トラーパニからセジェスタの遺跡へは、FSを利用する方法と、プルマンを利用する方法があります。
FSは、時間があてにならない上に、
セジェスタの駅から遺跡のある地域までは歩くとかなりの距離があるので、
プルマンを利用するほうが便利でしょう。私たちも、その方法をとることにしました。
トラーパニのバスターミナルは、FSの駅のすぐ南にあるので、場所を探すにはそんなに苦労しません。
小さなさびれた感じのバスターミナルです。
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ところが、どんな路線があるのか、チケットをどこで買うのか、乗り場がどこなのか、
ものすごくわかりにくく、バスターミナルの中を何度も行ったり来たりして、
やっとのことで乗り場をみつけることができました。
チケットは結局バスの中で買ったように思います。
また、セジェスタ行きではなく、カラタフィーミ行きのプルマンなので、これも要注意です。
(バス会社はTARANTOLAです。)
プルマンの時刻表はこちら
http://www.tarantolabus.com/ITAtarantola/itaframe.htm
(orariをクリックしてみてください)
乗ってしまえば、プルマンは遺跡の前まで行ってくれますから、あとは快適です。
交通手段が不便なため、どうしても旅行の計画からはずしがちなセジェスタですが、
ぜひトラーパニから日帰りで訪れてみてください。
ホテル クリスタル (Crystal Hotel)
FSのトラーパニ駅のすぐ脇にある中規模のいわゆるシティホテルです。
雰囲気を味わいたい人は、
旧市街の中にある小さなホテルに泊まったほうがよいと思いますが、
交通の便を最優先にしたい人にはおすすめのホテルです。
ホテルの規模にしてはフロントはアットホームで、
いろいろなリクエストにも親切に答えてくれます。
フロントの女性の一人は、日本語を勉強中だそうで、
「ようこそいらっしゃいました」という言葉を教えてあげました。
部屋はかなり広く、窓も大きいので明るい印象でとても快適です。
コストパフォーマンスを考えると、かなりよいホテルだといってもよいと思います。
朝食は地下の専用ルームでとります。内容は、まあイタリアのホテルの平均的なレベルでしょうか。
まあ、朝食は駅のバールで、という人には関係ないかもしれませんね。
ホテルのホームページはこちら
http://www.fh-hotels.it/hotelcrystal/index.php
Nuova Trattoria Fontana (ヌォーヴァ・トラットリア・フォンターナ)
FSの駅とホテルのすぐそば、旧市街からは少し離れたところにあるトラットリアです。
「nuova」というだけあって、
インテリアなどは現代風で“ちょっとおしゃれな人の集まる店”がコンセプトのようです。
(それほどあか抜けているわけでもありませんでしたが…)
隣には、エノテカも併設されていました。
アンティパストがタコのマリネサラダです。イタリアにはさまざまな種類のタコのサラダがありますが、
これは日本にもありそうな調理法でした。
しかし、味はこの店ならではのアレンジがされていて、満点あげたいくらいです。
プリモがマグロのブジアータ(シチリアではブジアータばかり食べていたような気が…)です。
香辛料の使い方が抜群でした。ただ、いわゆる強烈な郷土色のようなものはあまり感じませんでした。セコンドがマグロのグリルです。
そして、ドルチェもまたまたカッサータです。
どちらも食べかけなので小さな写真で。 もっと異国情緒を感じたい人は、
やはり旧市街の昔ながらの
トラットリアに出かけるほうが
いいかもしれません。
交通の便のいいところにあるので、
FSやプルマンでトラーパニに着いてすぐに食事したい、
という人にはぜひおすすめしたいトラットリアです。
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CANTINA SICILIANA(カンティーナ・シチリアーナ)
トラーパニの旧市街、ジューデッカ館のすぐ向かいにあるトラットリアです。
トラーパニといえばクスクスが名物なのですが、ここは中でも特においしいと評判のお店です。
店の雰囲気は、いかにも地元っ子のトラットリアといった感じですが、
ずいぶん有名になってしまったせいか、観光客らしいお客さんのほうが多く見受けられました。
アンティパストはマグロの燻製とボッタルガのせのブルスケッタ。
少ししょっぱいのですが、ワインとよく合います。
そしていよいよクスクスです。ものすごーく期待をしていたせいか、味は普通かな?という感じでした。
ただトラーパニに来て、この店でクスクスを食べない手はないでしょう。
セコンドはエビのフリット。港町らしく、ぷりぷりしておいしいエビでした。 最後のドルチェなのですが、
カンノーリを頼んだのですが、
今はないといわれて、
かわりにお店のおすすめで
出てきたのが左の写真です
(ドルチェじゃない!)。
おいしかったことは
覚えているのですが、
どんな素材のものなのか、
また名前すらも思い出せません。
どなたかこれについてご存知の方、
いましたらぜひ教えてください。
CANTINA SICILIANAのホームページはこちら
http://www.cantinasiciliana.it/
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塩の博物館は、トラーパニ(正確にはヌビア)の塩田の真っただ中にある、
塩挽き小屋を改装した小さな博物館です。
内部には、塩の製法の歴史や、昔使われていた道具などが展示されており、
塩田で取れた塩の販売もしています。ここで買った塩は、大切に使い続けています。
昔の塩田風景の模型も飾られていました。
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ソサルト シチリア島 天然海塩 |
ソサルト |
トラーパニからマルサーラにかけての一帯には、海沿いに塩田が広がっています。
私たちは、タクシーでトラーパニ近郊の塩田を見てまわることにしました。
まずはトラーパニの駅前に止まっていたタクシーと、値段の交渉からです。
結局、駅から塩田一帯までの往復と、
塩の博物館の見学込みで30ユーロということで折り合いがつきました。
運転手のレオナルドは陽気なおじさんで、私たちが少しイタリア語ができると見ると、
盛んにイタリア語で話しかけてきて、塩田についての説明をしてくれます。
(半分くらいしかわかりませんでしたが…)
私たちが訪れた5月の終わりには、まだ塩田には水がたっぷりと張られていましたが、
これから夏の日差しを利用して、少しずつ水分を蒸発させていくのだそうです。
観光用でしょうか、塩田には風で飛ばないように瓦でふたをした塩の山がいくつか作られています。
また、塩を挽くための風車もところどころに立っています。
もっとも、今ではそれらの風車は実際に使われることはないのかもしれませんが。
トラーパニの港をあとにした私たちは、旧市街のメインストリート“ビットリオ・エマヌエレ大通り”を歩いて
西のはずれにある“リニーの塔(Torre di Ligny)”をめざします。
この通りには、バロック風の建物も見受けられ、かってはにぎわっていた通りのようですが、
今は人通りも少なく、のんびりと街歩きを楽しむことができます。
まっすぐな道を15分ほど進むと、やがて通りのつきあたりに海が見えてきます。
突き当たった先からは、ティレニア海の眺望が広がり、エガーディ諸島を一望することができます。
そこから道を一本右に折れると、海の中に突き出した道が続いています。
その先にあるのが“リニーの塔”です。
ココからは、トラーパニの北側の海岸線と、その向こうにエリチェを望むことができます。
私たちは、しばらくの間ここからの眺めを楽しみながら、心地よい時間を過ごしました。
もうすぐ日が沈みます。トラーパニはシチリアの西のはずれ。
気がついたら、日本からずいぶん遠いところまで来ていました…。
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整然と区画整理された新市街に対して、
旧市街は狭くくねくねとした路地が迷路のように続いています。
その路地に立ち並ぶ建物の中でもひときわ目をひくのが“ジューデッカ館”です。
どこか異国風のこの建物が、トラーパニが交易の要地だったことをしのばせます。
さらに狭い路地をくねくねと進むと、南北に走る(トラーパニにしては)広くにぎやかな通りに出ます。
この通りが“トッレアルサ通り”で、トラーパニの繁華街?です。
この通りを北に進むと魚市場、南に進むと港です。
私たちは、バールに立ち寄ってから港へと向かいました。
バールで注文したのは、もちろん“ジェラート・コン・ブリオッシュ”です。
ジェラートをパンにはさむのがシチリア風なんだそうです。(食べかけの写真でごめんなさい)
港には大小さまざまな船が並び、船旅気分を盛り上げてくれます。
もし次に来る機会があったら、エガーディ諸島にも行ってみたいなぁ…などと思いつつ、
私たちは再び街歩きを続けたのでした。