ありふれた蝶
子供の頃から今と同じくらい虫に興味を持っていれば、今頃は昆虫博士になっていたかもしれない。しかしながら、生まれてからずっと、去年の秋頃までは虫などにほとんど興味が無かった。で、まあ、そのお陰でというか、今は発見の連続である。
チョウといえば、モンシロチョウ、モンキチョウ、アゲハチョウしか知らなかった。アゲハチョウといえば、翅に白い斑点が帯のように並んでいるチョウしか知らなかった、そのチョウのことをアゲハチョウだと思い込んでおり、シロオビアゲハという名前であることを知ったのはつい最近のこと。それ以外にアゲハチョウがいることも知らずにいた。
このHPを始めるようになってから昆虫にも興味を持ち、それ以外にもナミアゲハ、アオスジアゲハ、ナガサキアゲハなどのアゲハチョウがいることを知る。そんな中でもやはり、本種は子供の頃からよく目にしているチョウ。夏の一時期にはアオスジアゲハを多く見たりもするが、一年を通して言えば、本種が最も多いと思われる。
どこにでもたくさんいて、地味な文様のチョウなので、小学校の頃、虫取りなんかにいっても、採取しようなどという気のおきないチョウであった。
シロオビアゲハ(白帯揚羽):鱗翅目
アゲハチョウ科 前翅長48ミリ内外 方言名:ハベル(チョウの総称)
分布は南西諸島、東南アジアなど。成虫の出現、沖縄諸島では2月から12月。
幼虫の食草はサルカケミカン、シークヮーサーなどの柑橘類、他。
アゲハはアゲハチョウ科のチョウの総称で、本種は「雄は黒地に白い帯という和名どおり」と『沖縄昆虫野外観察図鑑』にもある通りの名前の由来。
雄は黒地に白い帯だが、雌の斑紋は2つの型があるとのこと。雄に似た斑紋のⅠ型とベニモンアゲハに擬態しているⅡ型、それを知ってから観察すると、確かにそのような斑紋の個体がいて、黒地に白い帯の個体とじゃれ合っているのを見たことがある。
アゲハチョウといえばこの種が先ず浮かぶ。というか、チョウといえば(私のような不勉強な人間にとって)この種しか思い浮かばないと言ってもいいくらい沖縄ではどこでもよく見かけるチョウ。幼虫は柑橘類の害虫となっている。
沖縄産雄1
沖縄産雄2
沖縄産雌1
沖縄産雌2
八重山産1
八重山産2
幼虫 何とカワイイ顔をしていることか。
シークヮーサーの葉の表に産みつけていた。
顔 こちらはあまり・・・。
記:ガジ丸 2005.8.14 →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム
訂正加筆 2011.8.2
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行