i ricordi sull`italia

イタリアの旅に関する記録です。

アリアーニ洗礼堂(Battistero degli Ariani)

2009年06月30日 | ラヴェンナ

ラヴェンナのモザイクめぐりの最後は、街のメインストリート、
Diaz通りから少し入ったところにあるアリアーニ洗礼堂です。
サント・スピリト教会に付随して建てられたこの小さな洗礼堂は、
教会がもともとはアリウス派だったことから「アリアーニ」洗礼堂と呼ばれているそうです。

042701 
サント・スピリト教会(手前右に洗礼堂が見えます)

042702_2 洗礼堂は、あたりの土地より一段低いところにあります。
 ローマのパンテオンがそうだったように、
 この洗礼堂が建てられた当時は
 もっと地面が低かったのかもしれません。

 レンガ作りの洗礼堂は、
 まるで古代遺跡のような雰囲気さえ漂わせています。
 (もっとも、1500年以上前の建造物ですから、
 充分に古いのですが…)

 入り口付近には、
 博物館学芸員風の若い女性がぶらぶらしていて、
 笑顔で迎えてくれました。

 天井のモザイクの題材は、ネオニアーノ洗礼堂と同じ
 「キリストの洗礼」ですが、
 こちらのほうがサイズ的にも作風的にも
 グッとかわいらしい感じがします。



042703


042704 洗礼堂を出て、Diaz通りに戻ると、
 1500年前の世界からタイムスリップして
 急に現代に引き戻されたような気分になります。
 ここからFSの駅までは、
 歩いて5分、ほんの目と鼻の先です。

タイルクラフト―楽しく
貼って、おしゃれなモザイク
 
雄鶏社
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ガッラ・プラキディア廟(Mausoleo di Galla Placidia)②

2009年06月27日 | ラヴェンナ

042401
サンタポリナーレ・イン・クラッセのモザイクが野原の緑、
サン・ヴィターレ聖堂のモザイクが天国の金色だとすると、
ガッラ・プラキディア廟のモザイクは星空の深青といえばよいのでしょうか。

042404
また、同じ青を基調とするネオニアーノ洗礼堂のモザイク画とも少し違っています。
ネオニアーノ洗礼堂は、どこか仏教画にも通じる宗教色を強く感じるのに対して、
このモザイクはもっと自然体というか素朴というか、そんな印象を受けます。


042402 
それでも、おごそかな雰囲気がないわけではありません。
四方の小窓にはめ込まれたステンドグラスは、外からの光と中からのライトアップの影響なのでしょうか、
まるで燃え盛るかまどの火のようにも見えます。


042403
それにしても、こんな小さく質素な建物の中が、こんなに美しいモザイクで飾られているとは…。
ラヴェンナ、さすがモザイクの街です。

VELTRA

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ガッラ・プラキディア廟(Mausoleo di Galla Placidia)①

2009年06月24日 | ラヴェンナ

042101 
サン・ヴィターレ聖堂の絢爛豪華なモザイクに圧倒されて表に出ると、そこは芝生の広場になっていて、
芝生の緑が気持ちをホッとさせてくれます。

042102_3 その広場の片隅に、小さなレンガ造りの建物があります。
 これが“ラヴェンナの宝石箱”ガッラ・プラキディア廟です。

 劇的な生涯を送り、西ローマ帝国の女帝となったガッラ・プラキディアは、
 当時西ローマ帝国の首都になっていた
 ここラヴェンナに埋葬してほしいと遺言を残していたそうです。

 質素な建物の中に一歩足を踏み入れると、
 そこは今までラヴェンナで出会ったどのモザイクとも
 まったく異なる色彩の空間が広がっていたのです…。


042103 

モザイクのきらめき―古都ラヴェンナ物語 モザイクのきらめき―古都ラヴェンナ物語
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発売日:2001-12

 

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サン・ヴィターレ聖堂(Basilica di San Vitale)

2009年06月21日 | ラヴェンナ

国立博物館の敷地内にあるサン・ヴィターレ聖堂とガッラ・プラキディア廟は、
間違いなくラヴェンナで最も重要な歴史的建造物でしょう。

041801 
国立博物館の入り口(サン・ヴィターレ聖堂、ガッラ・プラキディア廟にはここから入ります)

041802
サン・ヴィターレ聖堂は、ラヴェンナで最も華やかなモザイクが見られる場所です。
外観は八角形をした質素なレンガづくりですが、
イタリアでよく見られる八角形の洗礼堂よりはるかに複雑な構造になっています。
また、他のラヴェンナの教会同様に、窓が広くとられています。


041803 
中に入ると、思わず息をのむようなモザイクの装飾が現れます。
ローマとも、ヴェネツィア近郊とも、シチリアともおもむきを異にするそれは、まさにラヴェンナを代表する美しさです。


041805
モザイクは、光のあたり方や見る角度によって見え方がまったく変わります。その感じを写真で伝えられないのが残念です。

041804_2 
天井から壁、そして床と、あたり一面を飾るモザイク。
色調も統一感があり、緑色が効果的なアクセントになっています。

041807
本当は、後陣?のサン・ヴィターレの大きなモザイク画の下部左右には、
それぞれユスティニアヌス帝と王妃テオドラのモザイク画があり、衣服の紫色がとても印象的なのですが、
うまく写真を撮ることができませんでした。ここでお見せできないのが、本当に残念です。

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ラヴェンナの街歩き

2009年06月18日 | ラヴェンナ

041502  ラヴェンナの旧市街は、
 想像していたよりおしゃれで
 活気がありました。
 他のエミリア・ロマーニャの
 街並みと比べるとサイズが小さく、
 車の往来の激しい大通りも
 ありませんが、
 人が暮らしやすそうな
 やさしさにあふれています。














041501
FSの駅から大通りをまっすぐ5~6分歩くと、街の中心ポポロ広場に出ます。
時計台が印象的なこの広場が、中世以来の政治の中心です。
この広場から南のほうに向かうMazzini通りには、さまざまな店が立ち並んでいます。

041503
Caduti広場の一角(たぶん)にあったスーペルメルカートの店内。
生ハムやチーズ、さまざまなパスタが所狭しと並んでいました。

041504
国立博物館へ向かう途中で見かけたシトロエン。
イタリアの町で、イタリア製以外の車を見かけるのは珍しいことです。

写真素材のピクスタ

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ダンテの墓

2009年06月15日 | ラヴェンナ

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サン・フランチェスコ教会前の小さな広場の北側は小さな林になっていて、
ガリバルディ広場方面へ抜ける近道になっています。
林の出口には小さなロッジアがあり、その脇にラヴェンナではめずらしい白い色の小さな建物があります。
これがダンテの墓が置かれている建物です。

041202 日本では、ダンテはそれほどなじみのない人物ですが、
 イタリアでは誰もが知っている有名な歴史上の人物です。

 ダンテはフィレンツェの出身ですが、
 中世にはどの都市でもあった教皇派と皇帝派の争いにより、
 フィレンツェに戻ることができなくなってしまいます。
 あちこちの都市を渡り歩きながら最後に身を寄せ、
 「神曲」を書き上げ、そして息を引き取ったのが、
 ラヴェンナなのです。

 郷土意識の強いイタリアでは、
 ダンテの遺骨を納める場所について、
 長い間フィレンツェとラヴェンナの間で争いがあったそうです。
 フィレンツェのサンタ・クローチェ教会で
 “ダンテの墓”を見たことがある人も多いでしょう。

 フィレンツェで見るダンテの肖像画や像は、
 どちらかといえば 強固な意志を持った
 「政治家」ダンテの印象が強いものでしたが、
 この墓所のレリーフは「悩める文学者」風です。

041203 まるで、2つの町の人々がダンテに対して抱いている
 イメージの違いが現れているようです。

 いずれにしても、
 時の権力者や聖人といわれた人を除いて、
 これだけお墓がよく知られ、
 また特別扱いをされているのは、
 イタリアではダンテの他にはいないのではないでしょうか。

       

    神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)
ダンテ
河出書房新社

 



 

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サン・フランチェスコ教会

2009年06月12日 | ラヴェンナ

040901
教会の名前に聖フランチェスコの名前が冠せられていること、
また鐘楼の形(他のラヴェンナの教会のように円柱状をしていない)から、
この教会が比較的新しい(といっても500年以上前に建てられているはず)ことがわかります。

この教会のすぐそばには、ダンテの墓があるのですが、ダンテのお葬式はこの教会で行われたそうで、
中世にはおそらく名のある教会だったのでしょう。

そして、この教会には、もう1つ秘密の見どころがあります。
主祭壇の右手脇に、小さな窓のようなものが開いています。
暗くて中の様子はわからないのですが、すぐそばにある箱にコインを入れると…。

040902_2 明かりがついて照らされた先には、
 なんと、地下に貯水槽のようなものが!

 しかも、その床面は見事なモザイクで装飾されています。
 そして、まるでトレヴィの泉のように
 コインが投げ込まれているのが見えます。

 さらに、よく見るとなんと魚が泳いでいます。
 それも何匹も。これはいったい…。

 おそらく、今の教会が建てられる前、
 ここには古くからの別の教会があったのでしょう。
 そして、今の教会が建てられるときに、
 その一部がクリプタか何かに転用されて残り、
 そこに何かの理由で水がたまって、
 今のような姿になったのでしょう。
 ラヴェンナの歴史の流れを感じさせる場所でした。





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ネオニアーノ洗礼堂(Battistero Neoniano)

2009年06月09日 | ラヴェンナ

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ラヴェンナのドゥオーモの脇に、レンガづくりの簡素な外観の建物があります。
八角形をしたこの目立たない建物が、ネオニアーノ洗礼堂(ネオン洗礼堂)です。

040602_2 この洗礼堂は、ラヴェンナに現存する建物の中で
 最も古い時代に立てられたものの1つで、
 内部は簡素ながらも見事なモザイクで装飾されています。

 内壁は3層に分かれ、
 最下段は深い青色を基調として装飾されていて、
 おごかな雰囲気をかもしだしています。

 2段目は他のラヴェンナの建築物に共通する
 大きな窓とレリーフで飾られ、明るさが強調されています。








040603
また天井には、洗礼を受けるキリストを題材にした見事なモザイクが見られます。
サンタポリナーレ・イン・クラッセ教会のどことなく牧歌的なモザイクとは対照的で、
神秘的な雰囲気が伝わってくるようなモザイクです。

VELTRA

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ラヴェンナのドゥオーモ

2009年06月06日 | ラヴェンナ

040301
ラヴェンナに数ある教会の中で、ドゥオーモは異色の教会です。
もちろん、ラヴェンナに住んでいる人たちにとってはそんなことはないのでしょうが、
観光で訪れる多くの人にとって、ドゥオーモは数少ない「モザイクのない教会」だからです。

040302_2 鐘楼と洗礼堂をのぞいて、
 18世紀に再建されたドゥオーモは、
 ラヴェンナの他の教会には見られない
 立派なファサードとクーポラを持っています。

 内部は、ファサードと同じクリーム色で
 すっきりと装飾され、ヴォールト天井が印象的です。


 しかし、なんと言ってもこの教会のみどころは、
 〔ネオニアーノ洗礼堂〕と呼ばれる併設の洗礼堂です。
 この洗礼堂の紹介は次回で。




040304_2 

ソニーストア

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サンタポリナーレ・ヌオヴォ教会(Basilica di S.Apolinare Nuovo)

2009年06月03日 | ラヴェンナ

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「新しい聖アポリナーレの教会」という名前のこの教会、
実はクラッセのサンタポリナーレ教会より古い時代に建てられた教会です。
途中から聖アポリナーレに捧げられるようになったため、このような名前になったそうです。

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こちらのサンタポリナーレ教会は、旧市街の中心にあるためか、外観は洗練された印象を受けます。
しかし一歩中に足を踏み入れると、一部改装されている部分はあるものの、
歴史を感じさせる柱やモザイクが全体によく残っています。

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上の写真は、「東方三博士の礼拝」です。
よく見ると、その上の窓のある段のモザイクとは、作風が違っているのがわかります。

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モザイクは、時代が新しくなるにつれて写実的でなくなり、より平面的でシンボリックな要素が強くなっていきます。

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中には、下の写真のように、人物以外のモチーフを題材にしたものもあります。
動物はよく見かけますが、町や船などをモチーフにしているケースは、ここ以外ではあまり見かけません。
もともとは海沿いの町だったラヴェンナならでしょうか。

033106

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窓のふちにまで、細かい装飾がほどこされています。



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