国際結婚をした夫婦が離婚した時、その親権や扶養を巡り問題となっている。今回はその現状と問題点について考察したい。
・日本へ「子供連れ去り」多発 米英「ハーグ条約」批准圧力 2009/06/25 14:05
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/270499/
「なぜ息子と一緒に過ごせないのか」。スイス人の空港職員、バー・マハマドゥさん(33)はため息をつく。日本人妻との間に生まれた長男(4)と長く会っていない。
オーストラリアで働いていて知り合った妻と不仲になり、妻は3年前、長男を連れて帰国。それ以来、面会を拒否され続けているという。「日本が加盟国なら、こんな思いをせずに済むのに」
1980年に採択されたハーグ条約は、スイスを含む欧米を中心に81カ国が加盟。16歳未満の子が夫や妻に連れ去られた場合、連れ去り先の国は子の居場所を調べ、もとの在住国に戻す義務を負う。
(一部引用)
ハーグ条約と一口に言っても、条約の中身は沢山ある。現在問題となっているのは、ハーグ条約の中の「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」である。ただ現状では、ハーグ条約と言えば上記の条約を指していると考えて差し支えないだろう。
この問題に関しては、フェミニズムも簡単に意思表明は出来ていないようだ。もし日本がこの条約を批准した場合、国際結婚をして海外在住の日本女性が離婚をすると、子供を手放さないと日本に帰国出来なくなるからだ。冒頭の引用記事にも離婚原因が夫の暴力のせいだとして、日本に子供を連れ帰ることを正当化する主張をしている。
連れ去る側に言い分もある。ある日本女性(51)は、米国人の夫から「日本人はずる賢い」などと繰り返し暴言を受けて胃潰瘍(かいよう)に。別居を申し出ると「君なんか消せる」と脅され、娘2人を連れて逃げた。「日本がハーグ条約に入っていたらと思うと恐ろしい」
問題に詳しい大貫憲介弁護士によると、相談に来る女性の8~9割がこうしたドメスティックバイオレンス(DV)の被害者だ。「着の身着のまま帰国する母親にとって、暴力的な夫に子供を返さなければならないのは耐え難い苦痛」と加盟に異論を唱える。
(一部引用)
だが、暴言を受けたとは言っても、「日本人はずる賢い」と言われるからには相応の理由があるからであって、女だから我侭をしても許されるといった甘い考えでいたのなら、そう言われても自業自得だろう。そもそも離婚に至ってしまうということ自体が、夫婦生活における妻としての役割、協調性といったものが欠けていることの証ではないだろうか。しかしこの記事の印象としては、日本と諸外国の文化の違いを理由に、安易にハーグ条約に加盟すべきではないという論調になっている。
ところが、これが男女逆のケースとなると、日本がハーグ条約に未加盟であることに批判的な論調になる。
・子供連れ去り:チェコ人の夫が長男と帰国、返還要求できず ハーグ条約の壁 2009/11/8
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091108ddm041040104000c.html
岐阜県に住む女性看護師の夫のチェコ人(31)が8月、長男(5)を海外に連れ出したまま所在不明となっていることが7日、分かった。外務省は調査に着手したが、父母の一方による子供連れ去りを防ぐ「ハーグ条約」に日本が未加盟のため、女性は返還を求めるすべがない。日本女性が子連れ帰国し問題化する例は増えているが、日本からの連れ去り表面化はまれ。加盟の是非をめぐる議論に一石を投じそうだ。
(一部引用)
つまり、日本女性の言い分としては、子供は常に自分の手元に置いておきたい、そして別れた夫には会わせない、しかし養育料だけは支払え、ということなのだろう。ハーグ条約も女性が有利になる時だけ効力を発するようにしろというのが本音ではないだろうか。
日本女性が外国男性と結婚するケースが増えれば、日本男性はそれだけ結婚の機会が失われていく。かといって下手に外国女性と結婚すると、金だけ奪われて祖国へ逃げ帰られるという被害にも遭いかねない。結局日本男性は結婚難になる。従って、それを見越したフェミニズムはしきりに外国男性との結婚を女性に勧めている。だがその結果、日本女性の我侭、非常識が外国に知れ渡ることになる。そして親権を巡る争いについても、母親が親権を持ち子供と一緒に暮らすのが一般的という日本の習慣がいかに女性だけに虫のいいものであるかを示すことにもなる。フェミニズムの戦略が仇になっているとも言えるだろう。
しかし、海外に倣え(ならえ)という安易な発想も禁物である。これまでフェミニズム政策は、欧米諸国の事例を持ち出して、日本もこうあるべきだと変革を行ってきた。夫婦別姓なども海外と比較してフェミニズムは正当化に躍起だ。従って我々は、安易に国際結婚をしないこと、そして安易に離婚しないこと、つまり家族の絆を大切にしていくことを主張すべきではないだろうか。