Lo Spuntino(ロ・スプンティーノ)
カステルガンドルフォの離宮の近く、湖が見える展望台のすぐそばのトラットリアです。
店内はご覧の通り、田舎のバールを思わせるつくりです。
ショーケースにはサルシッチャなどの肉類が並んでいます。
アンティパストは2品。一つ目は野菜がいっぱいの、その名も「アンティパスティ・ベジターレ」。
イタリアでは特別めずらしいものではありませんが、日本ではなかなか出会えない味です。
2品目は、カスッテリーニ・ロマーニといえばこれ、「ポルケッタ」です。
子豚を丸焼きにしたものをスライスしていただきます。ハーブの使いかたがイタリアならではです。
メニューの写真です。メニューそのものも素朴な感じですね。
ワインはカスッテリーニ・ロマーニのロゼ。
イタリア人はロゼをほとんど飲まないので、わたしたちもロゼを飲むことはめったにないのですが、
テーブルに置いてあったので、めずらしさもあって、ついオーダーしてしまいました。
プリモは黒トリュフのフェットチーネ。
これも特別変わったメニューではありませんが、とてもおいしくいただけました。
セコンドはアッロースト・ミスト。いろいろな肉のグリルです。
肉を売り物にしているお店だけあって、満足の一品です。
最後はやっぱりエスプレッソで。お店の感じがいいと、コーヒーもおいしく感じます。
家族でやっているこのお店のスタッフは、これで全員です。
お父さんそっくりの息子さんはASローマのファンで、好きな選手はトッティだとのこと。
お店にあったテレビでも、ずっとサッカー中継を流し続けていました。
(イタリアでは特にめずらしいことではありませんが…。)
というわけで、息子さんと話がはずんだおかげで、リモンチェッロをおまけしてもらいました。
とてもシンパティコ(感じのいい)お店でした。
リモンチェッロ・ディ・カプリ 700ml | |
リモンチェッロ・ディ・カプリ |
日が西に傾き始めると、通りには少しずつ灯りがともりはじめます。
赤いレンガやピンクのレンガにオレンジの灯り。灯りの色はどれもオレンジで統一されています。
街並みが美しく見えるよう、工夫されているんですね。
離宮に続くメインストリートもご覧の通りです。道の真ん中にはリストランテがテラスを広げているようです。
街の西側、湖と反対の方角に出てみました。
視界をさえぎるものは何もなく、空の下には遠くティレニア海が見えています。
空は夕焼けでうっすらと染まっていますが、薄い雲にさえぎられて、残念ながら夕日を見ることはできませんでした。
離宮の前に戻ると、もうすっかり暗くなった建物のあいだから、
まだピンク色に染まっているロッカ・ディ・パーパの街並みが見えていました。
ふたたび展望台からです。まるで絵に描いたような風景です。アルバーノ湖にもまもなく夜がやってくるのですね。
カステルガンドルフォといえば、ローマ法王の避暑地(夏の離宮)として有名です。
街の中心プレビシート広場に面して立つこの離宮は、高い塀に囲まれているわけでもなく、
意外なほど広場の風景に溶け込んでいます。
とはいうものの、街のスケールにはちょっと不釣合いなこの建物は、法王の威厳を示すには十分です。
向かって左の脇には、ローマへ続く街道へと抜ける細い通路があります。
離宮の中の様子を見ようと、写真左手にある階段を登ってみると、
そこには本当に小さな礼拝堂がつくられていました。
これは「礼拝堂」と呼ばないのかもしれませんね。
離宮とは無関係なのかもと思ってよく見ると、台座の部分にはしっかりと「サン・ピエトロの鍵」の紋章がありました。
先ほどの通路を裏(表?)から見るとこんな感じです。こちらから見ると、それなりに立派な門に見えますね。
団体客がちょうど通路をくぐろうとしています。
離宮の向かって右には、すぐそこにアルバーノ湖のパノラマが開けています。
きっと教皇様の部屋からも、すばらしい景色が見えるのでしょうね。
ヴァチカン物語 (とんぼの本) | |
塩野 七生,藤崎 衛,石鍋 真澄 | |
新潮社 |
Hotel Castelgandolfo(ホテル カステルガンドルフォ)
カステルガンドルフォの町は、かってのアルバーノ火口のへりにへばりつくように細長くひろがっています。
そのほぼ中心にあるのがこのホテルです。
ホテルの脇にあるリストランテのテラスからは、アルバーノ湖が一望できます。
ホテルを建てるのには絶好のロケーションですね。
ここは家族経営の小さなホテルです。
ここを発って日本に帰る前の夜、オーナー兄弟がフィウミチーノまでの帰路について、
まるで友人のようにロビーでエスプレッソを飲みながら相談に乗ってくれたことは忘れられません。
フレンドリーなだけじゃなく、部屋もなかなかです。
バスルームを除くと、★4つにしてはちょっと安っぽいかな、とも思いましたが、
なんといってもバルコニーからの眺めが最高です。
こんなに小さなバルコニーですが・・・
部屋にいながらアルバーノ湖をひとり占めです。
ローマの喧騒にちょっと疲れていたわたしたちは、この景色を眺めながらちょっとうとうと…。
気がつくと、日はすっかり西に傾いていました。
対岸のロッカ・ディ・パーパの町が夕日に照らされてかがやいています。
時刻は7時30分近く。そろそろイタリアの夕食どきです。
ちなみにバスルームはさすがに★4つだけのことはあり、シャワーブース付きのジャグジーです。
朝食はホテル内のバールでいただきます。
いわゆる大型ホテルのブレックファストに慣れてしまった人からは、簡素なものですが、
そんなことは大した問題じゃありません。
俗世間のすべてを忘れさせてくれる眺望と、シンパティコな対応が、このホテルにはありました。
ホテルのホームページはこちら
http://www.hotelcastelgandolfo.com/it/
ローマの南東、チャンピーノ空港のさらに向こうは大昔の火山の名残りの丘陵地帯になっていて、
アルバーノ湖、ネミ湖という2つの美しい火口湖があります。
その周辺に点在する町々は「カスッテリーニ・ロマーニ」と呼ばれ、避暑地として有名です。
カスッテリーニ・ロマーニへはバスを利用するのが一般的(地元の人なら自分の車)ですが、
わたしたちはあえてローカル列車を利用することにしました。行き先はカステルガンドルフォ。
ローマ法王の夏の離宮があることで有名な町です。
ホームにやってきたのは「いかにも」なロカーレ(ローカル列車)です。
でもこの感じがほしかったので、まったく問題ありません。ただ、ホームが改札から遠いのはちょっときついかも。
くたびれた外見からは予想できないくらい、車内はきれいです。
列車はチャンピーノ空港のすぐそばを走っていきます。
列車の窓からアルバーノ湖が見えてくると、カステルガンドルフォの駅はもうすぐです。
駅に到着してみると、アルバーノ湖の眺めがいっぱいに広がっています。
駅には人の気配はありません。無人駅なのかもしれませんね。
町はここから斜面を登った山のてっぺんにあり、
スーツケースをおともにしている人は、タクシーを呼ぶしかありません。
歩いて登れば15分もかからないのですが…。とりあえず、カステルガンドルフォに到着です。
ローマに3~4日間滞在するときにあると便利なのが「ROMA PASS」です。
今年から30ユーロになって、おトク感は少し薄れましたが、それでもじょうずに使えば、安くておまけに便利です。
わたしたちはボルゲーゼ美術館のオンライン予約といっしょにWebで購入しました。
ホテルがボルゲーゼ公園のすぐそばだったので、受け取りも便利だと思ったからです。
このパスは、ローマの美術館(場所は限定されます)の2ヶ所(原則としてはじめに行ったところ)が無料になり、
ATAC(ローマ市交通局)のバス・トラム・地下鉄が72時間乗り放題です。
このパスを使って入場したのは、ボルゲーゼ美術館とサンタンジェロ城、あわせて21ユーロです。
また、バス・トラム・地下鉄あわせて10回以上乗ったので、金額の上では元はとれたかな、という感じです。
それよりも、イタリアの面倒なチケット購入にわずらわされずにすむのが大きいですね。
思いついたらパッと乗りたいものに乗れるので。
話は少しそれますが、地下鉄はやっぱり少し緊張感がありますね。
トラムは混雑することもなく、乗っている人もお年寄りが多いので、リラックスして乗ることができますよ。
Da Fabrizio dal 1956
トラステヴェレでもっともにぎやかなエリアにあるいかにも下町らしいお店です。
Ristoranteと名乗ってはいますが、Trattoriaのように気さくな印象を受けました。
お店のロゴ入りのハウスワインです。料理にあわせて、赤と白のハーフボトルを一本ずつ。
アンティパストはローマらしく「ズッキーニのフリット」と「アーティチョークのユダヤ風」です。
下町にいるのを実感します。
プリモは「スパゲティ・カルボナーラ」。これもいかにもローマの味です。
セコンドは2品。一つ目が「トリッパ・アラ・ロマーナ」。これまたローマを代表する料理です。
ただ、オーダーするときにカメリエーレは「うちは魚料理が得意だから…」と
ちょっと渋い顔をしたのが気になりました。確かにちょっと煮込み足りてなかったかもしれません。
プリモの2品目は「スカンピのグリル」。日本でもよくあるメニューですが、こんなにてんこ盛りでは出てきませんね。
トラステヴェレには星の数ほど料理店があるので、どこに入ろうか目移りしてしまいますが、
ここならハズレはないと思いますよ。
トラステヴェレの西のはずれに「ジャニコロの丘」と呼ばれる小高い丘があります。
この丘のもっとも高いところにあるガリバルディ広場には、
天気のよい日の夕方になると、たくさんの人がやってきます。
ここにやってくる人たちのお目当ては、ローマで一番美しいといわれる夕暮れの風景です。
丘の北側には、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラが、すぐ間近に見えます。
午後8時前。昼の長いローマでも、太陽はようやく地平線にかくれようとしています。
ピンク色に染まる空に、サン・ピエトロ大聖堂のシルエットが浮かび上がります。
丘の東側からは、ローマの街並みを一望することができます。
まだ青みの残る空の下に広がるのは、オレンジ色に染まったローマの街です。
ローマに夜がやってくるのは、もうまもなくです。