A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

JAZZ非常階段 featuring 山本精一@新宿ピットイン 2013.4.6 (sat)

2013年04月08日 00時19分52秒 | 素晴らしき変態音楽


ピットインでは三回目のJAZZ非常階段。坂田明の雄叫びと豊住芳三郎の地雷に加え、今回はなんと山本精一が加わります。どのような事態になるのか、出演者、企画者ですら想像出来ません。現場でのお楽しみ!乞うご期待!
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ピットインで最初のJAZZ非常階段のライヴが開催されたのが昨年4月9日だから丁度丸1年。恐らくJOJO広重やメンバーと一部スタッフ以外にこんなに続くと予想した人はいなかったに違いない。元々は2011年末の大友良英企画に広重が出演したのがきっかけで実現したプロジェクト。30年前のジャズコンプレックスに決着をつけるため坂田明をダシにしてジャズの聖地ピットインに殴り込んだ復讐劇的意味合いがあったとJAZZ非常階段ライヴCD「Made In Japan」のライナーに野間易通が書いている。広重にそんな気持ちがあったのは確かだろうがライヴ前にdoubtmusicにJAZZ非常階段のアルバム制作の打診をしていたという事実には単なるリベンジではなく新たな挑戦でありそれを見事にモノにする自信があったことを物語っている。

幼少時の夢・憧れであれ今朝ドーナツを頬張りながらの夢想であれ非常階段の活動の多くは広重の思いつきであることはインタビュー/トークで繰り返し語られている。大抵は馬鹿げた夢物語で忘れ去られるのが普通だが広重の場合は「よしやってみよう!」となる。本気になれば周りがついてくるもので広重の思いつきの殆どは実現されてきて現在に至る。非常階段本に描かれたストーリーはカッコ良く言えば夢実現の物語だが現実はカッコいいものではない。その裏に失った夢や希望の屍が累々と続いているに違いない。広重が潔いのは決して弱音を吐かないことである。最近の悟りきって欲のない世代とは異なりオレ等の世代には夢も欲望もある。「いつまでも夢を忘れず虹を追いかけよう!」とビートパンクのように高々と歌い上げる必要はないが道徳の授業で小中学生に非常階段物語を教える教師がいてもおかしくないと思うがどうだろう。ロクな大人にならなくていい。思いつきを実現しようと空回りするバカな奴が増えた方が世の中面白くなるんじゃなかろうか。文部科学省関係の方がいたら是非ともご検討いただきたい。


第一部
1)コサカイフミオ+豊住芳三郎
2)JOJO広重+大友良英+豊住芳三郎
3)T.美川+坂田明+山本精一+大友良英
4)JUNKO+坂田明+山本精一

1)コサカイが山崎春美ばりの痙攣ヴォイスパフォーマンス。ステージに倒れ込み巨体で坂田の楽器スタンドを壊し自らも流血する自爆テロ。マル非で最もパンクでデンジャラスな存在であることを証明した。
2)大友が普段見せない激しいアクションでギターを弾きまくる姿が印象的。
3)爆音ノイズ合戦になるかと思ったら山本と大友がロバート・フリップ風の粘っこいファズギターを奏で荘厳なロック狂騒曲になった。
4)第一部のハイライト。JUNKO+坂田の高周波ノイズに表情豊かなギタープレイで絡む山本のパンク魂が炸裂。次回はコサカイとのパンク対決を望む。トライアングル状の並びも良。


第二部
1)全員JAZZ非常階段
アンコール)JOJO広重+T.美川

1)50分ノンストップハイテンションノイズ集団投射。途中で山本が叫び出し追随して大友もシャウト。自爆済で再発火しないコサカイに代わり客席乱入する広重はやはり掟通り右列危険地帯を恐怖(歓喜)に陥れる。JUNKOはステージ隅からアフレコ出演。坂田&SABUの年配デュオの威勢の良さに呆れる。
2)年配者を労って下っ端ふたりでアンコール。広重はコサカイの機材を破壊。


全体的にメンバーよりもゲスト陣のぶち切れぶりが印象に残った。JAZZ非は無意識の領域に隠れた真の自我を解放する修行道場と言える。個人的にはマル非の裏番長・岡野太の欠席が残念だったがジャズかノイズかはもはや関係なく「ジャズ非」と呼ぶしかないスタイルはほぼ完成型に近づきつつある。広重が「今回で終わりじゃない」と語っていたが今後続けるならばさらにバカげた挑戦が必要であろう。オーケストラ版JAZZ非とかJAZZ非featuring八代亜紀とか人数やゲストの意外性で行くか会場をブルーノート東京やビルボードライブ東京に移すとか考えては如何だろうか?



初音階段も継続するし他にも計画やアイデアがあるらしい。広重のバカげた思いつきと実行力に大いに期待したい。

ジャズノイズ
その神髄は
パンクロック

JAZZ非が嵐を吹き飛ばしてくれたお陰で翌日のカオスフェス2013@日比谷野音は快晴。やっぱりご利益あるねこのふたり
コメント (2)
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