安心感があるのでしょうか。
その一方で、ヌオーヴォ城前からは、昔ながらの観光馬車に乗ることもできます。
狭い路地が多く、またメインストリートはいつも渋滞で交通ルールなどあってないようなナポリの町で、
馬車なんて乗ってだいじょうぶなのかなぁ、とも思ってしまいますが、こちらもそれなりに人気のようです。
市内観光バスのホームページはこちら
http://www.city-sightseeing.com/
王宮の裏手、カプリ島への高速船やパレルモへのフェリーが発着する港の近くに、ヌオーヴォ城があります。
五つの円柱状の塔を、城壁で結んで作られたような外観のこの城は、
卵城よりも新しい、という意味でヌオーヴォ城と名づけられたそうです。
写真でわかるように、周囲に視界をさえぎるものがないため、ひときわ目立つ建物になっています。
入り口部分はそこだけ白い大理石で作られていて、なおかつ見事なレリーフで装飾されているため、
単調で無骨な外観のアクセントになっています。
中はガランとしていて、何もありません。建物の中には礼拝堂や美術館もあるそうなので、
もう少しよく見てきてもよかったかも。写真のバラ窓のあるところがおそらく礼拝堂でしょう。
サン・エルモ城から少し下ると、車が通れる道は行き止まりになり、そこにサン・マルティーノ修道院があります。
修道院前は小さな広場になっていて、ナポリの東の方角を見晴らすことができます。
中央に見えるのがナポリの新都心です。
飛行機が飛んでいるのがわかりますか?まもなくナポリ・カポディキーノ空港に着陸するところです。
修道院の門をくぐると、左手に教会があります。比較的新しい時代の(または最近修復された)もののようで、
外観・内装ともに非常に色調のあざやかな教会です。
壁面と床面は美しい色大理石で装飾されています。
天井も色あざやかなフレスコ画で飾られています。
サン・マルティーノ修道院のホームページはこちら
http://museosanmartino.campaniabeniculturali.it/
ヴォメロの丘の一番高いところには、サン・エルモ城と呼ばれる要塞が建てられています。
奥がサン・エルモ城、手前の白い建物はサン・マルティーノ修道院。
五角形をしたこの要塞は、現在ではテレビ局の中継アンテナなどが立っていて、
当時の雰囲気は残っていませんが、見晴台としては最高の条件を備えています。
城内では、エレベーターで屋上まで上がることができます。
屋上は、拍子抜けするほどがらんとしていますが、五角形の城壁に沿って歩くことができ、
そこからは270度近くのナポリのパノラマを見渡すことができます。
ヴェスヴィオをバックにナポリ湾を望む。すぐ下に見えるのがサン・マルティーノ修道院です。
ナポリ近郊は火山のメッカ。海岸のすぐそばまでなだらかな山や丘がつづいています。
というわけで、ナポリ旧市街のすぐ背後にもいくつかの丘があり、
ヴェスヴィオをバックにナポリ旧市街のすばらしいパノラマを望むことができます。
旧市街から最も近いところにあるのがヴォメロの丘です。
この丘に向かって、旧市街の西のはずれから何本かのフニコラーレ(いわゆるケーブルカー)が走っています。
最も便利なのがチェントラーレ線。ガッレリア近くからヴォメロの丘の南はしに向かって登っていきます。
トレド通り。左手の広場の奥にチェントラーレ線の駅があります。これがフニコラーレの駅です。
よく見ないと、ここが駅であることに
気づかないかもしれません。
チェントラーレ線の他にも、ダンテ広場の西からサン・エルモ城近くへと登るモンテサント線、
地下鉄のアメデオ駅付近からヴァンヴィテッリ駅付近へと登るキアイア線があります。
サン・エルモ城やサン・マルティーノ修道院へ行くなら、モンテサント線が便利です。
ただ、ふもとの駅は少しわかりにくい場所にあるので注意して。
モンテサント線のふもとの駅。真新しい感じです。
モンテサント線の山頂駅。ここからサン・エルモ城やサン・マルティーノ修道院は歩いてすぐです。
ガッレリアといえば、ミラノのものが有名(イタリアにツアーでいったことのある人、
特にショッピングの好きな人は必ずいったことがあるでしょう)ですが、
ここナポリにも立派なガッレリアがあります。
私たちが訪れたときは中央の天井部分が修復中だったためか、また時間が早かったためか、
それほどにぎわってはいませんでしたが、多くの店がこの中に集まっています。
これだけ大きなガッレリアがつくられたということは、
ナポリがこの地域の商業の中心地であったことを示しています。
私たちは残念ながら中のお店をゆっくりと見てまわることはできませんでしたが、
プレビシート広場から王宮、そしてサンカルロ劇場、ガッレリアと続くこの一帯は、
当時のナポリの華やかな繁栄ぶりを思わせてくれます。
GAMBRINUS (カフェ ガンブリヌス)
ブレビシート広場の北のはずれにある、ナポリで一番格式の高いカフェです。
店内に入ると、内装はまさに「カフェ」と呼ぶべき豪華さです。
と同時に“いちげんさんお断り”のオーラをものすごく感じました。
特に日本人観光客はふだんの振る舞いがよくないのでしょうか、相手にされていないことをひしひしと感じました。
「Senta! scusi.」を何度口にしたでしょうか。
店内がたくさんのお客さんでごったがえしていたためかもしれませんが、
特にカウンターではあからさまに無視されているように感じました。
やっとの思いで“シャケラート”を2つ受け取ると、どうせバールのルールも知らない日本人と思われているならいいや、
と考えて、本来別料金のサロンのテーブル席に勝手に座って、ゆっくりくつろいで来ました。
(あとでしっかり注意されました…これでまた日本人へのサービスが悪くなっちゃうかな?)
シャケラート。安いお店のはコーヒー味のグラニータみたいなんですが、ここのはさすがに一味違ってました。
大きな地図で見る
私がナポリの王宮で最も心ひかれた(というと大げさですが…)もの、それは部屋の扉です。
それぞれ個性的で、ラファエッロ風のものもあれば、どことなく東洋の香りがただようものもあり、
見ていて飽きることがありません。
とりあえずそのうちのいくつかを紹介しましょう。 これは扉中央にクジャクを思わせる
鳥の絵が描かれています。
また下段の女性も、衣服の描かれ方が
どこか東洋風(天女?)だと思いませんか?
こちらもモチーフは似かよっていますが、
動物の描き方や天使の羽など、
どちらかといえば“コスメ・トゥーラ風”かな、
と感じるのは私だけでしょうか?
こちらは白い扉です。
寓意性はあまり感じられず、
幾何学的なデザインが強調されていて、
なんとなくグロッタ風の印象を受けます。
それにしても、
色やレイアウトが変わるだけで、
ずいぶんと印象が変わるものですね。
最後は礼拝堂の扉です。こちらはぐっとシンプルなデザインです。
が、よく見ると細部にまで非常に緻密な装飾がされています。
下段のエンブレム風のデザインもおしゃれで、私の選んだ「王宮の扉のベストワン」です。
王宮の内部は、“絢爛豪華”という言葉がぴったりです。とはいっても、
ヴェルサイユ宮殿やシェーンブルン宮殿のそれとはまた少しおもむきが異なります。
全体にどこかいびつでグロテスク風な印象を受ける装飾は、イタリア的といえばイタリア的で、
いつのまにか引き込まれてしまいます。
これはちょっとびっくり、絵画ではなくタペストリーです。いつの時代にどこでつくられたのでしょうか。
似ているようで少しずつ装飾の異なる部屋がえんえんと続きます。
金細工で装飾された部屋、スタッコ装飾のほどこされた部屋など、装飾の方法もさまざまです。
天井の装飾もご覧の通りです。建てられた時代のせいか、それとも地域性なのか、フレスコ画はあまり見られません。
こうやって王宮の内部を見てまわっているうちに、私にはとても気になりはじめたあるものがありました。
それは…この次に紹介しましょう。
新春といえば、日本では駅伝のシーズンですが、
私たちがナポリを訪れたときもちょうどナポリマラソンの開催期間だったのです。
海岸通りを散策していても、やけにランニングしている人が多いなぁ、
という気がしていたのですが、
そのときにはナポリではランニングがブームなんだろうくらいにしか思っていませんでした。
ところが、ある朝出かけてみると、タクシー乗り場にタクシーの姿がまったくありません。
それどころかいつもは当たり前のようになっている違法駐車の車も見当たらないのです。
そして、やけに多い警官の数…。
そこで私たちは初めて知ったのです。今日がナポリマラソンの日だということを。
いわゆる市民マラソンのようですが、かなりの規模のようです。
やがてサンタルチア通りに向かって、先頭集団がやってきました。
いわゆるトップランナーのスピードではありませんが、それでもかなりの速さです。
サンタルチア通りを右に折れ、プレビシート広場に向かうと、
今度はいわゆる市民ランナーが大集団でやって来ました。
みな思い思いのスタイル、スピードで走っています。
さすがに手をふりながら走っている人は見かけませんでしたが、悲壮感は感じられません。
イタリア、特に南の人たちには根気強さが似合わない、と勝手に思い込んでいたのですが、
こんなにも多くの市民ランナーがいたことにちょっと驚いた朝でした。私も今年は少し走ってみようかなぁ。
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