オレの庭にはビートロックや渋谷系やアイドルや小室サウンド以外にも様々な女の子が隠れている。よく探せば花園常連の猛者に挟まれて居心地悪そうに縮こまるイチゴのように無垢な乙女を救い出すことも出来る。摘んでみて初めて純情無垢どころか百戦錬磨の曲者であることに気づくことも少なくない。価格250円が相応しいか否かの判断は聴いてみるまで出来ないというちょっとしたギャンブル感覚も悪くない。一か八かの運試しで出会った知られざる秘宝の数々をご紹介。
●THE NEWS
1980年代半ば渋谷屋根裏や都立家政スーパーロフトで何度か対バンしたガールズトリオ。3人とも170cmの長身で女々しさを排したストイックなスタイルと社会派メッセージがちょっと怖かったお姉様方。イカ天に出演してノーブラタンクトップの硬派さで人気を集めイカ天レーベルからデビュー。自らのINGレーベルからCDを継続リリース。内田裕也、シナロケ、みうらじゅんなどと交流が深い。解散はしていないようだが2007年以降の活動は不明。皆さん今はいいお母さんの筈。弾ける骨太ロケンローはいつ聴いてもかっこいい。
●デミセミ・クエーバー
ボンデージスーツに身を包み妖艶に歌い踊るエミ・エレオノーラ(vo)を中心とするアヴァンギャルド・ロック・バンド。1995年にCDデビュー、ハードで実験的なサウンドとエミが発する謎の即興言語「エレオノーラ語」による不思議な歌詞で人気を集めた。ジャンル的にはレコメン系プログレに属するがチェンバーロックの生真面目さより見せ物的ボードビル色強いステージがユニーク。現ROVOの勝井祐二(vln)も参加。エミはソロ歌手、モデル、役者、ファッション・デザイナーとしても活動の場を広げている。デミセミとして昨年2月にライヴをしたことは確認出来たが今後の活動については不明。
●チボ・マット
1990年代アメリカで活躍した日本人女性デュオ。1994年ニューヨークで活動していた前衛音楽家本田ゆかと留学生の羽鳥美保が意気投合し結成。1996年ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクのプロデュースでメジャー・デビュー。カレッジ・ラジオでヒットしオノ・ヨーコ、ショーン・レノン、サーストン・ムーア、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ビースティー・ボーイズ等と交流。2001年解散しそれぞれソロ活動、日米の先鋭的アーティストと共演・プロデュースをしている。2011年10年ぶりにライヴで復活した。海外で活躍する日本人女性デュオでロックに拘らず雑食性に富んだ音楽を展開した点でロンドンのフランク・チキンズと双璧を成す存在といえる。小山田圭吾・野宮真貴・日暮愛葉等渋谷系との関わりも深い。
●スウィンギング・ポプシクル
1995年結成の3ピースロックバンド。メンバーは藤島美音子(vo)、嶋田修(g,key)、平田博信(b)。1997年メジャーデビュー。大きなヒットは無いものの良質なポップサウンドが支持され現在まで7枚のシングル、2枚のミニアルバム、7枚のフルアルバムをリリースし地に足の着いた活動を続ける。ギターロック、フォーク、ネオアコ、フレンチポップ、ボサノヴァなどの影響を受けた素朴ながらオシャレなサウンド。渋谷系の流れを引き継ぎフリッパーズ・ギター・トリビュートにも参加。
●MENSU
女性の月のものを名前にしたこのギャルバンをいつどこで知ったのか記憶にないが背文字を見ただけで懐かしく即購入。帯には「アバンギャルドミュージックの頂点を目指してJUNのボーカルが楽器<ノイズ>となる。」と書いてある。音はディアマンダ・ギャラス、リディア・ランチ、スージー・スーのクリーチャーズ等を彷彿させる絶叫+トライバルロック。ルックスは全員SHOW-YAもしくはヴィジュアル系。北海道出身で元DMBQ現Metalchicks, CATSUOMATICDEATHのドラマー吉村由加やハイテクノロジー・スーサイドの元ドラマーのラビアンヌ・ミサがメンバーだったらしい。いかんせん「メンス バンド」でググると生理用品ばかり出てきて検索しようがない。動画を発見出来たのはラッキー。因みにブッコフではなくディスク・ユニオンの105円セールにて購入。
いろいろな
タイプがいるから
面白い
花祭りから1ヶ月後の花見オーラスの狂い咲きである。