さて、いよいよヴィラ・パラゴニアに到着です。
まずは正門に飾られた2体の奇妙な彫刻に脱力。
中に入ると正面に均整のとれた扇形をした館が目に入ります。
館までのアプローチは、左右によく手入れされた庭園があり、ここまでは普通のヴィラと変わりません。
館の入り口は正門から見て反対側にあるため、館の左側を通って裏手に回りこみます。
ここで目にするものは…。
塀の上に並べられた奇妙な彫刻の数々です。
排気ガスなどの影響で、だいぶ痛みが激しく、ディテールまでははっきりとはわかりませんが、
道化師や想像上の動物などがモチーフになっているようです。
また、塀の中ほど、人のひざくらいの高さのところにも、人の顔の彫刻が埋め込まれています。
ヴィラ・パラゴニアは、やはり「怪物屋敷」と呼ばれるだけのことはあったのでした。
ヴィラ・パラゴニアにはホームページもあります。
http://www.villapalagonia.it/
バゲーリアは、いわゆるパレルモのベッドタウンで、歴史ある建物と新しい建物が混在しており、
いわゆる「チェントロ・ストーリコ」なるものは存在しません。
しかし、街のあちこちに瀟洒なヴィラが点在する、バロックの香りのする街です。
不気味な「ヴィラ・パラゴニア」だけが有名になっていますが、
時間があればヴィラめぐりをしてみるのもいいかもしれません。
もっとも、個人所有になっているところが多いようなので、中まで見学できるかどうかはわかりませんが…。
私たちは、駅から歩いてヴィラ・パラゴニアまで向かいました。
駅を出てすぐに、広い通りがあり、小ぎれいな建物が並んでいます。パレルモとはまったく違う街の風景です。
街路樹にはオレンジの実がなっていました。
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バゲーリアは、パレルモの郊外にあり、“怪物屋敷”ヴィラ・パラゴニアでよく知られた町です。
パレルモからバゲーリアへは、ガイドブックによっては、
パレルモ中央駅前からプルマンが出ているように書かれているものもありますが、
ホテルでたずねたところ、ヴィラ・パラゴニアへ行くバスはないとのこと。
「オレはバゲーリアに住んでるけど、ココまでFSで通ってる」というホテルマンの言葉を信じて、
列車で行くことにしました。
バゲーリアまでは、列車で約15分。
信用ならないシチリアのFSですが、このくらいならまあだいじょうぶだろう、と思っていました。
ところが駅について発車予定のホームに行くと、表示板に見たことのない文字が…。
「soppresso」と書かれています。よく事情がのみこめていない私たちは、
そのままホームのベンチに腰かけてボーっと列車の来るのを待っていましたが、
後からやって来る人たちは皆、「soppresso!」と小さく叫んでは引き返していきます。
そうなんです、「soppresso」とは「運休」という意味だったのです。
やっと気づいた私たちは、別のホームから出る次の列車に乗って、
何とかバゲーリアにたどり着くことができたのでした。
モンレアーレの街は、ドゥオーモのサイズがふつりあいなくらい小さな街です。
ほんの一時間もあれば見てまわることができるでしょう。
今日は、見逃せない場所を2つ紹介しましょう。
ドゥオーモ前の広場を、ドゥオーモの正面を右手に見ながら、まっすぐ谷のほうに進みます。
すると、小さな公園風の場所があり、コンカ・ドーロを一望することができます。
晴れた日であれば、遠くに見える鮮やかな青い海が、コンカ・ドーロの緑とレンガ色と好対照で、
なかなかの風景です。
私たちが訪れたのは昼でしたが、夜景はどんな風に見えるのか、ちょっと見てみたい気もしました。
また、見晴台そばには、奇妙な姿の木も植えられています。
木の幹からまるで根っこのようなものが下に向かって何本も垂れ下がっているのです。
私たち以外にも、何人もの観光客がその木をバックに記念撮影をしていました。
市庁舎前の広場をパレルモ方面に向かって一番左の道をゆるやかに登っていくと、
参事会教会の後陣の裏手に、大きなキリストの磔刑画があります。
ピンク色の壁をバックに、青を基調としたマヨルカ焼のタイルで描かれたキリスト像は、
普段教会で見るキリスト磔刑画とはずいぶん印象が違います。
モンレアーレというと、ドゥオーモだけをさっと見て、
それだけでパレルモへ戻ってしまう人が多いようですが、
少し寄り道をして街を散策してみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
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モンレアーレのドゥオーモのあまり知られていない見どころのひとつが、
後陣の頂上にある展望台です。
ドゥオーモの展望台といえば、フィレンツェのドゥオーモを連想する人が多いと思いますが、
ここのはもっとスリリングです。
後陣のデザインにはイスラム様式の影響が見られます。
ドゥオーモ内部の入り口から狭い階段を登っていくと、まず側廊の屋根の上にある通路に出ます。
この通路からは、回廊や、コンカ・ドーロの眺めを楽しむことができます。
そこを過ぎると、通路は狭いトンネル状になります。人がひとりやっと通れるほどの通路です。
ところどころに小さなひし形状の窓が開いていて、のぞいて見ると見事な眺望が広がっています。
トンネルを抜けると、そこはもう後陣の屋根の上です。
通路の手すりはマヨルカ焼のタイルで装飾されています。
そこから、急で狭い階段を登っていくと、
人ひとりがやっと立てるくらいの小さなスペースがあり、
そこが頂上です。
正面は足元近くまでアーチ状に開いているため、
頂上に立つとかなり恐怖感があります。
しかし、そこからの眺めは、
なんともいえない気分にさせてくれます。
モンレアーレまで行く機会があったときには、
登ってみて損はないと思いますよ。
モンレアーレのドゥオーモは、12世紀にアラブ・ノルマン様式で建てられたもので、
ファサード両脇の左右の鐘楼が特徴です。
しかし、見どころはなんといってもその内装です。
ドゥオーモの内部は、これ以上は不可能だろうというくらいに金色のモザイクで装飾されています。
ファサードの裏側も、上の写真の通りです。
壁面のモザイクも、見ごたえがあります。
ラヴェンナのモザイクよりも、動きがあって生き生きとしていますね。
そのモザイクは、壁面だけでなく天井までという徹底ぶりで、思わず圧倒されるすごさです。
中でも一番の大作は、後陣の「万能のキリスト」でしょう。
チェファルーやパレルモにも、同じ題材のモザイクがありますが、
モンレアーレのそれは、それらのどこよりも印象的です。
おそらく自然光で見るのがもっともきれいなのでしょうが、
雨などの日には、一定時間ライトアップされます。
(誰かがお金を入れるとライトアップされるしくみになっているのかも)
モンレアーレは、パレルモ近郊の山の上の町。訪れるには、パレルモからバスに乗るのが便利です。
モンレアーレ行きのバスは、
パレルモ旧市街の西のはずれ、
ヴィットリオ・エマヌエレ大通りの終点にあたる
インディペンデンツァ広場から出ています。
ヌォーバ門をくぐり、広場に出たら、
そのまま真っすぐ道沿いに進むと、
目印のバール“サンドロ”があります。
このバールの向かい側が、バス乗り場です。
モンレアーレヘは、ココからバスで30分弱。
しばらく平地の新市街を走った後、徐々に山道を上っていきます。
やがてバスは見晴しのよい直線道路に出ます。ここまで来ると、モンレアーレはもうすぐです。
バスは通常はドゥオーモ近く、
町の中心にある広場に到着するらしいのですが、
私たちが訪れたときは、広場は工事中でバスが入れないため、
町のはずれが臨時?の終点になっていました。
バスを降りると、山側にはモンレアーレのドゥオーモの後陣が、
東側にはコンカ・ドーロのパノラマが広がっています。
モンレアーレの一番の見どころは、何といっても、
内装が一面金色のモザイクで装飾されているドゥオーモです。
バスを降りた私たちは、
いよいよシチリア一のドゥオーモへと向かいます。