ステシコロ広場は、カターニアのメインストリート、エトネア通りのちょうど中ほどにあります。
エトネア通り沿いに広場が多いのは、大地震やエトナ山の噴火といった災害時に、
人々の避難場所を確保するためだそうです。
これはヴァッカリーニの発案によるものだとのこと。
18世紀にすでにそのような発想で都市計画を進めたヴァッカリーニ、やはりただものではないですね。
広場の西側には古代ローマ時代の円形闘技場の跡が地中から顔をのぞかせています。
カターニア・バロックの建物と古代ローマの遺跡の同居。
イタリアではめずらしいことではありませんが、こうしてみるとやっぱりちょっとシュールな感じです。
地中から掘り出された闘技場跡は、全体のほんの一部。
遺跡の大部分はバロックの建物の下に眠ったままです。
掘り出されている部分から推測すると、シチリアで一番大きな円形闘技場だったそうです。
シチリアの古代都市といえば、アグリジェントやシラクーサが有名ですが、
カターニアも古くから栄えていた都市だったんですね。
エトネア通りに面した、大きな教会です。
実は、私たちはこの教会を参事会教会(Basilica della collegata)とかん違いしていたのです。
ファサードが、前もって写真などで見たものとちょっと違う…と思いながらも中に入ってみると、
シンプルなバロック様式の内装です。
参事会教会にあるはずの「聖アガタ祭の山車」はどこにも見あたりません。
それでも別の教会だと気づかなかった私たち。うっかりしてますね。
でも、クーボラのデザインや色合いがとてもきれいでした。
後陣には大きなパイプオルガンが置かれていました。
主祭壇のすぐ後ろにパイプオルガンが置かれているのは、珍しいですよね。
ちなみに、この教会が参事会教会ではないと気がついたのは、日本に帰ってきてからです…。
カターニアのメインストリート、エトネア通りをドゥオーモ広場から北へほんの1~2分歩くと、
広々としたほぼ真四角の広場に出ます。この広場が「大学広場」です。
ここが大学広場と呼ばれているのは、広場の東側にカターニア大学の大きな建物があるからです。
この建物、現在でもカターニア大学の校舎として使われています。
建物の前では、コンサートでも催されるのでしょうか、舞台が設営されていました。
広場の東側はサンジュリアーノ館です。
今ではカターニア大学の事務局などが置かれていますが、かっては貴族の館でした。
この館の主だったサンジュリアーノ家はシチリアの有力貴族で、今でもジャムなどの生産で有名です。
カターニアの街ではめずらしく灰色の溶岩が建物に使われていないこの広場、
突然他の街にワープしたかのようなちょっとした違和感を覚えます。
ちなみにどちらの建物も、ドゥオーモのファサードと同じヴァッカリーニの手によるものだとのこと。
ドゥオーモ広場との雰囲気の違い、彼が意図して醸し出したものなんでしょうか?
ウツェダ門の東、旧市街の城壁に沿って、
カターニアでもっとも見事なバロック装飾が見られるパラッツォがあります。
これがビスカリ館です。
道路沿い、南側のバルコニーに面した建物の壁面は、
黒い溶岩の壁面に、白い柱と窓枠の典型的なカターニア・バロック様式ですが、
その柱と窓枠には、これでもかというくらいの彫刻がほどこされています。
いったい全部で何体の天使や女神?で飾られているのでしょうか。
バルコニーに出て、間近で見てみたい…。
建物の下には、ここが「カルロ2世の城壁」であることを示すレリーフがありました。
建物の周りをぐるっと回って、門までたどり着くと、残念ながら今日は閉館日。
といっても、いわゆる一般公開をしているわけではないので、
中を見学できたかどうかは運次第。でも、出てみたかったな、バルコニー。
イタリアの観光地ではよく見かけるトレニーノ。カターニアの街にもありました。
トレニーノは、ドゥオーモ広場を出発し、旧港をひと回りして、
ベッリーニ劇場の近く → 円形闘技場跡とステシコロ広場 → ベッリーニ公園 → サン・ニコロ教会
と、旧市街を一周して戻ってきます。
途中で止まってくれたりはしないので、ゆっくり観光というわけにはいきませんが、
カターニアの街全体の見どころをつかむにはちょうどいいかもしれません。
トレニーノのホームページはこちら
一方こちらは2階建ての市内観光バス。ルートはトレニーノと同じようなものですが、
少し大回り。FSの駅など新市街まで足を延ばすことができます。
バス停ごとに停車し、乗り降り自由なのがトレニーノとは大きく違う点です。
市内観光バスのホームページはこちら
カターニアの旧市街は、歩いて回っても無理のない広さですが、こんな交通機関を利用してみるのも
また違った楽しさがありますよ。
Caffe del Duomo(カフェ・デル・ドゥオーモ)
ドゥオーモ広場に面したザッパーラ館の1階にあるカフェです。
広場にあるテラス席は、たくさんの人でにぎわっています。
オーダーしたのはアペロール。イタリアではもっともポピュラーなアペリティフのひとつです。
グラスと一緒にたくさんのおつまみがついてきました。
すぐ目の前にはドゥオーモのファサード。
ライトアップされたドゥオーモを眺めながらの一杯はまた格別です。
カターニアのドゥオーモ広場は、夜も多くの人でにぎわっています。
ドゥオーモもライトアップされています。
白黒のモノトーンのファサードが、真っ暗な夜空に意外にも映えて、昼とは違った美しさを見せています。
象の泉もごらんの通り。多くの人が待ち合わせ場所に使っています。
もう夜の8時を過ぎていますが、これから食事に出かける人が多いようです。
そして、別に夜でなくてもよかったのですが、こんなものも見つけてしまいました。
象のレリーフとともに「S.P.Q.R」ならぬ「S.P.Q.C」の文字が。カターニア市の紋章です。
2002-2004と記されているところを見ると、2002年に街が世界遺産に登録されてから、
ドゥオーモ広場を整備した記念なのかもしれませんね。
カターニアの旧市街で、もっとも多く人が集まる場所といえば、ここドゥオーモ広場です。
広場の中央にあるのは「象の泉(Fontana dell`Elefante)」です。
象はカターニアのシンボルとされていて、街の中心であるこの場所にも、
象をモチーフとしたモニュメントを作ったのでしょう。
象の上にはオベリスクが乗せられていて、
どことなくローマのミネルヴァ広場にある象のオベリスクを連想させます。
それにしても「泉」と呼ぶには水の吹き出し口の水量が…。
広場の北側にあるのがエレファンティ宮(Palazzo degli Elefanti)です。
現在は市庁舎として利用されています。
広場の西側のザッパーラ館(Palazzo Zappala)は、カターニアのバロック建築の見本のような建物です。
1階はカフェなどになっていて、多くの人でにぎわっています。
そして、南側にあるのが、キエリーチ宮(Palazzo Chierici)です。
黒い溶岩の壁面に、白い柱と細かい装飾のほどこされた白い窓枠。
これまたいかにもカターニア・バロックな建物ですね。
キエリーチ宮の角を曲がると、旧市街の南の玄関、ウツェダ門があります。
ドゥオーモも含め、見どころいっぱいのこの広場、街中で一番カターニアを感じられる場所です。
カターニアのドゥオーモは、エトナ山のおひざ元にふさわしく、
溶岩の黒と石灰岩の白のコントラストが美しいファサードを持っていました。
いうまでもなく、カターニアの守護聖人、聖アガタにささげられています。
大地震とエトナ山の大噴火のあと、18世紀の半ばに再建された現在のドゥオーモは、
外装も内装もバロック様式で統一されています。
ドゥオーモの床には、かってのドゥオーモの礎石や柱の跡が残っています。
アプシスには、淡い色彩のフレスコ画が描かれていました。どことなくフィリッポ・リッピを連想させる絵です。
ここだけは、バロック空間とは異質のおだやかな空気が流れているような、そんな気がしました。
Osteria Antica Marina(オステリア・アンティカ・マリーナ)
カターニアの魚市場の目の前にあるオステリアです。
場所が場所だけにお店のウリはなんといっても魚料理。
まずはアンティパスト。
アンティパスティ・ミストをオーダーすると、一皿めは冷たいマリネの盛り合わせが出てきました。
真ん中のスプーンに隠れているのはシラスです。
そしてこちらが温かいアンティパスティ。タコがとってもやわらかでした。
プリモは「ウニのリングイネ」。ウニのうまみがギュッと濃縮されています。
セコンドは「海の幸のスープ」。イカとムール貝がたっぷりです。
スープというよりはトマト煮に近いのですが、
付け合わせのパンにスープを吸わせて食べると、これまた絶妙です。
日本でも有名なこのお店、期待を裏切らないおいしさでした。
お店のホームページはこちら