RISTORANTE SUBASIO (HOTEL SUBASIO内)
アッシジでの夕食は、ホテルのリストランテです。
アッシジは坂の多い街なので、ワインで酔ったあとにあまり歩きたくなかったのと、
ここの評判が良かったので私たちにしては珍しくホテルでの食事となりました。
私たちのほかにお客は英語圏の団体のみ。落ち着いた雰囲気で食事をすることができました。
オーダーは
前菜が「ルッコラ・パルミジャーノチーズ・ポルチーニのサラダ」 プリモは
「きのこの
ウンブリエッティ」
(トリュフ入り)
ウンブリエッティは、
ピッチャレッリと同じ
うどんのような
パスタです。 セコンドが
「牛フィレ肉のステーキ
バルサミコソース」
ワインは、
スポレートに続き、ここでも
サグランティーノ・
モンテファルコです。
これまで、てんこ盛りの
イタリア料理の量に慣れていた
私たちにとって、
久しぶりの「上品な」食事になりました。
窓際の席であれば、ウンブリア平原の眺めを楽しみながら食事をすることもできます。
気取ったところもあまりなく、団体客御用達のホテルによくある手抜き料理が出てくることもありません。
大きなホテルのリストランテが好きになれない方にもおすすめしていいリストランテです。
ホテル スバシオ HOTEL SUBASIO
バスターミナルになっているウニタ・ディタリア広場のすぐ上、
サン・フランチェスコ教会の目の前にある、アッシジで一番格式の高いホテルです。 このホテルのポイントは、
なんと言ってもその立地条件です。
ホテルのテラスが
サン・フランチェスコ教会の前の広場に面しており、
特に50号室と51号室は、
部屋から直接テラスに出ることができます。
(つまり、部屋の窓から教会を見ることができるということです)
さらに50号室は、部屋からウンブリア平原も一望できます。
サン・フランチェスコ教会の前から撮影したホテル
(三階にあたる部分にテラスがあり、 一番左側の開いている窓が51号室、一番右側の閉じている窓が50号室です)部屋の中からの眺め
設備自体はけっして新しいホテルではないので、
眺めのよくない道路側の狭い部屋に泊まった人は、
少しがっかりするかもしれませんね。
それでもホテルマンの対応を含めて、
気持ちのよいホテルだと思います。
併設のリストランテについては、また次回に。
朝食
ホテルスバシオのホームページはこちら
http://www.hotelsubasio.com/
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アッシジの街の南東のはずれ、ヌオーバ門を出て、
オリーブ林の中を歩きながら30分ほど南の方角に下っていったところに、
サン・ダミアーノ修道院があります。
修道院のあたりは、静まりかえって厳粛な雰囲気がただよっていました、
といいたいところですが、私たちは修道院に向かう道すがら、
ちょうど近所の小学生?の集団といっしょになってしまい、
くったくのない子どもたちのにぎやかな声を聞きながら、修道院に到着しました。
サン・ダミアーノ修道院は、もともとは小さな教会で、聖フランチェスコがここでキリストの声を聞き、
すべてを捨てて神に仕えるきっかけとなった場所です。
そしてまた、聖キアーラが女子修道院を創設し、生涯を過ごした場所でもあります。
建物は外観・内装ともに簡素で、フランチェスコやキアーラがここで過ごした当時のつつましい生活の様子が
今でも伝わってくるようです。中庭は緑が美しく、とてもよく手入れされていました。
サン・ダミアーノに向かう途中で見かけた小さな建物。
ポルツィンコラにも少し似た雰囲気です。
フランチェスコがキリストの声を聞いた当時の礼拝堂は、こんな雰囲気だったのかもしれません。
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サンタ・キアーラ教会は、女性として聖フランチェスコの最初の弟子となり、
後に女子修道院を任されることになった聖キアーラにささげられた教会です。
サン・フランチェスコ教会がアッシジの街の北西のはずれに建てられているのに対して、
サンタ・キアーラ教会はアッシジの街の南東に、
ちょうどサン・フランチェスコ教会と向き合うように建てられています。
作家の須賀敦子さんは、著書の中で
「陽が落ちはじめると、アッシジの建物という建物は、すべて薔薇色に燦めく…」と書いています。
私たちは、まさに陽が落ちはじめた頃に、サンタ・キアーラ教会前の広場へと向かいました。
アッシジの街、特にサンタ・キアーラ教会のファサードが薔薇色に変わっていく様子をこの目で確かめるためです。
昼間訪れたときには、淡いピンク色をしていた教会は、
広場に着いた時には、もうすでにピンクの色合いを増しはじめていました。
太陽が地平線に沈んでいくにつれ、その色はピンクから薔薇色に、
そして紫に近い色にと、ゆっくりと深くなっていきます。
振り返ると、広場の木々の間から、夕暮れに輝くウンブリア平原が見えます。
この旅で、アッシジを最も美しいと感じた瞬間でした。
アッシジに限らず、イタリアには、日本に負けず夕日の美しい場所はたくさんあります。
しかし、夕日を受けてかがやく街の美しさはアッシジが一番といってもいいかもしれません。
夕暮れのアッシジ、みなさんもぜひ訪れてみてください。
アッシジは、街のどこを歩いても絵になる風景に出会うことができます。
この地方独特の薄いピンクの石でつくられた家々は美しく、
街全体が薄いピンク色で覆われているようです。
そして、どの家もゼラニウムなどの鉢植えの花でいっぱいに飾られています。
また石畳の道が多いことも街全体の景色を引き立たせているのかもしれません。
皆さんも、アッシジを訪れる機会があったら、
サン・フランチェスコ教会とサンタ・キアーラ教会を
そそくさと見学して帰るのではなく、
ぜひゆっくりと街中を散歩してみてください。
私のおすすめは、
サン・フランチェスコ通りの一本山側の道から、
ドゥオーモ付近をめぐって、
サンタ・キアーラ教会の脇へと抜けるルートです。
きっと心やすらぐ風景に出会うことができますよ。
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イタリア古寺巡礼―フィレンツェ→アッシジ (とんぼの本) |
金沢 百枝,小澤 実 | |
新潮社 |
コムーネ広場から北西に向かって細い道を上っていくと、アッシジのドゥオーモの前に出ます。
サン・フランチェスコ教会や、サンタ・キアーラ教会のような有名な教会があるために、
やや影の薄いドゥオーモですが、
ここはれっきとした町の守護聖人、聖ルフィーノにささげるために建てられた教会です。
アッシジの守護聖人は、聖フランチェスコだと思っている人もたくさんいるかもしれませんが、
それぞれの都市ごとに守護聖人をいただくことが流行したのは
フランチェスコが生まれるよりずっと前ですから、当然といえば当然ですね。
ちなみに聖ルフィーノとは、アッシジの初代司教だそうです。
このドゥオーモのファサードは、パッと見は平凡ですが、じっくり見るとなかなかあなどれません。
特に中央のバラ窓周辺の装飾や、扉付近の処理は、かなり芸が細かいように見えます。 ドゥオーモの前からさらに北西へ、
ポルタ・ペルりチ通りと呼ばれる狭い道をしばらく進み、
「ホテル・ドゥオーモ」の脇を左に折れて細道の階段を上っていくと、
やがて城塞へと通じる広い道に出ます。
(右の写真が細道の階段です)
城塞そのものは修復中だったこともあって、
見学はしませんでしたが、城塞前の広場からの眺めはすばらしく、
アッシジの街並みと、
その向こうに広がるウンブリア平原を一望することができます。
ただひとつ残念だったのは、ものすごく風が強かったことです。
それがなければ、ゆっくりくつろぎながら風景を楽しめたのですが…。
城塞付近からの眺め①…雲の切れ間から光が差し込み、神々しい雰囲気です。
城塞付近からの眺め②…サン・フランチェスコ教会
城塞付近からの眺め③…サンタ・キアーラ教会、ドゥオーモと、スポレート方面
アッシジの街は東西に長細くひろがっています。
街の東のはしにあるのがサン・フランチェスコ教会、
その前から西のほうにまっすぐ伸びているメインストリートが
サン・フランチェスコ通りです。
この通りには、おみやげ物屋をはじめとして、
いろいろな店が軒を連ねています。
中でも多いのが、宗教関係の品物を売る店です。
ロザリオやネックレスから聖フランチェスコの置物まで、
さまざまなものが売られています。
また、フランチェスコ関係のものがとても多く、
写真入りの小物入れ、キーホルダーからはじまって、
あげくのはてには聖フランチェスコのマトリョーシカ
(胴体を2つに割ると、中からまた同じ形のものが出てくるアレです)
まで売っています。
彩色テラコッタのお店です。ブラザー・サン、シスター・ムーンですね。
このように、立ち並ぶ店をのぞきながら、
サン・フランチェスコ聖堂からだらだらとした坂道を上りながら15分ほど歩くと、
やがてちょっとした広場に出ます。
これが古くからのアッシジの政治の中心、コムーネ広場です。広場の周りには、プリオリ宮、
ミネルバ神殿跡
(キリスト教会に転用されています)、
人民隊長の館などがあります。
また、広場に面した一軒のおみやげ物屋の犬が、
なかなかいい味を出していました。
(上の写真にも写っている犬です)
ここからは、右手に進むとサンタ・キアーラ教会をへて、
街の西の玄関ヌオーバ門へ、
左手に進むとドゥオーモやマッテオッティ広場へ行くことができます。
私たちは、左手に進み、
ドゥオーモから街の一番の高台にある城塞を目指しました。
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FSのアッシジ駅からバスに乗り、15分ほどで、
バスはアッシジの町の西のはしのふもと、ウニタ・ディタリア広場に到着します。
そこから、サン・ピエトロ門をくぐり、
フラ・エリア通りをまっすぐ上って行くと、
そこがイタリア有数の巡礼地、サン・フランチェスコ教会です。
清貧を重んじたフランチェスコの教えに相反するかのようなこの立派な教会は、
フランチェスコの死後まもなく建設が始められ、
イタリアの教会としては異例の短期間で建立されました。
教会は平たく言えば2階建てで、下部と上部の2つの聖堂から構成されています。
サン・フランチェスコ教会全景下部聖堂は、暗く厳かな雰囲気で満ちており、
ミサもここで行われることが多いようです。
主祭壇の周囲の壁面は、
13世紀のフィレンツェやシエナの有名な画家の作品で
埋め尽くされており、
中でも有名なのが、
チマブーエの「聖母と天使と聖フランチェスコ」や
ピエトロ=ロレンツェッティの「黄金の聖母」です。
「黄金の聖母」は、
夕方になると中庭から差し込む日の光がこの絵にあたって、
絵全体が金色に輝くところからこのような名前がつけられているのですが、
実際この目でその美しさを確かめることができました。
また、地下には聖フランチェスコとその弟子たちの墓所があります。
ここは絶え間なく人がやってきて、熱心に祈りをささげていきます。
キリスト教徒ではない私たちも、フランチェスコの生涯に敬意を表してお祈りをしてきました。
上部聖堂のファサード
上部聖堂は、下部聖堂とは違って、天井の高さと明るさが強調された構造の典型的なゴシック建築です。
シンプルなファサードのデザインも魅力的ですね。
こちらはなんといってもジオットの「聖フランチェスコの生涯」の連作壁画が有名でしょう。
私たちも、アッシジ滞在中に2度見学に行ってきました。
ジオットという人の絵は、決して上手だとは思わないのですが、なにか人をひきつけるところがありますね。
教会前の広場からは、ウンブリア平原を一望することができます。
また、夜になると教会はライトアップされ、昼とはまた違った美しさを見せてくれます。
夕暮れのサン・フランチェスコ教会
夜、ライトアップされたサン・フランチェスコ教会
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アッシジの聖堂壁画よ、よみがえれ (アートセレクション) 価格:¥ 1,995(税込) 発売日:2000-05 地震で一度は一部が失われた 聖フランチェスコ教会の壁画。 この本ではその壁画を美しい 写真とともに紹介しています。 |
トラットリア サントゥッチ (TRATTORIA SANTUCCI)
アッシジでの最初の食事は、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ地区のトラットリアでした。
この店は、教会の脇を通る広い通りを、駅に向かってしばらく歩いた右手にあります。
何の下調べもせず、とりあえず行き当たりばったりで入った店でしたが、
味は合格、そしてなによりワインが安い!ハウスワインがハーフサイズのデキャンタで2.5ユーロ。 オーダーしたのは、前菜にフリット・ミスト、プリモを2品、
ノルチャ風ペンネと、サルシッチャとニョッキのトマトソースあえです。
フリット・ミストの中身は、
オリーブやモッツァレラチーズ、トマトライスなどの4種類。
気になるノルチャ風ペンネの正体は、
豚挽き肉のホワイトソースでペンネをあえたものでした。
腹ごしらえを済ませた私たちは、いよいよアッシジの旧市街へ向かいます。
TRATTORIA SANTUCCIのホームページはこちら
http://www.cameresantucci.com/
(ちなみに、宿泊施設もあるようです)
ペルージャを東へ約20kmほど、
スバシオ山のふもとの丘の南西向きに広がる斜面に、アッシジの町があります。
アッシジは小さな街ですが、聖フランチェスコが生まれ、生涯の大半を過ごした場所として知られ、
多くの巡礼者や観光客が訪れています。
私たちは、スポレートからFSを利用してアッシジに向かいました。
ローマ方面からアッシジに行くには、
通常の場合、途中のフォリーニョで乗換えがあるのですが、
向かいのホームに接続列車が待っているので、スムーズに乗り換えることができます。
アッシジ駅はアッシジの旧市街から5kmほど離れた平地にあり、
駅の裏手一帯は近くにある教会の名をとって、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ地区と呼ばれています。
私たちは、旧市街に向かう前に、まずこのサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会を訪れることにしました。
この教会は、聖フランチェスコが日々を過ごし、
そこで生涯を終えた“ポルツィウンコラ”と呼ばれる小さな礼拝堂を保護するために建てられたもので、
大きな教会の中に入ると、
その中央付近にぽつんと6畳一間くらいのスペースの小さな礼拝堂が「置かれて」います。礼拝堂は簡素そのもので、フランチェスコたちの質素な生活がしのばれます。
今でこそ立派な教会の内部に鎮座していますが、
フランチェスコたちが生活していた頃は、何もない野原だったそうです。
礼拝堂のファサードのフレスコ画も、フランチェスコの死後に描かれたもので、
当時はおそらく粗壁のままだったのでしょう。
当時と比べると、豪華絢爛と言えなくもないこの教会の広い売店で、
私たちはフランチェスコ修道会のシンボルのひとつである
「木製のT字形の十字架」を買い、
遠い昔にここで暮らしたフランチェスコの気持ちに思いをめぐらせたのでした。
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