ヴィッラ・チンブローネ、いやラヴェッロを代表する場所が、この「無限のテラス」です。
日本のテレビ番組でもよく紹介されているので、
どこにあるのかは知らなくても「この場所ならみたことある」という人は多いのでは…。
「無限のテラス」は、庭園の一番奥にあります。「ケレスの神殿」と呼ばれるアーチがテラスへの入り口です。
アーチをくぐると、写真のようなテラスが広がっています。
テラスの手すりには、古代ローマ時代の人物をモチーフにした大理石の像がすえられています。
テラスの一番奥からケレスの神殿を見たところです。バックにはアマルフィ海岸の山々が見えています。
テラスからは、こんな眺めが広がっています。「無限のテラス」と名づけられた理由が分かる気がしますね。
下をのぞき込むと、断崖絶壁の下のほうに、アトラーニへと続く道が見えます。
テラスからマイオーリ方面の眺めです。写真ではどうしてもパノラマ感を伝え切れないのが残念です。
実際には「ウワァーッ」って声を上げたくなるような空間の広がりか感じられます。
こちらがアマルフィ方面のパノラマです。
残念ながらアマルフィの町は岩山に隠れてすべてを見ることはできませんが、
遠くブライアーノまでを見晴らすことができます。
「無限のテラス」はその名の通り、ここに来て水平線をずーっと眺めていると、
誰でも少しだけ哲学的な気持ちになりそうな、そんな場所でした。
ラヴェッロで、最も有名な場所がここ、ヴィッラ・チンブローネです。
見どころはその広大な庭園と「無限のテラス」です。
門をくぐってすぐ左手に邸宅や礼拝堂などの建物があり、独特の雰囲気を持つ回廊もあります。
アラブ・ノルマン様式のようにも見えますが、いわゆるシチリアのそれとは全く趣を異にしています。
建物を出て左手には、写真のような緑のトンネルが続いています。
庭園というよりは、森の公園といった感じです。
この遊歩道をもう少し先に行くと、有名な「無限のテラス」があります。
遊歩道を散策していくと、古代ローマの神殿風の建物があります。
これは、荒れ果てていたヴィッラ・チンブローネを買い取り、
現在のような姿に整備したイギリス貴族のグリムトルベ卿のお墓だそうです。
また、大理石の彫刻が奥にすえられた洞窟も見ることができます。
私たちが訪れたころには、シクラメンの原種がいたるところに咲いていました。
ヴィッラ・チンブローネの庭園は、ヴィッラ・ルーフォロのような計算された美しさとはまた別の、
自然をそのまま活かした、どこかホッとするような場所でした。
Villa Cimbrone のホームページはこちら
サン・フランチェスコ修道院を
過ぎると、
道は「サンタ・キアーラ通り」と
名前を変え、細い小道が
ヴィッラ・チンブローネへと
続いています。
振り返ってみると、ドゥオーモの鐘楼が青い空に向かって立っています。
やがて道の左手に、黄色い壁が印象的な建物が現れます。これがサンタ・キアーラ修道院です。
サン・フランチェスコ修道院、サンタ・キアーラ修道院ともに
13世紀末から14世紀にかけて設立されたものだとのことで、
そんなに早い時期に、こんなところにまで聖フランチェスコの教えが広まっていたのだと思うと、
フランチェスコが当時の人々のあいだでいかに大きな存在だったのかがわかります。
やがて、通りの上に、ごらんのようなアーチが現れます。
ここからがヴィッラ・チンブローネの敷地となり、通りの名前も「チンブローネ通り」と変わります。
ヴィッラ・チンブローネまでは、あともう少しです。
サン・フランチェスコ修道院遠景
ドゥオーモ広場からヴィッラ・チンブローネへと続く細道には、途中2つの修道院があり、
修道院を通り過ぎるたびに道の名前が変わります。
まずはサン・フランチェスコ修道院までの道のりを歩いてみましょう。
ドゥオーモ広場からしばらくのあいだは、道幅も広く、色とりどりの陶器を売る店が立ち並んでいます。
店先を眺めながら歩くだけでも、それなりに楽しめます。
こんなふうに、ただの道の脇の壁面までギャラリー代わりになっています。
しばらく歩くと、道の上にアーケードが張りだすようになっているところがあります。
ここがサン・フランチェスコ修道会の入り口です。道に面した小さな扉は礼拝堂の入り口で、
その脇にはごらんのように美しい中庭もあります。
ヴィッラ・チンブローネへ向かう途中、この修道院に立ち寄って心安らぐ時を過ごすのも悪くないと思わせる、
美しい中庭です。
礼拝堂はシンプルなつくり(身廊のみ)で、主祭壇の上の真っ白なヴォールト天井が印象的です。
身廊の天井は、これもきれいなアーチ型で、ファサードの裏側の装飾は、
ヴェネツィアのサンタマリア・デイ・ミラーコリ教会を連想させます。
礼拝堂の中は夏でもひんやりとしていて、
外界とは別の空気と別の時間が流れているような、そんな場所でした。
ついに来ました。ここがヴィッラ・ルーフォロ自慢の庭園です。
花々が美しくレイアウトされているだけでなく、背後に見えるアマルフィ海岸の眺めも息をのむ美しさです。
庭園の縁に立つと、遠くマイオーリの海岸まで見渡すことができます。
庭園に下りてみると、みごとに手入れされた花々がお行儀よく咲きそろっています。
上を見ると、ごらんのように上の庭園に柱列が並んでいる様子がよくわかります。
南のはずれには見事なヤシの木もありました。
庭園のすぐ下にはアヌンツィアータ教会が建っていて、庭園からのパノラマのアクセントになっています。
庭園を離れ、本館近くまで戻ってくると、レモンの木がありました。
計算された美しさとはまた別の、日常風景の美しさに少しホッとします。
このレモンもレモンケーキやリモンチェロになったりするのでしょうか。
ここは本館の南のはずれ、「ホール」と呼ばれるロッジアです。何に使われていた場所なのでしょうか。
奥に見える階段を登っていくと、回廊のある場所に戻り、ヴィッラめぐりはおしまいです。
Villa Rufolo のホームページはこちら
ラヴェッロは、いわば避暑地。数多くの貴族の別荘が残されています。
中でもヴィッラ・ルーフォロはその庭園の美しさで有名です。
入り口は、ドゥオーモ広場に面しています。いかにも古そうな門をくぐると…。
きれいな花が両脇に植えられている並木道が続いています。
建物の中に入ると、まず回廊があります。
この回廊は入場券にも写真が使われている、ヴィッラの見どころの1つです。
また、この写真ではわかりませんが、実は建物の入り口は2階にあたる部分にあって、
この回廊は1階まで吹き抜けになっています。
回廊をひとめぐりした後は、再び屋外へ。
庭園へと向かう階段の脇には、塔が立っています。やはりこの塔も全体がツタでおおわれています。
このあずまやのような建物は「騎士の広間」と呼ばれており、当時は本館と結ばれていたそうです。
「騎士の広間」と本館のあいだにある小庭園の真ん中には、小さな井戸があります。
こんな風にすっかり遺跡風になってしまっているところもあります。
もっとも、ヴィッラが建てられたのは、日本でいえば元寇の頃なので、こうなっていても不思議はないですよね。
ちなみにサボテンの生えているところにトイレがあります。
さあ、柱列の向こうに空が見えてきました。お目当ての庭園はもうすぐです。
大きな地図で見る
![]() |
アマルフィ&カプリ島 とっておきの散歩道 (地球の歩き方GEM STONE) |
地球の歩き方編集室 | |
ダイヤモンド・ビッグ社 |
ラヴェッロのドゥオーモはシンプルなファサードが特徴的です。
もともとはもう少しデザインされたファサードだったのが、
地震で崩れてしまった部分を取りはらって今の形になったそうです。
内部も一見シンプルですが、ところどころに特徴的な装飾がほどこされています。
ひとつ目の説教壇は、あのドラゴンのモザイクです。もちろんこちらのほうがずっと精緻に描かれています。
左側で飲み込まれようとしているのは、どうやら聖人ヨナのようです。
ということは、これはドラゴンじゃなくって、魚?
もう1つはすみずみまでモザイクで装飾された説教壇。
様式から推測すると、こちらのほうが新しくつくられたもののようです。
6本の柱の下敷きになって説教壇を支えているのは、聖マルコの象徴、ライオンです。
もしかしてアマルフィ共和国のヴェネツィアへのあてつけ?なんて疑ってしまいます。
そして、教会のなかでもひときわ目をひくのが、聖パンタレオーネの礼拝堂です。
聖パンタレオーネは、ラヴェッロの守護聖人です。
だからこれだけふんだんに色大理石を使って装飾されているのでしょう。
ドゥオーモの正面は、まわりを松の木に囲まれたドゥオーモ広場です。
広場のはしからは、ドラゴン渓谷をはさんで向かい側にあるスカーラの町々が見渡せます。
大きな地図で見る
![]() |
小さな村の物語 イタリア ファーストシーズン 1 [DVD] |
海を臨む小さな漁村、山肌にはりつくように佇む村、雪に覆われた山間の寒村… 気候や風土に逆らわず、共存しながら暮らす。 先人たちが築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。 ラヴェッロ、チステルニーノ、コッリチェッラを収録しています。 |
|
video maker(VC/DAS)(D) |
ラヴェッロへは、アマルフィのバスターミナルから、スカーラ行きのバスに乗っていきます。
山の上の曲がりくねった道を行くので、いわゆるプルマンのようなバスではなく、ふつうの路線バスです。
大きな地図で見る
アトラーニを越えると、海沿いからから山の上へと向かう道があります。
入り口に「Citta della musica」の文字が添えられたドラゴンのモザイクが目印のこの道が、
ラヴェッロへと続く道です。
ドラゴンがラヴェッロのシンボルマークになっているのは、
おそらくアトラーニから山へと続く渓谷が「ドラゴン渓谷(Valle di Dragone)」と
呼ばれていることに由来するのでしょう。
あるいはラヴェッロとドラゴンの何かの言い伝えが先で、
そこから渓谷の名前がついたのかもしれませんね。
ポントーネ
私たちの乗ったバスは、スカーラ(ポントーネ)経由でラヴェッロへ向かうバスで、
いっそう細く曲がりくねった道を進みます。ラヴェッロまではおよそ30分ほど。
バス停からラヴェッロのチェントロへはトンネルをくぐっていきます。
トンネルにはラヴェッロ音楽祭のポスターがずらりと貼られています。
ワーグナーやガルボなど、よく知った顔がえんえんとトンネル内に続いています。
トンネルを抜けると、日差しがまぶしい小広場に出ます。ドゥオーモ広場の入り口です。
この小広場の左手にはヴィッラ・ルーフォロが、右手にはドゥオーモがあります。
上の写真正面のお店の軒先です。色とりどりの陶器が並べられています。
![]() |
小さな村の物語 イタリア ファーストシーズンBOX [DVD] 価格:¥ 19,950(税込) ラヴェッロ、チステルニーノ、コッリチェッラ などの美しい映像が盛りだくさんのDVDです。 ツアーではけっして見ることのできない イタリアの風景がここにはあります。 |
アトラーニの東のはずれの高台に、ひときわ目立つ大きな建物があります。
これがマグダラのマリア教会(Collegiata di S.Maria Maddalena)です。
後世になって修復されたのでしょうか、この付近ではめずらしい、
曲面を多用した美しいバロック式のファサードです。
鐘楼とのアンバランスさがなんともいえません。
こんな小さな町ですが、参事会教会(Collegiata)なわけですから、
ドゥオーモに匹敵する重要な教会なのでしょうね。
教会前の広場から西側を眺めると、アトラーニの町を一望できます。
隠れたビューポイントですね。
岬の先には、サラセンの塔が見えます。あの向こう側は、もうアマルフィです。
広場の東側は、大きな階段になっていて、こちらは真っ青な海が広がっています。
これがその階段です。階段を降りた先はバス通りです。
バス通りを歩いて後陣の方へまわると、ふつうの家の上に教会が建てられているのがわかります。
このあたりは「シネマ街道」と名づけられていて、
この教会付近も映画のロケ地として使われていたようです。
アトラーニだけでなく、アマルフィ海岸一帯にこのようなプレートが設置されています。
![]() |
イタリア旅行 [DVD] |
イングリット・バーグマン主演 | |
IVC,Ltd.(VC)(D) |
<noscript></noscript>
アトラーニの街は、アマルフィに負けず劣らずの細い小道が続いています。
![]() |
アマルフィィ リモンチェッロ |
アマルフィィ | |
アマルフィィ |
この細い坂道は、崖の下のレモン畑まで
つづいているのでしょうか。
それぞれの通りには、こんな風にマヨルカ焼のタイルで名前が記されています。
高台の上にも、こんな広い?通りがありました。
海の近くにはこんなきれいなピンクの家と、そしてブーゲンビリア。
アマルフィ海岸では、ブーゲンビリアをとてもよく見かけます。
車の通れる道には、移動スーパーがやってきていました。
このあたりの小さな町には生鮮食料品店がないので、
きっと今日は貴重な買い出しの日なのでしょうね。