現在、1階が市庁舎として利用されているこの建物は、ガリバルディ通りに数あるバラッツォの中でも、
ひときわ豪華なもののひとつです。
広い玄関ホールから階段を上って中庭へと至るアプローチは、
ジェノヴァ大学として使われている建物と非常よく似た構造です。
中庭の周囲には、規則正しいアーチとヴォールト天井が印象的な回廊が続いています。
建物中央には、立派な時計台があります。
中庭に向いた時計台が必要になるほど、多くの人が出入りする建物だったということですね、たぶん。
「赤の宮殿」の屋上から見たトゥルシ宮殿の全景です。スケールの大きさが伝わるでしょうか。
また、実はこのトゥルシ宮殿は、隣に立つ「白の宮殿」と空中回廊でつながっていて、
2階の美術館へは、白の宮殿経由で行くことができます。
目玉は、パガニーニが愛用していたというヴァイオリンです。クラシックファンには、たまらないと思いますよ。
ジェノヴァの世界遺産である「Palazzi dei Rolli」の多くが建てられているのが、このガリバルディ通りです。
別名を「Strada Nuova(新しい道)」ということからもわかるように、旧市街の通りの中では新しく、
広くて直線的なのが特徴です。また、通りそのものも世界遺産になっています。
ロッリ(Rolli)というのは、16世紀に来賓用の会合・宿泊施設を一定のレベルに保つためにつくられた制度で、
選ばれた約40の建物(Palazzo)は「ロッリの館」と呼ばれました。
「ロッリの館」が通りの両側にたちならぶさまには、思わず圧倒されます。
この建物はカッタネオ・アドルノ宮殿(Palazzo Cattaneo Adorno)で、
外壁にだまし絵の手法が多用されているのが特徴です。
玄関アーチの上、紋章との間にきりっとした感じの装飾があるのも、個人的に好きですね。
「赤の宮殿」の屋上からから見たガリバルディ通りです。
並んでいる建物が大きいので、道幅の広さは感じませんが、道が一直線に通っているようすがよくわかります。
これだけの大開発ができるなんて、このころのジェノヴァは「世界の銀行」として機能していて、
経済的にはまさに飛ぶ鳥を落とすいきおいだったんですね。
カステロットのテラスでジェノヴァの街を見下ろしていた私たちは、
すぐ下に見覚えのある建物があるのに気がつきました。テレビ番組「世界ふれあい街歩き」に出てきた、
屋上に入り口のあるマンションです。
門の前で建物をながめていると、たまたまここに住んでいる人が犬の散歩から帰ってきました。
私たちが興味しんしんなのを察したのでしょうか、「中を通って下まで行ってみる?」と声をかけてくれます。もちろん答えは「Si,Molto gentie!」です。
屋根裏部屋のテラスでは、ネコがひなたぼっこをしていました。
渡り廊下を通って、いよいよ建物の中へと入ります。
6階建ての建物ですが、エレベーターがないので屋上からの入り口ができたそうです。
確かに6階の人は上から入るほうがラクですよね。
いつごろの建物なのでしょうか。築100年以上であることは間違いなさそうです。
ポルテッロ広場側からのアプローチは、こんな感じです。建物にたどり着くまでもかなりの坂道です。
これなら、カステロット広場までエレベーターで行って屋上から入るほうが簡単そうですね。
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世界ふれあい街歩き |
坂の多いジェノヴァの街には、いたるところにケーブルカーが走っていますが、
Portello広場の片すみにはこんな看板がありました。
「Ascensore」というのは、エレベーターのことです。
そして看板の上には「PANORAMA della CITTA」の文字が。これは行ってみるしかなさそうです。
エレベーターの終着点は、こんな風に地面から突き出ています。
写真左手にある橋を渡ると、そこはジェノヴァっ子が憩うテラスになっていました。
おしゃべりを楽しむ人、ペットを連れて散歩する人、サッカーをして遊ぶ小さな子どもたち。
みんな、それぞれの時間を楽しんでいます。
そして、ここからはジェノヴァの街を一望することができます。
真下には世界遺産のバラッツォが立ち並び、旧市街の向こうにはリグーリアの海が広がっていました。
La Cremeria delle Erbe(クレメリーア・エルベ)
当然ですが、ジェノヴァにもたくさんのジェラテリアがあります。
その中でもここは変わったジェラートを食べることができるお店としてちょっと知られています。
私たちが食べたかったのは、ペペロンチーノ。
唐辛子の入ったチョコといえば、イタリアではシチリアのモディカチョコが有名ですが、
ジェラートになるとどんな味がするのか、ちょっとわくわくだったのですが、
残念ながらこの日はメニューにないとのこと。気を取り直して「ジェノヴェーゼ」をオーダーしました。
味は、あたりまえですがバジル風味です。で、全部食べ終わったあとに写真を撮り忘れたことに気づきました。
まあ、見た目はピスタチオと大差ないんですけど。
Trattoria rosmarino(トラットリア・ローズマリーノ)
(この写真はお店のホームページからお借りしました)
http://www.trattoriarosmarino.it/
フェッラーリ広場からわき道を少し入ったところにあるトラットリアです。
トラットリアと名乗っていますが、トラットリアの気取らない雰囲気は残しつつ、ちょっとおしゃれな店構えです。
メニューは店内の黒板にチョークで書かれているだけです。この中から好きなものを選んでオーダーします。
逆にいうと、その日に黒板に書かれていない料理はオーダーできません。
アンティパストはアスパラガスのスフォルマート。盛り付けも美しいですが、
一口食べたらそのおいしさにまたびっくりです。口に入れた時のふわっと感がたまりません。
プリモはイカ墨のカネロニなんですが、パリパリにあげてあります。
中にはイカのラグーみたいなものが入っています。これも衝撃的においしくてびっくり。
セコンドはマグロのグリルのヴァリエーション。
今までいろんな場所でマグロを食べて、日本よりマグロをおいしく調理する国はないと思っていましたが、
この一皿で考えを改めさせられました。
というわけで、エスプレッソでしめて大満足の食事でした。値段も良心的です。
最後に、大混雑しているお店で、てきぱきかつていねいに対応してくれた
カメリエーレのお2人の写真を撮らせていただいて、気持ちよくお店をあとにすることができました。
もし家の近くにあったら(ないですけど…)毎日でも行きたいお店です。
現在のジェノヴァの街の中心といってもいいのが、ここフェッラーリ広場です。
19世紀に整備されたこの広場は、旧市街と新市街のあいだにあって、
まわりはいかにもジェノヴァらしい堂々とした建物が立ち並んでいます。
この建物はバラッツォ・デッラ・ボルサ・ヴァローリ(Palazzo della Borsa Varori)と呼ばれ、
19世紀の典型的なイタリア風アールヌーヴォー様式だそうです。
長いあいだ証券取引所が置かれていたイタリアの金融の中心ともいえる建物です。
そういわれると、いかにもそんな感じの外観ですよね。
こちらはカルロ・フェリーチェ劇場。
オペラがメインですが、さまざまなコンサートなどにも利用されているホールです。
今の建物は、最初の建物が第二次世界大戦で破壊された後、1991年(!)に再建されたものです。
広場中央の大きな噴水は1936年にできたもの。ミラノ中央駅やローマのEURなどと同時代のものなんですね。
そんなわけで、パンフレットのジェノヴァの写真にもよく使われているこの広場、意外に新しいんですね。
ジェノヴァ旧市街の南東の入り口がここ、ソプラーナ門(Porta Soprana)です。
この門より東はいわゆる「新市街」と呼ばれ、直線的な道路によって区画された整然とした街並みが続いています。
2つの塔は旧市街の外に面した部分は円形になっていて、
旧市街の中から見るのとは、全く違った表情を見せてくれます。
この門は、かってはサンタンドレア門(Porta Sant'andrea)と呼ばれていました。
その由来となったのは、この門のすぐそばにあったサンタンドレア修道院です。
今は回廊の遺構が残っているだけですが、当時は大きな修道院だったようです。
また、コロンブスの生家も門からすぐのところにあります。
高い塔を見るとつい登ってしまうわたしたち。今回もやっぱり?登ってしまいました。
何百段もあるせまい石の階段を上って、ついに塔のてっぺんまでやってきました。
となりの塔のてっぺんにも行くことができるようですが、それはちょっと・・・。
塔の上から見たジェノヴァの街並みです。大聖堂の青いクーボラの手前に大きな時計塔が見えています。
日ざしをさえぎるものがないのが玉にキズですが、まるで貸し切りの展望台にいるようです。
汗をふき、水を飲んで、荷物を整理してしばらく休憩。そろそろおなかもすいてきました。