先週木曜日、ネコの糞を踏んで、土曜日の昼食後に、糞を踏んだ靴と糞まみれになった車の運転席のマットを洗った。燦燦と輝く太陽の下に干した。
その日の夜は那覇で忘年会があった。忘年会の前に、宮崎駿監督の映画「ハウルの動く城」を観ようかと思い、新聞で上映時間を調べる。3時55分開始のがあった。映画館は那覇新都心にある、2時43分のバスに乗れば十分間に合う。途中、新都心の草木の写真でも撮りながら、柔らかな陽射しの中、のんびり散歩しながら行ける。
アパートからバス停までは5分ほど、余裕をもって10分前に、よっこらっしょと立ち上がった。座卓の上に重ねられていた数冊の本に気が付いた。図書館から借りた本、返却期限は今日、真面目な私はバスを諦めて、本を持って図書館へ向かった。
実は、図書館のちょっと手前に別のバス停があり、そのバスはモノレール首里駅前で停まる。バスからモノレールに乗り換えても新都心までは30分ほどで着く。映画の前に、草木の写真を撮りながらのんびり散歩する時間は十分ある。
図書館の20mほど手前にあるバス停を過ぎ、さらに10mほど歩いたところで、バスが通り過ぎた。この路線のバスは20~30分置き、次のバスまでは待てない。本を返した後、首里駅まで歩いた。太陽が輝く中、10月並みの気温の中、汗をかいた。
のんびり散歩する時間があるかどうか微妙であった。が、思い切って映画館近くの駅の一つ手前、古島駅で降りる。映画開始までの余裕は30分、普通に歩けば大丈夫。
でも、その時、普通には歩けなかった。新都心には面白そうな建物が一杯あって、あれこれ眺めているうちに映画の時間が迫ってしまった。急ぎ足になり、汗をかき、遅れた。
忘年会で飲んでいる時に雨が降った。マットと靴を干してあったのを思い出した。
そんな、不運な日ではあったが、映画「ハウルの動く城」は楽しかった。宮崎駿監督の思想と感性はちゃんと表現されていたと思う。絵もきれいだし、音楽も良かった。が、「千と千尋」に比べると、そう大きな感動は無かった。で、今回は「ハウルの動く城」の感想では無く、2年前の「千と千尋」の感想、友人たちへ送ったメール文をそのまま。
千と千尋とハリーポッター
私はハリウッド映画が好きではない。ハリウッド映画の全てがそうだとは思わないが、概ねテレビドラマ「水戸黄門」と同程度に底が浅い。視聴率を稼ぐために妥協したり、あるいは姑息な方法に頼り、または大金に頼り、何かあくせくしているようにしか見えない。
「ハリーポッター」は退屈だった。善人がいて悪人がいて、どんでん返しがあって、善人が勝つというパターンは予想通り。スクリーンを見ながら、私は「千と千尋」のことを考えていた。「千と千尋」には生命に対する優しさが溢れていた。敵対する者は抹殺しろといったブッシュ的短絡思考では、「千と千尋」の慈愛にはとうてい及ばない。
記:2004.12.12 千と千尋とハリーポッターは2002.7.27 ガジ丸