サッソ・ルンゴ(Sasso Lungo)のふもとから、アルペ・ディ・シウジ(Alpe di Siusi)の
北側を囲むように流れるガルデーナ川に沿ってひらけたガルデーナ渓谷(Val Gardena)。
その一番奥、つまり上流にある村がセルヴァ・イン・ガルデーナ(Selva in Gardena)です。
セルヴァからは、セッラ峠から見るのとはまた違った山容のサッソ・ルンゴを間近に仰ぎ見ることができます。
冬には、このあたりは一大スキーリゾートになるそうです。
道の脇で見かけた色とりどりの草花です。思わず心がなごみます。
イタリアに限らず、アルプ地方の人々はみな、短い春から夏にかけての季節に、
家や街並みを草花で美しく飾っています。
こちらは夕暮れ時のセッラ山群(Gruppo di Sella)です。
ドロマイトの岩肌が、オレンジがかったピンク色に染まっています。
そろそろ日が落ちます。明日に備えてホテルへと戻りましょう。
ポルドイ山頂からのパノラマを楽しんだあとは、ポルドイ峠からプルマンで
今夜の宿泊地セルヴァ・イン・ガルデーナ(Selva in Gardena)へと向かいます。
プルマンはこの日の最終便なので、途中下車はできませんが、車窓からの風景が楽しみです。
ルートは最短コースではなく、セッラ山群をぐるっと一周するルートです。
ポルドイ峠を出発してまもなく、道はドロミテ街道を離れ左手に折れます。
ここからは再びゆるやかな上り坂になり、カンポロンゴ峠(Passo di Campolongo)を経由して
コルヴァラ・イン・バディア(Corvara in Badia)へと向かいます。
カンポロンゴ峠が近づくにつれ、今度は正面にサッソンゲール(Sassongher)が姿を現します。
次々と現れる山々の、いかにもドロミーティらしい独特のフォルムに、私たちは目を奪われっぱなしです。
コルヴァラの町で道は再び左に折れ、プルマンはセッラ山群を南に見ながら走ります。
コルヴァラ・イン・バディアからガルデーナ峠(Passo di Gardena)までは
バディア渓谷(Val di Badia)と呼ばれ、南側にはセッラ山群がすぐ間近にせまり、荒々しい岩肌を見せています。
バディア渓谷(Val di Badia)を西に向かって進むと、やがて正面にチル山群(Gruppo di Cir)が見えてきます。
カーブの少なかった道が、再びつづら折りになると、まもなくガルデーナ峠(Passo di Gardena)です。
道の南側には西日を受けたセッラ山群が相変わらずゴツゴツとした姿を見せています。
ここから見えるのは、ちょうどポルドイ山(Sass Pordoi)から見える山々の裏側にあたります。
道は右に左に大きく曲がり、車窓からはチル山群とセッラ山群を交互に見ることになります。
バスは峠でいったん止まり、まるでのこぎりのようなチル山群を間近に眺めながらひと休みです。
冬になると、ここはあたり一面スキー場となり、
コルフィスコ方面までのロングコースをいっきに滑り降りることもできるそうです。
南側にはセッラ山群が連なっています。
ポルドイ方面から見るテーブルマウンテンのような姿とは全く異なり、
独立した峰がそびえたっているように見えます。
本当は、ここから南西の方角に視界が広がり、
その先にはサッソルンゴが何もさえぎるものなく見えていたのですが…残念ながら写真がありません。
どうしてなんだろう?
Sass Pordoiの山頂からは、360度のすばらしい眺望がひらけています。
まずは西のほうから眺めていきましょう。眼下にファッサ渓谷(Val di Fassa)が広がり、
その右手奥にカティナッチョ(Catinaccio)の連なりを望むことができます。
円柱のように突き出して見えるのがカティナッチョ・ダンテルモイア(Catinaccio d`Antermoia)です。
やや北よりには、私の大好きな山、サッソ・ルンゴ(Sasso Lungo:写真中央)と
サッソ・ピアット(Sasso Piatto)がはっきりと見えます。
そして、すぐ目の前にはセッラ山群(Gruppo di Sella)の西のはずれ、
ピッツ・チャヴェーゼ(Piz Ciaveses)がテーブルマウンテンのような姿を見せています。
サッソ・ルンゴとサッソ・ピアットのアップです。この向こうがアルぺ・ディ・シウジ(Alpe di Siusi)です。
このゴツゴツした岩の塊がピッツ・セルヴァ(Piz Selva)です。
3000m級の山頂が手を伸ばせば届きそうなところに見えます。
ピッツ・セルヴァから北東に広がるセッラ山群の姿は、
私たちがまるで別の惑星に来ているかのような錯覚を起こさせます。
さらに北東に目を移すと、セッラ山群の主峰?(「峰」って言う言葉がしっくり来ませんね)、
ピッツ・ボエ(Piz Boe)が見えます。山頂付近には山小屋が見えています。
それにしても、こうやって岩肌を間近で見ると、
ドロミティの山々が大昔は海の底だった、ということがよくわかります。
こちらはほぼ真東の方角です。
中央奥にはラガッツォイ(Lagazuoi)やトファーネ(Tofane)といった山々を見ることができます。
トファーネ山を越えたところには、コルティナ・ダンペッツォの町があります。
そしてこちらが南側。一年中雪におおわれたドロミティの最高峰、
マルモラーダ山(Marmolada)がきれいに見えています。
マルモラーダのアップです。山頂付近は少し雲がかかっています。
右手前に見えるのはグラン・ヴェーネル(Gran Vernel)です。
空を見上げると、たくさんのパラグライダーが空を舞っています。
まるで別世界に来たよう、というのは、こういうことをいうのかな…と感じたポルドイ山頂のひとときでした。
ポルドイ峠からポルドイ山(Sass Pordoi)の山頂へは、ロープウェイ(Funivia)で約5分。
あっという間に登ることができます。
まるで巨大な一枚岩のようなポルドイ山のてっぺんに、小さくロープウェイの駅が見えています。
かなりの急傾斜を、ゴンドラが引っぱり上げられるように登っていくのが見えます。
ゴンドラの中にいると、ちょっと強い風が吹いたら、岩肌に叩きつけられてしまうのではないかと思うほど、
岩山すれすれを登っていくような感覚です。
ゴンドラが頂上に到着するときは、
まるで宇宙船が宇宙ステーションに帰還するときのように吸い込まれていくようです。
ロープウェイの中から見たポルドイ山です。
ゴンドラから出て改札をくぐると、ひんやりした空気に思わず身をすくめてしまいます。
それもそのはず、ここは標高3000m。普段着で来るほうがどうかしていますよね。
改札を出てすぐのところにはバールがありました。どこの国でもみんな考えることは同じなんですね。
冬でもないのに思わずホットワインをオーダーしてしまいます。
さて、体もあったまったところで、360度のすばらしいパノラマを楽しみに行きましょう。
ドロミテ街道は、カナツェイ(Canazei)の町を過ぎると二手に分かれます。
一方はセッラ峠(Passo di Sella)を越えてオルティセイ(Ortisei)へと至る道で、
もう一方はポルドイ峠(Passo Pordoi)、ファルツァレーゴ峠(Passo di Falzarego)を越えて
コルティナ・ダンペッツォへと至る道です。
私たちは、ポルドイ峠(Passo Pordoi)をめざします。
その目的は、ポルドイ山(Sass Pordoi)の山頂へ登ることです。(といってもロープウェイで、ですが…)
ポルドイ峠へは、いわゆるつづら折の道が続きます。
ひとつカーブを曲がるたびに、山容は少しずつ変化していきます。
標高が2000mを越えるあたりから、道の両側の風景は、
針葉樹の森から低木や牧草地へと少しずつ変化を見せはじめます。
ポルドイ山頂から見た峠付近のようすです。
道が曲がりくねって牧草地のあいだを縫うように走っているのがわかります。
コスタルンガ峠を過ぎると、ドロミテ街道はゆるやかに下りはじめ、
ヴィーコ・ディ・ファッサ(Vico di Fassa)の集落を通って、
ポッツァ・ディ・ファッサ(Pozza di Fassa)で南から来た道と合流します。
このあたりからの一帯が、ファッサ渓谷(Val di Fassa)と呼ばれる谷あいの小さな村々です。
ポッツァ・ディ・ファッサ付近からはパッソ・デッレ・11(Passo delle Undici)、
パッソ・デッレ・12(Passo delle Dodici)などの山々と、
そのふもとに広がるアッローチのゲレンデ(Pista di Alloch)を望むことができます。
ポッツァ・ディ・ファッサからペーラ・ディ・ファッサ(Pera di Fassa)にかけては、
カティナッチョの裏山にあたる山々を左手に見ながらの道が続きます。
マッツィン(Mazzin)の集落付近で、道はゆるやかに左へとカーブを切り、
カティナッチョの山々ともこのあたりでお別れです。
かわって姿を見せるのが、セッラ山群(Gruppo di Serra)です。
このゴツゴツした山、実はポルドイ峠(Passo Pordoi)からロープウェイで山頂まで登ることができます。
それでは、山頂からのパノラマを楽しみにしながらポルドイ峠へと向かいましょう。
ポルドイ山から見たファッサ渓谷の全景です。
カレッツァ湖を過ぎると、森がひらけて、カティナッチョ山塊(Catinaccio)が目の前にその姿を現します。
冬はスキー場としてにぎわうその山ろくは、春から秋にかけては牧草地となっています。
ボルツァーノからコルティナ・ダンペッツォへと抜ける通称ドロミテ街道は、
カティナッチョのふもとをまわり込むようにして、少しずつ標高の高いところを走るようになります。
ドロミテ街道がカティナッチョ山塊の南端にもっとも近づくあたりがコスタルンガ峠(Passo Costalunga)です。
峠付近では、写真のようにカティナッチョ主峰へと続くドロミティらしい独特の山容を間近に見ることができます。
このあたりの道からは、カティナッチョだけでなく、
ラテマール(Latemar)や遠くマルモラーダ(Marmolada)の峰々までを望むことができます。
峠付近の道は比較的平坦で、「ここが峠だ」とはっきり感じられる雰囲気ではありません。
この写真の場所が、まさに「Passo Costalunga」です。
峠を過ぎたあたりの眺めです。道はファッサ渓谷(Val di Fassa)へと続いています。
いよいよ西ドロミティの中心に近づいてきました。
いよいよドロミティを訪れるときがやってきました。
私たちのルートは、ボルツァーノからタクシーでカレッツァ湖→コスタルンガ峠→ポルドイ峠と進み、
サッソ・ポルドイを訪れた後にコルヴァラ経由のバスでセルヴァ・ガルデーナへと向かうというものです。
私たちをタクシーで案内してくれるのはワルター(ドイツ風の名前ですね)さん。
金額は100ユーロということになりました。ちょっと高いかな、とも思ったのですが、
スーツケース込みで、途中好きなところで止まってもらうわけですから、こんなものでしょう。
最初の目的地はカレッツァ湖(Lago di Carezza)です。
写真では見たことがありましたが、到着してみると、やっぱり写真では伝えられない美しさです。
湖というより池といったほうがしっくりくる小さな湖ですが、
水の色はエメラルドに近い青で、透明度も高く、まるで宝石のようです。
風のないときには、まわりの森や後方にそびえるラテマール(Latemar)を鏡のように湖面に映しだしています。
水の色は見る角度によって変わり、サファイアのように青く見えるときもあります。
まわりはすべて針葉樹の森で、人工的なものは一切ありません。
予定を変更してでも、いつまでも眺めていたいという思いに駆られますが、今日の旅程はまだ始まったばかり。
目の前の風景をしっかりと目に焼き付けて、湖を後にしたのでした。
ヴェネツィアの空港は、ローマ広場からバスで20分ほど、メストレの東に位置するテッセラ地区にあります。
イタリアの空港の例にもれず、この空港にも人名がつけられています。
その名は「マルコ・ポーロ」。日本人なら誰でも知っている有名人ですね。
以前は拍子抜けするくらい小さな空港で、完全に名前負けしていたのですが、
近年改装されて、ヴェネツィアの玄関口にふさわしい空港になりました。
バールやピッツェリアなども充実しています。もちろん免税店も。
エノテカだってあります。ここのワインは、すばらしくおいしいものばかりです。
チケット(おつまみ)もなかなかいけてます。
搭乗ゲートから飛行機までは、国内線の場合はたいていシャトルバスを利用します。
飛行機のそばでバスを降りて、
風を受けながらタラップを上っていくこのときが、いつもわくわくする瞬間です。
ちなみに、ヴェネツィアに飛行機で行くなら、絶対に夜がオススメです。
着陸直前に見える夜景の美しさは、一生忘れられませんよ。
ヴェネツィア国際空港(Aeroporto di Venezia Marco polo)の
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