ようやく湖畔へとやってきました。湖のまわりは、護岸工事などなく自然のままの姿が残されています。
湖のまわりには、日光浴や水遊びを楽しむ人もちらほら。地元の人もいるんでしょうか。
古い桟橋のあとでは、ご覧の通り、泳いでいる女の子たちもいました。水、けっこう冷たかったですよ。
マリーニの町の近くには、ビーチらしきものもあります。
遠くで見るとおだやかな湖面も、近くで見るとそれなりに波が立っています。それに水深もかなりありそう。
火口湖だから深いですよね、たぶん。
水辺では白鳥やおしどりもひと休みしています。
列を作って泳ぐようすをホテルのテラスから見ていたときは、米つぶみたいでしたが、
近くで見ると意外と大きいんです。
近づいてアップで写真を撮ろうとしたら、「グアーッ、グアーッ」とおもいっきり怒られてしまいました。
でもなかなかあいきょうがあってかわいいですね。
カステルガンドルフォの旧市街からアルバーノ湖畔へは、せまい坂道が通じています。
昔は石畳の道だったのでしょうか。
人が2人並んで歩ける程度の道ですが、途中には別荘らしき大きな家が建っていたりします。
時おり木々のあいだからアルバーノ湖が顔をのぞかせます。
やがて道はFSの駅の前に出ます。
それにしてもこの坂道、スーツケースを引いて登ったりしなくて本当によかった…。
線路はカステルガンドルフォの街の下をくぐって、アルバーノ・ラツィアーレまで続いています。
駅の近くから見上げると、私たちの泊まっているホテルがすぐそこに見えます。
左手上のクリーム色の建物がそうです。
駅の近くから湖を見ると、湖面がずいぶん近くなったように感じられます。
でも道のりはまだ半分。これ、行きはいいですけど、帰りは大変ですね。
駅を過ぎると、しばらくは車の通る広い道を歩きます。
そういえば、踏切があるんですが、遮断機がなかったような…。
歩いて湖へ向かう人はといえば、みんな駅構内の線路を渡ってショートカットしていきます。
駅から湖までのゆるやかな斜面は、果樹園があるくらいで、湖畔近くまで家はほとんどありません。
でも、ここまで来ると湖はもうすぐです。
湖畔のレストハウスや桟橋が見えてきました。
でも、船もないのに何で桟橋が?まぁ、とりあえず行ってみましょう。
今度は国道のほうへ向かってみましょう。街の東側は、海に向かってゆるやかな斜面が続いています。
離宮の近くにある小さな門をくぐると…。
遠くのほうに海が見えてきました。
国道沿いまで下ると、湖側とはまったくちがったパノラマが広がっています。
それにしても、空が真っ青です。この色こそイタリアの青(Azzurro)ですね。
これは法王の離宮の裏門(表門?)です。中に入ることはもちろんできません。
離宮の塀にそって国道まで戻ると、旧市街の入り口にこんな泉?を見つけました。ただの水道かもしれませんが。
商店の入り口に車が止まっています。開店の準備でしょうか。車もケースもイタリアの青(Azzurri)ですね。
こちらはペット用品店のショーウィンドーです。こんな田舎でちゃんともうかっているんでしょうか。
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VENDOME BOUTIQUE(ヴァンドーム ブティック) |
朝のメインストリートです。まだ人通りもなく、静けさがただよっています。
まっすぐな道の先に、ぼんやりと法王の離宮が見えています。
貴族の館だったのでしょうか。この町にはめずらしい切石積みの建物です。
ホテルのそばで噴水を見つけました。大きな町なら見逃してしまいそうなこんな噴水もここでは絵になっています。
全体的に地味な家が多い中、こんな風に飾り付けられた家を見つけました。あまりイタリアっぽくないですよね。
再び広場へ。ベルニーニの噴水です。ベルニーニかぁ…。わからない…。
昨日の夕食を食べたトラットリアの前を通ると、こんなにゼラニウムが咲いていました。
夜にはぜんぜん気がつかなかったのですが、こんなに飾り付けてあったんですね。鉢が少し傾いてますけど。
がけ沿いの道に出てみました。アルバーノ湖を眺めながら歩くと、日本のことなど忘れてしまいそうになります。
こういうところでのんびりと暮らしてみたいなぁ、と思うのは私だけではないはず。
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カントゥッチ |
ヴァッラータ | |
ヴァッラータ |
カステルガンドルフォで最も大きな教会ですが、ファサードは修復中です。
この教会もベルニーニの作品です。
あまり期待せずにとりあえず中をのぞいてみると、朝のミサの真っ最中でした。
内装はご覧の通り、さすがベルニーニです。
クーポラのデザインも洗練されていて、けっこう好きな感じです。
ミサのじゃまにならないようにと、早々に教会の外に出てみると、
こんな衣装を身に着けたかわいい女の子がやってきました。
「写真を撮ってもいい?」と聞くと、はずかしそうにOKしてくれました。
今日は何の日なのかたずねようとしているところへ、今度は男の子がやってきました。
再びチャレンジです。今度もオッケー。衣装がよく似合っています。
そうこうしているうちに、お母さんでしょうか、彼を呼んでいるらしい声が…。
あわてて教会の中に入っていく2人。結局、衣装の理由はわからずじまいでした。
静かなカステルガンドルフォの朝。カーヴォ山のふもとからゆっくりと太陽が昇ってきます。
日の光が少しずつあたりを照らし、湖面が少しずつオレンジ色に染まっていきます。
まるでユリ・シュルヴィッツの絵本のようです。
太陽のまわりにきれいなオレンジ色の輪ができています。鳥たちが空を舞い始めています。
新しい一日の始まりです。今日はどんな一日になるのでしょうか。
太陽の光を受けて、アルバーノ湖の水面が輝いています。さあ、そろそろ朝食に出かけましょう。
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よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) |
ユリー・シュルヴィッツ | |
福音館書店 |
Lo Spuntino(ロ・スプンティーノ)
カステルガンドルフォの離宮の近く、湖が見える展望台のすぐそばのトラットリアです。
店内はご覧の通り、田舎のバールを思わせるつくりです。
ショーケースにはサルシッチャなどの肉類が並んでいます。
アンティパストは2品。一つ目は野菜がいっぱいの、その名も「アンティパスティ・ベジターレ」。
イタリアでは特別めずらしいものではありませんが、日本ではなかなか出会えない味です。
2品目は、カスッテリーニ・ロマーニといえばこれ、「ポルケッタ」です。
子豚を丸焼きにしたものをスライスしていただきます。ハーブの使いかたがイタリアならではです。
メニューの写真です。メニューそのものも素朴な感じですね。
ワインはカスッテリーニ・ロマーニのロゼ。
イタリア人はロゼをほとんど飲まないので、わたしたちもロゼを飲むことはめったにないのですが、
テーブルに置いてあったので、めずらしさもあって、ついオーダーしてしまいました。
プリモは黒トリュフのフェットチーネ。
これも特別変わったメニューではありませんが、とてもおいしくいただけました。
セコンドはアッロースト・ミスト。いろいろな肉のグリルです。
肉を売り物にしているお店だけあって、満足の一品です。
最後はやっぱりエスプレッソで。お店の感じがいいと、コーヒーもおいしく感じます。
家族でやっているこのお店のスタッフは、これで全員です。
お父さんそっくりの息子さんはASローマのファンで、好きな選手はトッティだとのこと。
お店にあったテレビでも、ずっとサッカー中継を流し続けていました。
(イタリアでは特にめずらしいことではありませんが…。)
というわけで、息子さんと話がはずんだおかげで、リモンチェッロをおまけしてもらいました。
とてもシンパティコ(感じのいい)お店でした。
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リモンチェッロ・ディ・カプリ 700ml |
リモンチェッロ・ディ・カプリ |
日が西に傾き始めると、通りには少しずつ灯りがともりはじめます。
赤いレンガやピンクのレンガにオレンジの灯り。灯りの色はどれもオレンジで統一されています。
街並みが美しく見えるよう、工夫されているんですね。
離宮に続くメインストリートもご覧の通りです。道の真ん中にはリストランテがテラスを広げているようです。
街の西側、湖と反対の方角に出てみました。
視界をさえぎるものは何もなく、空の下には遠くティレニア海が見えています。
空は夕焼けでうっすらと染まっていますが、薄い雲にさえぎられて、残念ながら夕日を見ることはできませんでした。
離宮の前に戻ると、もうすっかり暗くなった建物のあいだから、
まだピンク色に染まっているロッカ・ディ・パーパの街並みが見えていました。
ふたたび展望台からです。まるで絵に描いたような風景です。アルバーノ湖にもまもなく夜がやってくるのですね。
カステルガンドルフォといえば、ローマ法王の避暑地(夏の離宮)として有名です。
街の中心プレビシート広場に面して立つこの離宮は、高い塀に囲まれているわけでもなく、
意外なほど広場の風景に溶け込んでいます。
とはいうものの、街のスケールにはちょっと不釣合いなこの建物は、法王の威厳を示すには十分です。
向かって左の脇には、ローマへ続く街道へと抜ける細い通路があります。
離宮の中の様子を見ようと、写真左手にある階段を登ってみると、
そこには本当に小さな礼拝堂がつくられていました。
これは「礼拝堂」と呼ばないのかもしれませんね。
離宮とは無関係なのかもと思ってよく見ると、台座の部分にはしっかりと「サン・ピエトロの鍵」の紋章がありました。
先ほどの通路を裏(表?)から見るとこんな感じです。こちらから見ると、それなりに立派な門に見えますね。
団体客がちょうど通路をくぐろうとしています。
離宮の向かって右には、すぐそこにアルバーノ湖のパノラマが開けています。
きっと教皇様の部屋からも、すばらしい景色が見えるのでしょうね。
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ヴァチカン物語 (とんぼの本) |
塩野 七生,藤崎 衛,石鍋 真澄 | |
新潮社 |
Hotel Castelgandolfo(ホテル カステルガンドルフォ)
カステルガンドルフォの町は、かってのアルバーノ火口のへりにへばりつくように細長くひろがっています。
そのほぼ中心にあるのがこのホテルです。
ホテルの脇にあるリストランテのテラスからは、アルバーノ湖が一望できます。
ホテルを建てるのには絶好のロケーションですね。
ここは家族経営の小さなホテルです。
ここを発って日本に帰る前の夜、オーナー兄弟がフィウミチーノまでの帰路について、
まるで友人のようにロビーでエスプレッソを飲みながら相談に乗ってくれたことは忘れられません。
フレンドリーなだけじゃなく、部屋もなかなかです。
バスルームを除くと、★4つにしてはちょっと安っぽいかな、とも思いましたが、
なんといってもバルコニーからの眺めが最高です。
こんなに小さなバルコニーですが・・・
部屋にいながらアルバーノ湖をひとり占めです。
ローマの喧騒にちょっと疲れていたわたしたちは、この景色を眺めながらちょっとうとうと…。
気がつくと、日はすっかり西に傾いていました。
対岸のロッカ・ディ・パーパの町が夕日に照らされてかがやいています。
時刻は7時30分近く。そろそろイタリアの夕食どきです。
ちなみにバスルームはさすがに★4つだけのことはあり、シャワーブース付きのジャグジーです。
朝食はホテル内のバールでいただきます。
いわゆる大型ホテルのブレックファストに慣れてしまった人からは、簡素なものですが、
そんなことは大した問題じゃありません。
俗世間のすべてを忘れさせてくれる眺望と、シンパティコな対応が、このホテルにはありました。
ホテルのホームページはこちら
http://www.hotelcastelgandolfo.com/it/
ローマの南東、チャンピーノ空港のさらに向こうは大昔の火山の名残りの丘陵地帯になっていて、
アルバーノ湖、ネミ湖という2つの美しい火口湖があります。
その周辺に点在する町々は「カスッテリーニ・ロマーニ」と呼ばれ、避暑地として有名です。
カスッテリーニ・ロマーニへはバスを利用するのが一般的(地元の人なら自分の車)ですが、
わたしたちはあえてローカル列車を利用することにしました。行き先はカステルガンドルフォ。
ローマ法王の夏の離宮があることで有名な町です。
ホームにやってきたのは「いかにも」なロカーレ(ローカル列車)です。
でもこの感じがほしかったので、まったく問題ありません。ただ、ホームが改札から遠いのはちょっときついかも。
くたびれた外見からは予想できないくらい、車内はきれいです。
列車はチャンピーノ空港のすぐそばを走っていきます。
列車の窓からアルバーノ湖が見えてくると、カステルガンドルフォの駅はもうすぐです。
駅に到着してみると、アルバーノ湖の眺めがいっぱいに広がっています。
駅には人の気配はありません。無人駅なのかもしれませんね。
町はここから斜面を登った山のてっぺんにあり、
スーツケースをおともにしている人は、タクシーを呼ぶしかありません。
歩いて登れば15分もかからないのですが…。とりあえず、カステルガンドルフォに到着です。