フラスカーティの街の中心にあるのが、サン・ピエトロ・アポストロ教会です。
ぴったり1700年にファサードが完成したこの教会は、白い壁面に茶色の大理石のオーダーの組み合わせが印象的です。
左右の鐘楼は作られた年代が違うのか、なぜかレンガ造りです。
ファサードを設計したのは、ジローラモ・フォンターナという人だそうです。
正面には教皇クレメンテ11世の名前が大きく書かれていました。
ファサード下部の壁がんの聖人たちは
左からサン・セバスティアーノ、サン・ジャコモ、サン・フィリポ、サン・ロッコです。
教会の前はがらんとした広場になっています。
サン・ピエトロ広場といって、催し物などが開かれることも多いそうです。
内部の装飾はシンプルですっきりとしています。
第二次世界大戦で損傷して、修復されて現在の姿になったとのことです。
主祭壇に飾られているのはサン・ピエトロがイエスから天国への鍵を授けられる場面を題材にしたレリーフです。
礼拝堂も他では見られない装飾がされています。この礼拝堂はステンドグラスとだまし絵が特徴的です。
教会が現在の姿になる前、ここには聖母マリアのための教会がありました。
おそらくその当時の祭壇画をこの礼拝堂においているのでしょう。
絵のまわりの装飾はいかにもバロックです。なんだかこの教会のたどってきた歴史を感じますね。
フラスカーティはカスッテリーニ・ロマーニの中でもっとも大きな町で、白ワインで有名な避暑地です。
私たちはグロッタフェッラータからプルマンに乗ってこの町を訪れました。
プルマンは街の中心マルコーニ広場に到着します。
広場のすぐ目の前にはアルドブランディーニ荘(Villa Aldobrandini)が
広く美しい庭園の向こうにその堂々としたたたずまいを見せています。
残念ながら中を見学することはできませんが、
その外観からは、当時この町がワインなどの交易で大きな富を得ていたことがうかがえます。
広場の北側からは、遠くローマの街を望むことができます。
この眺めに惹かれて、昔から多くの人がここに別荘を持っていたのですね。
この町はなだらかな斜面の上にあるため、街じゅう階段だらけです。
旧市街のいたるところでこのような邸宅を見ることができます。
もちろん今はアパルトメントも多く建てられていますが。
色鮮やかな野菜たちは、イタリアのどこへ行っても見ることができます。もちろんこの町でもこの通り。
プルマンな゛やってくる時刻まで、私たちはグロッタフェッラータの町をぶらぶらすることにしました。
(といっても、時刻表などあてにならないので、いつ来るのかはわかったものではありませんが…)
カスッテリーニ・ロマーニならどこでも見かけるのがポルケッタ(ブタの丸焼き)です。
でも、こういう屋台風のお店は、カステルガンドルフォでは見かけませんでした。
イタリアの広場は、どこの町に行ってものんびりした空気が流れています。
犬を2匹連れたおばあさんを見かけました。2匹とも「Che Carini!」。思わず写真を撮ってしまいました。
グロッタフェッラータでは、バラをよく見かけました。鮮やかなフェラーリレッドですね。
と、思っているところへ赤ではなく黄色の、それも年代もののフェラーリが…。
この町、意外とお金持ちが多いのかも。
修道院の中央にはサンタ・マリア教会(Chiesa di S.Maria)が建てられています。
ファサードは、ローマのトラステヴェレの教会と共通する印象を受けますが、大きなバラ窓が特徴的です。
また、教会手前にある小さな噴水には、天蓋がつけられています。これもちょっとおもしろいですね。
それと、写真を見て気づきましたか?石畳には、ギリシア文字が描かれています。
正面扉の上には、鮮やかな色彩のモザイク画があります。個人的にはケルビムがちょっと気になるところです。
ここでもミサが行なわれていました。あちらこちらにイコンがありますが、内部は意外にもバロック風です。
こんな豪華な礼拝堂もあります。
色大理石の柱、スタッコ装飾と、思い描いていたギリシア正教の教会とはかなりギャップがあります。
床には紋章風のデザインが描かれていました。これ、紋章じゃないですよね。ちょっと奇抜すぎる・・・。
再び外に出ると、側廊の窓にこんなデザインが。いかめしく見えても、この細やかさ。
やっぱり聖母マリアの教会なんですね。
カステルガンドルフォの町からプルマンで20~30分のところに、グロッタフェッラータという町があります。
バスを降りると、特別なんということもない田舎町(ごめんなさい)ですが…。
この角を曲がった先に、大きな修道院があるのです。
この門が修道院の入り口です。門のすぐそばには、城塞のように大きな塔が建っています。
門をくぐって見えた修道院の外観は、やはりいかめしく、
見る人にここがどのような意味をもつ場所だったのかを想像させます。
と思いきや、このような外観になったのは15世紀になってからだそうです。
そのあたりのいきさつはさておき、やっぱりここは修道院。壁面にタベルナコロを見つけました。
ここはイタリアでは珍しいギリシア正教の修道院で、壁画もどこかビザンチン風です。
修道院の母屋のまわりには、新しく建てられた施設が点在しています。
建物のあいだには、いくつかの銅像が建てられています。
その中でもひときわ目を引くのが、サン・ニーロの銅像です。
この修道院の創設者で、南イタリアの出身だそうです。
こんなヴァチカンのおひざ元に、ギリシア正教の修道院をつくるのは勇気がいっただろうと思いましたが、
よく考えたら、当時はまだローマカトリックとギリシア正教は分かれていなかったんですね。
コンスタンティノープルに司教座が置かれるのは、もう少しあとになってからです。
でもこうやって見ると、やっぱりお城です。ここで生活していたのは「闘う修道士」だったのでしょうか。
ようやく湖畔へとやってきました。湖のまわりは、護岸工事などなく自然のままの姿が残されています。
湖のまわりには、日光浴や水遊びを楽しむ人もちらほら。地元の人もいるんでしょうか。
古い桟橋のあとでは、ご覧の通り、泳いでいる女の子たちもいました。水、けっこう冷たかったですよ。
マリーニの町の近くには、ビーチらしきものもあります。
遠くで見るとおだやかな湖面も、近くで見るとそれなりに波が立っています。それに水深もかなりありそう。
火口湖だから深いですよね、たぶん。
水辺では白鳥やおしどりもひと休みしています。
列を作って泳ぐようすをホテルのテラスから見ていたときは、米つぶみたいでしたが、
近くで見ると意外と大きいんです。
近づいてアップで写真を撮ろうとしたら、「グアーッ、グアーッ」とおもいっきり怒られてしまいました。
でもなかなかあいきょうがあってかわいいですね。
カステルガンドルフォの旧市街からアルバーノ湖畔へは、せまい坂道が通じています。
昔は石畳の道だったのでしょうか。
人が2人並んで歩ける程度の道ですが、途中には別荘らしき大きな家が建っていたりします。
時おり木々のあいだからアルバーノ湖が顔をのぞかせます。
やがて道はFSの駅の前に出ます。
それにしてもこの坂道、スーツケースを引いて登ったりしなくて本当によかった…。
線路はカステルガンドルフォの街の下をくぐって、アルバーノ・ラツィアーレまで続いています。
駅の近くから見上げると、私たちの泊まっているホテルがすぐそこに見えます。
左手上のクリーム色の建物がそうです。
駅の近くから湖を見ると、湖面がずいぶん近くなったように感じられます。
でも道のりはまだ半分。これ、行きはいいですけど、帰りは大変ですね。
駅を過ぎると、しばらくは車の通る広い道を歩きます。
そういえば、踏切があるんですが、遮断機がなかったような…。
歩いて湖へ向かう人はといえば、みんな駅構内の線路を渡ってショートカットしていきます。
駅から湖までのゆるやかな斜面は、果樹園があるくらいで、湖畔近くまで家はほとんどありません。
でも、ここまで来ると湖はもうすぐです。
湖畔のレストハウスや桟橋が見えてきました。
でも、船もないのに何で桟橋が?まぁ、とりあえず行ってみましょう。
今度は国道のほうへ向かってみましょう。街の東側は、海に向かってゆるやかな斜面が続いています。
離宮の近くにある小さな門をくぐると…。
遠くのほうに海が見えてきました。
国道沿いまで下ると、湖側とはまったくちがったパノラマが広がっています。
それにしても、空が真っ青です。この色こそイタリアの青(Azzurro)ですね。
これは法王の離宮の裏門(表門?)です。中に入ることはもちろんできません。
離宮の塀にそって国道まで戻ると、旧市街の入り口にこんな泉?を見つけました。ただの水道かもしれませんが。
商店の入り口に車が止まっています。開店の準備でしょうか。車もケースもイタリアの青(Azzurri)ですね。
こちらはペット用品店のショーウィンドーです。こんな田舎でちゃんともうかっているんでしょうか。
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朝のメインストリートです。まだ人通りもなく、静けさがただよっています。
まっすぐな道の先に、ぼんやりと法王の離宮が見えています。
貴族の館だったのでしょうか。この町にはめずらしい切石積みの建物です。
ホテルのそばで噴水を見つけました。大きな町なら見逃してしまいそうなこんな噴水もここでは絵になっています。
全体的に地味な家が多い中、こんな風に飾り付けられた家を見つけました。あまりイタリアっぽくないですよね。
再び広場へ。ベルニーニの噴水です。ベルニーニかぁ…。わからない…。
昨日の夕食を食べたトラットリアの前を通ると、こんなにゼラニウムが咲いていました。
夜にはぜんぜん気がつかなかったのですが、こんなに飾り付けてあったんですね。鉢が少し傾いてますけど。
がけ沿いの道に出てみました。アルバーノ湖を眺めながら歩くと、日本のことなど忘れてしまいそうになります。
こういうところでのんびりと暮らしてみたいなぁ、と思うのは私だけではないはず。
カントゥッチ | |
ヴァッラータ | |
ヴァッラータ |
カステルガンドルフォで最も大きな教会ですが、ファサードは修復中です。
この教会もベルニーニの作品です。
あまり期待せずにとりあえず中をのぞいてみると、朝のミサの真っ最中でした。
内装はご覧の通り、さすがベルニーニです。
クーポラのデザインも洗練されていて、けっこう好きな感じです。
ミサのじゃまにならないようにと、早々に教会の外に出てみると、
こんな衣装を身に着けたかわいい女の子がやってきました。
「写真を撮ってもいい?」と聞くと、はずかしそうにOKしてくれました。
今日は何の日なのかたずねようとしているところへ、今度は男の子がやってきました。
再びチャレンジです。今度もオッケー。衣装がよく似合っています。
そうこうしているうちに、お母さんでしょうか、彼を呼んでいるらしい声が…。
あわてて教会の中に入っていく2人。結局、衣装の理由はわからずじまいでした。
静かなカステルガンドルフォの朝。カーヴォ山のふもとからゆっくりと太陽が昇ってきます。
日の光が少しずつあたりを照らし、湖面が少しずつオレンジ色に染まっていきます。
まるでユリ・シュルヴィッツの絵本のようです。
太陽のまわりにきれいなオレンジ色の輪ができています。鳥たちが空を舞い始めています。
新しい一日の始まりです。今日はどんな一日になるのでしょうか。
太陽の光を受けて、アルバーノ湖の水面が輝いています。さあ、そろそろ朝食に出かけましょう。
よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) | |
ユリー・シュルヴィッツ | |
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