ヴェネツィアとヴェローナの中間、
ややヴェローナよりに
ヴィツェンツァという町があります。
この町は
「イタリアでもっとも暮らしやすい都市」の
第一位に選ばれたこともある町で、
FSの列車を降りて駅前に出ると、
ちょっとした遊園地風の公園があり、
そこを抜けると
いかにも郊外の住宅地といった街並みが続きます。
旧市街には、
ラジョーネ宮、キエリカーティ宮、
ロッジア・デル・カピタニアート、
オリンピコ劇場など、
彼が設計した建築が数多く残り、
また街のメインストリートには
「パッラーディオ大通り」という名がつけられています。
一人の偉大な建築家が作り上げた街、ヴィツェンツァ。
パッラーディオの作品に注目しながら、旧市街を歩いてみましょう。
コペルト橋はバッサーノの街の中心を流れるブレンタ川にかかる橋で、街のシンボルです。
この橋はヴェッキオ橋またはアルピーニ橋とも呼ばれています。
アルピーニとは山岳兵のことで、この町が第一次世界大戦の際の激戦地となったことから、
この名がつけられたそうです。
もともとの橋を設計したのは有名なパッラーディオだそうですが、橋は何度も架け替えられており、
現在の橋は1948年に架けられています。
ただ、パッラーディオの案をできるだけ再現したデザインになっているとのことで、
街の風景によく調和しています。
橋のたもとには、両側ともにグラッパ酒を出すバールがあって、
橋の東側にあるのが有名な「ナルディーニ」の直営店、西側にあるのが、グラッパ博物館のあるお店です。
私たちは、その両方をのぞいてみました。
それにしても、ひとくちにグラッパ酒といっても、たくさんの種類があるのには驚きました。
バッサーノを訪れる機会があったら、この橋のたもとで、ぜひグラッパを飲んでみてください。
ただ、グラッパは、非常に強いお酒なので、飲みすぎないよう、くれぐれも注意しましょう。
ナルディーニのホームページはこちら
http://www.nardini.it/index.html
ナルディーニ アクアヴィーテ・ビアンカ 700ml | |
ナルディーニ | |
ナルディーニ |
グラッパ酒で有名なバッサーノ・デル・グラッパは、パドヴァからプルマンで一時間ほどの所にあります。
バッサーノ・デル・グラッパとは、“グラッパ地方のバッサーノ”という意味です。
小さいけれど、自然に囲まれた美しい街です。
町の西側には、ドロミテ渓谷に源流を発するブレンタ川が流れています。
この川に架かるコペルト橋は、屋根の ついている木製の美しい橋で、この町のシンボル的存在です。
橋をバックに記念撮影をしたいと思っていた私たちは、
いい撮影ポイントを見つけたのですが、
あいにくまわりには人気がなく、
カラビニのパトカーが一台とまっているだけ。
おそるおそる「写真を撮ってほしい」と声をかけると、
快く応じてくれました。(写真はイメージです)
昼食はちょっとふんぱつして、
一流リストランテの「ベルヴェデーレ」で。
とてもおいしかったのですが、フルコースを頼んだので、
ちょっと量が多すぎました。
昼食後はふたたび街並みを散策。町の中心であるリベルタ広場では、なにかイベントでもあるのか、
大きな仮設ステージが組み立てられていました。上の写真は、広場に面した市庁舎です。
そのあとは色鮮やかな陶器などが飾られた店先を眺めながら、
ドゥオーモを経由してマルティーリ通りへ。
家々の窓は、いたるところ花で美しく飾られています。
窓辺の花々がバッサーノの街並みを
いっそう魅力的にしています。
旧市街の一番南にある大きな広場です。
「谷間の草原」という、ちょっと不思議な名前がついていますが、
ここは昔は古代ローマの円形闘技場だったそうです。
広場はきれいな楕円形をしていて、まわりを取り囲むように
約80体のパドヴァにゆかりのある人物の彫像が並んでいます。
中央には大きな噴水があり、涼しげな風が吹いています。
パドヴァの人たちにとっては憩いの場らしく、皆思い思いにくつろいでいます。
旧市街の見どころからは離れているためか、観光客らしい人はあまり見かけません。
広場の南に大きな駐車場があるらしく、
時おりツアーガイドに率いられた団体客がサンタントニオ教会方面へ横切っていきます。
広場の南西には、サンタ・ジュスティーナ教会があるのですが、
やわらかな日差しを浴びながらパニーニとジェラートをほおばり、
すっかり気持ちよくなった私たちは、教会を見ることなくホテルへと戻ったのでした。
プラート・デラ・ヴァッレの夜景(ホームページからお借りしました)
町の一番南のはずれにあります。それほど大きくもない普通の植物園ですが、
ヨーロッパで最も古い植物園とのことで、世界遺産にもなっています。
今では初夏になると、トスカーナあたりの丘陵を埋め尽くすひまわりの花も、
イタリアで初めて植えられたのはこの植物園だそうです。
旧市街に大きな公園のないパドヴァでは、
数少ない緑豊かなほっと一息つける場所です。
ここからは、サンタントニオ教会のクーポラと
尖塔を望むこともできます。
ただし、あくまで植物園なので、
残念ながらベンチに腰かけてジェラートを一口、
というわけにはいきません。
植物園の中には、「ゲーテの棕櫚」と呼ばれる
ナツメヤシの木があります。
ゲーテが見たというくらいですから、
とりあえず樹齢約400年というわけで、
ガラスの覆いがつけられて大切に保護されていました。
ちなみにゲーテの著書「イタリア紀行」の中には、
この木に関しての記述は特にないそうです。
ただ、植物園の感想についてはしっかりと
書かれているようですよ。
植物園からはサンタントニオ教会の鐘楼が見えます。
植物園のホームページはこちら
http://www.ortobotanico.unipd.it/
ホテル ドナテッロ (Hotel Donatello)
バドヴァのホテルは、サンタントニオ教会のすぐ目の前。
私たちは、朝昼晩と教会の鐘を聞き、刻々と変わる教会のファサードを眺めながら過ごすことができました。
4つ星ですが、とても家庭的なホテルでした。家族経営なのかもしれません。
初日の朝食時、「洋ナシはないの?」と軽い気持でたずねたところ、
わざわざ果物屋から買ってきてテーブルに持ってきてくれたことは、今でも忘れられません。
(翌日の朝も、もちろん洋ナシはテーブルに用意してありました)
また、バスルームの電球が切れてしまったときにも、フロントに電話をすると、
「subito!(すぐ行く)」の言葉どおりに、電話に出た本人が電球を取替えにやって来てくれました。
1階にはテラス(といっても道にテーブルを置いているだけですが)のあるリストランテがあって、
サンタントニオ教会のファサードを眺めながら食事をすることができます。
味のほうは、まずまずといった感じでしたが、
アンティパストで注文した「タコのサラダ」は印象に残るおいしさでした。
他の場所でもときどき同じようなメニューをオーダーしてみるのですが、
ここを上回る味には、今のところ出会っていません。
みなさんもパドヴァを訪れたときには、ぜひこのリストランテに行ってみてください。
きっと、印象に残る食事ができると思いますよ。
ホテルドナテッロのホームページはこちら
http://www.hoteldonatello.net/
洗礼堂内部のフレスコ画は一見の価値があります。
壁面といい、天井といい、あたり一面フレスコ画で埋めつくされています。
特に天井部分は、すきまなく絵で埋めつくされています。
この洗礼堂の絵も、
ジョットの描いたスクロヴェーニ礼拝堂の壁画の影響を
強く受けていることがわかります。
ジョットがパドヴァの人たちに与えた印象は、
こんなにも強烈だったんですね。
大きな地図で見る
とにかく大きな、まるで体育館のような建物です。
1階は商店街になっており、様々な業種の店舗が混在しています。
700年前の建物が、今も現役の商店街として利用されているのにはびっくりです。
2階は大広間で、様々なフレスコ画で飾られています。
だいぶ傷みが激しいのが気がかりですが、
星占いの星座などをモチーフにした興味深いものです。
大広間はイベント会場として使われており、
私たちが訪れたときには、
現代美術展のようなものが開催されていて、
そのミスマッチが印象に残っています。
ちなみに、この建物をはさんで北は“果物広場”
(Piazza della frutta)、
南は“野菜広場”(Piazza delle elbe)です。
ちょっと面白いですね。
パドヴァを訪れたときは、何はともあれここだけはぜひ見学しておきたい場所です。
外見は、ごく簡素でさほど大きくもない建物ですが、
その内部は、一面ジョットのフレスコ画で覆いつくされています。
入り口の壁面には「最後の審判」、
側面には「ヨアキムの物語」「聖母マリアの物語」「キリストの生涯」が37枚にわたって描かれています。
また、天井は一面鮮やかな青で彩られていて、これもまた印象的です。
ジョットの連作といえば、アッシジのサンフランチェスコ教会の「聖フランチェスコの生涯」が有名ですが、
ていねいな修復作業がされているため、ここのほうが圧倒的に保存状態がよく、
おそらくジオットが描いた当時そのままに近い色彩のフレスコ画を見ることができます。
保存状態を保つためには、相当な神経が払われているようで、
完全予約制で一度に見学できる人数にも制限があり(20人くらい)、
おまけに見学時間は15分の制限があります。が、それでも一度は行ってみる価値のある場所です。
スクロヴェーニ礼拝堂のホームページ(予約もできます)
http://www.cappelladegliscrovegni.it/storia.htm