A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Novel meets Rock~小説とロックの密接な関係

2013年04月14日 00時39分13秒 | 音楽ちょっといい話


Comic meets Rock」として漫画家のロック活動を紹介してからみうらじゅんのバンド大島渚のCDが聴きたくなり探していた。10数年前は中古CD店や新古書店にゴロゴロしていた記憶があるが今やレア物らしく意外に見つからない。先日やっとヤフオクで発見。予想していた格安価格ではなかったがそれなりの値段で落札した。業界バンドだからといってバカに出来ない演奏クオリティとロック魂に惚れ直した。みうらが心酔するボブ・ディランをはじめT-レックス、ストーンズ、ブリティッシュ・ビート、パンクロックなどへのオマージュ溢れる作風は「マイブーム」「グレート余生」を標榜するみうらのラヴロック宣言である。今回は漫画家と同様に音楽へのラヴコール盛んな作家によるロック表現を紹介する。

みうらじゅんと付き合いのある小説家/イラストレーター、リリー・フランキーはかなりのロック通として知られる。有名になる前にロック雑誌「クロスビート」でロックアーティストの似顔絵を描いていたこともあるし、リリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドやリリー・フランキー・ジェット・シティと名乗っていたこともある。オフィシャルサイトの名前はロックンロールニュース



芥川賞作家川上未映子はもともと川上三枝子~未映子として歌手活動を行っていた。関西弁のリズムのある文体が特徴で町田康の女性版というイメージだが執筆活動に音楽の影響はないと語る。しっかりとした歌と芯の通った明快な歌詞が印象的なシンガーである。



小説家/エッセイストだけではなくタレントとしても活躍するいとうせいこうは1980年代にヒップホップを日本に紹介したオリジネーターのひとりだった。ラッパーとしての雑食性が文芸活動に反映され極めて90年代的な執筆活動をしている。最近ではももクロの作詞も手掛ける。彼もみうらじゅんと縁がある。現在はヒップホップユニット□□□(クチロロ)のメンバーとして活動。



2004年に不慮の死を遂げた小説家/コピーライターの中島らもはウィリアム・バロウズに傾倒し学生時代にフーテン生活を送り80年代にパンクバンドを結成。コピーライター/小説家として名を知られるようになってもアルコール依存症や躁鬱病に苦しみマリファナ所持で逮捕されたこともある。三上寛と酒を飲んだあと階段から転落し脳挫傷、意識を回復することなく亡くなるというロックンロールな生き様だった。



パンク発生以降他人の作品を分析することが仕事の音楽評論家が自ら歌い自己表現することも多くなった。高円寺のロックバーの店長だった鳥井賀句は東京ロッカーズの時代にパンクバンドPAINを結成しオムニバスLP「東京ニューウェイヴ'79」に参加しプロデューサーとしてINU(町田町蔵)やEasy Walkers、ジョニー・サンダースなどの作品を制作した。現在はPEACOCK BABIESとHALLUCIONZなどを率い歌う音楽ライターとして活動中。



「幻の名盤解放同盟」をはじめジャンルを越境したレアでディープな音楽の発掘・紹介で知られる音楽評論家、湯浅学は雑誌編集者らと結成したバンド湯浅湾で裸のラリーズからコリアン歌謡まで内包するユニークなサウンドを展開する。ギターの牧野琢磨は現代サイケデリックロック界を代表するアーティストとして評価が高い。



中川五郎、辻仁成(エコーズ)、町田康(町蔵/INU)、中原昌也(暴力温泉芸者~ヘア・スタイリスティックス)など音楽と文筆を横断した活動をするアーティストも多い。表現欲求を満足させるためにはジャンルの越境は欠かせないのである。

音楽賞も
文学賞も
狙いまSHOW

バンドブーム時代に文芸ロックと呼ばれ人気を博したのはこのバンド。



コメント
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