http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070507-00000001-maip-soci
大阪エキスポランドで起きたジェットコースター事故は衝撃的だった。実際に被害に遭った人でなくとも、現場を目撃した人、或いはニュースなどで事故を知って不安な気持ちになった人も多いのではないだろうか。
事故から時が経つにつれて、経営側の保守管理の不備が指摘され始めている。最新の情報によれば、事故を起こした同型の機種は他に4箇所の遊園地等の施設で稼動しているが、それらは何れも定期的な保守点検、部品交換がなされていた。しかし事故を起こしたエキスポランドについては15年間一度も部品交換をしていなかったという。
こうした実態は、国が定める安全基準など法整備の不備も問題であろう。しかし、それよりも現状の格差社会が招いた社会の歪みというものを私は感じずにはいられない。
ジェットコースターのような乗り物は決して生活必需品ではない。生きるのが精一杯と言う人ならそもそも遊園地すら行けない。被害に遭った人は勝ち組とまで言えなくとも、多かれ少なかれ生活に一定の余裕がある人達だ。
一方、経営側エキスポランドはどうだろうか。経営の苦しい会社ほど保守点検も手抜きがちになってしまわないだろうか。敢えてGW後に点検を先延ばしにしていたのは、GWという書入れ時に稼動出来なくなるような不備が見つかるのを恐れて、GW前には点検したくなかったという経営側の心理が垣間見える。
すると、このエキスポランドの経営状態は決して良くなかったのではという推論も出来る。遊びの多様化、テーマパークの増加など、決してレジャー業界は追い風ではない。つまりエキスポランドはどちらかと言えば負け組に近い状況だったのだろう。
負け組のレジャー施設に勝ち組の人間が行って、そして事故に遭う。被害に遭った人達は決して悪いことをしたのではない。だが結果として勝ち組が被害に遭い易く、負け組は遭いにくい、何とも皮肉な話ではないだろうか。